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最初の最終決戦
第零話χ 天才たちの苦悩
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魔王アスモデウスの野望を阻止することが出来なかった事は想定の範囲内ではあった。
だが、勇者真琴が魔王アスモデウスの手によって別次元に飛ばされてしまったのは想定外であった。
「お兄ちゃんの居場所を探し出して迎えに行かなくちゃ。みんなが生き返ってもお兄ちゃんがいないと意味ないもんね」
「そうだよね。私達だけじゃ魔王アスモデウスと勝負にすらならないもんね。お兄ちゃんの力は絶対に必要だもんね」
金髪の少女と銀髪の少女が見つめる巨大なモニターに映し出されている地図は似たような大陸が何層にも重なっている。一見すると等高線のようにも見えるのだが、その正体は他の次元の地球を多重的に映し出しているモノなのだ。美少女たちは勇者真琴を探すために途方もない数の次元を調べているのだ。
「お兄ちゃんの居場所がわかる方法ってないかな。あの独特の魔力を感知出来ればすぐだと思うんだけど、他の次元に飛ばされた時に魔力を失ってる可能性だってあるもんね」
「その可能性は高いと思うわ。私たちがお兄ちゃんの事を見つけられないなんておかしいもん。あれだけ人とは全然違う特殊な魔力を持っているお兄ちゃんを見逃すなんてありえないよね」
「占いでも何でもいいからお兄ちゃんの居場所を探し出してもらわないと。どうにかして見つけないとお兄ちゃんが私たちの事を忘れちゃうかもしれないもんね」
黒髪の少女と桃色の髪の少女も勇者真琴の捜索を諦めるつもりはないのだ。彼女たち以外の人達も諦めるつもりはないのだが、魔王アスモデウスの罠にかかって勇者真琴が消えてから時間が過ぎれば過ぎただけモチベーションも低下しつつあるのも事実であった。
科学者も占い師も次元を超える旅人も誰一人として勇者真琴の痕跡を見つけることが出来なかった。美少女たちも様々な方法を使って懸命に探してはいたのだけれど、勇者真琴を見つける手がかりは一つも見つからなかった。
「これだけ探しても見つからないって事は、お兄ちゃんはもうどこにもいないって事なのかな?」
誰もが口に出さないようにしていたセリフを思わず言ってしまったのに気付いてすぐに手で口を覆い隠したが、その言葉は彼女たちの胸に深く突き刺さるモノであった。これだけ探しても見つからないという事は、勇者真琴はどの次元にも存在していないという事か探し方が悪いという事なのだろう。今時点で出来ることは全てやっているはずなのに見つけられないという事は、どこの次元にも勇者真琴は存在していないという結論になってもおかしくなかったのだ。
「お兄ちゃんなら大丈夫だと思う。だって、どんな時でもお兄ちゃんは乗り越えてきたんだよ。私たちに諦めなければどんなことでもやり遂げられるって教えてくれたじゃない」
「それはそうなんだけどさ、魔王アスモデウスの罠にかかったお兄ちゃんは無事なのかな」
「そんな弱気なこと言っちゃダメだよ。私たちが信じないとダメだって。お兄ちゃんだってきっと私たちを探してるはずだし、私たちを見つけられたら戻ってこようとしてるんじゃないかな。その時に私たちがお兄ちゃんを探していなかったとしたら、お兄ちゃんは私たちをどう思うんだろう」
彼女たちは勇者真琴の無事を信じているのだが、それと同じくらい諦めているのだ。彼女たちの持てる力を総動員しても見つからない場所にいる可能性とどこにも存在しないという可能性ではどちらが高いのか、それを考えることは全ての可能性を否定することになるという事も理解はしているのだ。
「たぶんなんだけど、私たちのやり方じゃお兄ちゃんを見つけることは出来ないんだと思うの。私たちでは見つけられないところにお兄ちゃんがいるんだと思う」
「それってどういう事なの?」
金髪の少女は今にも殴りかかりそうな勢いで桃色の髪の少女に詰め寄っていた。桃色の髪の少女は一歩下がって距離をとりながら手元にある端末を操作してモニターに魔王アスモデウスの姿を映し出した。
桃色の髪の少女の行動を理解出来ない三人は困惑しているのが誰にでもわかるくらい挙動がおかしくなっていたのだが、そんな事を気にせずに桃色の髪の少女は説明を始めた。
「私たちがどんな手段をもってしてもお兄ちゃんを見つけられないのはこいつが邪魔してるからだと思うの。そうでもなければ私たちはもっと簡単にお兄ちゃんを見つけられているはずだよね」
「そうかもしれないって思うけど、そんなことがこの魔王に出来るの?」
銀髪の少女は信じられないといった感じでいたのだが、桃色の髪の少女は魔王アスモデウスなら出来るだろうと考えているようだ。
「出来ると思うよ。こいつは私たちが蘇生出来ないようにしてたらしいからね、お兄ちゃんの存在を私たちから隠すことくらい出来るんじゃないかな」
「でも、こんなにボロボロの状態でそんなことできるのかな。お兄ちゃんと戦っていた時の傷が全然癒えてないみたいなんだけど、これってリアルタイムの映像なんだよね?」
金髪の少女も黒髪の少女も銀髪の少女同様に桃色の髪の少女の言葉を完全に信じ切っていないようではある。
だが、桃色の髪の少女の言葉と表情を見ていると三人ともその言葉を信じたくなってきたのだ。
「もちろんそうだよ。今から魔王アスモデウスのところに行こうと思ってるんだけど、みんなはどうする?」
三人は同じタイミングでその問いかけに答えていた。
答えはもちろん、イエスだ。
だが、勇者真琴が魔王アスモデウスの手によって別次元に飛ばされてしまったのは想定外であった。
「お兄ちゃんの居場所を探し出して迎えに行かなくちゃ。みんなが生き返ってもお兄ちゃんがいないと意味ないもんね」
「そうだよね。私達だけじゃ魔王アスモデウスと勝負にすらならないもんね。お兄ちゃんの力は絶対に必要だもんね」
金髪の少女と銀髪の少女が見つめる巨大なモニターに映し出されている地図は似たような大陸が何層にも重なっている。一見すると等高線のようにも見えるのだが、その正体は他の次元の地球を多重的に映し出しているモノなのだ。美少女たちは勇者真琴を探すために途方もない数の次元を調べているのだ。
「お兄ちゃんの居場所がわかる方法ってないかな。あの独特の魔力を感知出来ればすぐだと思うんだけど、他の次元に飛ばされた時に魔力を失ってる可能性だってあるもんね」
「その可能性は高いと思うわ。私たちがお兄ちゃんの事を見つけられないなんておかしいもん。あれだけ人とは全然違う特殊な魔力を持っているお兄ちゃんを見逃すなんてありえないよね」
「占いでも何でもいいからお兄ちゃんの居場所を探し出してもらわないと。どうにかして見つけないとお兄ちゃんが私たちの事を忘れちゃうかもしれないもんね」
黒髪の少女と桃色の髪の少女も勇者真琴の捜索を諦めるつもりはないのだ。彼女たち以外の人達も諦めるつもりはないのだが、魔王アスモデウスの罠にかかって勇者真琴が消えてから時間が過ぎれば過ぎただけモチベーションも低下しつつあるのも事実であった。
科学者も占い師も次元を超える旅人も誰一人として勇者真琴の痕跡を見つけることが出来なかった。美少女たちも様々な方法を使って懸命に探してはいたのだけれど、勇者真琴を見つける手がかりは一つも見つからなかった。
「これだけ探しても見つからないって事は、お兄ちゃんはもうどこにもいないって事なのかな?」
誰もが口に出さないようにしていたセリフを思わず言ってしまったのに気付いてすぐに手で口を覆い隠したが、その言葉は彼女たちの胸に深く突き刺さるモノであった。これだけ探しても見つからないという事は、勇者真琴はどの次元にも存在していないという事か探し方が悪いという事なのだろう。今時点で出来ることは全てやっているはずなのに見つけられないという事は、どこの次元にも勇者真琴は存在していないという結論になってもおかしくなかったのだ。
「お兄ちゃんなら大丈夫だと思う。だって、どんな時でもお兄ちゃんは乗り越えてきたんだよ。私たちに諦めなければどんなことでもやり遂げられるって教えてくれたじゃない」
「それはそうなんだけどさ、魔王アスモデウスの罠にかかったお兄ちゃんは無事なのかな」
「そんな弱気なこと言っちゃダメだよ。私たちが信じないとダメだって。お兄ちゃんだってきっと私たちを探してるはずだし、私たちを見つけられたら戻ってこようとしてるんじゃないかな。その時に私たちがお兄ちゃんを探していなかったとしたら、お兄ちゃんは私たちをどう思うんだろう」
彼女たちは勇者真琴の無事を信じているのだが、それと同じくらい諦めているのだ。彼女たちの持てる力を総動員しても見つからない場所にいる可能性とどこにも存在しないという可能性ではどちらが高いのか、それを考えることは全ての可能性を否定することになるという事も理解はしているのだ。
「たぶんなんだけど、私たちのやり方じゃお兄ちゃんを見つけることは出来ないんだと思うの。私たちでは見つけられないところにお兄ちゃんがいるんだと思う」
「それってどういう事なの?」
金髪の少女は今にも殴りかかりそうな勢いで桃色の髪の少女に詰め寄っていた。桃色の髪の少女は一歩下がって距離をとりながら手元にある端末を操作してモニターに魔王アスモデウスの姿を映し出した。
桃色の髪の少女の行動を理解出来ない三人は困惑しているのが誰にでもわかるくらい挙動がおかしくなっていたのだが、そんな事を気にせずに桃色の髪の少女は説明を始めた。
「私たちがどんな手段をもってしてもお兄ちゃんを見つけられないのはこいつが邪魔してるからだと思うの。そうでもなければ私たちはもっと簡単にお兄ちゃんを見つけられているはずだよね」
「そうかもしれないって思うけど、そんなことがこの魔王に出来るの?」
銀髪の少女は信じられないといった感じでいたのだが、桃色の髪の少女は魔王アスモデウスなら出来るだろうと考えているようだ。
「出来ると思うよ。こいつは私たちが蘇生出来ないようにしてたらしいからね、お兄ちゃんの存在を私たちから隠すことくらい出来るんじゃないかな」
「でも、こんなにボロボロの状態でそんなことできるのかな。お兄ちゃんと戦っていた時の傷が全然癒えてないみたいなんだけど、これってリアルタイムの映像なんだよね?」
金髪の少女も黒髪の少女も銀髪の少女同様に桃色の髪の少女の言葉を完全に信じ切っていないようではある。
だが、桃色の髪の少女の言葉と表情を見ていると三人ともその言葉を信じたくなってきたのだ。
「もちろんそうだよ。今から魔王アスモデウスのところに行こうと思ってるんだけど、みんなはどうする?」
三人は同じタイミングでその問いかけに答えていた。
答えはもちろん、イエスだ。
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