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食べ過ぎ、なのです
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ラーメンセットを食べ終えたプリン姫ではあったが、他にも美味しそうなものを出している屋台が多く、そのどれもが姫の食欲中枢を刺激したのであった。
祭り自体はすぐに終わってしまうのだが、屋台自体はそのまま後夜祭期間中も出店しているものもあるので今すぐに食べなくてはいけないということは無いのである。しかし、屋台独特のライブ感とそこかしこから漂ってくる食欲をそそる匂いと音、すれ違う人たちが持っている今まで見たことも無いような食べ物の数々。そのどれもがプリン姫に胃袋を刺激し、さらなる食事を求めてしまうのであった。
「ねえ、百合ちゃん。プリンはまだまだ食べたいのだけれど、そろそろお腹がはちきれてしまいそうなの。こんな時にどうしたらいいかわかるかな?」
「そんな時は食べたい気持ちを抑えるのが一番じゃないですかね。食べ過ぎは体に良くないですからね」
「そうなのよ。食べ過ぎは良くないってわかっているのです。でも、プリンはどうしても食べたいものがたくさんあるのも事実なのです。食べてみたものがたくさんあるというのにお腹がいっぱいではちきれそうだって言うのは今まで経験したどんなことよりも辛いのです」
「プリン姫はあの冒険においてもそれほど苦労はされませんでしたからね。こう言っては何ですが、私とマサシさんたち異世界の方々の能力で辛いはずの冒険がお城にいる時よりも少しだけ刺激があって快適な時間になっていましたもんね。プリン姫じゃなければ大魔王ルシファーにとどめを刺せないとはいえ、アレは皆で甘やかしすぎたのではないかと反省していたんですよ。そんなプリン姫が今まで経験したことのない辛さを味わっているというのなら、その経験を大事になさったらいいのではないでしょうか」
「もう、百合ちゃんはちょっとプリンに冷たくなっているの。もう少しプリンのために気を聞かせてくれてもいいと思うのだけど、魔法で何でもできる百合ちゃんならプリンのお腹にある食べ物をどうにかすることだってできるんじゃないかって思うのだけど、それはどうなの?」
「お腹の中の物をどこかに移動させろという事でしたら、それは出来ないです。いくら魔法が万能とはいえ、消化中の食べ物と一緒に内臓もどこかへ飛ばしてしまう恐れがありますからね。出来ることと言えば、消化を助けてお腹の中をスッキリさせることくらいですかね。でも、それはあまりお勧めできることではないのですが」
「お勧めできないって、どういうことなの?」
「あくまでも消化を助けるだけなのでそのままエネルギーを体に取り込んでしまうんですよ。つまり、食べた分だけ脂肪になるってことなんです。たくさん食べられるようになりますけど一日に摂取していい食事量を大幅に超えてしまう恐れがありますので、プリン姫の体型が崩れてしまう可能性が高いのですよ。それも、急激にエネルギーを摂取することによる体の負担もあるので内臓を痛めてしまう可能性だってあるんですよ」
「それは困ったことになりそうだけど、プリンは百合ちゃんと違ってお肉がついていいところにしかつかないと思うから大丈夫なの。遠慮しないでその魔法を使って欲しいの。どうせプリンはそんな事では後悔しないから気にしないで欲しいの」
「あ、そうですか。それなら大丈夫ですね。プリン姫がそう言うのならあとで後悔なさることも無いと思いますし、いくらでも食べていただいて結構ですよ。私はプリン姫が後悔しても知りませんからね」
「プリンは後悔なんかしないの。後悔するとしたら、目の前にあるこんなにたくさんの美味しそうな食べ物を食べずにお祭りが終わってしまう事だと思うの。これはプリンが悪いんじゃなくて、こんなに美味しそうなものを作るここにいる人達が悪いの」
「はいはい、ムチムチプリンプリンがブヨブヨブリンブリンにならないといいですけどね。じゃあ、私はちゃんと止めましたけどプリン姫の命令で魔法を使いますからね」
「命令だなんてそんな、プリンは百合ちゃんにお願いしただけなのだからね。でも、百合ちゃんが心配している事態にはならないと思うの」
プリン姫は百合ちゃんの魔法の助けもあって目についた屋台の食べ物を片っ端から食べていった。周囲にいる人々は食欲旺盛な女の子がとても美味しそうに食べている姿を見て食欲を刺激され、どの屋台もどの屋台も今までに無いくらい繁盛していったのだ。
百合ちゃんの魔法によって食べたものはすぐに体に吸収されているのでいくらでも食べられるプリン姫であったが、あくまでも消化が早くなっているだけなので当然出るものは出るのである。最初はそれを我慢しつつも次々と屋台の食事を楽しんではいられたのだが、突然やってきた腹痛は今までに無いくらい強烈なもので、今まで体験したことが無いくらい強烈なものだった。
「百合ちゃん。プリンは、お腹がとっても痛いの。このままだと我慢出来なくて倒れてしまいそうなの。助けて欲しいの」
「助けろって言われましても、それってただトイレに行きたいだけですよね?」
「そうなの。でも、今動いたら、全部出ちゃいそうなの。これはとても危険だと思うのだけど、とんでもないことになりそうな、気がしているの」
「そりゃそうでしょうね。あれだけたくさん食べたのなら出るものも凄い量だと思いますが、そんなのをいったいどこで処理すればいいって言うんでしょうね。お城のトイレではきっと処理しきれないと思いますし、お祭り会場のトイレだってそんな量の排せつ物を処理することは出来ないですよね。普段は人が訪れないような場所でしてもらうしかないんじゃいないですかね」
「そんな、おトイレで全然いいのだけど、早くして欲しいの。プリンのお尻は、もう限界を迎えそうなの」
「もう少しだけ我慢してくださいね。人がいなそうな場所で迷惑のかからなそうな場所がいいですよね。じゃあ、魔王城の近くの崖でするというのはどうでしょう?」
「ちょっと待ってほしいの。そんな場所でしろって、恥ずかしいの」
「誰も見ていないから大丈夫ですよ。それに、あそこはもう誰も住んでいないから安心してもらっていいですからね」
「人がいるとかいないとかじゃなくて、お外でするのは抵抗あるの」
「そうは言いますけど、そのお腹に溜まっているものを普通のトイレにしてしまいますと、排水管が詰まってしまうと思うんですよ。この世界にそれだけたくさんの量を処理することの出来るトイレなんて一つもないですからね」
「そ、それはわかったのだけど、魔王城の近くは暗くて怖いの。別の場所にして欲しいの」
「わかりました、それでは、天界に行ってみましょう。あそこはこの世界の住人が行くことも出来ないですし、異世界の人達だって選ばれた極少数の人しかたどり着けない場所ですからね。景色も綺麗ですしプリン姫には相応しい場所かもしれないですよ。ほら、あのユニコーンのいる丘なんていいと思うんですけど、そこにしましょうか」
「お外ですることが確定みたいになっているんだけど、そんな綺麗な場所でするなんて、プリンは恥ずかしいの」
「大丈夫ですよ。プリン姫と私だけの秘密にしますから」
「それでも恥ずかしいの。でも、もう我慢の限界なの」
普段は天界への立ち入りは禁じられているプリン姫と百合ちゃんではあったが、今は緊急事態なので多少強引な方法ではあったのだが、百合ちゃんはプリン姫を見晴らしの良い高台へと連れて行った。
地上では咲かないような鮮やかな色の花や好奇心旺盛な妖精たちが二人を囲んでいた。人は誰もいないのだが、妖精に囲まれている中でプリン姫はすることが出来ず、百合ちゃんが誰も入れない結界を作ることになってしまった。百合ちゃんはプリン姫の事を口の軽い妖精に見せつけてやるつもりだったのが、今にも泣きだしそうな顔を見ていたらそんな気分ではなくなってしまったのだった。可哀そうな気持ちの方が勝ってしまったという事だ。
百合ちゃんの作る結界は大魔王ルシファーでもこの世界の神でも破ることは出来ないので安心な空間だという事はプリン姫も理解しているのだが、その安心感で油断してしまったのかプリン姫のお腹から出ていこうとしている物が一気に出口へと向かっていってしまった。
プリン姫はスカートのすそをたくし上げてウロウロとしてしまっているのだが、どこですればいいのかわからなくて困っている。どこも綺麗な花が咲いていて申し訳ないという気持ちがまだ勝っているのだけれど、本当に限界はすぐそこまでやってきているのだ。
百合ちゃんは仕方ないといった表情しながらもプリン姫を抱きかかえると、そのまま崖の傍まで移動してプリン姫にここでするようにと優しく伝えたのだ。だが、後ろが崖と言う状況でしゃがむのが怖いプリン姫は百合ちゃんの手を離さなかった。結局、百合ちゃんはしゃがんでいきんでいるプリン姫の様子をずっと見ていることになったのだが、手を握り合っている距離にいるためとても顔が近くにあった。お腹が痛いからなのか、百合ちゃんに見られている恥ずかしさからなのか、プリン姫の顔は真っ赤になっていたのだけれど、随分と長い間二人は手を握り合っていたのだった。時々プリン姫の握る力が強くなることもあったのだけれど、じっと顔を見ているのに一度も目が合うことが無かったことも百合ちゃんは可愛いと思ってしまったのだった。
普段の天界は雨など降ることは無いのだが、プリン姫がした粗相の後始末をしてくれているように土砂降りの雨が降っていた。雨はすぐに止んで雨上がり独特の爽やかな空気と共に綺麗な虹が二人を見下ろしていた。
プリン姫はもう立ち上がっていて手を繋いでいる必要はないのだけれど、二人は手をつないだままその綺麗な空と虹を眺めていた。
「今日は漏らさなくて良かったですね」
「もう、そんな意地悪言わないで欲しいの」
「意地悪じゃないですよ。でも、いきんでいる時のプリン姫の顔は可愛らしかったですよ」
「そんな恥ずかしい事を言わないで欲しいの。でも、百合ちゃんが見守っていてくれたのはちょっと嬉しかったの」
お祭り会場に再び戻ったプリン姫と百合ちゃんであったが、その日を含めて数日の間に二人は幾度となく天界とムチムチ王国を往復するのであった。
二つの世界を行き来するたびに、二人の絆は強く結ばれていくような気がしている。そんな祭りになっていったのだった。
祭り自体はすぐに終わってしまうのだが、屋台自体はそのまま後夜祭期間中も出店しているものもあるので今すぐに食べなくてはいけないということは無いのである。しかし、屋台独特のライブ感とそこかしこから漂ってくる食欲をそそる匂いと音、すれ違う人たちが持っている今まで見たことも無いような食べ物の数々。そのどれもがプリン姫に胃袋を刺激し、さらなる食事を求めてしまうのであった。
「ねえ、百合ちゃん。プリンはまだまだ食べたいのだけれど、そろそろお腹がはちきれてしまいそうなの。こんな時にどうしたらいいかわかるかな?」
「そんな時は食べたい気持ちを抑えるのが一番じゃないですかね。食べ過ぎは体に良くないですからね」
「そうなのよ。食べ過ぎは良くないってわかっているのです。でも、プリンはどうしても食べたいものがたくさんあるのも事実なのです。食べてみたものがたくさんあるというのにお腹がいっぱいではちきれそうだって言うのは今まで経験したどんなことよりも辛いのです」
「プリン姫はあの冒険においてもそれほど苦労はされませんでしたからね。こう言っては何ですが、私とマサシさんたち異世界の方々の能力で辛いはずの冒険がお城にいる時よりも少しだけ刺激があって快適な時間になっていましたもんね。プリン姫じゃなければ大魔王ルシファーにとどめを刺せないとはいえ、アレは皆で甘やかしすぎたのではないかと反省していたんですよ。そんなプリン姫が今まで経験したことのない辛さを味わっているというのなら、その経験を大事になさったらいいのではないでしょうか」
「もう、百合ちゃんはちょっとプリンに冷たくなっているの。もう少しプリンのために気を聞かせてくれてもいいと思うのだけど、魔法で何でもできる百合ちゃんならプリンのお腹にある食べ物をどうにかすることだってできるんじゃないかって思うのだけど、それはどうなの?」
「お腹の中の物をどこかに移動させろという事でしたら、それは出来ないです。いくら魔法が万能とはいえ、消化中の食べ物と一緒に内臓もどこかへ飛ばしてしまう恐れがありますからね。出来ることと言えば、消化を助けてお腹の中をスッキリさせることくらいですかね。でも、それはあまりお勧めできることではないのですが」
「お勧めできないって、どういうことなの?」
「あくまでも消化を助けるだけなのでそのままエネルギーを体に取り込んでしまうんですよ。つまり、食べた分だけ脂肪になるってことなんです。たくさん食べられるようになりますけど一日に摂取していい食事量を大幅に超えてしまう恐れがありますので、プリン姫の体型が崩れてしまう可能性が高いのですよ。それも、急激にエネルギーを摂取することによる体の負担もあるので内臓を痛めてしまう可能性だってあるんですよ」
「それは困ったことになりそうだけど、プリンは百合ちゃんと違ってお肉がついていいところにしかつかないと思うから大丈夫なの。遠慮しないでその魔法を使って欲しいの。どうせプリンはそんな事では後悔しないから気にしないで欲しいの」
「あ、そうですか。それなら大丈夫ですね。プリン姫がそう言うのならあとで後悔なさることも無いと思いますし、いくらでも食べていただいて結構ですよ。私はプリン姫が後悔しても知りませんからね」
「プリンは後悔なんかしないの。後悔するとしたら、目の前にあるこんなにたくさんの美味しそうな食べ物を食べずにお祭りが終わってしまう事だと思うの。これはプリンが悪いんじゃなくて、こんなに美味しそうなものを作るここにいる人達が悪いの」
「はいはい、ムチムチプリンプリンがブヨブヨブリンブリンにならないといいですけどね。じゃあ、私はちゃんと止めましたけどプリン姫の命令で魔法を使いますからね」
「命令だなんてそんな、プリンは百合ちゃんにお願いしただけなのだからね。でも、百合ちゃんが心配している事態にはならないと思うの」
プリン姫は百合ちゃんの魔法の助けもあって目についた屋台の食べ物を片っ端から食べていった。周囲にいる人々は食欲旺盛な女の子がとても美味しそうに食べている姿を見て食欲を刺激され、どの屋台もどの屋台も今までに無いくらい繁盛していったのだ。
百合ちゃんの魔法によって食べたものはすぐに体に吸収されているのでいくらでも食べられるプリン姫であったが、あくまでも消化が早くなっているだけなので当然出るものは出るのである。最初はそれを我慢しつつも次々と屋台の食事を楽しんではいられたのだが、突然やってきた腹痛は今までに無いくらい強烈なもので、今まで体験したことが無いくらい強烈なものだった。
「百合ちゃん。プリンは、お腹がとっても痛いの。このままだと我慢出来なくて倒れてしまいそうなの。助けて欲しいの」
「助けろって言われましても、それってただトイレに行きたいだけですよね?」
「そうなの。でも、今動いたら、全部出ちゃいそうなの。これはとても危険だと思うのだけど、とんでもないことになりそうな、気がしているの」
「そりゃそうでしょうね。あれだけたくさん食べたのなら出るものも凄い量だと思いますが、そんなのをいったいどこで処理すればいいって言うんでしょうね。お城のトイレではきっと処理しきれないと思いますし、お祭り会場のトイレだってそんな量の排せつ物を処理することは出来ないですよね。普段は人が訪れないような場所でしてもらうしかないんじゃいないですかね」
「そんな、おトイレで全然いいのだけど、早くして欲しいの。プリンのお尻は、もう限界を迎えそうなの」
「もう少しだけ我慢してくださいね。人がいなそうな場所で迷惑のかからなそうな場所がいいですよね。じゃあ、魔王城の近くの崖でするというのはどうでしょう?」
「ちょっと待ってほしいの。そんな場所でしろって、恥ずかしいの」
「誰も見ていないから大丈夫ですよ。それに、あそこはもう誰も住んでいないから安心してもらっていいですからね」
「人がいるとかいないとかじゃなくて、お外でするのは抵抗あるの」
「そうは言いますけど、そのお腹に溜まっているものを普通のトイレにしてしまいますと、排水管が詰まってしまうと思うんですよ。この世界にそれだけたくさんの量を処理することの出来るトイレなんて一つもないですからね」
「そ、それはわかったのだけど、魔王城の近くは暗くて怖いの。別の場所にして欲しいの」
「わかりました、それでは、天界に行ってみましょう。あそこはこの世界の住人が行くことも出来ないですし、異世界の人達だって選ばれた極少数の人しかたどり着けない場所ですからね。景色も綺麗ですしプリン姫には相応しい場所かもしれないですよ。ほら、あのユニコーンのいる丘なんていいと思うんですけど、そこにしましょうか」
「お外ですることが確定みたいになっているんだけど、そんな綺麗な場所でするなんて、プリンは恥ずかしいの」
「大丈夫ですよ。プリン姫と私だけの秘密にしますから」
「それでも恥ずかしいの。でも、もう我慢の限界なの」
普段は天界への立ち入りは禁じられているプリン姫と百合ちゃんではあったが、今は緊急事態なので多少強引な方法ではあったのだが、百合ちゃんはプリン姫を見晴らしの良い高台へと連れて行った。
地上では咲かないような鮮やかな色の花や好奇心旺盛な妖精たちが二人を囲んでいた。人は誰もいないのだが、妖精に囲まれている中でプリン姫はすることが出来ず、百合ちゃんが誰も入れない結界を作ることになってしまった。百合ちゃんはプリン姫の事を口の軽い妖精に見せつけてやるつもりだったのが、今にも泣きだしそうな顔を見ていたらそんな気分ではなくなってしまったのだった。可哀そうな気持ちの方が勝ってしまったという事だ。
百合ちゃんの作る結界は大魔王ルシファーでもこの世界の神でも破ることは出来ないので安心な空間だという事はプリン姫も理解しているのだが、その安心感で油断してしまったのかプリン姫のお腹から出ていこうとしている物が一気に出口へと向かっていってしまった。
プリン姫はスカートのすそをたくし上げてウロウロとしてしまっているのだが、どこですればいいのかわからなくて困っている。どこも綺麗な花が咲いていて申し訳ないという気持ちがまだ勝っているのだけれど、本当に限界はすぐそこまでやってきているのだ。
百合ちゃんは仕方ないといった表情しながらもプリン姫を抱きかかえると、そのまま崖の傍まで移動してプリン姫にここでするようにと優しく伝えたのだ。だが、後ろが崖と言う状況でしゃがむのが怖いプリン姫は百合ちゃんの手を離さなかった。結局、百合ちゃんはしゃがんでいきんでいるプリン姫の様子をずっと見ていることになったのだが、手を握り合っている距離にいるためとても顔が近くにあった。お腹が痛いからなのか、百合ちゃんに見られている恥ずかしさからなのか、プリン姫の顔は真っ赤になっていたのだけれど、随分と長い間二人は手を握り合っていたのだった。時々プリン姫の握る力が強くなることもあったのだけれど、じっと顔を見ているのに一度も目が合うことが無かったことも百合ちゃんは可愛いと思ってしまったのだった。
普段の天界は雨など降ることは無いのだが、プリン姫がした粗相の後始末をしてくれているように土砂降りの雨が降っていた。雨はすぐに止んで雨上がり独特の爽やかな空気と共に綺麗な虹が二人を見下ろしていた。
プリン姫はもう立ち上がっていて手を繋いでいる必要はないのだけれど、二人は手をつないだままその綺麗な空と虹を眺めていた。
「今日は漏らさなくて良かったですね」
「もう、そんな意地悪言わないで欲しいの」
「意地悪じゃないですよ。でも、いきんでいる時のプリン姫の顔は可愛らしかったですよ」
「そんな恥ずかしい事を言わないで欲しいの。でも、百合ちゃんが見守っていてくれたのはちょっと嬉しかったの」
お祭り会場に再び戻ったプリン姫と百合ちゃんであったが、その日を含めて数日の間に二人は幾度となく天界とムチムチ王国を往復するのであった。
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