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第1部 青春の始まり篇
エピローグ【3】
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「そうだ岡崎君、せっかく海外に行ったからお土産を買ってきたわよ。なんか有名なブラウニーらしいけど」
「ブラウニー?ああ、あのケーキみたいなやつか」
天地が自分の鞄から取り出したのは、一口サイズ分の透明な包みに入った黒色のブラウニーだった。おそらくチョコレート味だろうか。
「早く食べないと山崎先生来ちゃうわよ」
「ああ、そうだな。んじゃあ遠慮なく……」
包みを広げ、一口サイズなので一口で食べてしまう。噛むとチョコレートの甘味がじわりと広がりつつ……ん?なんだこれ?から……っ!!
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!!」
瞬間、悶絶。チョコレートの甘味などどこ吹く風とぶっ飛ばし、俺の口の中を支配したのは辛味。痛覚が異常なまでに刺激され、口の中が一気に熱くなる。これは唐辛子……いや違う!そんなレベルのものでは断じてない!!それを遥かに凌駕するようなこの辛さの正体は……!!
すると目の前に居た天地が不気味にニヤリと笑い、もう一度自分の鞄をまさぐり出す。その鞄からとりだしたのは……。
「知ってた岡崎君?デスソースってアメリカ原産なのよ?」
天地が見せてきたのは、デスソースという名のホットソースなのだが、そいつにはハバネロやらジョロキアやらなんやらが入っており、辛さだけで人を悶え苦しませるほどの破壊力を携えている、いわば調味料という名の化学兵器だった。
更に、俺が雑貨店で見た事のある青いラベルのものではなく、黒いラベルの貼られたもの。おそらく、日本では売っていないものなのだろう。国内で流通させられない程の危険性を孕んだそれを、コイツはいともたやすく俺の口の中に混入させやがったって事だ。なんてバイオレンスな発想してやがる!
まるで引き抜くのを失敗したジェンガのように、俺はぐったりと机の上に崩れ落ちた。口の周りも中もビリビリと痛み続けている。とにかく痛い。
しかし再度再度、俺も成長が無い奴だ……この数週間で天地に何杯食わされたか分かったもんじゃない。高校生活はまだまだ先の方が長いというのに……それでも多分、コイツといる限り俺は絶えずこの展開を繰り返す事になるのだろう。
仕方ない……引き止めたのは俺だ。そしてその生活に満足しているのも俺だ。あーあ……いつから俺は、こんな厄介事を好むようになっちまったのかね。
俺はなんとか気力を振り絞り、顔を横に向ける。天地のやつがどんな顔をしているのか気になったからだ。
その時天地は……天地魔白は……笑っていた。心底楽しそうに、心底嬉しそうに。
その笑顔に、その美しさに、魅了されちまったって事か俺も。
「悪魔……め……」
だから、だからこそ俺は天地にこの言葉を贈ってやった。
俺を虜にした、俺だけの美しい悪魔に。
「ブラウニー?ああ、あのケーキみたいなやつか」
天地が自分の鞄から取り出したのは、一口サイズ分の透明な包みに入った黒色のブラウニーだった。おそらくチョコレート味だろうか。
「早く食べないと山崎先生来ちゃうわよ」
「ああ、そうだな。んじゃあ遠慮なく……」
包みを広げ、一口サイズなので一口で食べてしまう。噛むとチョコレートの甘味がじわりと広がりつつ……ん?なんだこれ?から……っ!!
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!!」
瞬間、悶絶。チョコレートの甘味などどこ吹く風とぶっ飛ばし、俺の口の中を支配したのは辛味。痛覚が異常なまでに刺激され、口の中が一気に熱くなる。これは唐辛子……いや違う!そんなレベルのものでは断じてない!!それを遥かに凌駕するようなこの辛さの正体は……!!
すると目の前に居た天地が不気味にニヤリと笑い、もう一度自分の鞄をまさぐり出す。その鞄からとりだしたのは……。
「知ってた岡崎君?デスソースってアメリカ原産なのよ?」
天地が見せてきたのは、デスソースという名のホットソースなのだが、そいつにはハバネロやらジョロキアやらなんやらが入っており、辛さだけで人を悶え苦しませるほどの破壊力を携えている、いわば調味料という名の化学兵器だった。
更に、俺が雑貨店で見た事のある青いラベルのものではなく、黒いラベルの貼られたもの。おそらく、日本では売っていないものなのだろう。国内で流通させられない程の危険性を孕んだそれを、コイツはいともたやすく俺の口の中に混入させやがったって事だ。なんてバイオレンスな発想してやがる!
まるで引き抜くのを失敗したジェンガのように、俺はぐったりと机の上に崩れ落ちた。口の周りも中もビリビリと痛み続けている。とにかく痛い。
しかし再度再度、俺も成長が無い奴だ……この数週間で天地に何杯食わされたか分かったもんじゃない。高校生活はまだまだ先の方が長いというのに……それでも多分、コイツといる限り俺は絶えずこの展開を繰り返す事になるのだろう。
仕方ない……引き止めたのは俺だ。そしてその生活に満足しているのも俺だ。あーあ……いつから俺は、こんな厄介事を好むようになっちまったのかね。
俺はなんとか気力を振り絞り、顔を横に向ける。天地のやつがどんな顔をしているのか気になったからだ。
その時天地は……天地魔白は……笑っていた。心底楽しそうに、心底嬉しそうに。
その笑顔に、その美しさに、魅了されちまったって事か俺も。
「悪魔……め……」
だから、だからこそ俺は天地にこの言葉を贈ってやった。
俺を虜にした、俺だけの美しい悪魔に。
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