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第4章
54話 満ちた思い
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「え...?なんで、その名前を...?」
「...その反応ってことは。会ったんだ。」
「うん、会った、会ってる。ここで働いてる。でも、なんで?」
「...長い間黙っててごめんね。あの子は紗由里ちゃんと紗由美ちゃんの弟。」
「...!!」
それからサユリの母、紗由希はありのままのことを語った。
「それでその時椿くんを預かってくれた人の名字が、『茅崎』だったの。」
「...そう...だったの...。」
「...本当に黙っててごめんね。」
「...」
「紗由里ちゃん。」
「なに?ママ。」
「残念だけど...ママとの時間はもうここで終わり。」
「......!!」
「紗由里ちゃん、紗由里ちゃんはこれからも悪い人と戦い続ける?」
「私なんかができるなら...。」
「...そっか。なら、」
紗由希はそういうと立ち上がり、
「ママの体にまだ残ってる悪い龍にも、立ち向かってくれる?」
途端、紗由希の腕や肩から黒い煙が噴き出す。
「ママ!!ママ?!」
「...強く生き続けてね。紗由里ちゃん。」
魔龍は完全に消えきっておらず、
その魔龍は紗由希の体を徐々に飲み込み、暴走を始めた。
「.........」
紗由希の柔らかく、温かい声は完全に聞こえなくなり、その体は黒い煙に包まれ、龍の形を形作っていく。
「...怖かったよ。ママ。肌寒い夕方に紗由美と2人で必死に逃げるのは。」
体を捻りながら更に巨大化していく魔龍。
「...いつ自分があの殺人鬼に殺されるのか。」
体の割に小さい目でサユリを睨む。
「...もうママも助からないんじゃないか。」
雄叫びをあげ、サユリに突進する。
「怖かった。でも。」
「もう、迷わない。」
「イーリアス...ストライト!!!」
サユリが突き出した右手を中心に光の結界が生まれ、そこから大量のクリスタルが放出される。
その一つ一つは魔龍の体に触れる度爆発し、眩い光が包む。
クリスタルは尽きることなく放出され続ける。
そして、魔龍の雄叫びもついには消えていた。
結界が消えクリスタルの放出が止むと、
魔龍と紗由希の姿は跡形もなく消えていた。
「...ママ。私、一つだけ大事なことを言い忘れてたみたい。」
サユリは穴が開き、壊れた天井から夜空を見上げる。
「私、満月、好きになったよ。」
────その夜空には真っ白な満月が輝いていた。
第4章、完結。
「...その反応ってことは。会ったんだ。」
「うん、会った、会ってる。ここで働いてる。でも、なんで?」
「...長い間黙っててごめんね。あの子は紗由里ちゃんと紗由美ちゃんの弟。」
「...!!」
それからサユリの母、紗由希はありのままのことを語った。
「それでその時椿くんを預かってくれた人の名字が、『茅崎』だったの。」
「...そう...だったの...。」
「...本当に黙っててごめんね。」
「...」
「紗由里ちゃん。」
「なに?ママ。」
「残念だけど...ママとの時間はもうここで終わり。」
「......!!」
「紗由里ちゃん、紗由里ちゃんはこれからも悪い人と戦い続ける?」
「私なんかができるなら...。」
「...そっか。なら、」
紗由希はそういうと立ち上がり、
「ママの体にまだ残ってる悪い龍にも、立ち向かってくれる?」
途端、紗由希の腕や肩から黒い煙が噴き出す。
「ママ!!ママ?!」
「...強く生き続けてね。紗由里ちゃん。」
魔龍は完全に消えきっておらず、
その魔龍は紗由希の体を徐々に飲み込み、暴走を始めた。
「.........」
紗由希の柔らかく、温かい声は完全に聞こえなくなり、その体は黒い煙に包まれ、龍の形を形作っていく。
「...怖かったよ。ママ。肌寒い夕方に紗由美と2人で必死に逃げるのは。」
体を捻りながら更に巨大化していく魔龍。
「...いつ自分があの殺人鬼に殺されるのか。」
体の割に小さい目でサユリを睨む。
「...もうママも助からないんじゃないか。」
雄叫びをあげ、サユリに突進する。
「怖かった。でも。」
「もう、迷わない。」
「イーリアス...ストライト!!!」
サユリが突き出した右手を中心に光の結界が生まれ、そこから大量のクリスタルが放出される。
その一つ一つは魔龍の体に触れる度爆発し、眩い光が包む。
クリスタルは尽きることなく放出され続ける。
そして、魔龍の雄叫びもついには消えていた。
結界が消えクリスタルの放出が止むと、
魔龍と紗由希の姿は跡形もなく消えていた。
「...ママ。私、一つだけ大事なことを言い忘れてたみたい。」
サユリは穴が開き、壊れた天井から夜空を見上げる。
「私、満月、好きになったよ。」
────その夜空には真っ白な満月が輝いていた。
第4章、完結。
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