30 / 71
第3章 アンダーグラウンド
011【2】
しおりを挟む
「ジャックさん!」
キョウスケはジャックの方を振り向くが、ジャックは苦い笑みを浮かべていた。
「ヘッヘッ……ちょいとばかし舐めすぎたか……毒を負っちまったよ。一応回復魔法は持ってるけど、治るまでちと時間がいるかも」
「なら良かった……その間僕とグレイでどうにかするから休んでて!」
「おう……敵の真ん前だがそうさせてもらうよ」
ジャックはグッタリしながらも、毒消しの魔法を体に浴びせる。
しかし、そんな弱っている標的をアスタロトが見逃すはずがなかった。
「死に損ないの虫ケラめがっ!我の体に傷をつけたこと後悔するがいいっ!!」
アスタロトは再び蛇矛を天に振り上げ、ジャックに向けてポイズン・クエイクを放とうとする。
弱っている状態のジャックがこれをまともに受けたら、その先に待っているのは死。
「グレイ今だ!!」
「パラノイズ!」
そんな中で、グレイはキョウスケの示したタイミングで麻痺の魔法を発動させる。
ポイズン・クエイクとは、実は放つ距離によって隙が生じてくる魔法だった。近距離の場合は蛇矛を振らずとも発動させることが出来るが、遠距離になればなるほど蛇矛へ力を注ぎ込む時間が必要となるため、発動までの遅延時間が発生するのだ。
そんな仕組みを、キョウスケは勘だけで感じとり、グレイに指示したのだ。
一方のパラノイズもスピードの遅い魔法だが、ポイズン・クエイクの遅延時間には速さは勝っていた。
「ぬっがああああああああああああああああああ!!!!!!!」
普段のアスタロトならこの程度の魔法は打ち消せたが、ポイズン・クエイクの遅延時間によりそちらに対応することができず、グレイのパラノイズは当たり、体中が痺れて麻痺してしまった。
「グレイっ!走れええええええええ!!!」
「ぬおおおおおおおおお!!!」
キョウスケはグレイから飛び降り、グレイだけを走らせた。
グレイの本気のダッシュにより、数メートルとあったアスタロトとの距離はどんどんと縮まっていく。
「この罪人どもがあああああああああ!!!!!」
アスタロトは吠え、迎え撃とうとするが、体が麻痺しているため腕すらも満足に動かすことができない。
その間にグレイは接近していく。五メートル、四メートル、三メートル、二メートル、一メートル……。
「今だっキョウスケ!!!」
「ヒートブレスッッッ!!!!」
キョウスケはケルベロスの刻印の入った魔札を強く握り、叫ぶように唱えた。
「食らいやがれっアスタロトおおおおおおお!!!!!!!」
グレイは火球を口に溜め込み、口からはみ出る程の炎が燃え上がる。
グレイとアスタロトととの距離、僅か0メートル。
アスタロトの目の先には、グレイの目があった。
「おらあああああああああああ!!!!!!!!!」
グレイは0メートルの距離でアスタロトにヒートブレスを放った。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
火球はアスタロトの顔面へ直撃。
その爆風でグレイの体は吹き飛ばされたが、うまく着地した。
轟!と音を立てながら、グレイの放った炎はアスタロトを燃やし尽くしていく。
勝負はついた……誰もがそう思った瞬間だった。
「ゆ……る………さ……ん」
自らの体が燃え盛る中、アスタロトは愛用の蛇矛を手から落とし、呟く。
その直後。
「ゆるさん……ゆるさん……ゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさああああああああああああああああああん!!!!!!!!」
絶叫と共に、アスタロトの右腕が変形していく。
いや、変形というには元の原型を全く留めてなく、むしろ変身と言った方が正しい。
ゴキガキゴキゴキと生々しい音を立て、その腕はどんどんと巨大化していき、体長二メートル程の大きさになっていく。
そしてその形はあの伝説の生き物、ドラゴンの頭の形となった。
「グギャオオオオオオオオオオオオ!!!!」
アスタロトの腕のドラゴンは咆哮する。その咆哮は大地をも揺るがし、音の風となって響き渡る。
「クックックッ……ギャーハッハッハッハッ!ドラゴン、我にまとうこの忌々しいちんけな火を吸い込むのだ!!」
「ギルオオオオオオオオ!!」
ドラゴンはアスタロトに応えるように吠え、次々とグレイが発した炎を吸い上げていく。
「ば……バカな……腕を犠牲にドラゴンを召喚したと言うのか!!」
グレイの顔には冷や汗が滲み出てくる。
そう、アスタロトが強いと言われるゆえん、それはこのドラゴンにあった。
そもそものアスタロトも十分強いのだが、このドラゴンが付くことによって、アスタロトは自らの力のリミッターを外すことができ、更にドラゴンがその攻撃力を倍増させるのだ。
「キッシッシッ……ケルベロス、そしてデビルサモナーよ。まさか貴様ら如きにこの姿を見せねばならんとは思わなかったぜぇ?」
アスタロトは不気味に笑う。先程までの暴君としての笑みではなく、その笑いには狂気が含まれていた。
「グレイ……」
「あぁ……まさかとは思っていたが、さっきまでの戦いは前哨戦に過ぎなかったみたいだ」
今まで臆病な自分を抑えていたキョウスケだったが、ドラゴンの姿を見て後ずさりする。
そこに存在しているだけで、ドラゴンは相手にプレッシャーを与えていたのだ。
「ここで我から貴様らに問題で~す!このドラゴンを見て生きて帰った者がいるでしょーうか?はい正解はぜーろ!みーんな死んじゃいましたぁ~ギャハハハハッッッ!!」
アスタロトは自問自答し、狂うように笑う。
力のリミッターを外したと同時に、その理性も外れてしまい、今のアスタロトはただの獣となっていた。
ただ唯一、今のアスタロトに残っているものは……。
「お前らの死肉は……ジュルリ……どんな味がするのかタ・ノ・シ・ミ!」
殺意と狂気だけだった。
「キョウスケ構えろ……アイツ何かするつもりだ!」
「うん……うわっ!!」
グレイに言われ、キョウスケは戦闘態勢をとろうとすると、突如地面が揺れ始める。
アスタロトがポイズン・クエイクを使ったわけではなく、大地が揺れ動いている。しかしその原因はすぐに分かった。
「グレイあれっ!アスタロトの腕のドラゴンが!!」
キョウスケが指差す先では、アスタロトの腕のドラゴンが大きく口を開けて何かを吸っているように見えた。
これは別に、空気を吸っているわけではない。ドラゴンは魔界の大地の力を吸い上げ、それをこれから使う技の力の源としていた。
つまり、魔界の大地の力を吸収せねばならない程、それは強力な技なのだ。
「……っ!キョウスケっ!アイツの正面は危険だ!走れええええっ!!」
「危険っ!!?」
グレイは直感的にドラゴンの正面は危険だと判断し、キョウスケに指示する。
キョウスケはグレイに言われた通り走り出すが、彼は人間なうえに、特別足の速い人間というわけでもない。
更にドラゴンの正面の範囲が広いため、その有効射程は大きく、とてもキョウスケの足で逃れられる距離ではなかった。
「くっ!キョウスケっ!!」
グレイは全速力でキョウスケの元に向け走る。
キョウスケを乗せて自分が走ればまだ間に合う。そうグレイは考えたからだ。
「クッキッキッキッ……無駄だよムダムダむ~だっ!全て吹き飛ばしちゃえば問題ない!魔界の散りになりなっ!!」
ドラゴンは力の源を確保すると、発射準備にかかる。口からは緑色の猛毒の煙が立ち込め、その煙だけで大気は汚染されていった。
キョウスケはジャックの方を振り向くが、ジャックは苦い笑みを浮かべていた。
「ヘッヘッ……ちょいとばかし舐めすぎたか……毒を負っちまったよ。一応回復魔法は持ってるけど、治るまでちと時間がいるかも」
「なら良かった……その間僕とグレイでどうにかするから休んでて!」
「おう……敵の真ん前だがそうさせてもらうよ」
ジャックはグッタリしながらも、毒消しの魔法を体に浴びせる。
しかし、そんな弱っている標的をアスタロトが見逃すはずがなかった。
「死に損ないの虫ケラめがっ!我の体に傷をつけたこと後悔するがいいっ!!」
アスタロトは再び蛇矛を天に振り上げ、ジャックに向けてポイズン・クエイクを放とうとする。
弱っている状態のジャックがこれをまともに受けたら、その先に待っているのは死。
「グレイ今だ!!」
「パラノイズ!」
そんな中で、グレイはキョウスケの示したタイミングで麻痺の魔法を発動させる。
ポイズン・クエイクとは、実は放つ距離によって隙が生じてくる魔法だった。近距離の場合は蛇矛を振らずとも発動させることが出来るが、遠距離になればなるほど蛇矛へ力を注ぎ込む時間が必要となるため、発動までの遅延時間が発生するのだ。
そんな仕組みを、キョウスケは勘だけで感じとり、グレイに指示したのだ。
一方のパラノイズもスピードの遅い魔法だが、ポイズン・クエイクの遅延時間には速さは勝っていた。
「ぬっがああああああああああああああああああ!!!!!!!」
普段のアスタロトならこの程度の魔法は打ち消せたが、ポイズン・クエイクの遅延時間によりそちらに対応することができず、グレイのパラノイズは当たり、体中が痺れて麻痺してしまった。
「グレイっ!走れええええええええ!!!」
「ぬおおおおおおおおお!!!」
キョウスケはグレイから飛び降り、グレイだけを走らせた。
グレイの本気のダッシュにより、数メートルとあったアスタロトとの距離はどんどんと縮まっていく。
「この罪人どもがあああああああああ!!!!!」
アスタロトは吠え、迎え撃とうとするが、体が麻痺しているため腕すらも満足に動かすことができない。
その間にグレイは接近していく。五メートル、四メートル、三メートル、二メートル、一メートル……。
「今だっキョウスケ!!!」
「ヒートブレスッッッ!!!!」
キョウスケはケルベロスの刻印の入った魔札を強く握り、叫ぶように唱えた。
「食らいやがれっアスタロトおおおおおおお!!!!!!!」
グレイは火球を口に溜め込み、口からはみ出る程の炎が燃え上がる。
グレイとアスタロトととの距離、僅か0メートル。
アスタロトの目の先には、グレイの目があった。
「おらあああああああああああ!!!!!!!!!」
グレイは0メートルの距離でアスタロトにヒートブレスを放った。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
火球はアスタロトの顔面へ直撃。
その爆風でグレイの体は吹き飛ばされたが、うまく着地した。
轟!と音を立てながら、グレイの放った炎はアスタロトを燃やし尽くしていく。
勝負はついた……誰もがそう思った瞬間だった。
「ゆ……る………さ……ん」
自らの体が燃え盛る中、アスタロトは愛用の蛇矛を手から落とし、呟く。
その直後。
「ゆるさん……ゆるさん……ゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさんゆるさああああああああああああああああああん!!!!!!!!」
絶叫と共に、アスタロトの右腕が変形していく。
いや、変形というには元の原型を全く留めてなく、むしろ変身と言った方が正しい。
ゴキガキゴキゴキと生々しい音を立て、その腕はどんどんと巨大化していき、体長二メートル程の大きさになっていく。
そしてその形はあの伝説の生き物、ドラゴンの頭の形となった。
「グギャオオオオオオオオオオオオ!!!!」
アスタロトの腕のドラゴンは咆哮する。その咆哮は大地をも揺るがし、音の風となって響き渡る。
「クックックッ……ギャーハッハッハッハッ!ドラゴン、我にまとうこの忌々しいちんけな火を吸い込むのだ!!」
「ギルオオオオオオオオ!!」
ドラゴンはアスタロトに応えるように吠え、次々とグレイが発した炎を吸い上げていく。
「ば……バカな……腕を犠牲にドラゴンを召喚したと言うのか!!」
グレイの顔には冷や汗が滲み出てくる。
そう、アスタロトが強いと言われるゆえん、それはこのドラゴンにあった。
そもそものアスタロトも十分強いのだが、このドラゴンが付くことによって、アスタロトは自らの力のリミッターを外すことができ、更にドラゴンがその攻撃力を倍増させるのだ。
「キッシッシッ……ケルベロス、そしてデビルサモナーよ。まさか貴様ら如きにこの姿を見せねばならんとは思わなかったぜぇ?」
アスタロトは不気味に笑う。先程までの暴君としての笑みではなく、その笑いには狂気が含まれていた。
「グレイ……」
「あぁ……まさかとは思っていたが、さっきまでの戦いは前哨戦に過ぎなかったみたいだ」
今まで臆病な自分を抑えていたキョウスケだったが、ドラゴンの姿を見て後ずさりする。
そこに存在しているだけで、ドラゴンは相手にプレッシャーを与えていたのだ。
「ここで我から貴様らに問題で~す!このドラゴンを見て生きて帰った者がいるでしょーうか?はい正解はぜーろ!みーんな死んじゃいましたぁ~ギャハハハハッッッ!!」
アスタロトは自問自答し、狂うように笑う。
力のリミッターを外したと同時に、その理性も外れてしまい、今のアスタロトはただの獣となっていた。
ただ唯一、今のアスタロトに残っているものは……。
「お前らの死肉は……ジュルリ……どんな味がするのかタ・ノ・シ・ミ!」
殺意と狂気だけだった。
「キョウスケ構えろ……アイツ何かするつもりだ!」
「うん……うわっ!!」
グレイに言われ、キョウスケは戦闘態勢をとろうとすると、突如地面が揺れ始める。
アスタロトがポイズン・クエイクを使ったわけではなく、大地が揺れ動いている。しかしその原因はすぐに分かった。
「グレイあれっ!アスタロトの腕のドラゴンが!!」
キョウスケが指差す先では、アスタロトの腕のドラゴンが大きく口を開けて何かを吸っているように見えた。
これは別に、空気を吸っているわけではない。ドラゴンは魔界の大地の力を吸い上げ、それをこれから使う技の力の源としていた。
つまり、魔界の大地の力を吸収せねばならない程、それは強力な技なのだ。
「……っ!キョウスケっ!アイツの正面は危険だ!走れええええっ!!」
「危険っ!!?」
グレイは直感的にドラゴンの正面は危険だと判断し、キョウスケに指示する。
キョウスケはグレイに言われた通り走り出すが、彼は人間なうえに、特別足の速い人間というわけでもない。
更にドラゴンの正面の範囲が広いため、その有効射程は大きく、とてもキョウスケの足で逃れられる距離ではなかった。
「くっ!キョウスケっ!!」
グレイは全速力でキョウスケの元に向け走る。
キョウスケを乗せて自分が走ればまだ間に合う。そうグレイは考えたからだ。
「クッキッキッキッ……無駄だよムダムダむ~だっ!全て吹き飛ばしちゃえば問題ない!魔界の散りになりなっ!!」
ドラゴンは力の源を確保すると、発射準備にかかる。口からは緑色の猛毒の煙が立ち込め、その煙だけで大気は汚染されていった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います
あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。
化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。
所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。
親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。
そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。
実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。
おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。
そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる