(お嬢様+サイボーグヴァンパイア+天才女子高生)÷妹=新世界誕生

釧路太郎

文字の大きさ
79 / 111
勇者の試練

勇者の試練 第一話

しおりを挟む
 この世界で真の勇者と認められるには国王であるシュヴァンツ・フォン・アルシュロッホ九世の承認の他に勇者かどうかの認定を行っている四団体の承認も必要になってくるそうだ。
 俺としてはそこまでする必要なんて無いと思っていたのだけど、なぜかみんなその話を聞いてやる気になってしまっていた。
 どんな試練が待ち受けているのか気になる所ではあるが、俺の代わりにうまなちゃんたちがその人たちに話を聞きに行ってくれているという事なのでみんなの帰りを待つことになっていた。

「イザーちゃんはみんなと一緒に行かなくて大丈夫なの?」
「大丈夫ではないんだけど、うまなちゃんについてこなくても大丈夫って言われたからここで待つことにしたよ。お兄さんとポンピーノを二人っきりにするのも良くないって思ったんじゃないかな」

 どんな時でもイザーちゃんはうまなちゃんのそばにいる印象だったので別行動をしているという事に少し違和感があった。
 異世界に来ているとんだしいつも以上に心配になってもおかしくないと思ったけど、この世界に来ているうまなちゃんはもともと居た世界と違って戦う力を手にしているので安心なのかもしれない。あんなに大きな斧を振り回せるんだから誘拐されることもないとは思うけど、もう少し心配した方がイザーちゃんらしいとは思っていた。

「あの、私は皆さんの力関係をはっきり理解しているわけじゃないので間違ってたら申し訳ないんですけど、なんで真琴さんが皆さんの心配をしているんですか。真琴さん以外の方はみんな単独でも国を亡ぼすことが出来そうなくらい強いですよね。そんな人達の心配をする真琴さんには魔王にとどめを刺したってこと以外に強みが無いように思うんですけど。なんでそんな真琴さんが他の人達を心配しているんですか?」
「なんでって、みんなか弱い女の子だから。……か弱くはないかもしれないけど、女の子だから心配しちゃうよね」

「そういうもんなんですね。真琴さんは個人としての強さよりも性別にこだわるって事なんですね」
「そんな意味ではないんだけど」
「それだけお兄さんが優しいって事だよ。誰よりも優しい心を持っているから魔王を倒せたのかもね」

 お昼ご飯を食べながらこの世界の事を色々と教えて貰ったり、逆に俺たちがいた世界の事をポンピーノ姫に教えたりして過ごしていたのだが、夜になっても誰一人として帰ってくることはなかった。
 何かの事件に巻き込まれてしまったのかと心配になっていたのだが、みんなと連絡を取り合っているイザーちゃんが全く心配をしていないので何も問題はないのだろう。
 話を聞きに行った団体の人達に無理な要求をされていたらどうしようと考えていた俺ではあったが、みんなそれぞれの団体の人達にもてなしを受けていて帰るに帰れない状況になっているという事をイザーちゃんが教えてくれたのでひとまず安心することは出来た。

 用意されているとても豪華な晩御飯を三人で食べていた時にも色々な話を聞いたのだが、勇者を認定している四団体の違いが俺には全く理解出来なかった。
 勇者と認定されるために必要なことは全団体同じで試練の内容も全く一緒だという事だ。
 何のために四団体存在しているのかと聞いてみたのだが、そこは色々あってそうなっているという事しか教えて貰えなかった。きっと、大人の事情ってやつだったりするのだろう。

 うまなちゃんが話を聞きに行っている『世界勇者協会』も愛華ちゃんが話を聞きに行っている『全国勇者連合』も瑠璃が話を聞きに行っている『大勇者連盟』も柘榴ちゃんが話を聞きに行っている『真勇者評議会』もメンバーが違うだけでやっていることは同じだそうだ。
 名前が違うだけでやっていることは全く一緒な事を考えると、単なる天下り先だったり貴族や有力者の名誉のために存在しているのではないかと疑ってしまうくらいだ。
 その事をポンピーノ姫に聞いてみたところ、あからさまにその話題を変えようとしていたのであまり触れない方がいいのかもしれない。

「試験の内容ってポンピーノは知ってたりするの?」
「内容は噂レベルで聞いてはいるんですけど、実際にその認定試験を受けた人がいないのでその噂があっているかどうかわからないんですよ。勇者と従者の二人一組でダンジョンに入って最深部にある勇者の証を持って帰ってくることが試験らしいですよ。なんで二人一組なのかわからないんですけど、そういう噂になっているのも理由があるんじゃないですかね」
「なんだか、暇潰しにはなりそうな試験だけど、待ってる方は暇で暇で仕方ないかもしれないね。お兄さんは四回その試験を受けるって事になるんだけど、同じ試験を四回連続ってちょっとおもしろいかも」

 何が面白いのかわからないけど、同じ試験を四回も受けるのは面倒くさいな。どうにかして四人一緒にってことは出来ないんだろうか。
 それが出来ればかなりの時短にはなると思うんだけど、二人一組ってのが確定であればそれも難しい話になってしまうんだろうな。

 なんにせよ、俺はその試験を受けて勇者として認めてもらう事になるんだよな。

「今まで一度もその試験が行われてこなかったんだね。この国も長い歴史があるみたいなのに、それって不思議な話だよね」
「そうなんですよね。結構長い歴史のある国だとは思うんですけど、今まで誰一人として魔王を倒した人がいなかったんですからね。真琴さんが魔王を倒したのって本当なのかみんな疑ってたのはそういう理由もあるんですよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...