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おパンツ戦争
第81話 外敵襲来
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水色のおパンツが似合うと思っているのはイザーと鈴木愛華の二人だけだったのだが、ここに来て新たな賛同者が現れた。彼女たちはイザーが関わってきた宇宙人であり、一人一人の能力は人間よりもはるかに劣り協調性も全くないのだが、執着心だけは人一倍強いのであった。
宇宙人である彼女たちは零楼館高校の生徒ではないので直接勝敗には関わることはないのだけれど、心酔するイザーの意見を否定する栗宮院うまなをはじめとするピンクのおパンツ派は日々嫌がらせを受けることになっていったのである。
もちろん、ソレを止めるようにとイザーは何度も忠告していたのだけれど、彼女たちはイザーのためを思ってと善意で勝手に行っている事であるので止まることはなかった。イザーが止めるようにと言っているのも表面上だけの事であり、本当は続けてもいいのだという事を思っていると勝手に解釈して行動しているので誰一人として止まることはなかった。
イザーを相手にすることに対して半ばあきらめムードになりつつあったピンクのおパンツ派であったが、宇宙人の度重なる妨害や嫌がらせが続いていく事で少しずつ反抗心も芽生え始めていっていた。だが、多くのモノはイザーの力を恐れて活動を縮小しつつあったのだ。
それに、ピンクのおパンツ派のリーダーである栗宮院うまなが幼児化していることもあってピンクのおパンツ派は争う気持ちも薄れていた。力では勝てないものの栗宮院うまなはイザーの事を抑えることも出来ていたので何とか勝負にはなると思われたのだが、今の状態の栗宮院うまなにイザーは抑えることが出来ないと誰もが考えていた。
そんな時に状況を一変させる大事件が発生してしまったのだ。
「さすがにアレはやりすぎだと思います。いくらイザーちゃんが相手だとしても断固として抗議すべきじゃないかしら」
「私もそう思うな。イザーちゃんが指示をしたとは思えないけど、それでもイザーちゃんはあの子たちを止めなかったんだから罪だと思う。どんなに強くても罪はしっかりと受け止めて罰を受けてもらう必要があるんじゃないかな」
「みんなの言う通りだと私も思うな。今のうまなちゃんに対してあんなことをする必要があったのかと抗議することは必要だよ。イザーちゃんに抵抗されたとしても、私たちには数の力があるんだからソレで押し切るしかないんじゃないかな」
「でも、私たちが何年続けたとしてもイザーちゃんには何の意味もないと思う。だから、他の方法でイザーちゃんに償ってもらう必要があると私は思う」
工藤珠希にピンクのおパンツが似合う派のメンバーの大半は水色よりもピンクの方が似合うんだろうなという消極的な意見からくるものだった。それに、栗宮院うまなを支持することで少しだけ学校生活が楽しくなるという特典もあったのが大きいだろう。
そんなメンバーが協力的になった理由なのだが、イザーの信徒である宇宙人たちが自分たちの体の小ささを利用して物陰に潜み、ことあるごとに栗宮院うまなの穿いているおパンツを水鉄砲で攻撃していたという事なのだ。
一日に何度も繰り返される蛮行に対し、幼児化している栗宮院うまなは耐えきれなくなって泣き出してしまう。そんな事を目の前で何度も繰り返されてしまった事でピンクのおパンツ派の意識が変わっていったのだ。
イザーが強くてまともにやりあっては勝つことは出来ない。今のメンバーが毎日全員で襲い掛かっても勝つことは出来ない。
そんな事は全員理解しているのだが、あんなに悲しそうに泣いている栗宮院うまなの姿を見てしまったら引くことなど出来るわけがないのだ。戦いに負け続けたとしても、意地というものを見せることに意味があるのだ。
自らの命を犠牲にして戦う事を良しとしないレジスタンスの面々も今回ばかりは自分の命をなげうってでも抗議に参加する。そんな意志を見せるほど、各人の怒りは強く燃え盛っていたのであった。
「私たちが毎日繰り返し抗議をしていることでイザーちゃんにも少し変化が見られたと思うんだけど、イザーちゃんが落ち込んでるのを見たうまなちゃんも元気がなくなってるんだよね。このまま抗議を続けて本当に大丈夫なのかな?」
「今ここで止めたらまたうまなちゃんに嫌がらせをされるかもしれないよ。私は落ち込んでいるうまなちゃんを見たくなんて無いけど、あんなに悲しそうに泣いているうまなちゃんはもっと見たくないよ」
「私もうまなちゃんのあんな顔はもう見たくないかも。イザーちゃんにとって私たちの行動が何の意味をなさないのだとしても、うまなちゃんのために続けるべきじゃないかな」
「そうは言うけど、私たちがイザーちゃんに挑んでいる姿を見てるうまなちゃんも悲しそうな目をしているんだよ。泣いてはいないけど、それと同じくらい悲しそうに見えるよ」
「イザーちゃんではなくあの宇宙人に抗議するってのはどうかな?」
「それはもう何回もやってるんだけど、あの人たちには私たちの言葉を理解することが出来ていないみたいなんだよね。イザーちゃんの言っていることもわかってないみたいだし、コミュニケーションをとることは出来ないのかもしれない」
イザーに対する抗議活動を継続するか終了するかの話し合いは今日も答えにたどり着くことは出来なかった。
だが、コレと同じような話し合いは零楼館高校内各地で行われており、どこも似たような形の話し合いになっていて、抗議活動が終了する事はないのであった。
宇宙人である彼女たちは零楼館高校の生徒ではないので直接勝敗には関わることはないのだけれど、心酔するイザーの意見を否定する栗宮院うまなをはじめとするピンクのおパンツ派は日々嫌がらせを受けることになっていったのである。
もちろん、ソレを止めるようにとイザーは何度も忠告していたのだけれど、彼女たちはイザーのためを思ってと善意で勝手に行っている事であるので止まることはなかった。イザーが止めるようにと言っているのも表面上だけの事であり、本当は続けてもいいのだという事を思っていると勝手に解釈して行動しているので誰一人として止まることはなかった。
イザーを相手にすることに対して半ばあきらめムードになりつつあったピンクのおパンツ派であったが、宇宙人の度重なる妨害や嫌がらせが続いていく事で少しずつ反抗心も芽生え始めていっていた。だが、多くのモノはイザーの力を恐れて活動を縮小しつつあったのだ。
それに、ピンクのおパンツ派のリーダーである栗宮院うまなが幼児化していることもあってピンクのおパンツ派は争う気持ちも薄れていた。力では勝てないものの栗宮院うまなはイザーの事を抑えることも出来ていたので何とか勝負にはなると思われたのだが、今の状態の栗宮院うまなにイザーは抑えることが出来ないと誰もが考えていた。
そんな時に状況を一変させる大事件が発生してしまったのだ。
「さすがにアレはやりすぎだと思います。いくらイザーちゃんが相手だとしても断固として抗議すべきじゃないかしら」
「私もそう思うな。イザーちゃんが指示をしたとは思えないけど、それでもイザーちゃんはあの子たちを止めなかったんだから罪だと思う。どんなに強くても罪はしっかりと受け止めて罰を受けてもらう必要があるんじゃないかな」
「みんなの言う通りだと私も思うな。今のうまなちゃんに対してあんなことをする必要があったのかと抗議することは必要だよ。イザーちゃんに抵抗されたとしても、私たちには数の力があるんだからソレで押し切るしかないんじゃないかな」
「でも、私たちが何年続けたとしてもイザーちゃんには何の意味もないと思う。だから、他の方法でイザーちゃんに償ってもらう必要があると私は思う」
工藤珠希にピンクのおパンツが似合う派のメンバーの大半は水色よりもピンクの方が似合うんだろうなという消極的な意見からくるものだった。それに、栗宮院うまなを支持することで少しだけ学校生活が楽しくなるという特典もあったのが大きいだろう。
そんなメンバーが協力的になった理由なのだが、イザーの信徒である宇宙人たちが自分たちの体の小ささを利用して物陰に潜み、ことあるごとに栗宮院うまなの穿いているおパンツを水鉄砲で攻撃していたという事なのだ。
一日に何度も繰り返される蛮行に対し、幼児化している栗宮院うまなは耐えきれなくなって泣き出してしまう。そんな事を目の前で何度も繰り返されてしまった事でピンクのおパンツ派の意識が変わっていったのだ。
イザーが強くてまともにやりあっては勝つことは出来ない。今のメンバーが毎日全員で襲い掛かっても勝つことは出来ない。
そんな事は全員理解しているのだが、あんなに悲しそうに泣いている栗宮院うまなの姿を見てしまったら引くことなど出来るわけがないのだ。戦いに負け続けたとしても、意地というものを見せることに意味があるのだ。
自らの命を犠牲にして戦う事を良しとしないレジスタンスの面々も今回ばかりは自分の命をなげうってでも抗議に参加する。そんな意志を見せるほど、各人の怒りは強く燃え盛っていたのであった。
「私たちが毎日繰り返し抗議をしていることでイザーちゃんにも少し変化が見られたと思うんだけど、イザーちゃんが落ち込んでるのを見たうまなちゃんも元気がなくなってるんだよね。このまま抗議を続けて本当に大丈夫なのかな?」
「今ここで止めたらまたうまなちゃんに嫌がらせをされるかもしれないよ。私は落ち込んでいるうまなちゃんを見たくなんて無いけど、あんなに悲しそうに泣いているうまなちゃんはもっと見たくないよ」
「私もうまなちゃんのあんな顔はもう見たくないかも。イザーちゃんにとって私たちの行動が何の意味をなさないのだとしても、うまなちゃんのために続けるべきじゃないかな」
「そうは言うけど、私たちがイザーちゃんに挑んでいる姿を見てるうまなちゃんも悲しそうな目をしているんだよ。泣いてはいないけど、それと同じくらい悲しそうに見えるよ」
「イザーちゃんではなくあの宇宙人に抗議するってのはどうかな?」
「それはもう何回もやってるんだけど、あの人たちには私たちの言葉を理解することが出来ていないみたいなんだよね。イザーちゃんの言っていることもわかってないみたいだし、コミュニケーションをとることは出来ないのかもしれない」
イザーに対する抗議活動を継続するか終了するかの話し合いは今日も答えにたどり着くことは出来なかった。
だが、コレと同じような話し合いは零楼館高校内各地で行われており、どこも似たような形の話し合いになっていて、抗議活動が終了する事はないのであった。
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