DRAGONS

ぜろせろり

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第5章

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「強欲...」

「龍?」

紗由里と宙は首を傾げた。

「説明はあとだ。今は目の前の敵に集中させてくれ。」

椿は滅龍の方を見つめながらそう告げた。

「でも...椿!!」

「紗由里ちゃん。椿ならきっと大丈夫。だって...椿は俺らの...」














「────英雄ヒーローだから。」

椿は地面に手を着いた。
まるでアグリが攻撃をするときのように。

そして、その手には光り輝く8つの指輪が見えた。

「力を貸してくれ。天龍。ザード・リグレス!!」

そう叫んだ椿の横に結界ができ、
その中の光によって何かが形作られていく。

それが人型だということが分かった直後。

「地獄からこんな形で蘇るとは驚きだねぇほんと。」

夏のある日、
ミルヘス邸を襲い氷龍の力を奪い、
レイストン邸までも襲った元天龍の遣い。

それがいま、ここに現れたのだ。

「リグレスの奴...生きてやがったのかぁ?!」

「地獄から蘇るって言ってたから...死んではいたと思うけど...」

自分の目の前で死んだはずの人間がここにいることに衝撃を隠せない2人。

「ザード、いまは俺に従え。分かってるな?」

「もちろん、それは承知さ。」

2人は右手を突き出し叫ぶ。













「「イーリアス・ハデイル」」

再び風が吹き、2人の手を中心に渦を巻いていく。

「...いけっ!!」

突き出した右手を一気に横へ払い叫んだ。

風はドリルのように滅龍の体に突き刺さっていく。

滅龍は抵抗するも、あまりの威力に悶え苦しむ。






だが、それだけで死んでしまうような相手ではない。

不意に衝撃波が来る。










「装龍。ヴィージス・ティンゼル!!」

放たれた衝撃波は防御結界としては最高能力とされる装龍の結界によって弾かれる。

「まだまだ終わりじゃねぇぞ。雷龍。ヴァンナ・マルク!!」

ザードとヴィージスが消え、新たな結界が生まれ、亡き雷龍の遣いが現れた。

「...茅崎 椿殿。」

「ん...」

「きっと私の弟が椿殿に迷惑をかけたに違いありません。この場を借りてなのですが...」

「あぁあぁ、もうそんなはいいですから...。ほら、立った立った。」

「では...全力でやりましょう。」







「「イーリアス・エルキス!!」」

滅龍もやられてばかりではいられないと、
黒い炎を吐き出しながら2人に突進する。

だが、その進行を妨げるように
一筋の雷が落ちる。

すると、

「...か...やさ...き...つば...き。」

滅龍は言葉を発し始めた。

「ゆ...る...さ...ん。」







滅龍の目が真っ赤に染まり、
真っ黒な鱗が取れていった。





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