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第5章
66話 怒りと不屈の力
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「ありがとな。みんな。」
確かにそれはアグリに吸収された
茅崎 椿の声だった。
「椿!?」
それに真っ先に反応したのは宙。
すると、またも聞き覚えのある声が滅龍の背後から聞こえた。
「そこだぁああ!!」
空高く舞い上がり一気に滅龍に近づき、背中の辺りを切りつける。
その剣は見事に滅龍の背中に巨大な傷を負わせた。
「ライト?!今までどこにいやがったんだぁ?!」
「まぁまぁ、それより...ほら。」
悶える滅龍の傷口を抉るように、
人間の手が現れた。
「な、なにあれ...」
グロテスクな光景に思わず目を瞑る紗由里。
滅龍が体を思い切り振るとその手の主が振り飛ばされ、床に転がる。
「あぁ...いってぇ。」
黒く短い髪に、すらっとした体型、キリッとした目。
それは間違いなく...
「椿!!椿だ!!」
宙は涙ながらに叫び、椿のもとへ近づく。
「待たせたな。宙。紗由里、ガイア...それにゴウガ。」
「俺は別に待ってなどいない。」
腕を組み、そっぽを向くゴウガ。
喜びもつかの間、滅龍が再び動き出した。
「椿...あいつはそう簡単にダメージを与えられない。どうするつもり?」
「まぁ...俺にしかできない方法。とでも言うべきか。下がってろ。」
椿は宙を下がらせ、
滅龍の前に立つ。
「アグリ・ローザン。聞こえてるか。」
その問いに答えるかのように吼える。
「...俺を飲み込んだからってあんたの力はちっとも変わっちゃいねぇ。」
さらに椿は滅龍に近づいていく。
「あんたは自分がもともと持っていた力をまるで新しく得た力だと勘違いしていたんだ。」
右手を前に突き出し、じっと滅龍を見つめる。
「分からせてやるよ...あんたの愚かさをな。」
突き出した右手の拳を強く握りしめ、
叫んだ。
「龍たちよ...俺に...力を!!!」
椿の体が白く光り、アグリの時のように暴風が巻き起こる。
すると、紗由里の肩の力がふっと抜けた。
「...!!一体何が...!?」
肩の力が抜けたのはどうやら紗由里だけではなく、
「力が奪われたような...そんな感じがした。」
ゴウガも同様にその感触を味わっていた。
そして、滅龍もなのだろうか、
今までよりもより一層声を荒らげ吼える。
光がおさまると。
「さて...じゃあ改めて自己紹介させてもらうぜ。」
「俺は強欲龍の遣い。茅崎 椿だ。」
確かにそれはアグリに吸収された
茅崎 椿の声だった。
「椿!?」
それに真っ先に反応したのは宙。
すると、またも聞き覚えのある声が滅龍の背後から聞こえた。
「そこだぁああ!!」
空高く舞い上がり一気に滅龍に近づき、背中の辺りを切りつける。
その剣は見事に滅龍の背中に巨大な傷を負わせた。
「ライト?!今までどこにいやがったんだぁ?!」
「まぁまぁ、それより...ほら。」
悶える滅龍の傷口を抉るように、
人間の手が現れた。
「な、なにあれ...」
グロテスクな光景に思わず目を瞑る紗由里。
滅龍が体を思い切り振るとその手の主が振り飛ばされ、床に転がる。
「あぁ...いってぇ。」
黒く短い髪に、すらっとした体型、キリッとした目。
それは間違いなく...
「椿!!椿だ!!」
宙は涙ながらに叫び、椿のもとへ近づく。
「待たせたな。宙。紗由里、ガイア...それにゴウガ。」
「俺は別に待ってなどいない。」
腕を組み、そっぽを向くゴウガ。
喜びもつかの間、滅龍が再び動き出した。
「椿...あいつはそう簡単にダメージを与えられない。どうするつもり?」
「まぁ...俺にしかできない方法。とでも言うべきか。下がってろ。」
椿は宙を下がらせ、
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「アグリ・ローザン。聞こえてるか。」
その問いに答えるかのように吼える。
「...俺を飲み込んだからってあんたの力はちっとも変わっちゃいねぇ。」
さらに椿は滅龍に近づいていく。
「あんたは自分がもともと持っていた力をまるで新しく得た力だと勘違いしていたんだ。」
右手を前に突き出し、じっと滅龍を見つめる。
「分からせてやるよ...あんたの愚かさをな。」
突き出した右手の拳を強く握りしめ、
叫んだ。
「龍たちよ...俺に...力を!!!」
椿の体が白く光り、アグリの時のように暴風が巻き起こる。
すると、紗由里の肩の力がふっと抜けた。
「...!!一体何が...!?」
肩の力が抜けたのはどうやら紗由里だけではなく、
「力が奪われたような...そんな感じがした。」
ゴウガも同様にその感触を味わっていた。
そして、滅龍もなのだろうか、
今までよりもより一層声を荒らげ吼える。
光がおさまると。
「さて...じゃあ改めて自己紹介させてもらうぜ。」
「俺は強欲龍の遣い。茅崎 椿だ。」
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