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第5章
64話 強欲
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見渡す限り真っ白な世界。
ここは、どこだ。
声を出しているつもりでもその声は自分の耳に届かない。
椿は無の世界を彷徨っていた。
手を伸ばしても、何も掴めない。
足をばたつかせてもどこへも進まない。
ここは、どこだ。
「はぁ...はぁ。ミカヅキちゃん、大丈夫...?」
「だいじょうぶ...もんだい...ない。」
2人はレイストン邸を抜け、しばらく走り続けていた。
「よかった。とりあえず事態が収まるまでまではここに...」
「メルト様。」
メルトは声の方向を振り向く。
「騎龍兵ライト、どうしたの?こんなとこで。」
「ミカヅキちゃんを預かるように宙くんとガイアくんに頼まれたのです。それと、メルト様にはまだやるべき事があります。今この状況では体が自由に動く存在はとても貴重なので...よろしければ僕の飛龍でミルヘス邸にお戻りを。多くの者が負傷してしまってるので。」
「...君がそういうならそれに従おうか。ミカヅキちゃんを頼んだよ?」
「はい。承知してます。」
メルトはライトの乗る純白の飛龍にまたがり、ミルヘス邸へ向けて飛び立つ。
「...健闘を祈る!!」
「...いっちゃった。」
「...それじゃ、はじめよっか。ミカヅキ。」
「...うん。」
ミカヅキは右手に持っていた大きな本を地面に置く。
「...アクセス。」
小声でそう言うと、
「それじゃ、行ってくる。」
「...いってらっしゃい。」
「ひかり。」
ライトは白い光に包まれ姿を消した。
ここは、どこだ。
そう思っていた椿の目の前に一筋の切れ目が生まれた。
すると、そこから椿にとっても見覚えがある人物が現れた。
「やぁ、椿くん。」
先ほど姿を消した、ライトだ。
「ライトさん?!...ってあれ...喋れた。」
「それはよかった。それで椿くん、今の状況がどうなってるか、わかるかな?」
「...さっぱり。ここは...どこなんですか?」
「簡単に言っちゃえば滅龍のお腹の中かな?」
「え...ってことは俺も、ライトさんも滅龍に...」
「椿くんは、確かにそうだね。僕の場合は今特殊な方法でここにいるんだけどね。」
「そうなんですか...」
「うん、それで大事なお話。椿くん、バッグの中を見てみて。」
椿は滅龍に飲み込まれる前に持っていたバッグのファスナーを開く。
「滅龍の本、入ってるでしょ?」
「そう言えば...入れたまんまだったな...」
「その本の最後のページ、空白のページを指でなぞってもらってもいいかな?」
「こう...ですか?」
すると、なぞった場所から
文字が浮き上がってきた。
「『強欲』...?」
「そう、それで、椿くんに一つ選択肢を与えよう。」
「────君は英雄になりたいとは思うかい?」
ここは、どこだ。
声を出しているつもりでもその声は自分の耳に届かない。
椿は無の世界を彷徨っていた。
手を伸ばしても、何も掴めない。
足をばたつかせてもどこへも進まない。
ここは、どこだ。
「はぁ...はぁ。ミカヅキちゃん、大丈夫...?」
「だいじょうぶ...もんだい...ない。」
2人はレイストン邸を抜け、しばらく走り続けていた。
「よかった。とりあえず事態が収まるまでまではここに...」
「メルト様。」
メルトは声の方向を振り向く。
「騎龍兵ライト、どうしたの?こんなとこで。」
「ミカヅキちゃんを預かるように宙くんとガイアくんに頼まれたのです。それと、メルト様にはまだやるべき事があります。今この状況では体が自由に動く存在はとても貴重なので...よろしければ僕の飛龍でミルヘス邸にお戻りを。多くの者が負傷してしまってるので。」
「...君がそういうならそれに従おうか。ミカヅキちゃんを頼んだよ?」
「はい。承知してます。」
メルトはライトの乗る純白の飛龍にまたがり、ミルヘス邸へ向けて飛び立つ。
「...健闘を祈る!!」
「...いっちゃった。」
「...それじゃ、はじめよっか。ミカヅキ。」
「...うん。」
ミカヅキは右手に持っていた大きな本を地面に置く。
「...アクセス。」
小声でそう言うと、
「それじゃ、行ってくる。」
「...いってらっしゃい。」
「ひかり。」
ライトは白い光に包まれ姿を消した。
ここは、どこだ。
そう思っていた椿の目の前に一筋の切れ目が生まれた。
すると、そこから椿にとっても見覚えがある人物が現れた。
「やぁ、椿くん。」
先ほど姿を消した、ライトだ。
「ライトさん?!...ってあれ...喋れた。」
「それはよかった。それで椿くん、今の状況がどうなってるか、わかるかな?」
「...さっぱり。ここは...どこなんですか?」
「簡単に言っちゃえば滅龍のお腹の中かな?」
「え...ってことは俺も、ライトさんも滅龍に...」
「椿くんは、確かにそうだね。僕の場合は今特殊な方法でここにいるんだけどね。」
「そうなんですか...」
「うん、それで大事なお話。椿くん、バッグの中を見てみて。」
椿は滅龍に飲み込まれる前に持っていたバッグのファスナーを開く。
「滅龍の本、入ってるでしょ?」
「そう言えば...入れたまんまだったな...」
「その本の最後のページ、空白のページを指でなぞってもらってもいいかな?」
「こう...ですか?」
すると、なぞった場所から
文字が浮き上がってきた。
「『強欲』...?」
「そう、それで、椿くんに一つ選択肢を与えよう。」
「────君は英雄になりたいとは思うかい?」
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