✡︎ユニオンレグヌス✡︎

〜神歌〜

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〜第十章 メモリア・セディナ〜

176話❅セディナ❅

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 セディナの前でパリィ達は柵を作り陣を形成する、多数の魔物が居ると想定して守りを固める。
 火を起こし火矢と、焼き払う時の支度を十分にさせてから、陣をバイドに任せてパリィとメーテリアはセディナに入って行く。

 バイトにはキツく合図があるまで、部隊の投入はしない様に言った。
 魔物によってはイエティの時の様に護衛団では太刀打ち出来ない場合がある。
無駄な死を招きたくなかった。

 ピルピーと共にセディナに入って行く二人をバイトは心配して見守っていた。


「セディナ
こんなに酷く……」
 メーテリアもセディナにはマルティアが滅亡して以来立ち寄らなかった。
 かつての栄華と、懐かしい思い出の詰まったセディナの変わり果てた姿を見たく無かったのだ。

 入り口から正面の奥に高台がありその上に王宮が見える、パリィがかつて女王として住んでいた王宮だが、今はその白く洗練された美しさは見る影もない。

 その王宮までは大きな通りを、まっすぐに進み途中で二箇所コの字に通りが曲がっている。
 守りを考えた作りになっていて正面から直接王宮までの道を見る事は出来ない、その上に防衛に適した形になっている。

二人はピルピーから降りてその道を進んで行く。

 途中でパリィもメーテリアも通った、紅茶の美味しかったお店も今は見る影もない。
 二人は護衛も連れずによく二人で街を歩いた、パリィの目の前でメーテリアが求婚された事もあった。


 それだけ多くの思い出深いセディナは今、風が吹くたびに、嫌な乾いた死肉の臭いを運んでくる廃墟になってしまっている。
 メーテリアはパリィを気にかけていた、精神的に辛くないか心配してくれている。

 パリィは臭いの元を探りながら進む、至る所から漂うがこの通りの大分先、そこには最初のコの字の曲がり角の前に広場がある。
そこからとても強く発せられている。

 そしてその広場に出た時、一瞬で二人は理解した。

 広場中央にある、巨木に木の部分が見えない程に、骸が打ちつけられ、多くの太い枝からは縛り首にされた骸が無数にぶら下がっていたのだ……。


「セディナの木が……
なんてことを……」

 パリィは呟き言葉を失った、メーテリアも目を見開いて凝視したまま震えている。

 その巨木はセディナの木と言われ千年前、キリングやメーテリアと多くの友人とその木の下で語り合ったり、春にはお祭りを開いたりした、思い出の巨木であった。

 そのセディナを象徴した様な巨木が、残酷を通り越し死の象徴と言えるさまになっていた。
 千年前のベルス帝国が、大陸全土に恐れられ怒り憎しみの全てを集めたのが、一瞬で解る光景であった。

 パリィは膝をつき、力なく座り込んでしまった、そしてその光景に、その死肉をカラスや獣が不自然に食い荒らしていないことに気づかなかった。


そしてその巨木がゆっくりと動き出す。


 木の魔物ツリーフォークとなってしまっていたのだ、その為に死肉が食い荒らされていなかったのだ。

 精霊の類のトレントと違い、様々な怒りや憎悪に呪われてしまった巨木、それが無ければ優しいトレントになれたかも知れないが、セディナの木は、憎悪と怒りによって魔物と化してしまっていた。

 まるで生ある者を憎むかの様に凄まじい勢いで太い丸太の様な幹で、パリィをなぎ払おうとした、その幹にも屍がくくりつけられている。

パリィは動けなかった。

 セディナの人々が、パリィが守らなかった為に残酷を遥かに超えた末路を辿ったのだ。
その衝撃はパリィの心をえぐり握り潰す程の精神的な苦痛を与えた。

 パリィがその衝撃にうちのめされ、涙を流しまさにツリーフォークの凄まじい一撃がパリィを襲おうとしたとき……。

 大地から巨大な氷の槍が勢い良く突き出し、その幹を貫いた。

 その氷の中には美しく炎が揺らめいていた。

 メーテリアは少し距離をとって短いワンドを、ツリーフォークに向けている、その表情はいつもの甘い表情ではない、氷炎の女神と謳われたメーテリアがそこに居た。

 メーテリアの氷炎の槍がツリーフォークの幹を防いだのだ。

「パリィ様!
パリィ様‼︎」
メーテリアの呼びかけにパリィは反応しな
い……そしてメーテリアは叫んだ。

「パリィ様!
エミリィ様をお守り下さい‼︎」
パリィはその言葉で我に返った。

 ピルピーが怒り始めた、主人のパリィが狙われたのだ。

「メーテリア!
ここは退きます早く!」

 パリィはピルピーに飛び乗り、メーテリアの近くまでピルピーを走らせ、すれ違いざまにピルピーに引き上げるように前に乗せ走らせる、メーテリアがパリィにしがみ付いたのを感じ、ピルピーを走らせながら。

 矢を一本ツリーフォークに放つ!

 その矢が括り付けられた屍に命中したのにパリィは胸を痛めたが、そのままピルピーを走らせた。
 ツリーフォークはパリィを追いかけてくる、凄まじい呪われた様な声を上げている。

 パリィは直ぐに空に向け、連続で二本の矢を放った、その矢はとても高い音を立てて天高く飛んで行く、合図だ……。


「矢が二本……全員火矢を構えろ!
パリィ様が魔物を誘き出して来るぞ!」

 セディナの外で待機していたバイトが指示を出し、護衛団が火矢を用意しセディナに向けて一斉に構えて待つ。

「あれは……」
その場でバイトは何かを目にして呟いた。

 パリィは感じていたまだ他に居る、セディナは全て焼き払わなければならないと、そう心に決めた時、前方から無数の人影が向かってくる。



 ミイラのアンデットだ、中には首の無い者まで居るのを見て相当強い怨念を感じた。
「メーテリア!」
パリィが叫ぶ。

「はい!」

 メーテリアが返事をして、ワンドに意識を集中し前に突き出し叫ぶ。

「リオクリス!」
 その瞬間、無数の腕程の大きさをした氷の槍が現れ、高速で飛び前方のアンデットを貫いていく。

 そしてもう少しでセディナを出るあたりで、もう一体の、ツリーフォークが前に現れパリィ達の道を塞いだ。

 そのツリーフォークも屍を数多く括り付けられている、その骸がパリィを見つめ手を伸ばしている。
 まるでパリィへの千年前の怨みを、晴らそうとしている様に見えた。


 パリィが一瞬目を背けるかの様に、俯き瞳を瞑りそして見開いた時。

 メーテリアは見た……パリィの右目だけが漆黒の瞳になっていた。

(え、エミリィ様?)

 メーテリアが思った時、パリィは既に見ていた、前のツリーフォークの屍達に宿る解放を求める魂達の姿を、天に帰りたがっている、天に昇りたがっている、永遠の苦しみから解放を求め、救いを求めているかつてのマルティアの民の魂を見た。



 漆黒の瞳、ダークセンスがその姿をとらえた時、パリィは『風の劔』を抜きピルピーを加速させた。

「メーテリア!
焼き払いなさい!」
 メーテリアはパリィの強い瞳を見て感じ取った、パリィが償う為に剣を振ると。


「火精よ
再び我に……プラミア!」
 メーテリアが炎の魔法を唱え、ワンドを勢いをつけ、ツリーフォークに向け振り下ろすと同時に火球がツリーフォーク目掛けて凄まじい勢いで飛ばされた。

 その火球はツリーフォークに命中し、燃え広がる、屍の焼ける臭いが鼻をつき黒煙があがる。

「風よ炎を助けよ……」
パリィが呟き、『風の劔』が答え風が吹き周辺まで炎が燃え広がる。

 ツリーフォークは余りの火勢に暴れ、パリィ達への注意がそれて、周辺の建物を破壊し始め通りに背を向けた。

 ピルピーがその燃え上がる炎の中、水の壁を張り突破をする、パリィは戦斧を心に描き力強く、ツリーフォークを横から斬り込もうとしたと同時に、『風の劔』から薄い緑色風が吹きその風が長い戦斧の形になり、パリィはその戦斧でツリーフォークを横から斬り裂く。

 意志のこもった顔に瞳から涙を流し、切る風が涙を横に流していくが、パリィは動じずに風の戦斧を振り抜いた。

 産み出された風の戦斧が風の刃で鮮やかにツリーフォークを切り裂く。

「グォォォ!」
ツリーフォークが悍しい悲鳴を上げる。



 パリィは一瞬だけ見た、すれ違いざまに千年前にパリィと良く話した、お菓子屋さんの女性の屍がそのツリーフォークに括り付けられていた。
 よく覚えていた人の変わり果てた姿を、溢れる悲しみに刃を突きつける様に押さえ込みパリィはその場を走り去った。

 後ろからはアンデットが数多く追って来る、全てセディナに住んでいた人々だ。
 パリィは振り向き、その者達がまるで救いを求めてる様にしか見えなかった。
 焼き払い天に返しこの地を浄化し祈りを捧げるしかない、そしてセディナを出た時パリィは驚いた。


 グラム達が盗賊だった仲間達を連れて前に出ていた。

助けに来てくれていたのだ。

 パリィがグラム達の所につくと、ミイラのアンデット達がセディナから溢れ出て来た。

 バイトが合図をして、火矢を放ちその者達攻撃し始めるが、怯まず突進して来る。
 千は超えるがセディナに住んでいた者達の一握りにも満たない……。

「全くうちの女王様は無茶しやがるぜ
まぁ生きて帰って来たからな
よしとするか」
グラムがそう小さく笑いながらパリィに言うと次に叫んだ!

「野郎ども!
奴らは生きちゃいねぇ
手加減する必要は無い!
存分に暴れてやれ!」

「オオオォォォ!」
僅か百五十名程度の者達が千名を超える様な声を上げて突撃した。

 盗賊だった者達はかつてのカルベラ隊の者達が多い、彼らはアンデットの群れに突っ込み千年前に謳われた勇猛さを存分に発揮させた。


 カルベラの者達は存分にアンデットをなぎ倒していく、バイトはその様を見てカルベラ隊がかつてのならず者達がパリィに注いだ忠誠心を見た。
 パリィも彼らが天に帰る事を願い、祈り剣を振る。

「屍人相手にようやる……」
ムエルテがそう想いながら見つめている。

「私が参りましょうか?」
カイナが南から戻り言う。

「まて
これは地上のことじゃ
自ら乗り越えて貰わなくては困る」
ムエルテが言う。

「セディナの木は……」
カイナが言うがムエルテは静かに言う。

「パリィが試されておる
見守るが良い」
ムエルテが言う。

「ちょっと……
ムエルテが見ていたら
助けに行けないじゃないっ‼︎」
 ユリナがムエルテ達より更に高い空の上からそう言いながら見ていた。



 暫くその戦いが続き、セディナから廃墟が崩れる音が響き渡る、セディナの木であった、巨大なツリーフォークが、セディナの廃墟を破壊しながら現れた、あれは容易には倒せない。

 暗く重過ぎる、赤黒い怨念の様な憎悪を感じる、その時、シャナの森から聞き覚えのある咆哮が聞こえ出来た。

「この声は……」
メーテリアがそう呟いた。

パリィは叫ぶ。
「撤退し街の守りを固めよ!
必ず力強い助けが来る!」

 カルベラの者達と護衛団は速やかに撤退し始める。

「パリィ様は⁈」
バイトが叫ぶ。

「私とメーテリアが時間を稼ぎます!
バイトさんシャナの森に行ってください!
行けば解ります速く!」

「チッまだ話を解らねぇのか
お前が死んだら
振り出しに戻っちまうんだよ!」
グラムが言って来た。

「死者を出せば再興が遠のきます!
ここは極北!解って下さい!」
パリィは言った。

 極北の言葉でグラムは理解した。

 極北地域は人口が増え難い、兵と言えども南方の国々よりも一人の命の重さは遥かに重い、パリィは全ての命を守ることを第一に考えた。

「死ぬんじゃねぇぞ!」
グラムはそう叫び、部下を連れて撤退を始めたがグラムは解っていた。

 遠回しに言われた、足手まといになると。
パリィがグラム達を守りながら戦えないと判断したのだ。

(クソッ強くなってやる!
俺も守れるだけの強さを
絶対に手にして見せる!)
 グラムは悔しさを初めて覚えた、女二人に守られるのだ、それが情けなく感じていた。
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