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第3章 アンダーグラウンド
005【1】
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キョウスケ達はいまだドワーフの酒屋の前にいた。
行き先は分かったものの、その難所続きのいばらの道に立往生していた。
「ん……何か来る」
するとグレイは殺気を感じる。確かに自分達に向けられる、視線。
「お前、ケルベロスだな」
三人が声の方を振り向くと、そこには全身鉄鎧の兵士と猫の姿をした女性がこちらに向かって歩いて来た。
「お前ら……もしかして親衛隊か」
グレイは親衛隊の二人を睨みつける。
魔王の直接配下に着く魔王親衛隊。二人はその兵士だった。
「そうだ、俺は親衛隊のデュラハン」
「アタイは親衛隊のワーキャット!」
デュラハンは剣を、ワーキャットは鉤爪を構える。
「キョウスケ、コイツら俺たちが狙いのようだ構えろ!」
「う……うん!」
キョウスケはポケットからケルベロスの刻印が入った魔札を取り出す。
その魔札を見て、デュラハンは目を見張る。
「こ……この人間、もしやデビルサモナーか……!」
「デビルサモナー?」
ワーキャットは首を傾げ、そんな姿を見たデュラハンは呆れる。
「お前デビルサモナーも知らないのか……魔王ベルゼブブ様を消滅の危機まで追い込んだ魔物使いのことだ」
「はにゃにゃにゃ!!?ベルゼブブ様を!!それってマズイんじゃ……」
「いや、その人間はベルゼブブ様に殺された。だからあの少年はおそらく別物だろうけど……油断はならん」
デュラハンは鋼の剣を強く握るが、ワーキャットはキョウスケが魔王を倒したデビルサモナーとは違うということを知り、ニヤリと笑う。
「にっしっしっ……だったらノープロブレム!デュラハンが行かないならアタイから行くよ!!」
「ちょっ!ワーキャット!!」
デュラハンを後に、ワーキャットはグレイに向かって飛びかかる。猫人間である彼女は足が速く、グレイとの距離は一気に縮まる。
「くっ……速い!」
グレイはさっと身を翻し、ワーキャットの攻撃をなんとか避ける。
ドゴォと、ワーキャットの鉤爪は先程までグレイのいた地面に突き刺さり、えぐり取る。
「キョウスケ今だ!」
「ヒートブレス!!」
キョウスケが唱えると、グレイは口から火球をワーキャットに向けて放った。
「んにゃあっ!!」
ワーキャットは地面に刺さった鉤爪を抜き取り、飛んで来る火球をそれで受け止める。火球はそのまま鉤爪に燃え移り、火炎となってワーキャットを燃やす。
「わにぁああああ!!アチチチチッ!!!」
「バブルス!」
炎に包まれるワーキャットに向かって、デュラハンは呪文を唱える。すると、ワーキャットの体は泡に包まれ、みるみると火は消えていく。
「んにぁ~……燃えかすになるところだった」
「何も考えずに突っ込むからそうなるんだ」
燃えた部分を手で払うワーキャットと、その背後でやれやれと呆れるデュラハン。
「グレイ……さっきのあの泡も魔技なの?」
キョウスケは突然デュラハンの出した泡を見て目を丸くする。
「いやあれは魔技じゃない、あれは魔法だ。魔技はその魔物が持っている元々の能力だが、魔法は学習して覚えるものなんだ」
「な……なるほど、じゃあグレイも魔法を使えるの?」
「少しな……だけど魔力の消耗が激しいからな。魔力が無くなったら俺たち魔物は体が動かなくなってしまうんだ」
「そっか……じゃあ最後まで取っておいた方がいいね」
キョウスケは理解する。
魔力はそのものを動かすための動力であり、例えば魔物の中、例えば魔力を動力にしている機械「絡繰」に備わっている。
人間で言うところの血液、機械で言うところの電力がこの魔力にあたる。
つまり魔法は自らの生命力を削って発動する、いわば諸刃の剣のようなものだった。
「キョウスケお前は人間だから魔力が無くなったからといって体が動かなくなったりはしない。だから
安心して戦って大丈夫だからな」
「えっ!あっうん……!」
グレイはキョウスケの不安を見越して、助言をする。
魔技は魔物の魔力を使うのではなく、デビルサモナーの魔力を引き出して発動する技だ。
しかし、人間は魔力を動力として生きているわけではない。だから無くなったらといって生命力が枯渇することはなく、維持される。
これこそが魔物がデビルサモナーを恐れる原因の一つでもあった。
「よしキョウスケ!今度はこっちから打って出るぞ!」
「うん!!」
キョウスケとグレイは一斉に走り出し、ワーキャットとデュラハンとの距離を詰める。
「クッ……速い!」
グレイの四本の足は地面を蹴り上げ、瞬時に手前にいたワーキャットのところにまで届く。
「にゃっ!?にゃにゃ!!!」
「ワーキャット!クッ……こうなれば一か八か……パラノイズ!!」
デュラハンが呪文を唱えると、持っている鋼の剣の剣先から光の波のようなものが発射される。
パラノイズ、それは光の波に見えるノイズを発することにより相手の体を麻痺させる効果のある魔法だった。
デュラハンの発射したパラノイズ。しかしグレイにはそれが見えており、グレイは素早くそれを横移動して避けきる。
「くそぅやはりダメか……ワーキャット!!」
そうデュラハンが叫んだ時には、グレイとワーキャットの距離はほんの十メートルちょっとの間しか無かった。
この距離でヒートブレスを放てば今度こそ直撃し、ワーキャットを確実に倒すことできるだろう。そんな位置にグレイとキョウスケは相手を追い詰めていたのだ。
「いっけぇグレイ!ヒートブレス!!」
キョウスケは大声で魔技を唱える。
誰もが勝負の決着が着いたと思った、その瞬間だった。
「!?」
突如グレイの体は、まるで石になったかのように動かなくなってしまう。
モチロン、この状態ではヒートブレスなど打てようもない。
「な……何故……だ」
グレイの体中に強烈な痺れが走る。
これは間違いなく麻痺の状態。しかしデュラハンが放ったパラノイズをグレイは先程確実に避けていた。
ではこの麻痺は一体……。
行き先は分かったものの、その難所続きのいばらの道に立往生していた。
「ん……何か来る」
するとグレイは殺気を感じる。確かに自分達に向けられる、視線。
「お前、ケルベロスだな」
三人が声の方を振り向くと、そこには全身鉄鎧の兵士と猫の姿をした女性がこちらに向かって歩いて来た。
「お前ら……もしかして親衛隊か」
グレイは親衛隊の二人を睨みつける。
魔王の直接配下に着く魔王親衛隊。二人はその兵士だった。
「そうだ、俺は親衛隊のデュラハン」
「アタイは親衛隊のワーキャット!」
デュラハンは剣を、ワーキャットは鉤爪を構える。
「キョウスケ、コイツら俺たちが狙いのようだ構えろ!」
「う……うん!」
キョウスケはポケットからケルベロスの刻印が入った魔札を取り出す。
その魔札を見て、デュラハンは目を見張る。
「こ……この人間、もしやデビルサモナーか……!」
「デビルサモナー?」
ワーキャットは首を傾げ、そんな姿を見たデュラハンは呆れる。
「お前デビルサモナーも知らないのか……魔王ベルゼブブ様を消滅の危機まで追い込んだ魔物使いのことだ」
「はにゃにゃにゃ!!?ベルゼブブ様を!!それってマズイんじゃ……」
「いや、その人間はベルゼブブ様に殺された。だからあの少年はおそらく別物だろうけど……油断はならん」
デュラハンは鋼の剣を強く握るが、ワーキャットはキョウスケが魔王を倒したデビルサモナーとは違うということを知り、ニヤリと笑う。
「にっしっしっ……だったらノープロブレム!デュラハンが行かないならアタイから行くよ!!」
「ちょっ!ワーキャット!!」
デュラハンを後に、ワーキャットはグレイに向かって飛びかかる。猫人間である彼女は足が速く、グレイとの距離は一気に縮まる。
「くっ……速い!」
グレイはさっと身を翻し、ワーキャットの攻撃をなんとか避ける。
ドゴォと、ワーキャットの鉤爪は先程までグレイのいた地面に突き刺さり、えぐり取る。
「キョウスケ今だ!」
「ヒートブレス!!」
キョウスケが唱えると、グレイは口から火球をワーキャットに向けて放った。
「んにゃあっ!!」
ワーキャットは地面に刺さった鉤爪を抜き取り、飛んで来る火球をそれで受け止める。火球はそのまま鉤爪に燃え移り、火炎となってワーキャットを燃やす。
「わにぁああああ!!アチチチチッ!!!」
「バブルス!」
炎に包まれるワーキャットに向かって、デュラハンは呪文を唱える。すると、ワーキャットの体は泡に包まれ、みるみると火は消えていく。
「んにぁ~……燃えかすになるところだった」
「何も考えずに突っ込むからそうなるんだ」
燃えた部分を手で払うワーキャットと、その背後でやれやれと呆れるデュラハン。
「グレイ……さっきのあの泡も魔技なの?」
キョウスケは突然デュラハンの出した泡を見て目を丸くする。
「いやあれは魔技じゃない、あれは魔法だ。魔技はその魔物が持っている元々の能力だが、魔法は学習して覚えるものなんだ」
「な……なるほど、じゃあグレイも魔法を使えるの?」
「少しな……だけど魔力の消耗が激しいからな。魔力が無くなったら俺たち魔物は体が動かなくなってしまうんだ」
「そっか……じゃあ最後まで取っておいた方がいいね」
キョウスケは理解する。
魔力はそのものを動かすための動力であり、例えば魔物の中、例えば魔力を動力にしている機械「絡繰」に備わっている。
人間で言うところの血液、機械で言うところの電力がこの魔力にあたる。
つまり魔法は自らの生命力を削って発動する、いわば諸刃の剣のようなものだった。
「キョウスケお前は人間だから魔力が無くなったからといって体が動かなくなったりはしない。だから
安心して戦って大丈夫だからな」
「えっ!あっうん……!」
グレイはキョウスケの不安を見越して、助言をする。
魔技は魔物の魔力を使うのではなく、デビルサモナーの魔力を引き出して発動する技だ。
しかし、人間は魔力を動力として生きているわけではない。だから無くなったらといって生命力が枯渇することはなく、維持される。
これこそが魔物がデビルサモナーを恐れる原因の一つでもあった。
「よしキョウスケ!今度はこっちから打って出るぞ!」
「うん!!」
キョウスケとグレイは一斉に走り出し、ワーキャットとデュラハンとの距離を詰める。
「クッ……速い!」
グレイの四本の足は地面を蹴り上げ、瞬時に手前にいたワーキャットのところにまで届く。
「にゃっ!?にゃにゃ!!!」
「ワーキャット!クッ……こうなれば一か八か……パラノイズ!!」
デュラハンが呪文を唱えると、持っている鋼の剣の剣先から光の波のようなものが発射される。
パラノイズ、それは光の波に見えるノイズを発することにより相手の体を麻痺させる効果のある魔法だった。
デュラハンの発射したパラノイズ。しかしグレイにはそれが見えており、グレイは素早くそれを横移動して避けきる。
「くそぅやはりダメか……ワーキャット!!」
そうデュラハンが叫んだ時には、グレイとワーキャットの距離はほんの十メートルちょっとの間しか無かった。
この距離でヒートブレスを放てば今度こそ直撃し、ワーキャットを確実に倒すことできるだろう。そんな位置にグレイとキョウスケは相手を追い詰めていたのだ。
「いっけぇグレイ!ヒートブレス!!」
キョウスケは大声で魔技を唱える。
誰もが勝負の決着が着いたと思った、その瞬間だった。
「!?」
突如グレイの体は、まるで石になったかのように動かなくなってしまう。
モチロン、この状態ではヒートブレスなど打てようもない。
「な……何故……だ」
グレイの体中に強烈な痺れが走る。
これは間違いなく麻痺の状態。しかしデュラハンが放ったパラノイズをグレイは先程確実に避けていた。
ではこの麻痺は一体……。
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