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うまなちゃんのチョコレート工場
うまなちゃんのチョコレート工場 第十話
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うまなちゃんが教えてくれた甘味料は本当にそれを口に入れて大丈夫なのかと思うようなものだった。うまなちゃんもイザーさんも問題は無いと言っているのだけれど、どう考えても私には問題があるとしか思えなかった。
「そんな物で本当に甘味を作り出せると思ってるんですか?」
「思ってないよ。でもさ、しょうがないじゃないか。この世界には愛華ちゃんのところみたいに気軽に摂取できるような甘いものが無いんだよ。食べ物の中に感じるほのかな甘みだって貴重なんだし、大量に作り出せるものがこれしかないんだから仕方ないでしょ。他に何かいいアイデアがあるって言うんだったら教えてよ。愛華ちゃんだったら何かいいアイデア思い浮かんだりするんでしょ」
そんなことを言われたって私はそういう知識があるわけじゃないからどうする事も出来やしない。知識があったとしてもソレを実行するだけの行動力だって私にはない。私が出来ることなんて何も無いのだ。
「いきなりそんなことを言われたって無理だよ。私のいた世界だってスイカとかも甘いもの同士を掛け合わせて長い時間をかけて美味しくなったって聞いたことがあるし、そんなにすぐに出来たりなんてしないよ」
「そんな簡単な方法で良いのか。それだったら簡単に甘いものを作れるんじゃないかな。私はてっきり甘いものを独占している神を殺して奪い取らないといけないのかと思ってしまったよ。そんな事をしなくても簡単に作れそうだし、愛華ちゃんに聞いてみてよかったと思うよ」
「今からやったとしてもすぐには作り出せないと思うけど、どこが簡単なの?」
私は当然の疑問をうまなちゃんにぶつけた。この世界で植物がどの程度の速度で成長するのかなんて知らないけど、昨日植えたものが今日には収穫できるようになるなんてことは無いだろう。いくらこの世界の水がありえないくらい豊富な栄養素を含んでいたとして、この世界の太陽が植物の育成に効果がありすぎたとしても、肝心の植物がその栄養素を吸収しきれず太陽の力も過剰すぎてマイナス効果を与えている状況なので甘いものを作ること以前に植物をちゃんと育てる事すら不可能な状況なのだ。
「もしかして、魔法で植物をどうにかうまい事成長させることが出来るって事なのかな?」
「そんな便利な魔法があったら最初っから使ってるわよ。大体、口に入れるものを魔法で成長させるなんてどんな副作用があるかわからないじゃない。そんなの誰も食べたがらないわよ」
「あの、魔法で作ったものを食べたくないっていうのと、このチョコレートを平気で食べることが出来るって事の違いがわからないんだけど」
「なんでそんな事を考えるのかわからないわ。愛華ちゃんの世界のチョコに比べたらそんなに甘くないかもしれないけど、これだって十分に甘いと思うんだけどな。甘くておいしいと思うんだけど、やっぱり愛華ちゃんが食べてたのと同じくらい甘いものも食べてみたいんだよね。イザーもそう思うでしょ?」
「別にそんな風には思わないかな。うまなちゃんが作ってくれているチョコレートも十分美味しいと思うからね。それにさ、そんなことしたらここに居るサキュバスちゃんたちが自由になっちゃうんじゃないかな。そうなると、この辺の治安が悪くなっちゃうんじゃないかなって思うんだよね」
「それはあるかもしれないな。さすがに四天王は大丈夫だと思うけど、町にいる人達がサキュバスに骨抜きにされちゃうかもしれないもんね。そうなると、この世界が欲望にまみれた醜い世界になってしまうかもしれないもんね」
うまなちゃんが作っているチョコレートはカカオっぽい豆を使っているので見た目はとても良く似ているし風味も本物に近いと思う。ハイカカオチョコレートを食べ慣れている人にはそこまで感じないと思う程度の苦みもあるのだけれど、それを紛らわすために使われている甘味料はなんと“サキュバスの体液”なのだ。
なんでそんなものが甘味料として使われているのか私には全く理解出来ないのだけど、サキュバスの体液というのは人間を魅了するために甘みも含まれているという事らしい。ただ、そのままサキュバスの体液を使ったのであれば男性はチョコレートに近付いただけで正気を失ってしまうだろう。それもあって、うまなちゃんはこの工場を使ってサキュバスの体液から催淫効果を取り除いているとのことなのである。
そんな事が本当に可能なのかわからないが、このチョコレートは男性が食べても大丈夫なようには作られているそうだ。ただし、一日に摂取していい量が決まっているそうで、その男性の精力によって変動するという話なのだ。あまり聞きたくない話ではあるが、四天王の人達は平均して一日三粒までで、偽福島君は二十粒くらいまでは平気だろうということだ。
私はそれを聞いて、ますます偽福島君との距離を取ろうと心に誓ったのだった。
「女の子はいくら食べても平気だと思うんだけど、食べ過ぎは別の意味で体に悪いと思うから控えめにしてね。ちょっと試食をし過ぎて肌も荒れてきちゃったんだよね。ねえ、私のココって荒れてたりしないかな?」
うまなちゃんが私に向かって自分の唇を指さしているのだけど、唇は荒れているようには見えなかった。うまなちゃんのほっぺもおでこもあれている部分なんて無くもちろん皺だってない。どう見ても綺麗な肌だとは思うんだけど、私には気付かない何かがあるのかな。
「ねえ、もっと近くで見てもらっても良いかな。その方が、いいと思うんだけどな」
うまなちゃんのその言葉を聞いたからなのか、イザーさんと他の四天王さん達も近付いてうまなちゃんの顔をじっと見つめていた。
私もうまなちゃんの事をじっと見てしまっているんだけど、それって何か違う意味があるのかな。そんなはずはないんだけど、じっと見つめているとうまなちゃんの唇が気になってしまって仕方がない。どうしても、目が離せなくなってしまっている。
「そんな物で本当に甘味を作り出せると思ってるんですか?」
「思ってないよ。でもさ、しょうがないじゃないか。この世界には愛華ちゃんのところみたいに気軽に摂取できるような甘いものが無いんだよ。食べ物の中に感じるほのかな甘みだって貴重なんだし、大量に作り出せるものがこれしかないんだから仕方ないでしょ。他に何かいいアイデアがあるって言うんだったら教えてよ。愛華ちゃんだったら何かいいアイデア思い浮かんだりするんでしょ」
そんなことを言われたって私はそういう知識があるわけじゃないからどうする事も出来やしない。知識があったとしてもソレを実行するだけの行動力だって私にはない。私が出来ることなんて何も無いのだ。
「いきなりそんなことを言われたって無理だよ。私のいた世界だってスイカとかも甘いもの同士を掛け合わせて長い時間をかけて美味しくなったって聞いたことがあるし、そんなにすぐに出来たりなんてしないよ」
「そんな簡単な方法で良いのか。それだったら簡単に甘いものを作れるんじゃないかな。私はてっきり甘いものを独占している神を殺して奪い取らないといけないのかと思ってしまったよ。そんな事をしなくても簡単に作れそうだし、愛華ちゃんに聞いてみてよかったと思うよ」
「今からやったとしてもすぐには作り出せないと思うけど、どこが簡単なの?」
私は当然の疑問をうまなちゃんにぶつけた。この世界で植物がどの程度の速度で成長するのかなんて知らないけど、昨日植えたものが今日には収穫できるようになるなんてことは無いだろう。いくらこの世界の水がありえないくらい豊富な栄養素を含んでいたとして、この世界の太陽が植物の育成に効果がありすぎたとしても、肝心の植物がその栄養素を吸収しきれず太陽の力も過剰すぎてマイナス効果を与えている状況なので甘いものを作ること以前に植物をちゃんと育てる事すら不可能な状況なのだ。
「もしかして、魔法で植物をどうにかうまい事成長させることが出来るって事なのかな?」
「そんな便利な魔法があったら最初っから使ってるわよ。大体、口に入れるものを魔法で成長させるなんてどんな副作用があるかわからないじゃない。そんなの誰も食べたがらないわよ」
「あの、魔法で作ったものを食べたくないっていうのと、このチョコレートを平気で食べることが出来るって事の違いがわからないんだけど」
「なんでそんな事を考えるのかわからないわ。愛華ちゃんの世界のチョコに比べたらそんなに甘くないかもしれないけど、これだって十分に甘いと思うんだけどな。甘くておいしいと思うんだけど、やっぱり愛華ちゃんが食べてたのと同じくらい甘いものも食べてみたいんだよね。イザーもそう思うでしょ?」
「別にそんな風には思わないかな。うまなちゃんが作ってくれているチョコレートも十分美味しいと思うからね。それにさ、そんなことしたらここに居るサキュバスちゃんたちが自由になっちゃうんじゃないかな。そうなると、この辺の治安が悪くなっちゃうんじゃないかなって思うんだよね」
「それはあるかもしれないな。さすがに四天王は大丈夫だと思うけど、町にいる人達がサキュバスに骨抜きにされちゃうかもしれないもんね。そうなると、この世界が欲望にまみれた醜い世界になってしまうかもしれないもんね」
うまなちゃんが作っているチョコレートはカカオっぽい豆を使っているので見た目はとても良く似ているし風味も本物に近いと思う。ハイカカオチョコレートを食べ慣れている人にはそこまで感じないと思う程度の苦みもあるのだけれど、それを紛らわすために使われている甘味料はなんと“サキュバスの体液”なのだ。
なんでそんなものが甘味料として使われているのか私には全く理解出来ないのだけど、サキュバスの体液というのは人間を魅了するために甘みも含まれているという事らしい。ただ、そのままサキュバスの体液を使ったのであれば男性はチョコレートに近付いただけで正気を失ってしまうだろう。それもあって、うまなちゃんはこの工場を使ってサキュバスの体液から催淫効果を取り除いているとのことなのである。
そんな事が本当に可能なのかわからないが、このチョコレートは男性が食べても大丈夫なようには作られているそうだ。ただし、一日に摂取していい量が決まっているそうで、その男性の精力によって変動するという話なのだ。あまり聞きたくない話ではあるが、四天王の人達は平均して一日三粒までで、偽福島君は二十粒くらいまでは平気だろうということだ。
私はそれを聞いて、ますます偽福島君との距離を取ろうと心に誓ったのだった。
「女の子はいくら食べても平気だと思うんだけど、食べ過ぎは別の意味で体に悪いと思うから控えめにしてね。ちょっと試食をし過ぎて肌も荒れてきちゃったんだよね。ねえ、私のココって荒れてたりしないかな?」
うまなちゃんが私に向かって自分の唇を指さしているのだけど、唇は荒れているようには見えなかった。うまなちゃんのほっぺもおでこもあれている部分なんて無くもちろん皺だってない。どう見ても綺麗な肌だとは思うんだけど、私には気付かない何かがあるのかな。
「ねえ、もっと近くで見てもらっても良いかな。その方が、いいと思うんだけどな」
うまなちゃんのその言葉を聞いたからなのか、イザーさんと他の四天王さん達も近付いてうまなちゃんの顔をじっと見つめていた。
私もうまなちゃんの事をじっと見てしまっているんだけど、それって何か違う意味があるのかな。そんなはずはないんだけど、じっと見つめているとうまなちゃんの唇が気になってしまって仕方がない。どうしても、目が離せなくなってしまっている。
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