23 / 111
引きこもりからの脱却
最終話 異世界への繋がりと新世界への道程
しおりを挟む
転生した俺を探し出すのは時間がかかってしまったらしく、そのタイムラグが俺と瑠璃の年齢差として現れた。
瑠璃が俺の妹として転生したことで魔王アスモデウス軍の残党に見つかる可能性が出てきたそうなのだが、俺が見つからないようにするために俺を引きこもらせたという。そんなことが出来るのかと思ったけど、イザーちゃんであればそんな事もやってのけそうな感じはしている。
俺が引きこもりになったのはイジメに遭ったからなのだけど、裏でそれをさせていたのがイザーちゃんだと思いたくはなかった。
愛華ちゃんがこの世界に転生したのはいくら待っても瑠璃から連絡が来なかったかららしい。
向こうの世界での記憶が残っていない瑠璃が連絡をするはずがないと気付いたのは瑠璃がこの世界に転生してから五年ほど経過した後だったそうだ。
本来であれば記憶を残したまま転生することも出来たようなのだが、俺がいる世界線の同じ時間に転生させるためには記憶を犠牲にする必要があったようだ。詳しいことはわからないが、欲張って多くの事を望むよりも同じ時間に転生させる確率を上げる必要があったという事だそうだ。
瑠璃の中に残った向こうの世界の記憶は俺を守ることで、愛華ちゃんの中に残ったモノは天才的な頭脳だそうだ。それと、二人とも仲間を守るという気持ちはとても強いらしい。
ちなみに、先ほどまで俺たちと一緒にいた奈緒美さんはイザーちゃんがゼリーみたいな物体で作った人形に奈緒美さんの人格をコピーして作り上げたという事だ。
「イザーちゃんの話を聞いて気になることが一つあるんだけど、うまなちゃんは君たちにとっていったいどういう存在になるのかな?」
「それはちょっと難しい話なんだよね。愛華だとしてもお兄さんに理解してもらえるように上手く説明できないと思うんだけど。簡単に言うと、私が転生するはずだったこの世界の人間ってとこかな。もちろん、私は転生してないし転生する必要も無かったんだけどね」
「うまなちゃんとイザーちゃんが似てるのはそれが理由か。もう一つ聞きたいんだけど、イザーちゃんがしてくれ話って、愛華ちゃんの他に誰が知ってるのかな?」
「他に知ってるのは午彪と奈緒美だけだよ。あとでお姉ちゃんにも話そうとは思うんだけど、お兄さんから説明してみる?」
俺が説明したところで瑠璃は信じてくれないだろう。いや、昔から俺のいう事は何でも馬鹿みたいに信じているような奴だし、意外と俺の言ったことを受け入れて理解してくれるかもしれない。
でも、俺自身もイザーちゃんの話を完全に理解しているわけではないので、説明するというのは難しいことなのかもしれない。
「そうだね。私から説明することにするよ」
「そうしてくれると助かるよ。それともう一つ。あの鳥居っていったい何だったの?」
「あれはね、こっちの世界と他の世界を繋げるための出入口ってとこかな。向こうの世界の人達はこっちの世界を認識出来ないんで通ることは出来ないんだけど、お兄さんを探している魔王アスモデウス軍の残党は認識出来るみたいなんだよ。そんなに頑張らなくてもいいのにね」
「でも、その残党がいるからこそイザーさんが探しているモノを見つける可能性も高くなるんですよね」
「そうなんだけどさ、今の状況だとリスクの方が大きいんだよね」
二人の話を聞く限りでは、イザーちゃんはとても重要な何かを探しているようだ。
その探し物をするためには鳥居を使ってこっちの世界と向こうの世界を繋げる必要があるらしい。
こちらからは自由に捜索も出来るようなのだが、向こうの世界からはこちらの大体の場所しか特定出来ないらしい。だが、何もヒントが無い状態だった彼らからするとそんな些細な情報でも重要な手掛かりになっており、先ほどの奈緒美さんのように捕まえられてしまう可能性も高くなってしまうそうだ。
ただ、その鳥居も好きな時に好きなだけ使えるという事でもなく、別の世界と繋げるためにはそれなりのエネルギーが必要になるのだ。
そのエネルギーというのが、俺や瑠璃が知らない間に垂れ流している魔力だそうだ。俺としては魔力なんて言われてもピンとこないのだけど、同じ空間にいるだけで充分エネルギーが満たせているらしい。
「全部を理解してもらわなくても大丈夫だよ。お兄さんは少しずつでもいいんで、向こうの事を思い出してくれたらいいんだからね」
「それはそうと、イザーちゃんは何を探しているのかな?」
「簡単に言っちゃうと、魔王アスモデウスの魂ってやつだね。それを見つけて封印するなり始末しちゃうなりしないと、新たな魔王アスモデウスが誕生してしまうんだよ。それだけはどうしても避けたいからね。お兄さんみたいに強い人がいつの時代にもいるわけでもないからね」
「その魔王の魂もこっちに転生しているって可能性はないのかな?」
「あ、その可能性はあるかも」
「確かに。魔王がこちらに転生しているという可能性を考慮して無かったですね。さすがは私たちのリーダーですね」
何となく言った俺の一言が重要な意味を持ってしまったかもしれない。
それにしても、俺が引きこもる原因は名前についてい執拗にいじられたことだったのだが、そうするように仕向けたのがイザーちゃんだったかもしれないというのは何か引っかかるものがあった。
「それと、一応釘はさしておくんだけど、私が話したことはうまなちゃんに内緒にしておいてね。うまなちゃんは私たちの問題に関わりはないんだからね」
「午彪さんや奈緒美さんは関わっているっていう事?」
「色々とあってね。彼らには助けてもらってるんだよ。私が覚えている知識を愛華がこの世界でも使えるようにしてくれたんだけど、それを実現するためには午彪と奈緒美のお金が必要だったんだ。お兄さんなら私が何を言いたいのかわかってくれるよね?」
イザーちゃんの話を完全に信じているわけではないのだけど、その中に嘘が混じっているとも思えなかった。
そんな話をうまなちゃんに出来るはずもないな。そんな事を俺は何度も何度も繰り返し、繰り返し考えていたのであった。
瑠璃が俺の妹として転生したことで魔王アスモデウス軍の残党に見つかる可能性が出てきたそうなのだが、俺が見つからないようにするために俺を引きこもらせたという。そんなことが出来るのかと思ったけど、イザーちゃんであればそんな事もやってのけそうな感じはしている。
俺が引きこもりになったのはイジメに遭ったからなのだけど、裏でそれをさせていたのがイザーちゃんだと思いたくはなかった。
愛華ちゃんがこの世界に転生したのはいくら待っても瑠璃から連絡が来なかったかららしい。
向こうの世界での記憶が残っていない瑠璃が連絡をするはずがないと気付いたのは瑠璃がこの世界に転生してから五年ほど経過した後だったそうだ。
本来であれば記憶を残したまま転生することも出来たようなのだが、俺がいる世界線の同じ時間に転生させるためには記憶を犠牲にする必要があったようだ。詳しいことはわからないが、欲張って多くの事を望むよりも同じ時間に転生させる確率を上げる必要があったという事だそうだ。
瑠璃の中に残った向こうの世界の記憶は俺を守ることで、愛華ちゃんの中に残ったモノは天才的な頭脳だそうだ。それと、二人とも仲間を守るという気持ちはとても強いらしい。
ちなみに、先ほどまで俺たちと一緒にいた奈緒美さんはイザーちゃんがゼリーみたいな物体で作った人形に奈緒美さんの人格をコピーして作り上げたという事だ。
「イザーちゃんの話を聞いて気になることが一つあるんだけど、うまなちゃんは君たちにとっていったいどういう存在になるのかな?」
「それはちょっと難しい話なんだよね。愛華だとしてもお兄さんに理解してもらえるように上手く説明できないと思うんだけど。簡単に言うと、私が転生するはずだったこの世界の人間ってとこかな。もちろん、私は転生してないし転生する必要も無かったんだけどね」
「うまなちゃんとイザーちゃんが似てるのはそれが理由か。もう一つ聞きたいんだけど、イザーちゃんがしてくれ話って、愛華ちゃんの他に誰が知ってるのかな?」
「他に知ってるのは午彪と奈緒美だけだよ。あとでお姉ちゃんにも話そうとは思うんだけど、お兄さんから説明してみる?」
俺が説明したところで瑠璃は信じてくれないだろう。いや、昔から俺のいう事は何でも馬鹿みたいに信じているような奴だし、意外と俺の言ったことを受け入れて理解してくれるかもしれない。
でも、俺自身もイザーちゃんの話を完全に理解しているわけではないので、説明するというのは難しいことなのかもしれない。
「そうだね。私から説明することにするよ」
「そうしてくれると助かるよ。それともう一つ。あの鳥居っていったい何だったの?」
「あれはね、こっちの世界と他の世界を繋げるための出入口ってとこかな。向こうの世界の人達はこっちの世界を認識出来ないんで通ることは出来ないんだけど、お兄さんを探している魔王アスモデウス軍の残党は認識出来るみたいなんだよ。そんなに頑張らなくてもいいのにね」
「でも、その残党がいるからこそイザーさんが探しているモノを見つける可能性も高くなるんですよね」
「そうなんだけどさ、今の状況だとリスクの方が大きいんだよね」
二人の話を聞く限りでは、イザーちゃんはとても重要な何かを探しているようだ。
その探し物をするためには鳥居を使ってこっちの世界と向こうの世界を繋げる必要があるらしい。
こちらからは自由に捜索も出来るようなのだが、向こうの世界からはこちらの大体の場所しか特定出来ないらしい。だが、何もヒントが無い状態だった彼らからするとそんな些細な情報でも重要な手掛かりになっており、先ほどの奈緒美さんのように捕まえられてしまう可能性も高くなってしまうそうだ。
ただ、その鳥居も好きな時に好きなだけ使えるという事でもなく、別の世界と繋げるためにはそれなりのエネルギーが必要になるのだ。
そのエネルギーというのが、俺や瑠璃が知らない間に垂れ流している魔力だそうだ。俺としては魔力なんて言われてもピンとこないのだけど、同じ空間にいるだけで充分エネルギーが満たせているらしい。
「全部を理解してもらわなくても大丈夫だよ。お兄さんは少しずつでもいいんで、向こうの事を思い出してくれたらいいんだからね」
「それはそうと、イザーちゃんは何を探しているのかな?」
「簡単に言っちゃうと、魔王アスモデウスの魂ってやつだね。それを見つけて封印するなり始末しちゃうなりしないと、新たな魔王アスモデウスが誕生してしまうんだよ。それだけはどうしても避けたいからね。お兄さんみたいに強い人がいつの時代にもいるわけでもないからね」
「その魔王の魂もこっちに転生しているって可能性はないのかな?」
「あ、その可能性はあるかも」
「確かに。魔王がこちらに転生しているという可能性を考慮して無かったですね。さすがは私たちのリーダーですね」
何となく言った俺の一言が重要な意味を持ってしまったかもしれない。
それにしても、俺が引きこもる原因は名前についてい執拗にいじられたことだったのだが、そうするように仕向けたのがイザーちゃんだったかもしれないというのは何か引っかかるものがあった。
「それと、一応釘はさしておくんだけど、私が話したことはうまなちゃんに内緒にしておいてね。うまなちゃんは私たちの問題に関わりはないんだからね」
「午彪さんや奈緒美さんは関わっているっていう事?」
「色々とあってね。彼らには助けてもらってるんだよ。私が覚えている知識を愛華がこの世界でも使えるようにしてくれたんだけど、それを実現するためには午彪と奈緒美のお金が必要だったんだ。お兄さんなら私が何を言いたいのかわかってくれるよね?」
イザーちゃんの話を完全に信じているわけではないのだけど、その中に嘘が混じっているとも思えなかった。
そんな話をうまなちゃんに出来るはずもないな。そんな事を俺は何度も何度も繰り返し、繰り返し考えていたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる