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第3章 アンダーグラウンド
009【1】
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「暗いから足元に気をつけろよ~?」
キョウスケ達一行は、ジャックの作った地下通路を歩み進んでいた。
元々隠れ家から緊急脱出をするために作られた通路だったので、表の階段にあったようなマジックバルブは着いていない。
そのため、ジャックが持っているロウソクの火だけが通路を照らす明かりとなっていた。
「僕暗いところ苦手なんだよね……」
キョウスケはビクビクしながらグレイの後を歩いて行く。ちなみに先頭を歩くのはジャックだ。
「ヘッヘッヘッ!オイラは好きだけどねぇ暗いとこ。なんせいっつも暗い場所を抜き足差し足忍び足でお宝を盗んでたからね」
「それは好き嫌いというより、仕事をスムーズにできるから楽でいいってことじゃないのか?」
「まっそうとも言うかな!」
愉快に笑うジャック。
どうやらジャックにとっての盗みというものは、仕事でもあり、趣味のようなものでもある、そう確信したグレイだった。
「先に釘を刺しておくが、下手に金やモノを盗むなよ。いらない罪は稼ぎたくないからな」
「ヘッヘッ最初に言っただろ?オイラは汚い奴らからしか物は盗まないってさ」
「それでもだ」
「はいはい、グレイさんの仰せのままに」
ジャックはグレイを茶化すような素ぶりをする。
そんなカボチャ頭の元盗賊を見て、グレイはやれやれと首を横に振った。
「うわぁ!!」
「キョウスケ!」
すると突如、キョウスケは通路のでこぼこに足をすくわれる。通路と言っても、見た目はただの洞窟となんら変わりなく、地面も凹凸だらけの歩きにくい地面だった。
「はぁ……助かった。ありがとうグレイ」
キョウスケが倒れそうになった場所に、グレイは自らの体で彼を受け止める。
「気をつけろよってさっきジャックが言ったばかりだろ……まったく……」
「そういやそうだったね……でもグレイの毛並みって見た目よりも触ってみると柔らかいよね」
「そうだな、昔からよく言われる」
キョウスケはグレイの毛をモサモサと触る。柔らか過ぎもせず、固過ぎもしないちょうど触り心地の良い毛並みをグレイはしていた。
「おっ!ちょいとオイラにも触らせてよ!」
「おい!お前は通路を照らせ!待て!二人揃って俺をワサワサするなああああ!!!」
「ホントだ!こりゃ思ったより気持ちいいな!毛布にしたいくらいだ」
「クセになりそうですよね!」
キョウスケとジャックによって、その体を包囲され逃げられないグレイ。
しばらくキョウスケとジャックは満足するまでグレイの毛並みを堪能していた。
「さて、気も済んだし先を進むか!」
「そうですね!」
ジャックとキョウスケは満悦した笑みを浮かべて、暗い通路を先に進む。
「お前ら……いつか噛み付いてやるからな」
ボロボロになったグレイがその後を追う。
自慢の毛並みは、二人に触られたことによってぐしゃぐしゃの毛ダルマのようになってしまっていた。
三人はしばらく通路を歩き、行き止まりに差し掛かったところで足を止める。
「よし着いた!んで多分ここら辺にハシゴが……おおあったあった!」
ジャックが壁をロウソクで照らすと、そこにはロープで作られたハシゴが天井に向けて吊るされていた。おそらくこれを登れば地上へと出れるのだろう。
「んじゃ先にオイラが登って地上に誰もいないか見てくるよ。ここでお前らが兵士に見つかったら全部水の泡だからな」
「それもそうですね……ジャックさんお願いします!」
「あいよ!じゃあこの明かりはキョウスケが持っててくれ」
ジャックはロウソクをキョウスケに手渡し、ハシゴに手を掛ける。
「それそれそれっと!」
ロープで作られたハシゴは見た目以上に実は登りづらく、足場が安定しないため素人が登るとバランスを崩してしまいがちになる。
しかしここは盗賊のプロであるジャック。そんな難しいハシゴをひょいひょいと軽々と登って行く。
「んでここを押し込めば……よし出れた!」
天井まで到達し、ジャックは更にその天井を押し込む。
すると土はブロックのように抜け、目前には地上の風景が映し出された。
と言ってもアンダーグラウンド自体が地下世界であり、相変わらずの薄暗い風景がジャックの目には映し出された。
「よし大丈夫誰もいない、登って来ていいぞ!」
ジャックは周囲を確認し、下にいるキョウスケとグレイに合図を送る。
「じゃあキョウスケ、先に行かせてもらうぞ」
「うん、気をつけてグレイ」
グレイは先に前足をハシゴに掛け、登って行く。
運動神経の良いグレイだったが、さすがにジャックほど颯爽とハシゴを登ることはできなかった。
「大丈夫グレイ?」
「あぁなんとかな……だけどこのハシゴなかなか登りにくい……」
「ヘッヘッ、まぁ縄で作ったやつだからな。だけどそれが一番持ち運びしやすいんだよね」
大きな館などに忍び込む時は、必ずと言っていいほど大きな塀を登らなければならない。そういう時、縄ばしごは持ち運びや回収が安易にできる。
登りにくいが、盗賊的には理にかなうハシゴではあった。
キョウスケが地下から見上げる中、グレイの尻尾はどんどんと遠くなっていく。
「よいしょ……やっと登れた」
「はいお疲れさん。じゃあ次はキョウスケだ!」
グレイがハシゴを登りきり、ついにキョウスケの順番となる。
「はい……!」
キョウスケはロウソクの火を消し、地面に置く。
そして縄ばしごに手を掛ける。
「うわ!ホントに登りにくい!」
掴み、足を掛け、キョウスケはその登りにくさを直に感じる。
登ると言うよりも、ロープをどんどん掴んでいくという表現の方が正しいくらい安定しない掴み所。そして油断をするとヘタれてしまう足場。
グレイの二割程のスピードだが、それでもなんとかキョウスケは一段一段掴んで進んで行く。
「キョウスケ~大丈夫かぁ?」
「うん、なんとか行けそうです!」
「そうか、まっゆっくり登っといで」
ジャックの心配をよそに、キョウスケは順調に縄ばしごを登って行く。
キョウスケ達一行は、ジャックの作った地下通路を歩み進んでいた。
元々隠れ家から緊急脱出をするために作られた通路だったので、表の階段にあったようなマジックバルブは着いていない。
そのため、ジャックが持っているロウソクの火だけが通路を照らす明かりとなっていた。
「僕暗いところ苦手なんだよね……」
キョウスケはビクビクしながらグレイの後を歩いて行く。ちなみに先頭を歩くのはジャックだ。
「ヘッヘッヘッ!オイラは好きだけどねぇ暗いとこ。なんせいっつも暗い場所を抜き足差し足忍び足でお宝を盗んでたからね」
「それは好き嫌いというより、仕事をスムーズにできるから楽でいいってことじゃないのか?」
「まっそうとも言うかな!」
愉快に笑うジャック。
どうやらジャックにとっての盗みというものは、仕事でもあり、趣味のようなものでもある、そう確信したグレイだった。
「先に釘を刺しておくが、下手に金やモノを盗むなよ。いらない罪は稼ぎたくないからな」
「ヘッヘッ最初に言っただろ?オイラは汚い奴らからしか物は盗まないってさ」
「それでもだ」
「はいはい、グレイさんの仰せのままに」
ジャックはグレイを茶化すような素ぶりをする。
そんなカボチャ頭の元盗賊を見て、グレイはやれやれと首を横に振った。
「うわぁ!!」
「キョウスケ!」
すると突如、キョウスケは通路のでこぼこに足をすくわれる。通路と言っても、見た目はただの洞窟となんら変わりなく、地面も凹凸だらけの歩きにくい地面だった。
「はぁ……助かった。ありがとうグレイ」
キョウスケが倒れそうになった場所に、グレイは自らの体で彼を受け止める。
「気をつけろよってさっきジャックが言ったばかりだろ……まったく……」
「そういやそうだったね……でもグレイの毛並みって見た目よりも触ってみると柔らかいよね」
「そうだな、昔からよく言われる」
キョウスケはグレイの毛をモサモサと触る。柔らか過ぎもせず、固過ぎもしないちょうど触り心地の良い毛並みをグレイはしていた。
「おっ!ちょいとオイラにも触らせてよ!」
「おい!お前は通路を照らせ!待て!二人揃って俺をワサワサするなああああ!!!」
「ホントだ!こりゃ思ったより気持ちいいな!毛布にしたいくらいだ」
「クセになりそうですよね!」
キョウスケとジャックによって、その体を包囲され逃げられないグレイ。
しばらくキョウスケとジャックは満足するまでグレイの毛並みを堪能していた。
「さて、気も済んだし先を進むか!」
「そうですね!」
ジャックとキョウスケは満悦した笑みを浮かべて、暗い通路を先に進む。
「お前ら……いつか噛み付いてやるからな」
ボロボロになったグレイがその後を追う。
自慢の毛並みは、二人に触られたことによってぐしゃぐしゃの毛ダルマのようになってしまっていた。
三人はしばらく通路を歩き、行き止まりに差し掛かったところで足を止める。
「よし着いた!んで多分ここら辺にハシゴが……おおあったあった!」
ジャックが壁をロウソクで照らすと、そこにはロープで作られたハシゴが天井に向けて吊るされていた。おそらくこれを登れば地上へと出れるのだろう。
「んじゃ先にオイラが登って地上に誰もいないか見てくるよ。ここでお前らが兵士に見つかったら全部水の泡だからな」
「それもそうですね……ジャックさんお願いします!」
「あいよ!じゃあこの明かりはキョウスケが持っててくれ」
ジャックはロウソクをキョウスケに手渡し、ハシゴに手を掛ける。
「それそれそれっと!」
ロープで作られたハシゴは見た目以上に実は登りづらく、足場が安定しないため素人が登るとバランスを崩してしまいがちになる。
しかしここは盗賊のプロであるジャック。そんな難しいハシゴをひょいひょいと軽々と登って行く。
「んでここを押し込めば……よし出れた!」
天井まで到達し、ジャックは更にその天井を押し込む。
すると土はブロックのように抜け、目前には地上の風景が映し出された。
と言ってもアンダーグラウンド自体が地下世界であり、相変わらずの薄暗い風景がジャックの目には映し出された。
「よし大丈夫誰もいない、登って来ていいぞ!」
ジャックは周囲を確認し、下にいるキョウスケとグレイに合図を送る。
「じゃあキョウスケ、先に行かせてもらうぞ」
「うん、気をつけてグレイ」
グレイは先に前足をハシゴに掛け、登って行く。
運動神経の良いグレイだったが、さすがにジャックほど颯爽とハシゴを登ることはできなかった。
「大丈夫グレイ?」
「あぁなんとかな……だけどこのハシゴなかなか登りにくい……」
「ヘッヘッ、まぁ縄で作ったやつだからな。だけどそれが一番持ち運びしやすいんだよね」
大きな館などに忍び込む時は、必ずと言っていいほど大きな塀を登らなければならない。そういう時、縄ばしごは持ち運びや回収が安易にできる。
登りにくいが、盗賊的には理にかなうハシゴではあった。
キョウスケが地下から見上げる中、グレイの尻尾はどんどんと遠くなっていく。
「よいしょ……やっと登れた」
「はいお疲れさん。じゃあ次はキョウスケだ!」
グレイがハシゴを登りきり、ついにキョウスケの順番となる。
「はい……!」
キョウスケはロウソクの火を消し、地面に置く。
そして縄ばしごに手を掛ける。
「うわ!ホントに登りにくい!」
掴み、足を掛け、キョウスケはその登りにくさを直に感じる。
登ると言うよりも、ロープをどんどん掴んでいくという表現の方が正しいくらい安定しない掴み所。そして油断をするとヘタれてしまう足場。
グレイの二割程のスピードだが、それでもなんとかキョウスケは一段一段掴んで進んで行く。
「キョウスケ~大丈夫かぁ?」
「うん、なんとか行けそうです!」
「そうか、まっゆっくり登っといで」
ジャックの心配をよそに、キョウスケは順調に縄ばしごを登って行く。
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