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第七話
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河野は山口の味方だってはっきりしたわけなんだけど、この状況なら宮崎は山口の味方になってくれるよな。宮崎が今まで何度も弱者を助けているのを見てきたし、山口が困った時には助けてくれるよな。でも、山口ってあんまり弱った姿を見せないからそういう意味では助けてくれないかもしれないな。
「なあ、信寛って山口と宮崎の両方から告白されたらどっちと付き合うの?」
「え、なんでそんなこと言うの?」
「いや、最近の信寛ってずっと宮崎の事見てるような気がするからさ。朋英と同じくらい宮崎の事見てるぜ」
「マジかよ。泉ちゃんの事を好きな男子は多いって思ってたけど、信寛が好きになっちゃ駄目だろ。お前の事を好きな女子なんてたくさんいるんだから泉ちゃんは諦めとけよ」
「朋英は必死過ぎるだろ。信寛が宮崎の事を好きでも好きじゃなくてもお前が宮崎から思われることなんて無いから安心しろよ。どんなに頑張ったってお前は宮崎に振り向いてもらえないよ」
「そんなこと言うなって、俺にも可能性を残してくれよ。なあ、信寛もそう思うのか?」
「どうだろうな。宮崎の事は小学校から知ってるけど、どんなやつがタイプなのかって聞いたことは無いからな。もしかしたら朋英みたいな男がタイプかもしれないよ」
「マジかよ、その可能性があるなら聞いてみようかな。でもさ、俺がいきなり話しかけてもびっくりされちゃうかもしれないんだよな。信寛がそれとなく聞いてくれたら助かるんだけど、どうよ?」
「どうよって何だよ。俺はあんまりそういう事に興味は無いんだけど、聞くだけなら聞いてやるよ。その代わり、なんか奢れよ」
「ああ、奢るのは構わんが、もしも泉ちゃんがお前の事を好きだって言いだしたら俺になんか奢れよ」
「なんで俺が奢らなきゃならないんだよ。そんなことは無いから安心してろよ。あ、そう言えばさ、朋英って恋愛アプリに登録しているのって宮崎なんだろ?」
「そうだけど、それがどうしたんだよ」
「それってさ、お前が両想いになってない時点で答えが出てないか?」
「うるせぇ。少しは俺にも夢を見させろよ」
そう言えば、宮崎とはずいぶんと長い事同じクラスになっているのにこうして話しかけに行くのは久しぶりな気がしていた。特に何か用事があるわけでもないし、話すきっかけも今まで無かったんだよな。宮崎と山口が仲のいい友達だったらもっと話していたかもしれないけど、あんまりそういう感じの二人でも無いんだよな。どっちかって言えば、社交的で誰からも好かれる宮崎と山口って対極な感じがするもんな。月と太陽って例えがぴったりくる感じなんだよな。
しゃあない、宮崎に話しかけてみるか。いつも一緒にいる若林がいなくて河野と二人っきりみたいだな。そうだ、この状況って宮崎も河野みたいに山口の味方になってくれるか確認するいい機会じゃないか。
「あのさ、ちょっと二人に話があるんだけどいいかな?」
あんまり会話に割り込むのが得意じゃないんで不自然なタイミングだったらどうしようかと思っていたんだけど、それは何とか大丈夫だったみたいだ。
「別にいいけど、話って何?」
「宮崎ってさ、若林と西森と渡辺が山口に何かしようとしてるとか聞いてないかな?」
「聞いてないけど、何かあるの?」
「いや、俺の気のせいかもしれないんだけどさ、あいつらが吉原たちを使って山口に何かしようとしてるような感じなんだよね。俺は全然気にしてないんだけどさ、あいつらってバカだから何かとんでもないことをしでかさないかなって思っちゃったんだよ。河野は聞いてないよな?」
「ウチが何か知ってたらどうだって言うのさ」
「いや、何も知らないんならいいだ。悪いんだけどさ、何か良くないことをしているようだったら俺に教えてくれ」
「教えるのは良いんだけどさ、なんで山口じゃなくて奥谷に教えないといけないわけさ」
「俺は思うんだけどさ、山口に直接そんな事を言ったって気にしないと思うんだよ。俺が代わりに対処できることがあればやっときたいって思うんだよね」
「へえ、奥谷って山口の事をよく知ってるんだね」
「それなりに付き合い長いからな。小さい頃から見てればある程度の性格はわかるよ」
「だってさ、泉も割と付き合い長いって言ってたけど、そんな言い方して泉が協力してくれるのかな?」
「何言ってるんだよ。宮崎って正義の味方みたいに困っている奴の味方をしてくれるんだぜ。俺はそんな宮崎を知ってるからこうして頼んでるんだよ」
「だってさ、泉は亜梨沙たちから山口を助けることになっちゃうのかな?」
「どうだろうね。本当に山口さんが亜梨沙ちゃんたちから何かされるっていうんなら助けるよ。でもさ、それって梓ちゃんと奥谷君の気のせいかもしれないよね」
「まあな、今は何も起きてないし、何も起きないのが一番だよな。でもさ、何かありそうだなって思ったら教えてくれよ。何か起きてからじゃ遅いってこともあるからさ。それと、もう一つ聞いていいかな?」
「なに?」
「宮崎ってさ、好きなやつとかいるの?」
「……。いたとしてさ、それを奥谷君に教える必要ってあるのかな?」
「あれ、もしかして、奥谷って泉の事好きだったりするのか?」
「違うって、俺じゃなくて朋英が、って、何でもない。ごめん、この話は忘れてくれ」
「どうする。忘れてくれって言われたけど、そんな事出来ないよね。それにさ、そんな事を聞くって事は泉に気があるって事なんじゃないのかな?」
「待ってくれよ。宮崎のが好きな相手がいるのか知りたいのは俺なんじゃなくて、朋英なんだって。だからさ、それを聞きたかったのは俺じゃないんだよ」
「奥谷君は私に好きな人がいるか気にならないって事なのかな?」
「いや、気にはなるけどさ、そういうのは今じゃないっていうか、山口の事が片付いてからっていうか」
「おいおい、そんなんじゃ泉は奥谷に協力なんかしないんじゃないかな。じゃあさ、協力してもらうために奥谷が泉に飯でも奢ってやんなきゃな」
「待ってくれよ。それってどういうことだよ」
「奥谷は泉の気持ちを弄んじゃったからな。それを償うって意味でも、何かおごってやんなよ。次の日曜にケーキでも奢ってやれって。なあ、泉もそれくらいしてもらわないと手伝う気持ちがわかないよな」
「そうだね。私もいきなりそんな事を言われたからびっくりしちゃったもんね。ケーキをおごってくれるなら考え直してもいいかな」
「わかったよ。じゃあ、次の日曜に小学校近くの喫茶店でいいか?」
「私はそれで良いよ。梓ちゃんは大丈夫?」
「あ、ウチはその日どうしても外せない用事があるんだよ。代わりに山口を誘って行ってきなよ」
「え、梓ちゃんは来ないの?」
「ごめんね、三人で楽しんでおいで」
三人でって河野は言ってくれたけど、どう考えても山口は来ないと思うんだよな。来てくれたら嬉しいけど、俺が嬉しいってだけで山口は来てくれないんだよな。今まで何度か誘ったことがあったけど、全部断られていたし今回も無理なんだろうな。
「なあ、信寛って山口と宮崎の両方から告白されたらどっちと付き合うの?」
「え、なんでそんなこと言うの?」
「いや、最近の信寛ってずっと宮崎の事見てるような気がするからさ。朋英と同じくらい宮崎の事見てるぜ」
「マジかよ。泉ちゃんの事を好きな男子は多いって思ってたけど、信寛が好きになっちゃ駄目だろ。お前の事を好きな女子なんてたくさんいるんだから泉ちゃんは諦めとけよ」
「朋英は必死過ぎるだろ。信寛が宮崎の事を好きでも好きじゃなくてもお前が宮崎から思われることなんて無いから安心しろよ。どんなに頑張ったってお前は宮崎に振り向いてもらえないよ」
「そんなこと言うなって、俺にも可能性を残してくれよ。なあ、信寛もそう思うのか?」
「どうだろうな。宮崎の事は小学校から知ってるけど、どんなやつがタイプなのかって聞いたことは無いからな。もしかしたら朋英みたいな男がタイプかもしれないよ」
「マジかよ、その可能性があるなら聞いてみようかな。でもさ、俺がいきなり話しかけてもびっくりされちゃうかもしれないんだよな。信寛がそれとなく聞いてくれたら助かるんだけど、どうよ?」
「どうよって何だよ。俺はあんまりそういう事に興味は無いんだけど、聞くだけなら聞いてやるよ。その代わり、なんか奢れよ」
「ああ、奢るのは構わんが、もしも泉ちゃんがお前の事を好きだって言いだしたら俺になんか奢れよ」
「なんで俺が奢らなきゃならないんだよ。そんなことは無いから安心してろよ。あ、そう言えばさ、朋英って恋愛アプリに登録しているのって宮崎なんだろ?」
「そうだけど、それがどうしたんだよ」
「それってさ、お前が両想いになってない時点で答えが出てないか?」
「うるせぇ。少しは俺にも夢を見させろよ」
そう言えば、宮崎とはずいぶんと長い事同じクラスになっているのにこうして話しかけに行くのは久しぶりな気がしていた。特に何か用事があるわけでもないし、話すきっかけも今まで無かったんだよな。宮崎と山口が仲のいい友達だったらもっと話していたかもしれないけど、あんまりそういう感じの二人でも無いんだよな。どっちかって言えば、社交的で誰からも好かれる宮崎と山口って対極な感じがするもんな。月と太陽って例えがぴったりくる感じなんだよな。
しゃあない、宮崎に話しかけてみるか。いつも一緒にいる若林がいなくて河野と二人っきりみたいだな。そうだ、この状況って宮崎も河野みたいに山口の味方になってくれるか確認するいい機会じゃないか。
「あのさ、ちょっと二人に話があるんだけどいいかな?」
あんまり会話に割り込むのが得意じゃないんで不自然なタイミングだったらどうしようかと思っていたんだけど、それは何とか大丈夫だったみたいだ。
「別にいいけど、話って何?」
「宮崎ってさ、若林と西森と渡辺が山口に何かしようとしてるとか聞いてないかな?」
「聞いてないけど、何かあるの?」
「いや、俺の気のせいかもしれないんだけどさ、あいつらが吉原たちを使って山口に何かしようとしてるような感じなんだよね。俺は全然気にしてないんだけどさ、あいつらってバカだから何かとんでもないことをしでかさないかなって思っちゃったんだよ。河野は聞いてないよな?」
「ウチが何か知ってたらどうだって言うのさ」
「いや、何も知らないんならいいだ。悪いんだけどさ、何か良くないことをしているようだったら俺に教えてくれ」
「教えるのは良いんだけどさ、なんで山口じゃなくて奥谷に教えないといけないわけさ」
「俺は思うんだけどさ、山口に直接そんな事を言ったって気にしないと思うんだよ。俺が代わりに対処できることがあればやっときたいって思うんだよね」
「へえ、奥谷って山口の事をよく知ってるんだね」
「それなりに付き合い長いからな。小さい頃から見てればある程度の性格はわかるよ」
「だってさ、泉も割と付き合い長いって言ってたけど、そんな言い方して泉が協力してくれるのかな?」
「何言ってるんだよ。宮崎って正義の味方みたいに困っている奴の味方をしてくれるんだぜ。俺はそんな宮崎を知ってるからこうして頼んでるんだよ」
「だってさ、泉は亜梨沙たちから山口を助けることになっちゃうのかな?」
「どうだろうね。本当に山口さんが亜梨沙ちゃんたちから何かされるっていうんなら助けるよ。でもさ、それって梓ちゃんと奥谷君の気のせいかもしれないよね」
「まあな、今は何も起きてないし、何も起きないのが一番だよな。でもさ、何かありそうだなって思ったら教えてくれよ。何か起きてからじゃ遅いってこともあるからさ。それと、もう一つ聞いていいかな?」
「なに?」
「宮崎ってさ、好きなやつとかいるの?」
「……。いたとしてさ、それを奥谷君に教える必要ってあるのかな?」
「あれ、もしかして、奥谷って泉の事好きだったりするのか?」
「違うって、俺じゃなくて朋英が、って、何でもない。ごめん、この話は忘れてくれ」
「どうする。忘れてくれって言われたけど、そんな事出来ないよね。それにさ、そんな事を聞くって事は泉に気があるって事なんじゃないのかな?」
「待ってくれよ。宮崎のが好きな相手がいるのか知りたいのは俺なんじゃなくて、朋英なんだって。だからさ、それを聞きたかったのは俺じゃないんだよ」
「奥谷君は私に好きな人がいるか気にならないって事なのかな?」
「いや、気にはなるけどさ、そういうのは今じゃないっていうか、山口の事が片付いてからっていうか」
「おいおい、そんなんじゃ泉は奥谷に協力なんかしないんじゃないかな。じゃあさ、協力してもらうために奥谷が泉に飯でも奢ってやんなきゃな」
「待ってくれよ。それってどういうことだよ」
「奥谷は泉の気持ちを弄んじゃったからな。それを償うって意味でも、何かおごってやんなよ。次の日曜にケーキでも奢ってやれって。なあ、泉もそれくらいしてもらわないと手伝う気持ちがわかないよな」
「そうだね。私もいきなりそんな事を言われたからびっくりしちゃったもんね。ケーキをおごってくれるなら考え直してもいいかな」
「わかったよ。じゃあ、次の日曜に小学校近くの喫茶店でいいか?」
「私はそれで良いよ。梓ちゃんは大丈夫?」
「あ、ウチはその日どうしても外せない用事があるんだよ。代わりに山口を誘って行ってきなよ」
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