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第3章 アンダーグラウンド
011【1】
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駐屯施設を越えると、その先にはこのアンダーグラウンドにある唯一の異界の門が設置されてある。
アンダーグラウンドの異界の門は大きな岩に六芒星が刻まれ、その前に悪魔の石像が四体並んでいるというものだった。
しかしその門の前に、本物の悪魔が待ち構える。
「クックックッ……ケルベロスにジャック・オー・ランタン……そしてそこの人間がデビルサモナーか」
蛇矛を片手に携え、上半身は黒い鎧に、下半身は白いレギンスに身を包んだ、黒い羽を生やした女の悪魔がそこには立っている。
魔王親衛隊隊長、ソロモン72柱の二十九番目に位置する悪魔、アスタロトだった。
「ここまで来たということは、あの用無し共は共倒れしたということか……まあよい、ハナから奴らは捨て駒だったからな。これで処分する大義名分ができたわ。まずはそれについて我から礼を言おう」
まるで人を小馬鹿にするような笑みを浮かべ、アスタロトはキョウスケ達に一礼する。
「デュラハンさんとワーキャットさんは倒れてない。あの人達は僕を信じてここへの道を開けてくれました」
「ほう……自分達では倒せぬ相手ゆえ、我が与えた使命を放棄し我に丸投げしたと?」
アスタロトは顔を上げ、キョウスケを見据える。
しかしキョウスケは怒りの表情を崩さない。
「いや……お前を倒すために、僕達に道を譲ってくれたんだよ。 あの人達は僕達に託してくれたんだ……希望を」
キョウスケの言葉に、アスタロトは鼻で笑い返す。
「フン!希望だと?くだらんなそんなものは……そんなものにすがる者は総じて弱い奴らばかりだ。弱いからこそ叶わぬ夢を追い続け、いつまでも果たされぬ希望を持ち続ける。この魔界では力こそ全てだというのに……無様な連中だな」
「……無様なのはあんたの方だアスタロト」
「なんだと?」
アスタロトはキョウスケを睨みつける。しかし彼は怯まない。ここでたじろいだら負けてしまうと、臆病な自分をキョウスケは押し殺した。
「力しか取り柄がないあんたの方が何倍も無様だよ……仲間からも慕われない、ワガママで、強欲で、そうやって下に誰もいない玉座で踏ん反り返ってるあんたの方がね」
「キサマ……人間風情が言わせておけば!!」
アスタロトは持っていた蛇矛の柄の先を、地面に思いっきり突く。
すると地面は揺れ、僅かな地鳴りが起こった。
これこそが、本当の悪魔の力。
「このアスタロトを侮辱したこと、魔界の闇の底、パンデモニウムで後悔するがいいわっっ!!」
「キョウスケ来るぞ!!」
グレイの掛け声と同時に、キョウスケは身構える。
アスタロトは蛇矛を両手で握り、それを天高く上げた。
「ポイズン・クエイク!」
直後、蛇矛は緑色に光り、アスタロトはその矛先を地面に向けて叩きつけた。
「グッ!!揺れが!!!」
アスタロトが蛇矛を地面に叩きつけるやいなや、地面が大きく揺れ、グレイ達は思うように動けなくなってしまう。
「クックックッ!この魔法は揺れだけじゃないわ!!」
地面の揺れは更に激しくなり、そのダメージに地面が耐えられなくなり地割れが発生する。すると地割れが起こった場所から緑色の煙が立ち込めてきた。
「あれは……毒か!!」
鼻が良いグレイはその臭いだけですぐに感づく。地割れから発生している緑色の煙の正体は、アスタロトが発した猛毒だったのだ。
「キョウスケまずい!この場を離れるぞ!」
「でも足が……」
地震は未だ続いており、人間であるキョウスケは身動きをとれないでいた。
「俺に乗れ!そのままヤツに近づき攻撃を仕掛ける!」
「うん分かった!」
キョウスケはグレイの背に乗っかる。
「ジャックさん、グレイの援護よろしくお願いします!」
「おうよ!いっちょやってやるぜ!」
「よし……行くぞ!!」
グレイはキョウスケを背に乗せ、地鳴りが続く中を駆け、その隣でジャックが援護に入る。
アスタロトとの距離はどんどんと詰まっていった。
「フン小癪な!毒の霧を避けただけで調子に乗るでないわ!!」
アスタロトは蛇矛をぶん回し、グレイを正面に見据えた。
「ヒートブレスっ!」
「波動弾っ!」
キョウスケが唱え、グレイは火球を放出する。一方のアスタロトは蛇矛を降ると、白い波動の弾が勢いよく飛び出す。
二つの技はぶつかり合い、爆風を吹かせて両者の間で消滅した。
「フハハハ!!その程度の火の玉など我の元にも届かぬわ!くらえ……」
「おっと!グレイのは届かないけどオイラのはどうかな?」
アスタロトの真横から声が聞こえる。
振り向くとそこには、カボチャ頭の魔物の姿があった。
「まさかあの火の玉は我の注意を引くための陽動かっ!?」
急いで構えるアスタロト、だが間に合わない。
ジャックは投げナイフを手に持つ。
アスタロトは全身を鎧で身を守っているため、投げナイフが刺さる場所は限られてくるが、しかしそこは長年短剣を使い、扱いには慣れているジャック。
ピンポイントで二本の投げナイフを、両肩の鎧の繋ぎ目に目掛けて投げた。
「ぬっ!……クソォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
肩に投げナイフが刺さり、アスタロトの両肩から血が滲み出てくる。
しかし猛者であるアスタロト。そんな流血をも恐れず、蛇矛を強く握り、その柄を地面に叩きつけた。
「ポイズン・クエイク!!」
直後、アスタロトの周囲の地面が割れ、そこから猛烈な勢いの毒ガスが噴出する。
「グホァッッッ!!!」
アスタロトに接近していたジャックはその攻撃をモロに受け、毒ガスの勢いで十メートル程吹き飛び、地面に叩きつけられた。
アンダーグラウンドの異界の門は大きな岩に六芒星が刻まれ、その前に悪魔の石像が四体並んでいるというものだった。
しかしその門の前に、本物の悪魔が待ち構える。
「クックックッ……ケルベロスにジャック・オー・ランタン……そしてそこの人間がデビルサモナーか」
蛇矛を片手に携え、上半身は黒い鎧に、下半身は白いレギンスに身を包んだ、黒い羽を生やした女の悪魔がそこには立っている。
魔王親衛隊隊長、ソロモン72柱の二十九番目に位置する悪魔、アスタロトだった。
「ここまで来たということは、あの用無し共は共倒れしたということか……まあよい、ハナから奴らは捨て駒だったからな。これで処分する大義名分ができたわ。まずはそれについて我から礼を言おう」
まるで人を小馬鹿にするような笑みを浮かべ、アスタロトはキョウスケ達に一礼する。
「デュラハンさんとワーキャットさんは倒れてない。あの人達は僕を信じてここへの道を開けてくれました」
「ほう……自分達では倒せぬ相手ゆえ、我が与えた使命を放棄し我に丸投げしたと?」
アスタロトは顔を上げ、キョウスケを見据える。
しかしキョウスケは怒りの表情を崩さない。
「いや……お前を倒すために、僕達に道を譲ってくれたんだよ。 あの人達は僕達に託してくれたんだ……希望を」
キョウスケの言葉に、アスタロトは鼻で笑い返す。
「フン!希望だと?くだらんなそんなものは……そんなものにすがる者は総じて弱い奴らばかりだ。弱いからこそ叶わぬ夢を追い続け、いつまでも果たされぬ希望を持ち続ける。この魔界では力こそ全てだというのに……無様な連中だな」
「……無様なのはあんたの方だアスタロト」
「なんだと?」
アスタロトはキョウスケを睨みつける。しかし彼は怯まない。ここでたじろいだら負けてしまうと、臆病な自分をキョウスケは押し殺した。
「力しか取り柄がないあんたの方が何倍も無様だよ……仲間からも慕われない、ワガママで、強欲で、そうやって下に誰もいない玉座で踏ん反り返ってるあんたの方がね」
「キサマ……人間風情が言わせておけば!!」
アスタロトは持っていた蛇矛の柄の先を、地面に思いっきり突く。
すると地面は揺れ、僅かな地鳴りが起こった。
これこそが、本当の悪魔の力。
「このアスタロトを侮辱したこと、魔界の闇の底、パンデモニウムで後悔するがいいわっっ!!」
「キョウスケ来るぞ!!」
グレイの掛け声と同時に、キョウスケは身構える。
アスタロトは蛇矛を両手で握り、それを天高く上げた。
「ポイズン・クエイク!」
直後、蛇矛は緑色に光り、アスタロトはその矛先を地面に向けて叩きつけた。
「グッ!!揺れが!!!」
アスタロトが蛇矛を地面に叩きつけるやいなや、地面が大きく揺れ、グレイ達は思うように動けなくなってしまう。
「クックックッ!この魔法は揺れだけじゃないわ!!」
地面の揺れは更に激しくなり、そのダメージに地面が耐えられなくなり地割れが発生する。すると地割れが起こった場所から緑色の煙が立ち込めてきた。
「あれは……毒か!!」
鼻が良いグレイはその臭いだけですぐに感づく。地割れから発生している緑色の煙の正体は、アスタロトが発した猛毒だったのだ。
「キョウスケまずい!この場を離れるぞ!」
「でも足が……」
地震は未だ続いており、人間であるキョウスケは身動きをとれないでいた。
「俺に乗れ!そのままヤツに近づき攻撃を仕掛ける!」
「うん分かった!」
キョウスケはグレイの背に乗っかる。
「ジャックさん、グレイの援護よろしくお願いします!」
「おうよ!いっちょやってやるぜ!」
「よし……行くぞ!!」
グレイはキョウスケを背に乗せ、地鳴りが続く中を駆け、その隣でジャックが援護に入る。
アスタロトとの距離はどんどんと詰まっていった。
「フン小癪な!毒の霧を避けただけで調子に乗るでないわ!!」
アスタロトは蛇矛をぶん回し、グレイを正面に見据えた。
「ヒートブレスっ!」
「波動弾っ!」
キョウスケが唱え、グレイは火球を放出する。一方のアスタロトは蛇矛を降ると、白い波動の弾が勢いよく飛び出す。
二つの技はぶつかり合い、爆風を吹かせて両者の間で消滅した。
「フハハハ!!その程度の火の玉など我の元にも届かぬわ!くらえ……」
「おっと!グレイのは届かないけどオイラのはどうかな?」
アスタロトの真横から声が聞こえる。
振り向くとそこには、カボチャ頭の魔物の姿があった。
「まさかあの火の玉は我の注意を引くための陽動かっ!?」
急いで構えるアスタロト、だが間に合わない。
ジャックは投げナイフを手に持つ。
アスタロトは全身を鎧で身を守っているため、投げナイフが刺さる場所は限られてくるが、しかしそこは長年短剣を使い、扱いには慣れているジャック。
ピンポイントで二本の投げナイフを、両肩の鎧の繋ぎ目に目掛けて投げた。
「ぬっ!……クソォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
肩に投げナイフが刺さり、アスタロトの両肩から血が滲み出てくる。
しかし猛者であるアスタロト。そんな流血をも恐れず、蛇矛を強く握り、その柄を地面に叩きつけた。
「ポイズン・クエイク!!」
直後、アスタロトの周囲の地面が割れ、そこから猛烈な勢いの毒ガスが噴出する。
「グホァッッッ!!!」
アスタロトに接近していたジャックはその攻撃をモロに受け、毒ガスの勢いで十メートル程吹き飛び、地面に叩きつけられた。
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