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引きこもりからの脱却
第十三話 特別寮と特待生寮
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荷物の整理をいったん途中で止めてまで俺の住んでいる場所を見たいと言い出した瑠璃の気迫におされて俺たちは職員寮から特別寮へと向かうことにした。
途中で愛華ちゃんが住んでいる特待生寮も見たのだけれど、その時の瑠璃の反応は信じられないものを見た外国人のようにも見えた。普段はクールな感じの瑠璃がこんなに表情豊かだったというのは長年一緒に暮らしてきた俺には知らない一面だったのだ。
「お姉ちゃんも特待生に選ばれたらここに住めるんだよ。でも、教職員は特待生になれないからここには住めないね」
「それはそうだけど、この広い建物をその特待生の子が一人で使ってるって事なの?」
「住んでいるのは一人だけど、午彪と奈緒美はここを拠点にして活動はしているんだよ。あの夫婦の持ち物だからどこに住んだって自由なんだけどさ、二人とも愛華の事を気に入っちゃってるから出来るだけ一緒に居ようとしているんだよね。うまなちゃんもお兄さんの事を気に入っているから一緒に居たいみたいんだけど、さすがに女子高生とお兄さんが一つ屋根の下で暮らすってのは倫理的にもどうなのかなって事になっちゃうよね」
「良くないと思うよ。そんな事をしたら兄貴が犯罪者になっちゃうかもしれないよね。そのためには私がしっかりしないと駄目だよね」
瑠璃の表情が少しずつ変化しているように見えた。いい意味で変わっていると思いたいのだけれど、瑠璃の瞳から少しずつ色が抜けていっているように見えるのは何か良くないことが起こる前触れなのだろうか。それを見た俺の本能はこの場から逃げるように指令を出しているのだけれど、俺の手をガッチリと掴んでいるイザーちゃんの力に勝てるはずもなく逃げ出すことも出来なかった。
「ちょっと待って、ここに兄貴が一人で住んでるって事なの?」
瑠璃の言葉に対して俺とイザーちゃんは同時に首を縦に振っていた。それを見た瑠璃はまたもや外国人のような表情を作っていて戸惑いを隠すことが出来ないようだ。
「このお家デカすぎるでしょ。私たちが住んでた家よりも広いとかおかしいじゃない。こんなところに兄貴が一人で住むなんておかしいって。パパとママを呼んで暮らしても余裕で部屋が余ってそうだよ。もしかして、広いだけで部屋は一つしかないとかそういうのじゃないよね?」
「もちろん、部屋の数はそれなりにあるけど、全部が全部暮らすための部屋って事でもないんだよね。学校じゃお兄さんに相談しにくいこととかもあるだろうし、そう言った問題をココで解決ための部屋もあるからね。あとは、ファミレスとかカフェも作る予定だって言ってたよ」
「それって、寮じゃないと思うんだけど」
「そんな細かいことはどうでもいいのよ。大切なのは、ここにお兄さんが住んでることなんだからね。こんなに広くて部屋もたくさんあるっていうのに、お兄さんが選んだのはこの家の中で一番小さい部屋なんだよ。もう少しいい部屋を選んでくれてもよかったんだけど、広い部屋は落ち着かないんだって」
「その気持ちはわかるかも。私も広い部屋にはあこがれがあったりするけど、実際に広い部屋に住んでいいよって言われたら落ち着かないかも。職員寮も想像していたよりは広かったけど、ココは想定外だよ」
鍵のかかっていない玄関を通って中に入った瑠璃は廊下の長さにも驚いていた。俺もこの廊下の長さは一生慣れることが無いと思う。それくらいここの広さは異常なのだ。
長い廊下を歩いて俺の部屋の前までやってきた瑠璃は何かを探しているのかキョロキョロと周りを見回していた。何を探しているのかはわからないが、俺もつられてその辺を適当に見ているタイミングで瑠璃は扉を開けて中へ入っていった。
俺の部屋に入っていった瑠璃は何も言わずに俺の使ったベッドに座っていた。
「兄貴の部屋って感じがするわ。ベッドとテレビの位置とか実家の部屋とまんま一緒だよね。この位置だとベッドに寝ながらテレビ見れないと思うんだけど、兄貴はベッドは寝るための場所って割り切ってるんだもんね」
「瑠璃はそうじゃないのか?」
「え、何言ってんの。そういうの言わない方がいいと思うよ。なんかそんな聞き方嫌だわ」
「私もそういう聞き方は良くないと思うな。お兄さんはもう少しデリカシーを持った方がいいと思うよ。一歩間違えればセクハラって言われてもおかしくないと思うよ」
そんなつもりで聞いたわけではないけれど、これ以上何かを言っても理解してもらえないだろう。
「まあいいや、この部屋も十分広いよね。これだけ広いんだったら二人で住んでも困ることはないかもしれないか」
「いや、二人で住むってどういう事?」
「別に。深い意味なんて何もないけど。兄貴が私と一緒に住みたいって言うんだったらさ、週末くらいは泊まりに来てあげてもいいよ」
「じゃあ、その時は私も一緒に泊まってあげるよ。うまなちゃんも呼んでみんなで楽しく過ごしちゃおうよ」
「それも良いかもね。兄貴とゲームして泣き顔見るの面白いかもしれないよ」
なんで週末に俺の部屋に集まってゲームをすることになっているのだろう。ここよりも広い部屋がたくさんあるんだから集まるのならそっちにした方がいいのにと思ったけど、それを言ってもみんな受け入れてくれないというのは何となく理解している。
「あの、そろそろ晩御飯が出来るみたいですよ。真琴さんの妹さんも一緒に食べますよね?」
愛華ちゃんがいきなり窓を開けて話しかけてきたのだが、俺は窓に背を向けていたので突然の出来事に驚いてしまっていた。
「ご迷惑じゃないのならいただきたいです」
「ご迷惑なんてとんでもないです。イザーさんから真琴さんの妹さんも一緒だと伺っていたので用意はしてあるみたいですからね」
途中で愛華ちゃんが住んでいる特待生寮も見たのだけれど、その時の瑠璃の反応は信じられないものを見た外国人のようにも見えた。普段はクールな感じの瑠璃がこんなに表情豊かだったというのは長年一緒に暮らしてきた俺には知らない一面だったのだ。
「お姉ちゃんも特待生に選ばれたらここに住めるんだよ。でも、教職員は特待生になれないからここには住めないね」
「それはそうだけど、この広い建物をその特待生の子が一人で使ってるって事なの?」
「住んでいるのは一人だけど、午彪と奈緒美はここを拠点にして活動はしているんだよ。あの夫婦の持ち物だからどこに住んだって自由なんだけどさ、二人とも愛華の事を気に入っちゃってるから出来るだけ一緒に居ようとしているんだよね。うまなちゃんもお兄さんの事を気に入っているから一緒に居たいみたいんだけど、さすがに女子高生とお兄さんが一つ屋根の下で暮らすってのは倫理的にもどうなのかなって事になっちゃうよね」
「良くないと思うよ。そんな事をしたら兄貴が犯罪者になっちゃうかもしれないよね。そのためには私がしっかりしないと駄目だよね」
瑠璃の表情が少しずつ変化しているように見えた。いい意味で変わっていると思いたいのだけれど、瑠璃の瞳から少しずつ色が抜けていっているように見えるのは何か良くないことが起こる前触れなのだろうか。それを見た俺の本能はこの場から逃げるように指令を出しているのだけれど、俺の手をガッチリと掴んでいるイザーちゃんの力に勝てるはずもなく逃げ出すことも出来なかった。
「ちょっと待って、ここに兄貴が一人で住んでるって事なの?」
瑠璃の言葉に対して俺とイザーちゃんは同時に首を縦に振っていた。それを見た瑠璃はまたもや外国人のような表情を作っていて戸惑いを隠すことが出来ないようだ。
「このお家デカすぎるでしょ。私たちが住んでた家よりも広いとかおかしいじゃない。こんなところに兄貴が一人で住むなんておかしいって。パパとママを呼んで暮らしても余裕で部屋が余ってそうだよ。もしかして、広いだけで部屋は一つしかないとかそういうのじゃないよね?」
「もちろん、部屋の数はそれなりにあるけど、全部が全部暮らすための部屋って事でもないんだよね。学校じゃお兄さんに相談しにくいこととかもあるだろうし、そう言った問題をココで解決ための部屋もあるからね。あとは、ファミレスとかカフェも作る予定だって言ってたよ」
「それって、寮じゃないと思うんだけど」
「そんな細かいことはどうでもいいのよ。大切なのは、ここにお兄さんが住んでることなんだからね。こんなに広くて部屋もたくさんあるっていうのに、お兄さんが選んだのはこの家の中で一番小さい部屋なんだよ。もう少しいい部屋を選んでくれてもよかったんだけど、広い部屋は落ち着かないんだって」
「その気持ちはわかるかも。私も広い部屋にはあこがれがあったりするけど、実際に広い部屋に住んでいいよって言われたら落ち着かないかも。職員寮も想像していたよりは広かったけど、ココは想定外だよ」
鍵のかかっていない玄関を通って中に入った瑠璃は廊下の長さにも驚いていた。俺もこの廊下の長さは一生慣れることが無いと思う。それくらいここの広さは異常なのだ。
長い廊下を歩いて俺の部屋の前までやってきた瑠璃は何かを探しているのかキョロキョロと周りを見回していた。何を探しているのかはわからないが、俺もつられてその辺を適当に見ているタイミングで瑠璃は扉を開けて中へ入っていった。
俺の部屋に入っていった瑠璃は何も言わずに俺の使ったベッドに座っていた。
「兄貴の部屋って感じがするわ。ベッドとテレビの位置とか実家の部屋とまんま一緒だよね。この位置だとベッドに寝ながらテレビ見れないと思うんだけど、兄貴はベッドは寝るための場所って割り切ってるんだもんね」
「瑠璃はそうじゃないのか?」
「え、何言ってんの。そういうの言わない方がいいと思うよ。なんかそんな聞き方嫌だわ」
「私もそういう聞き方は良くないと思うな。お兄さんはもう少しデリカシーを持った方がいいと思うよ。一歩間違えればセクハラって言われてもおかしくないと思うよ」
そんなつもりで聞いたわけではないけれど、これ以上何かを言っても理解してもらえないだろう。
「まあいいや、この部屋も十分広いよね。これだけ広いんだったら二人で住んでも困ることはないかもしれないか」
「いや、二人で住むってどういう事?」
「別に。深い意味なんて何もないけど。兄貴が私と一緒に住みたいって言うんだったらさ、週末くらいは泊まりに来てあげてもいいよ」
「じゃあ、その時は私も一緒に泊まってあげるよ。うまなちゃんも呼んでみんなで楽しく過ごしちゃおうよ」
「それも良いかもね。兄貴とゲームして泣き顔見るの面白いかもしれないよ」
なんで週末に俺の部屋に集まってゲームをすることになっているのだろう。ここよりも広い部屋がたくさんあるんだから集まるのならそっちにした方がいいのにと思ったけど、それを言ってもみんな受け入れてくれないというのは何となく理解している。
「あの、そろそろ晩御飯が出来るみたいですよ。真琴さんの妹さんも一緒に食べますよね?」
愛華ちゃんがいきなり窓を開けて話しかけてきたのだが、俺は窓に背を向けていたので突然の出来事に驚いてしまっていた。
「ご迷惑じゃないのならいただきたいです」
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