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悪魔狩り
悪魔狩り 最終話
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俺は何もしていない。
ただ黙って見ていただけなのだ。
そう、俺は今回も何もすることが出来なかった。
「やっぱりうまなちゃんを悪魔扱いするのは良くないと思うんだよね」
「そうですよね。うまなさんの事を悪魔だと思ってるなんて、圭重さんは悪い人ですよ」
二人のスカートに赤黒い染みが付着しているのを見てしまった俺ではあったが、その事に触れることは出来なかった。
うまなちゃんはスカートの染みに気付いてはいなかったが、瑠璃は気付いていたようで二人にそっと耳打ちをしていた。
「晩御飯の準備もしなくちゃいけないから先に部屋に戻りますね。イザーさんも手伝ってもらっていいですか?」
「オッケーだよ。今日は何かあっさりしたものが食べたい気分かも」
「あれ、二人とも帰っちゃうのかな。まだ夢の続き見てた方が良いんじゃないかな?」
「そうかもしれないけど、これ以上見てても何も変わらないような気がするんだよね。ほら、夢の中のうまなちゃんも天井を見たまま動かなくなっちゃったし」
「本当だ。夢の中の私はぬいぐるみを置いたまま天井を見上げてるね。天井に何かあるのかな?」
おそらくだが、夢の主である野城圭重が死んだことであの世界にいるうまなちゃんの存在意義が問われているのだと思う。
野城圭重を執拗に追いかけていた向こうのうまなちゃんも追いかけるべき相手がいなくなったのなら何もすることが無いという事なんだろうな。
「じゃあ、私たちはいったん着替えてから買い物に行ってくるね。何か食べたいものがあったら連絡してね」
「イザーさんはあっさりしたものが食べたいみたいですけど、他の皆さんはコッテリしたものが食べたいんだったらそれも作りますよ。例えば、お好み焼きとか」
「うわぁ、お好み焼き食べたいかも。イザーちゃんがそうめんを食べてる横でお好み焼き食べたいな」
「ちょっと待って、あっさりしたものとは言ったけどさ、そうめんとお好み焼きだったら私もお好み焼き食べたいんだけど」
「じゃあ、あっさりしたお好み焼きも作りましょうね」
「それって、具無しソースマヨ無しって事じゃないよね?」
「さあ、どうでしょうね」
少しだけ泣きそうなイザーちゃんをからかう愛華ちゃんの姿はとても新鮮だった。
普段であれば見られないような光景だと思ったが、他の三人はそう思ってはいないようだな。うまなちゃんも瑠璃も二人のやり取りに対して違和感を持っていないように見える。
「圭重先輩の夢の映像もずっと変わらないままだね。夢の中の私もずっと黙ってるし、瑠璃先生と愛華ちゃんもずっと出てきてないよね」
「そうですね。私はあんな風に思われているという事だったら出てこなくてもいいかなって思ってるんですけど、ずっと出てこないのは少しだけ寂しいかもしれないですよ」
「でも、夢の世界でも瑠璃先生は可愛らしい感じですよね。お兄ちゃんは夢の中でも変わらなかったけどね」
向こうの世界に行った俺はこの世界にいる俺であるのだから変わるはずがないのだ。
基本的に夢の世界に出てくる人物は野城圭重が思い描いている人物で彼が想像しているような感じの性格になっている。だから、野城圭重の夢に呼ばれていない俺が彼の夢に出てくることなんて無いと思うのだ。
イザーちゃんも野城圭重の世界には登場していない人物だったけど、学校で直接関わっていることがほとんどないから夢の世界の主要登場人物として選ばれていないのかもしれないな。
「あ、圭重先輩の夢にイザーちゃんが出てきたよ。何かを探しているみたいだけど、忘れ物でもしたのかな?」
「本当ですね。何か一生懸命探しているみたいですよ。あ、イザーさんがうまなさんの事をじっと見てますね。何かあるのかな?」
「自分自身ではないけど、ああやって見つめられるのってちょっと照れ臭いね。いつも見られているという気はしてるんだけど、こうして客観視して見るというのはなかなか気恥しいものがあるよ」
画面の端を行ったり来たりしているイザーちゃんは映らないようにギリギリを責めているような動きをしていた。つま先だけを少し画面の中に残して移動するという遊びにも見える行動をとっていた。
「時々見えるつま先は何か意味がありそうだよね。でも、夢って割と脈略のないこととか起こっちゃうと思うし、イザーちゃんの行動も何の意味もないことかもしれないよね」
野城圭重の夢に出てきたイザーちゃんはおそらく、俺と同じ方法を使って夢の中へと入っていったのだろう。
その証拠に、スカートについている赤黒い染みがそのまま残っているのだ。野城圭重が見ているイザーちゃんであればあんな染みを付けている事もないだろう。
「うわ、イザーちゃんが凄いアップになったよ。こんなに近くで映しているのに、凄い肌がきれいだよ。ちょっと羨ましいかも」
「そんなに羨ましがらなくてもうまなさんのお肌も綺麗ですよ。若いだけじゃない綺麗さがあるから自信もっていいと思いますよ」
夢の世界を映しているカメラの存在に気付いているのはむこうの世界にいるうまなちゃんとこっちの世界でこの映像を見ていた俺だ。
今映っているイザーちゃんも俺と同じように向こうの世界に行ったのだとしたらカメラの存在に気付いているという可能性はあると思うのだが、俺はカメラがどこにあるのか全く見当もつかなかった。
それでも、イザーちゃんはカメラの位置を正確に把握しているのか画面の両端を強く握って上下左右関係なく揺らし始めた。
画面の揺れに気持ち悪くなりかけた時には画面の揺れも収まってイザーちゃんのアップが映し出されていた。
途中で銃声が聞こえたような気がしたけど、誰もその事に触れていないという事は何もなかったという事なんだろうな。
もしかして、夢の世界の住人かどうかを見分けるためにはあの世界を映しているカメラの存在に気付いているかどうかという方法があるのかもしれない。
イザーちゃんみたいにカメラを探す者もいれば俺みたいに何の関心も持たないような奴もいるのだろう。
「夢の世界って楽しいことばかりではないって事みたいだね。圭重先輩の夢って、なんか普通の場所に普通に私たちがいるみたいな感じだったよね。瑠璃先生も愛華もちょっといつもとは雰囲気違っちゃったけど、本人だって何か違うなってわかってたよね?」
「そうですね。愛華さんは普段からあんな感じなのかなと思ってたんだけど、あの世界にいる私は私じゃない行動をとってたからおかしいなって思っちゃったんです」
「その気持ちわかるよ。私もあんな風に誰かを追いかけるなんてしてないからね。あんなに悪魔みたいなことはしたことないよ」
ただ黙って見ていただけなのだ。
そう、俺は今回も何もすることが出来なかった。
「やっぱりうまなちゃんを悪魔扱いするのは良くないと思うんだよね」
「そうですよね。うまなさんの事を悪魔だと思ってるなんて、圭重さんは悪い人ですよ」
二人のスカートに赤黒い染みが付着しているのを見てしまった俺ではあったが、その事に触れることは出来なかった。
うまなちゃんはスカートの染みに気付いてはいなかったが、瑠璃は気付いていたようで二人にそっと耳打ちをしていた。
「晩御飯の準備もしなくちゃいけないから先に部屋に戻りますね。イザーさんも手伝ってもらっていいですか?」
「オッケーだよ。今日は何かあっさりしたものが食べたい気分かも」
「あれ、二人とも帰っちゃうのかな。まだ夢の続き見てた方が良いんじゃないかな?」
「そうかもしれないけど、これ以上見てても何も変わらないような気がするんだよね。ほら、夢の中のうまなちゃんも天井を見たまま動かなくなっちゃったし」
「本当だ。夢の中の私はぬいぐるみを置いたまま天井を見上げてるね。天井に何かあるのかな?」
おそらくだが、夢の主である野城圭重が死んだことであの世界にいるうまなちゃんの存在意義が問われているのだと思う。
野城圭重を執拗に追いかけていた向こうのうまなちゃんも追いかけるべき相手がいなくなったのなら何もすることが無いという事なんだろうな。
「じゃあ、私たちはいったん着替えてから買い物に行ってくるね。何か食べたいものがあったら連絡してね」
「イザーさんはあっさりしたものが食べたいみたいですけど、他の皆さんはコッテリしたものが食べたいんだったらそれも作りますよ。例えば、お好み焼きとか」
「うわぁ、お好み焼き食べたいかも。イザーちゃんがそうめんを食べてる横でお好み焼き食べたいな」
「ちょっと待って、あっさりしたものとは言ったけどさ、そうめんとお好み焼きだったら私もお好み焼き食べたいんだけど」
「じゃあ、あっさりしたお好み焼きも作りましょうね」
「それって、具無しソースマヨ無しって事じゃないよね?」
「さあ、どうでしょうね」
少しだけ泣きそうなイザーちゃんをからかう愛華ちゃんの姿はとても新鮮だった。
普段であれば見られないような光景だと思ったが、他の三人はそう思ってはいないようだな。うまなちゃんも瑠璃も二人のやり取りに対して違和感を持っていないように見える。
「圭重先輩の夢の映像もずっと変わらないままだね。夢の中の私もずっと黙ってるし、瑠璃先生と愛華ちゃんもずっと出てきてないよね」
「そうですね。私はあんな風に思われているという事だったら出てこなくてもいいかなって思ってるんですけど、ずっと出てこないのは少しだけ寂しいかもしれないですよ」
「でも、夢の世界でも瑠璃先生は可愛らしい感じですよね。お兄ちゃんは夢の中でも変わらなかったけどね」
向こうの世界に行った俺はこの世界にいる俺であるのだから変わるはずがないのだ。
基本的に夢の世界に出てくる人物は野城圭重が思い描いている人物で彼が想像しているような感じの性格になっている。だから、野城圭重の夢に呼ばれていない俺が彼の夢に出てくることなんて無いと思うのだ。
イザーちゃんも野城圭重の世界には登場していない人物だったけど、学校で直接関わっていることがほとんどないから夢の世界の主要登場人物として選ばれていないのかもしれないな。
「あ、圭重先輩の夢にイザーちゃんが出てきたよ。何かを探しているみたいだけど、忘れ物でもしたのかな?」
「本当ですね。何か一生懸命探しているみたいですよ。あ、イザーさんがうまなさんの事をじっと見てますね。何かあるのかな?」
「自分自身ではないけど、ああやって見つめられるのってちょっと照れ臭いね。いつも見られているという気はしてるんだけど、こうして客観視して見るというのはなかなか気恥しいものがあるよ」
画面の端を行ったり来たりしているイザーちゃんは映らないようにギリギリを責めているような動きをしていた。つま先だけを少し画面の中に残して移動するという遊びにも見える行動をとっていた。
「時々見えるつま先は何か意味がありそうだよね。でも、夢って割と脈略のないこととか起こっちゃうと思うし、イザーちゃんの行動も何の意味もないことかもしれないよね」
野城圭重の夢に出てきたイザーちゃんはおそらく、俺と同じ方法を使って夢の中へと入っていったのだろう。
その証拠に、スカートについている赤黒い染みがそのまま残っているのだ。野城圭重が見ているイザーちゃんであればあんな染みを付けている事もないだろう。
「うわ、イザーちゃんが凄いアップになったよ。こんなに近くで映しているのに、凄い肌がきれいだよ。ちょっと羨ましいかも」
「そんなに羨ましがらなくてもうまなさんのお肌も綺麗ですよ。若いだけじゃない綺麗さがあるから自信もっていいと思いますよ」
夢の世界を映しているカメラの存在に気付いているのはむこうの世界にいるうまなちゃんとこっちの世界でこの映像を見ていた俺だ。
今映っているイザーちゃんも俺と同じように向こうの世界に行ったのだとしたらカメラの存在に気付いているという可能性はあると思うのだが、俺はカメラがどこにあるのか全く見当もつかなかった。
それでも、イザーちゃんはカメラの位置を正確に把握しているのか画面の両端を強く握って上下左右関係なく揺らし始めた。
画面の揺れに気持ち悪くなりかけた時には画面の揺れも収まってイザーちゃんのアップが映し出されていた。
途中で銃声が聞こえたような気がしたけど、誰もその事に触れていないという事は何もなかったという事なんだろうな。
もしかして、夢の世界の住人かどうかを見分けるためにはあの世界を映しているカメラの存在に気付いているかどうかという方法があるのかもしれない。
イザーちゃんみたいにカメラを探す者もいれば俺みたいに何の関心も持たないような奴もいるのだろう。
「夢の世界って楽しいことばかりではないって事みたいだね。圭重先輩の夢って、なんか普通の場所に普通に私たちがいるみたいな感じだったよね。瑠璃先生も愛華もちょっといつもとは雰囲気違っちゃったけど、本人だって何か違うなってわかってたよね?」
「そうですね。愛華さんは普段からあんな感じなのかなと思ってたんだけど、あの世界にいる私は私じゃない行動をとってたからおかしいなって思っちゃったんです」
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