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おパンツ戦争
第115話 ボクと一緒に帰るんだよお
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工藤珠希は目の前にいる工藤太郎と目を合わせることが出来なかった。
いつもは自然と行っていた会話もどこかぎこちなく笑う事も出来ずにいた。
それでも、工藤太郎は優しいほほえみを浮かべていたのだ。
「あの、おかえりなさい。大丈夫だった?」
「ただいま。さっきは死にかけたんだけど、それ以外は大丈夫だよ。珠希ちゃんに会えて元気も貰ったしね」
「何それ、別にボクは何もしてないと思うんだけど」
「直接会えて嬉しいよ。でも、ちゃんと顔を見せてくれたらもっと嬉しいんだけどな」
「バカ、太郎のくせにそんなこと言うなよ」
初々しい感じの二人のやり取りを受けて周りで見ている人たちは微笑ましい気持ちになっていた。
そんな周りの視線に気付いた工藤珠希はこの場を今すぐにでも去りたいと思っていたけれど、先ほどまで出来ていた道が塞がれて完全に周りを囲まれて逃げ場を失っていた。
「みんなの前で会うのはイヤだったんだよ。もう、ボクの事よりも太郎の事を見てあげてよ」
顔を隠すように押さえてしゃがみこんでしまった工藤珠希を見て誰もが可愛いと思っていた。
そんな工藤珠希の心の叫びを聞いた人たちは少しずつ距離をあけていき、工藤珠希の逃げ道を作ってあげていたのだ。
「ごめんね。でもね、みんな珠希ちゃんのことを知りたいって思ってるから注目されるのは仕方ない事なんだよ」
「なんでだよ。ボクの事よりも宇宙から帰ってきた太郎の事の方が気になってるはずだろ」
「俺が注目されているのは宇宙から帰ってきたからなんじゃなくて、珠希ちゃんの履いているおパンツの事なんだよ」
「は、急に何言ってんの?」
「何言ってるのって、みんな珠希ちゃんに似合うおパンツはどっちが良いか気にして集まってるんだからね。水色の可愛らしいおパンツとピンクのセクシーなおパンツならどっちが良いかって話だったでしょ?」
「え、その話ってまだやってたの?」
「そうみたいだよ。というか、うまなちゃんとイザーちゃんがいまだにちょっと険悪な感じなのはそれが原因みたいだしね」
「そんなに険悪な感じには見えなかったけど」
「珠希ちゃんに気をつかわれたくないって事なんじゃないかな。きっとそういう事なんだよ」
工藤珠希が嫌がってから直接おパンツの事を聞きに来る者はいなくなっていた。
その事からもうその問題は解決したものだと思っていたのだけれど、実際にはまだ気にしているという事であった。
水色の可愛らしいおパンツだろうがピンクのセクシーなおパンツだろうがどっちでもいいだろうという気持ちが強い工藤珠希ではあったが、そのどちらも別に好きではないので選ぶことが出来ないのだ。
というよりも、どちらを穿いても恥ずかしいとしか思えないので答えたくないというのが本音であった。
「珠希ちゃんがどんなおパンツを穿いてるか気になるなら、一緒に住めばすぐにわかるのにね」
「ちょっと、変なこと言わないで。ボクと一緒に暮らしたからってどんなおパンツを穿いてるかなんてわからないでしょ?」
「そんな事はないけどね。俺は珠希ちゃんと違って家事とかも手伝ってたりするし、それ以外にも下着姿でウロウロしている珠希ちゃんをよく見かけるから」
言葉を言い終える前に工藤太郎はたまたま落ちていた棒でお腹を思いっきり叩かれていた。
本来であればこのような攻撃を受けるような工藤太郎ではないのだが、工藤珠希の前で油断していたという事もあって思いっきり強烈な一撃をくらってしまったのだ。
先ほどのように瀕死の状態になることはなかったのだけれど、それでも工藤太郎は目に涙を溜めて痛みをこらえているようだった。
どんなに強い者でも気を許した相手と一緒にいる時は油断してしまうという証拠なのかもしれない。
「ボクが変態みたいな言い方しないでほしいな。そんな事したことないのに。もう、そんな変なこと言う太郎は帰ってこなくてもいいからね」
「ごめんごめん、ちょっと意地悪しちゃっただけだから。でも、嘘はついてないんだけどな」
この場を去ろうとしていた工藤珠希が振り向くと同時に持っていた棒を振り上げると、工藤太郎はそれに対して防御姿勢をとっていた。
「もう言わないから許して。今日から野宿なんて嫌だよ」
「おや、太郎ちゃんが泊まる場所が無いって言うんだったら私の家に泊まりに来てもいいんだよ。今日は誰も変な死に方をしていないからすぐに帰ることが出来るしね」
「ポンピーノ先生の家はきっと危険が沢山ありますよ。そんな危ないところに行くよりは私の部屋に泊まってください。クリーキーの事で迷惑もかけちゃったみたいですし、宇宙でのことも色々と聞きたいですからね」
「いやいや、クリームパイちゃんの部屋は狭いでしょ。ベッド一つしかないしどこで太郎ちゃんが寝るのよ。そんなところで寝るんだったら、担任である私の部屋に来てもいいのよ。ベッドはダブルサイズだから問題ないしね」
「先生たちもクリームパイちゃんもいい加減にして。太郎はそんなところに行かないよ。ボクと一緒に帰るんだから」
自分の言葉にハッとした工藤珠希は気まずい感じになっていたのだけれど、自分を見ている周りの目が異常に優しいことに気が付いてしまった。
ドクターポンピーノも片岡瑠璃先生もクリームパイも優しく微笑んでいるのだ。
完全にしてやられたと思った工藤珠希ではあったが、工藤太郎と一緒に帰ることが出来るという事は嬉しい事なので一安心していたのであった。
いつもは自然と行っていた会話もどこかぎこちなく笑う事も出来ずにいた。
それでも、工藤太郎は優しいほほえみを浮かべていたのだ。
「あの、おかえりなさい。大丈夫だった?」
「ただいま。さっきは死にかけたんだけど、それ以外は大丈夫だよ。珠希ちゃんに会えて元気も貰ったしね」
「何それ、別にボクは何もしてないと思うんだけど」
「直接会えて嬉しいよ。でも、ちゃんと顔を見せてくれたらもっと嬉しいんだけどな」
「バカ、太郎のくせにそんなこと言うなよ」
初々しい感じの二人のやり取りを受けて周りで見ている人たちは微笑ましい気持ちになっていた。
そんな周りの視線に気付いた工藤珠希はこの場を今すぐにでも去りたいと思っていたけれど、先ほどまで出来ていた道が塞がれて完全に周りを囲まれて逃げ場を失っていた。
「みんなの前で会うのはイヤだったんだよ。もう、ボクの事よりも太郎の事を見てあげてよ」
顔を隠すように押さえてしゃがみこんでしまった工藤珠希を見て誰もが可愛いと思っていた。
そんな工藤珠希の心の叫びを聞いた人たちは少しずつ距離をあけていき、工藤珠希の逃げ道を作ってあげていたのだ。
「ごめんね。でもね、みんな珠希ちゃんのことを知りたいって思ってるから注目されるのは仕方ない事なんだよ」
「なんでだよ。ボクの事よりも宇宙から帰ってきた太郎の事の方が気になってるはずだろ」
「俺が注目されているのは宇宙から帰ってきたからなんじゃなくて、珠希ちゃんの履いているおパンツの事なんだよ」
「は、急に何言ってんの?」
「何言ってるのって、みんな珠希ちゃんに似合うおパンツはどっちが良いか気にして集まってるんだからね。水色の可愛らしいおパンツとピンクのセクシーなおパンツならどっちが良いかって話だったでしょ?」
「え、その話ってまだやってたの?」
「そうみたいだよ。というか、うまなちゃんとイザーちゃんがいまだにちょっと険悪な感じなのはそれが原因みたいだしね」
「そんなに険悪な感じには見えなかったけど」
「珠希ちゃんに気をつかわれたくないって事なんじゃないかな。きっとそういう事なんだよ」
工藤珠希が嫌がってから直接おパンツの事を聞きに来る者はいなくなっていた。
その事からもうその問題は解決したものだと思っていたのだけれど、実際にはまだ気にしているという事であった。
水色の可愛らしいおパンツだろうがピンクのセクシーなおパンツだろうがどっちでもいいだろうという気持ちが強い工藤珠希ではあったが、そのどちらも別に好きではないので選ぶことが出来ないのだ。
というよりも、どちらを穿いても恥ずかしいとしか思えないので答えたくないというのが本音であった。
「珠希ちゃんがどんなおパンツを穿いてるか気になるなら、一緒に住めばすぐにわかるのにね」
「ちょっと、変なこと言わないで。ボクと一緒に暮らしたからってどんなおパンツを穿いてるかなんてわからないでしょ?」
「そんな事はないけどね。俺は珠希ちゃんと違って家事とかも手伝ってたりするし、それ以外にも下着姿でウロウロしている珠希ちゃんをよく見かけるから」
言葉を言い終える前に工藤太郎はたまたま落ちていた棒でお腹を思いっきり叩かれていた。
本来であればこのような攻撃を受けるような工藤太郎ではないのだが、工藤珠希の前で油断していたという事もあって思いっきり強烈な一撃をくらってしまったのだ。
先ほどのように瀕死の状態になることはなかったのだけれど、それでも工藤太郎は目に涙を溜めて痛みをこらえているようだった。
どんなに強い者でも気を許した相手と一緒にいる時は油断してしまうという証拠なのかもしれない。
「ボクが変態みたいな言い方しないでほしいな。そんな事したことないのに。もう、そんな変なこと言う太郎は帰ってこなくてもいいからね」
「ごめんごめん、ちょっと意地悪しちゃっただけだから。でも、嘘はついてないんだけどな」
この場を去ろうとしていた工藤珠希が振り向くと同時に持っていた棒を振り上げると、工藤太郎はそれに対して防御姿勢をとっていた。
「もう言わないから許して。今日から野宿なんて嫌だよ」
「おや、太郎ちゃんが泊まる場所が無いって言うんだったら私の家に泊まりに来てもいいんだよ。今日は誰も変な死に方をしていないからすぐに帰ることが出来るしね」
「ポンピーノ先生の家はきっと危険が沢山ありますよ。そんな危ないところに行くよりは私の部屋に泊まってください。クリーキーの事で迷惑もかけちゃったみたいですし、宇宙でのことも色々と聞きたいですからね」
「いやいや、クリームパイちゃんの部屋は狭いでしょ。ベッド一つしかないしどこで太郎ちゃんが寝るのよ。そんなところで寝るんだったら、担任である私の部屋に来てもいいのよ。ベッドはダブルサイズだから問題ないしね」
「先生たちもクリームパイちゃんもいい加減にして。太郎はそんなところに行かないよ。ボクと一緒に帰るんだから」
自分の言葉にハッとした工藤珠希は気まずい感じになっていたのだけれど、自分を見ている周りの目が異常に優しいことに気が付いてしまった。
ドクターポンピーノも片岡瑠璃先生もクリームパイも優しく微笑んでいるのだ。
完全にしてやられたと思った工藤珠希ではあったが、工藤太郎と一緒に帰ることが出来るという事は嬉しい事なので一安心していたのであった。
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