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第3部 欺いた青春篇
エピローグ【2】
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「どう岡崎君?似合うかな?」
「あっ……ああ、すごく似合ってるよ!」
「そっか!よかったぁ……岡崎君に最初に見てもらいたくて、ちょっと恥ずかしかったんだけど……でも着てきたかいがあったよ!」
天使のような満面の笑みは相変わらず、いや、さらに磨きがかかったような気もするが、しかしなんだろう、目のやり場に困る服装だ。いや、本当に。
健全な男子高校生には、パンチがあり過ぎるぜ。
「それで神坂さん、用事っていうのは?」
俺は早速本題へと話を進める。というより、これ以上神坂さんを見てるだけとなると、あらぬ想像をしてしまうような気がして、我慢ならなかった。
「ああ……えっと昨日のことなんだけど、あの後天地さんに言われてから、あたし家に帰ってお父さんに言ったの、家を出たくないって」
「そっか……言えたんだ」
「うん……それでね、今まであたしがお父さんに意見っていうか、口答えっていうのかな?そんなことしたこと無かったから、お父さんもお母さんもビックリしちゃってて……でもその後、家に入れてくれたんだ。お前の気持ちを理解できていなかった、親として失格だなって……」
「親として失格……か」
まあ、そうなのかもしれない。
子供を操り人形のように扱い、都合が悪くなれば子に責任を擦り付ける親なんざ、もうそれは親でないのかもしれない。
でも、それに気づけたのが唯一の救い。
自分たちの愚を改めようとした、反省したその心が、最悪の結果を寸でのところで、回避することができたのだろう。
「でもね、あたしそう言われても怒らなかったの……どころか、慰めの言葉をかけちゃったんだ。誰にだって失敗はあるから、今後はこんな失敗をしないように、お互い色んなことが言い合える仲になろうって……そしたらお父さんもお母さんも涙を流して、そうだなって言ってくれたんだ」
「そうか……じゃあ神坂さんも許したんだね、両親のことを」
「まあ……そうだね。あたしからしたら、今まで言えなかったことをスッキリサッパリ言えたわけだし、それで反省してもらえたなら、一石二鳥だって感じだったしね」
「一石二鳥か、なかなかそんな風には考えられないよ」
「ふふっ、あたしも自分がそんな風に考えられる人間だったとは思わなかったよ。だけど天地さんが、あたしの心の深いところで気にしてたことを、包み隠さずにダメ出ししてくれたから、なんだろう……吹っ切れちゃったのかもしれないね?」
「吹っ切れたねぇ……あいつメチャクチャ言ってたからな、足を舐めろなんて言い出した時は、とち狂ったかと思ったし」
「確かに!あれはあたしも驚いちゃったよ!でも、メチャクチャだったけど、言ってることは正しかったんだよね」
「不思議だよな、あいつ」
「そうだね、不思議だね」
天地の言葉には妙に説得力がある。というか、的確に、狙って核心を射ているのかもしれない。
あの俺に対する毒舌だって、確かに多少傷つくことはあるが、しかし本当に悪気があって言っているわけでは無く、まあ、ちょっかい程度で悪態をついてるんだろうし、やっぱりそれが、俺に対する的確なダメ出しの時もあるし。
巧妙だ、あいつの言葉は本当に。
それこそ悪気があるといえば、鷺崎に対しての言葉は、悪気しか感じなかったし。
「だからさ、天地さんにお礼を言わなきゃって思ってるんだけど……だけどあたし一人じゃ心細いから、よかったら岡崎君も一緒に来て欲しいなって」
「ああ、それは構わないけど、でも今はやめたほうがいいかな。あいつ多分、寝てると思うから」
「寝てる?」
「ああ、昨日あの後夏休みの課題を終わらせる合宿を再開してさ、俺は途中で寝ちまったんだけど、天地のやつ、ずっと起きて課題をしてたらしくてな。だからやっと眠ったってところなんだ」
「へえ……って、ええっ!じゃ……じゃあその、岡崎君はあ、天地さんの家でね……寝ちゃったってことだよね?」
「ん?まあそうだけど?」
「そ……そうなんだ……もう岡崎君と天地さんって、そんな深い仲に……」
「へ……あっ!いやいや!ただ夏休みの課題をしただけだからっ!それにさっきも言ったけど、俺先に寝ちゃってたし……」
「あっそっか……ご、ごめんね!なんかその……二人のことを詮索しちゃってるようなこと言っちゃって」
「いやいや、別に構わないよ」
まあ俺もそういう展開を、少しは期待しちゃってたし、残念かと言われれば、残念だったけど。
でも仕方ない、今回は色々あったし、またの機会に期待するということで。
「でも仲良いんだね、岡崎君と天地さんって」
「まあ、一応その……付き合ってるからな」
「ふふっ、それでも彼氏を自分の家に泊めるって、結構良好な間柄じゃないとできないことだと思うよ?」
「そうなの?」
「だって自分の素を一番見られちゃう場所に招待して、一晩泊めちゃうんだから、天地さんも少しはドキドキしてたと思うよ?」
「そっか……そりゃなんというか、気づかなかったな」
「無頓着なのはダメだよ岡崎君」
「はい……今後は精進致します……」
まさかこういうことで、神坂さんに注意を受けることになるとは思わなかった。
女は女の味方か……天地と喧嘩なんてした時には、俺が一方的に百叩きにされちまうんだろうなぁ。
いや、天地単独で百叩きどころか、百万叩きくらいされそうなものだけど。
「でもどうしよう……お礼を言いに行くのに、寝てるのを邪魔するのは悪いし……」
「そうだなぁ……まあまたの機会にするか、それとももうちょっと時間を潰してから行くかってなるけど……いずれにしろ、今すぐっていうのは無理かもしれないね」
「そうだねぇ……あっ!岡崎君、お昼ご飯ってまだ食べてない?」
「えっ?うん、まだだね昼は」
そういえば、そろそろお昼時。
腹の虫も、いい具合に鳴り出しそうな、そんな時間となっていた。
「もしよかったらどうかな?一緒にお昼なんて?ちょっと先に行ったらファミレスがあるからさ。そこでならご飯も食べれて、ドリンクバーなんかでしばらく時間を潰せれるでしょ?」
「ああ、確かに」
「あっ……ああ、すごく似合ってるよ!」
「そっか!よかったぁ……岡崎君に最初に見てもらいたくて、ちょっと恥ずかしかったんだけど……でも着てきたかいがあったよ!」
天使のような満面の笑みは相変わらず、いや、さらに磨きがかかったような気もするが、しかしなんだろう、目のやり場に困る服装だ。いや、本当に。
健全な男子高校生には、パンチがあり過ぎるぜ。
「それで神坂さん、用事っていうのは?」
俺は早速本題へと話を進める。というより、これ以上神坂さんを見てるだけとなると、あらぬ想像をしてしまうような気がして、我慢ならなかった。
「ああ……えっと昨日のことなんだけど、あの後天地さんに言われてから、あたし家に帰ってお父さんに言ったの、家を出たくないって」
「そっか……言えたんだ」
「うん……それでね、今まであたしがお父さんに意見っていうか、口答えっていうのかな?そんなことしたこと無かったから、お父さんもお母さんもビックリしちゃってて……でもその後、家に入れてくれたんだ。お前の気持ちを理解できていなかった、親として失格だなって……」
「親として失格……か」
まあ、そうなのかもしれない。
子供を操り人形のように扱い、都合が悪くなれば子に責任を擦り付ける親なんざ、もうそれは親でないのかもしれない。
でも、それに気づけたのが唯一の救い。
自分たちの愚を改めようとした、反省したその心が、最悪の結果を寸でのところで、回避することができたのだろう。
「でもね、あたしそう言われても怒らなかったの……どころか、慰めの言葉をかけちゃったんだ。誰にだって失敗はあるから、今後はこんな失敗をしないように、お互い色んなことが言い合える仲になろうって……そしたらお父さんもお母さんも涙を流して、そうだなって言ってくれたんだ」
「そうか……じゃあ神坂さんも許したんだね、両親のことを」
「まあ……そうだね。あたしからしたら、今まで言えなかったことをスッキリサッパリ言えたわけだし、それで反省してもらえたなら、一石二鳥だって感じだったしね」
「一石二鳥か、なかなかそんな風には考えられないよ」
「ふふっ、あたしも自分がそんな風に考えられる人間だったとは思わなかったよ。だけど天地さんが、あたしの心の深いところで気にしてたことを、包み隠さずにダメ出ししてくれたから、なんだろう……吹っ切れちゃったのかもしれないね?」
「吹っ切れたねぇ……あいつメチャクチャ言ってたからな、足を舐めろなんて言い出した時は、とち狂ったかと思ったし」
「確かに!あれはあたしも驚いちゃったよ!でも、メチャクチャだったけど、言ってることは正しかったんだよね」
「不思議だよな、あいつ」
「そうだね、不思議だね」
天地の言葉には妙に説得力がある。というか、的確に、狙って核心を射ているのかもしれない。
あの俺に対する毒舌だって、確かに多少傷つくことはあるが、しかし本当に悪気があって言っているわけでは無く、まあ、ちょっかい程度で悪態をついてるんだろうし、やっぱりそれが、俺に対する的確なダメ出しの時もあるし。
巧妙だ、あいつの言葉は本当に。
それこそ悪気があるといえば、鷺崎に対しての言葉は、悪気しか感じなかったし。
「だからさ、天地さんにお礼を言わなきゃって思ってるんだけど……だけどあたし一人じゃ心細いから、よかったら岡崎君も一緒に来て欲しいなって」
「ああ、それは構わないけど、でも今はやめたほうがいいかな。あいつ多分、寝てると思うから」
「寝てる?」
「ああ、昨日あの後夏休みの課題を終わらせる合宿を再開してさ、俺は途中で寝ちまったんだけど、天地のやつ、ずっと起きて課題をしてたらしくてな。だからやっと眠ったってところなんだ」
「へえ……って、ええっ!じゃ……じゃあその、岡崎君はあ、天地さんの家でね……寝ちゃったってことだよね?」
「ん?まあそうだけど?」
「そ……そうなんだ……もう岡崎君と天地さんって、そんな深い仲に……」
「へ……あっ!いやいや!ただ夏休みの課題をしただけだからっ!それにさっきも言ったけど、俺先に寝ちゃってたし……」
「あっそっか……ご、ごめんね!なんかその……二人のことを詮索しちゃってるようなこと言っちゃって」
「いやいや、別に構わないよ」
まあ俺もそういう展開を、少しは期待しちゃってたし、残念かと言われれば、残念だったけど。
でも仕方ない、今回は色々あったし、またの機会に期待するということで。
「でも仲良いんだね、岡崎君と天地さんって」
「まあ、一応その……付き合ってるからな」
「ふふっ、それでも彼氏を自分の家に泊めるって、結構良好な間柄じゃないとできないことだと思うよ?」
「そうなの?」
「だって自分の素を一番見られちゃう場所に招待して、一晩泊めちゃうんだから、天地さんも少しはドキドキしてたと思うよ?」
「そっか……そりゃなんというか、気づかなかったな」
「無頓着なのはダメだよ岡崎君」
「はい……今後は精進致します……」
まさかこういうことで、神坂さんに注意を受けることになるとは思わなかった。
女は女の味方か……天地と喧嘩なんてした時には、俺が一方的に百叩きにされちまうんだろうなぁ。
いや、天地単独で百叩きどころか、百万叩きくらいされそうなものだけど。
「でもどうしよう……お礼を言いに行くのに、寝てるのを邪魔するのは悪いし……」
「そうだなぁ……まあまたの機会にするか、それとももうちょっと時間を潰してから行くかってなるけど……いずれにしろ、今すぐっていうのは無理かもしれないね」
「そうだねぇ……あっ!岡崎君、お昼ご飯ってまだ食べてない?」
「えっ?うん、まだだね昼は」
そういえば、そろそろお昼時。
腹の虫も、いい具合に鳴り出しそうな、そんな時間となっていた。
「もしよかったらどうかな?一緒にお昼なんて?ちょっと先に行ったらファミレスがあるからさ。そこでならご飯も食べれて、ドリンクバーなんかでしばらく時間を潰せれるでしょ?」
「ああ、確かに」
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