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〜陰の祝祭
しおりを挟む受け入れ難い現実に、松岡の身体が激しい拒否反応を起こしていた。
「すまん、もういっぺん言ってくれ……」
目の前の亜也人にもう一度問い掛ける。
握りしめた手の中で内藤からの電話がしつこくスマホを振動させている。
それよりも今は亜也人の問題を片付けなければならなかった。
何かを言われたような気がしたが、何を言われたのかが解らない。
音としての言葉は入るのに肝心な意味が全く頭に入ってこない。まるで脳が理解するのを拒み、跳ね返しているかのようだ。
そのくせ、不吉な予感に神経が過敏に反応し、不安や焦りが凄まじい勢いで膨れ上がっていく。
頭が必死で追い払おうとしているものを、心が鋭く察知しているかのようだった。
亜也人は松岡の正面に立ち、金縛りにでもあっているかのように瞳を引き攣らせて立ち竦む松岡を瞬きもせずに見詰めている。
「何度聞かれても俺の気持ちは変わらないよ。もう決めたんだ……」
黒く澄んだ大きな目が松岡を捉え長い睫毛をゆっくりと瞬かせる。解って欲しいと訴えるような目に、松岡の止まっていた思考が再び巡り始めた。
「変わらないって……。お前、自分が何を言ってるのか解ってるのか?」
「解ってるよ」
松岡は咄嗟に首を横に振った。
「お前は全然解ってない。今のアイツはお前の知ってるアイツじゃない! あんなヤツのとこへ行ったら一体なにをされるか……」
「でも、俺が行かなきゃ紀伊田さんはずっとあのままだ」
「違うッ!」
正常に回り始めた思考が残酷な現実を突き付ける。
違う! 紀伊田は必ず助ける! 何も心配いらない!
そう叫び出したい衝動を、どうにもならない現実が寄ってたかって抑えつける。
快楽目当ての“キメセク ”と違い、制裁を加えることを目的としたレイプでの薬物使用は常に命の危険と隣り合わせにある。
覚醒剤の怖いところは、その気になれば難なく致死量を身体に入れてしまえることだ。代表的なセックスドラッグのように何十錠も口に放り込む必要もなければ、アルコールに混ぜて無理やり飲ませる必要もない。ただ、静脈に針を刺してゆっくりと流し込むだけでいい。
二、三時間おきに少しづつ量を増やして追い打ちし、結晶を直接後孔の粘膜に擦り込んで感度を高める。致死量ギリギリまで入れて生死の堺を彷徨わせながら、肉体は快楽に喘ぎ狂わせる。これを丸一日繰り返せば大抵の人間はぶっ壊れる。痛みも苦しみも悲しみも恐怖も無い。ただ快楽に飲み込まれた哀れな獣と成り果てる。その先に待っているのは冷たい死だ。
内藤の元で数えきれないほどの人間を貶めてきた積川が、紀伊田を相手に手加減するとは思えなかった。
「良二の目的は俺なんだ。俺が行けば全て丸く収まる。……だから、内藤さんと話をさせて」
「ダメだ……」
内藤からの着信は、今もなお松岡のスマホを激しく振動させている。
手の中で鳴り響くそれを松岡は忌々しげに握り締めた。
「吉祥……」
「ダメだ、ダメだ! 何があっても絶対にお前は行かせねぇ!」
「吉祥ッ!」
「俺が無理なんだ! 紀伊田のことは俺が何とかする」
「やめてッ! そんなの俺だって無理だよッ!」
滅多に声を荒げない亜也人が、泣き声混じりの切ない声を上げる。
「いいから落ち着け。お前は気が動転してるんだ」
落ち着かなければならないのはむしろ自分の方だ。自覚しながらも、松岡は暴れ狂う鼓動を抑えることは出来なかった。
亜也人の次の言葉を聞くのが怖い。
亜也人の性格は充分理解している。亜也人の心には、他人を犠牲にしてまで、という思いが強く根付いている。喜びも幸せも、他人を犠牲にしてまで手に入れようとは思わない。自分の目的のために他人を傷付けたり利用したりもしない。自分はさんざん利用されてきたにも関わらず。あれほど多くのものを犠牲にしてきたにも関わらず。
亜也人の思いがどれほど強く揺るぎないものであるかは、松岡は自分自身の目で見て肌で感じて知っていた。
もはや逃げることは敵わない。
「俺は冷静だよ。吉祥だって解ってるはずだよ」
亜也人は本気だ。
止められないことは解っている。
そういう亜也人だからこそこんなにも深く愛した。亜也人のいない世界など考えられないほどに。
それでも、込み上げてくるやりきれなさはだけはどうしようもなかった。
「俺のことはどうでもいいのか……。お前にもしものことがあったら俺は死んじまう……」
「そんなこと言わないで……」
「お前が言わせてんだ。お前が俺にこんな女々しいことを言わせてる。お前はひでぇ奴だ……。俺をこんなにしやがって……それを今更……」
「吉祥」と、亜也人が瞼に涙を滲ませて松岡を見上げる。
「ごめんね、吉祥。でも、良二のことは自分で決着をつけたいんだ」
「アイツはお前の手に負えるような奴じゃないッ!」
「それでも俺が行かなきゃダメなんだ。俺、今まで吉祥に守ってもらってばっかだった。もともと吉祥には何の関係もないことなのに、俺のせいで吉祥に大変な思いさせて……。だから良二のことぐらい自分で何とかしたい。でなきゃ俺はずっとダメなままだから」
決意を固めた目に、松岡は低く呻いた。
「チクショウ! なんだってんだ、このクソ野郎……」
宥めるように、亜也人が長い睫毛を瞬かせる。
「愛してるよ、吉祥……」
「バカが。こんな時に何言ってやがる」
「本当だよ。俺は吉祥を愛してる」
今にも泣きそうな張り詰めた顔で囁くと、亜也人は、松岡の手に自分の手を重ね、スマホを握り締めた指を丁寧に剥がして手の中から取り上げた。
最後の宣告に松岡の頬に緊張が走る。
松岡を見ながら小さく笑うと、亜也人は、スマホの通話ボタンを押して受話器をスピーカーに切り替えた。
途端に、激しい息づかいと、内藤の切羽詰まった声が耳を打つ。
『遅いッ! 何してやがったッ!』
内藤らしかぬ感情的な怒鳴り声。普段の余裕たっぷりな姿からは想像もつかないほどの慌てぶりに、松岡の怒りの感情が振り切れ、引き攣るような笑いが込み上げた。
「今頃んなってみっともなく騒ぐぐれぇなら、なんで普段からもっとちゃんと見ててやんねぇんだ」
その声に被せるように亜也人が話しを切り出した。
「内藤さんは俺に用があるんですよね」
「てめぇは……」
ドスの効いた声に空気が静まり返る。
お互いの腹を探るような沈黙。
先に口を開いたのは亜也人の方だった。
「内藤さんの言いたいことは解ってます。いいです。内藤さんの言う通りにします。その代わり……」
なんだ、と内藤の絞り出すような声が響く。
亜也人は、怒りに歯を食い縛りながら見守る松岡を見上げ、松岡と視線を合わせたまま声だけを内藤に向けた。
「その代わり、これ以上吉祥を苦しめないで下さい」
驚いたのは松岡の方だった。
思いもよらない言葉に頭の中がシンと静まり返る。
それも束の間、内藤の苛立たしげな声が松岡の意識を再び現実に引き戻した。
「こざかしい。もっと分かりやすく言え」
「俺を自由にして下さい」
「自由だぁ?」
松岡の瞳をじっと見詰め、大きく息を吸ってから亜也人は言った。
「もう、あんたの仕事は受けない。モデルクラブの違約金もチャラにしてもらう。もう俺にも吉祥にも一切関わらないで欲しい。そうすると約束してくれるなら、あんたの望み通り良二のところへ行って紀伊田さんを取り戻す」
「クソガキめ……」
反論しないのは了承した証拠。
内藤が言い分を飲んだことで、亜也人が積川の元へ行くという悪夢が現実となった。
もちろん、松岡が納得するわけがない。
耐え難い事態に、ギリギリのところで抑えていた松岡の感情がついに爆発した。
「待てッ! 勝手に決めるなッ! 内藤! この野郎ッ!」
亜也人からスマホを取り上げ感情のまま怒鳴り付ける。
怒りがガチガチと奥歯を震わす。
怒りだけではない。自分自身への情けなさや亜也人への申し訳なさで、収拾がつかないほど頭が混乱する。
みっともねぇ。
解っていながら、松岡は追い縋るように亜也人の両腕を掴んだ。
「ガキがいっぱしなこと言ってんじゃねぇよ! 自由ンなったって、お前がいなきゃ何にもなんねーだろがッ!」
亜也人は何も言わず松岡に身を任せている。
悲しい時は黙り込む。亜也人の全てを知っているからこそ解る些細な癖に心が反応し、ひとりでに涙がハラハラと頬を流れる。
「金なら俺が稼ぐ。俺がお前を自由にしてやる。紀伊田も俺が助ける。なら文句ねぇだろッ!」
だから行くな、と頭を抱え込むようにして細い肩に鼻先を擦り付ける。
亜也人の身体が震えている。肩も腕も心臓も、全てが小さく啜り泣くように。
「吉祥」と言われた気がして頭を起こすと、亜也人の物悲しげに微笑む瞳と目が合った。
「俺は大丈夫だから。そんな顔しないで」
「誰のせいだ……」
「帰ってくる。絶対帰ってくるから……」
「そんな保証がどこにあるッ!」
亜也人の唇がピクリと震える。
止められないことは解っている。
それでも突き上げる衝動を抑えることは出来なかった。
「お前にもしものことがあったら俺は死ぬ。お前は俺を死なせたいのか?」
「まさか!」と、亜也人が慌てて大きく目を見開く。
瞬間、追い詰められた心が松岡の本音を引きずり出した。
「なら、何が何でも帰って来いッ!」
亜也人は睫毛の長い目を見開いたまま、黒く澄んだ瞳をわなわなと震わせている。
もう一度聞くと、松岡を見ながらゆっくり瞬きし、瞳を潤ませた。
「うん。帰る。吉祥んとこ、帰ってくる」
「絶対ぇだな」
「うん」
「別れのキスもしてやらねぇ。して欲しかったらさっさと帰って来い」
コクリと頷く亜也人の頬を目蓋から溢れた涙が伝い流れる。
行かせたくない。離れたくない。狂おしい思いが胸の底から噴き出しそうな勢いで突き上げる。
叫び出したい衝動を、唇を堅く結んでかろうじて堪えた。
「約束だからな……」
祈るように、松岡は、亜也人の瞳に何度も繰り返した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
内藤の電話を切ってから三十分と経たないうちに迎えの車がマンションに到着した。
迎えに来たのは丸山と逢坂の二人。
『部下を向かわせる』と言った内藤に、松岡が、『お前の手下は信用ならない』と、懇意にしている若頭の丸山を指名した。
迎えの車が来るまでの間、亜也人は着替えを済ませ淡々と準備を整えた。
自分の部屋の電気を消す時、マンションの玄関を出る時、亜也人は、ひょっとしたらこの景色を見ることはもう二度とないかも知れないとふと思い、慌てて頭から掻き消した。
吉祥を悲しませてはいけない。
松岡は亜也人に寄り添い亜也人の手をずっと握っている。
丸山が後部座席の窓から手を上げて呼んだ時も松岡は亜也人の手を離そうとはしなかった。
「面倒なことに巻き込んでしまって済みません」
「何言ってやがる。紀伊田にネタを渡したのは俺だ。頼まれなくても助けに行くつもりでいたさ」
後部座席に松岡と並んで座る。
後ろには紀伊田を回収するためのワゴン車が止まっている。物々しい雰囲気に、これから起こることの重大さが垣間見える。
丸山の合図で車が進み出すと後ろのワゴンもぴったりとくっ付いて後へ続く。
運転手の逢坂が眼帯で覆われていない方の目をミラー越しにチラチラと亜也人に向けている。嫌な類いの視線ではなかったが気になって俯くと、それに気付いた助手席の丸山が逢坂の足を靴先で小突いた。
「てめぇがジロジロ見るからカワイコチャンがビビッちまってんじゃねぇか」
「いや、別に、俺はただ、びっくりしたって言うか……。噂にゃ聞いてたけど、本当にいたんだなー、みたいな。なんかほら、高級コールボーイって都市伝説みたいになってたし……」
「なにが都市伝説だ。てめぇが周りに疎いだけだろうが」
「そんなことありませんて」
「口答えすんじゃねぇ。ふざけたこと抜かしてるとてめぇんとこの跳ねっ返りの色にデレデレしてたことチクんぞ」
「それは勘弁して下さいよ」
軽妙なやり取りが、ピリピリとした緊張感をふと緩める。
しかしそれもほんの一時。逢坂の声の余韻が完全に消えると車内は再び研ぎ澄まされた刃のような鋭い緊張感に包まれる。
途絶えた会話。刻一刻と深まる緊張感。良二のマンションが近付いている。
身体の震えを包み込むように、松岡の手が亜也人の手をギュッと握り直す。
「大丈夫だ。誰が何と言おうとお前は俺が絶対ぇ救い出す。積川になんかやらねぇ」
松岡の思いが、囁かれた耳元、握り締めた手のひらから全身に伝わっていく。
これまで何度もピンチに見舞われ、そのたびに松岡に救い出されてきた。
今は、ピンチではなく決着。誰かに陥れられたわけでは無く、亜也人は自ら決断してここにいる。
もう甘えてはいられない。すでに引き返せない状況に来ていた。
吉祥、と、心の中で存在を噛み締めながら亜也人は松岡の手を堅く握り返した。
マンションへ着くと、逢坂が車を降りて後部座席のドアを開き、亜也人は逢坂に促されるまま積川良二の部屋へ向かった。
松岡は丸山とともに車で待機。亜也人を一人で来させろという良二の要求を、あくまで紀伊田の回収のためだと主張し、逢坂を同行させることをしぶしぶ了承させた。
ただし、先に亜也人を歩かせ、離れた位置から逢坂が続くこと。条件通り、エレベーターを降りると、先に亜也人が部屋の前に行き、逢坂は2メートルほど後方で待機した。
ドアの前に立ち、深呼吸してインターフォンを押す。
カチャッ、と音がしてドアが開く。瞬間、突然中から赤黒い手がぬっと伸び、物凄い力で部屋の中へ引き込まれた。
「亜也人ッ!」
声を上げる間もなく抱き締められる。
「亜也人ッ! 亜也人ぉぉッ!」
良二の声だ。
なんという声だろう。野獣が咆哮を上げるような、頭の奥にビリビリと響く声。
「会いたかったッ! ずっと、ずっと会いたかったッ!」
抱き締められた背中がメリメリと軋み出す。押し潰されて息が出来ない。
「亜也人……亜也人……嘘じゃねぇよな? もっとよく顔を見せてくれッ!」
身体を硬直させて耐えていると、突然、腕を掴まれ身体をグイッと後ろに引き離される。
真正面に現れた良二の顔に亜也人はギョッと目を見開いた。
「ごめんな、びっくりさせちまって。これでもずいぶん良くなったんだぜ? でもお前が嫌だってんなら皮膚移植でもなんでもすっから」
驚いたのは顔ではなく、その顔付き。
月日が良二を変えたのか。それにしても酷く荒んだ、何かに取り憑かれているような、魂を半分乗っ取られてしまっているかのような危うさが漂う。
陽気に振る舞ってはいるものの、その奥に仄暗い陰を引き連れているような陰湿さが見え隠れする。
亜也人の動揺を察したのか、良二は、立ち竦む亜也人の顔を覗き込み、困ったように眉間を顰めて笑った。
「お前は凄え綺麗んなったな。背はいくつある? まぁ、俺のがまだ高いがな……。顔を上げてもっと見せてくれ」
「待って……」
「なんだ。照れてるのか? 久しぶりだもんな。可愛いヤツ……。俺まで恥ずかしくなっちまう……」
「じゃなくて……先に、紀伊田さ……紀伊田さんを……」
振り絞るように伝えると、良二の表情がふと尖り、「そうだったな」と亜也人から手を離した。
それから一人で部屋の奥へ消え、すぐにまた一人で戻って来る。
片手に黒い革の手錠。もう片方の手は何かを握ってポケットに仕舞っている。
「紀伊田さんは……?」
「いいからついてきな」
手錠のベルトを広げると、良二は、亜也人の質問には答えず、亜也人の手首に革のベルトを巻き付け、もう片方を自分の手首に巻き付けて繋いだ状態でドアの外へ出た。
「積川ッ!」
ドアの外では、逢坂が良二の指示通り、玄関から離れた位置で待ち構えている。憤怒の形相で立ちはだかる逢坂を見据えると、良二は、ポケットの中に仕舞ったものを逢坂に見えるように顔の横にかざしながら火傷で引き攣った頬を吊り上げた。
「そのままじっとしてろ。でなきゃこれをお釈迦にする」
カードキーとライターだ。マンションの部屋はドアが閉じると自動的にロックが掛かるオートロックシステムになっている。
カードキーが無ければ中に入れない。それ承知の上で、良二は、カードキーにライターの火をかざした。
「なんの真似だ! 紀伊田はどうした!」
「あの淫売野郎なら部屋の中でノビてるぜ。白目剥いて痙攣しまくってたから早く抜いてやらないとヤベェかもよ?」
「貴様ッ!」
「動くな! 鍵を壊されたくなきゃそこでじっとしてろッ!」
叫ぶなり、亜也人の腕を掴んで走り出す。突然の猛ダッシュに亜也人の足がもつれる。良二は気にせず、今にも転びそうな亜也人をエレベーターに押し込むと、一階のボタンを取り憑かれたようひ激しく連打した。
「クソ、クソッ! おっせーんだよッ!」
凄まじい表情。額から滴る大量の汗。
普通じゃない。
「良二……どこへ行くの……?」
良二は、「ああっ?」と振り向くと、恐る恐る尋ねる亜也人を見て薄い唇を引き伸ばしてニンマリと笑った。
「うちに帰るんだよ……。俺ン家。お前も知ってるだろ? 俺ン家だ」
「良二……」
「ここにはお前の写真も想い出も一個も無ぇんだ。ここは俺ン家じゃねぇ! だから俺ン家に帰るんだ」
「ちょっと待ってよ……そんな、どうやって……」
言い掛けたところを、「うるせぇ!」と怒鳴りつけられる。
身体がビクッと跳ね上がるほどの迫力だ。怖い。こんな良二は見たことがない。
恐ろしさに縮み上がる亜也人を余所に、良二は鋭い表情から一転、怒鳴り声を上げたことなど嘘のように猫撫で声で亜也人の頬を撫でた。
「そういや、お前と毎日あそこでヤッてたっけな。お前、窓開けるの嫌がってさぁ。俺だって他の野郎にお前の喘ぎ声聞かせるなんざ真っ平ごめんだが、俺の部屋エアコン効かねぇし、しょうがねぇだろ? でもすぐに取替えてやっから安心しな。俺、今、金持ってんだ。……それにしても遅せぇな。早くしねぇとジジイが寝ちまうってのに」
エレベーターが一階に到着する。
扉が開く直前、良二が、「ごめんな」と亜也人の身体を自分の前に押し出し、亜也人の身体を盾にした。
エレベーターの外では、不穏な動きを嗅ぎつけた松岡が二人の到着を待ち構えていた。
それが仇となった。
松岡の顔を見た途端、良二が絞り出すような雄叫びを上げ、亜也人の首に腕を回して締め上げた。
「近づいたら殺すッ!」
亜也人! と叫ぶ声が聞こえる。松岡の声だ。
その声がビィィンという耳鳴りに変わり、目の前に黒い点が広がっていく。それが視界をびっしりと覆い尽くした時、亜也人の記憶はプツリと途絶えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
鼻歌が聞こえていた。
鼻歌と、甘ったるい臭い。
フン、フン、フン、という軽快なリズムとともに、甘ったるいような酸っぱいような、今までに嗅いだことのない不快な臭いが頭上から鼻先に漂ってくる。
頭が痛い。手足がスースーと冷たく、身体を捻ると肩に痛みが走りいっぺんに目が覚めた。
身体が動かない。両手を縛られているらしい。
ここはどこだろう。
思いながら周りの景色をぐるりと見渡す。
シミだからけの天井。窓に貼られた写真。勉強机。
どれも見覚えがある。あの頃と全く変わっていない。
ぼんやりとした視界をじっと見詰めていると、ふいに鼻歌が止み、明るく弾んだ声が鼓膜を震わせた。
「おう、起きたか。ちっとも起きねぇから心配したぜ」
一瞬、頭が混乱する。
目の前にいる、これが良二なのだろうか。
見たこともない表情。
火傷痕のせいばかりではない。
妙に黒い、ギラギラとした目。暑くもないのに額に玉のような汗を浮かべ、潰れた玉が頬を伝ってシーツに滴り落ちている。
異様だ。
逃げ出したい衝動に駆られるが、両手首を手錠で繋がれベッドの柱に括り付けられているせいで起き上がることすら出来ない。
恐怖に引き攣る亜也人を気にも止めず、良二は、子供のように目をギュッと細めて歯を見せながら笑った。
「ちょうど良かった。今からコイツ、入れてやっから」
はしゃいだ様子で言い、小さなビニール袋を亜也人の目の前にかざす。
手のひらに収まるほどの袋。中には氷砂糖を砕いたような透明の塊が入っている。
上部の止め口を割いて封を開けると、良二は、自分の指先を舌の先で湿らせて袋の中に入れ、米粒ほどの塊を二、三個すくい上げた。
「それ……」
「ん? なんだ、ガンコロ、知らねぇのか? そっか。お前初めてなんか。……こりゃアソコがとびきり良くなる魔法のクスリさ。ちょうど手に入ってラッキーだった。久しぶりだからお前を死ぬほど気持ち良くしてやるぜ」
「あッ、やぁッ!」
有無を言わさず脚を開かされ、剥き出しになった後孔に透明の塊を乗せた指をねじ込まれる。
途端に、入り口がヒリヒリと痛み出し、下っ腹がカッと熱くなる。
「すぐに溶けるから……」
前に使われた催淫剤とは違う。熱くなったと思ったら今度はそれがじんわりとした熱に変わる。
孔の中がトロトロに溶けていく感じ。身体の芯がざわざわと騒めき出し、入り口が勝手にヒクヒク蠢く。
切ない痺れが頭をビィィンと麻痺させ、剥き出しになったペニスが、まだ何もされていないうちから甘く疼き始めた。
「なんで……こんな……」
良二は、真っ黒い目を大きく見開いて笑っている。
「野暮なこと聞くなよ。お前を気持ちよくさせてやりてぇんだ。……昔もそうしてやったろ? お前が糞どもに好き放題されてた時さ……お前、痛ぇ、痛ぇ、って可哀想にさぁ。でも俺とやって気持ち良かっただろ?」
「やッ……やめてッ……」
「心配しなくても一回キメたぐれぇで中毒にゃならねぇから安心しな」
「はぁっ、やぁッ……」
後孔に埋め込んだ指をぐるぐる回し、肉壁を引っ掻きながらグチュグチュと音を立てて抜き差しする。
感じる部分を指の腹で押されると、信じられない快感が身体の奥を突き抜け、まだ完全に勃ち上がっていない半勃ちのペニスがビクンと跳ねた。
「早いな。もうイッたのか……」
「はっ……はぁッ……や……だぁッ……」
痙攣の続く内壁を執拗に捏ね回し、奥の膨らみをゴリゴリと潰す。敏感な部分をいじくり回され、後孔全体が小刻みに震え、腰が何度も何度もビクンと跳ね上がる。
たかが指一本。それなのに身悶えるような快感が止まらない。
「りょ……じ……待ってッ! 俺はッ……話しをッ……」
「話し?」
ガクガクと顎を下げて返答する。
話をするために来たのは嘘ではない。これまでの過去。良二との思い出。出会い。別れ。松岡との出会い。それからの日々。これまでの一切合切を、良二と直接会って決着をつけなければならない。
なぜなら、そこが全ての始まりだから。全ての原因は過去を中途半端に放り投げた自分自身にある。逃げてはいけない。きちんと終わらせなければならない。
そのために良二に会いに来たのだ。快楽に流されるわけにはいかない。
「俺、良二と話をしに来たんだ……。俺、良二に謝らなきゃ……ぁはぁッ……」
良二は唇の端に薄ら笑いを浮かべながら、首を竦めて亜也人の瞳を覗き込んでいる。
眼球の動かない、座った目。一緒にいた頃には見たこともない良二の表情に、亜也人の胸に嫌な騒めきが広がっていく。
「謝ることなんて無ぇだろう。お前はこうして帰って来た……」
「違ッ……おねがいッ……俺の話しを聞いて! ……んぁッ……」
しかし良二の指は更にスピードを上げて奥を突く。
熱く弛緩した孔の中に、一本、二本と指を埋め込みトロトロになった粘膜を捏ねくり回して掻き回す。
クチュ、クチュ、クチュ、という音。甘ったるい臭い。
「こんなんなっといて何言ってんだか。話なら後でたんまり聞いてやる。まずはゆっくり楽しもうぜ? な?」
二本の指で感じる膨らみを挟み潰され、亜也人は堪らず背中を跳ね上げた。
「あッ、ヤッ、んふぅぅんッ!」
「またイッたのか。女みてぇだな。俺の女なんだから当たり前か。俺が教えてやったんだもんな……。ふははっ……」
変色して盛り上がった火傷痕を歪めながら笑うと、良二は、亜也人の開いた脚の間に身体を割り込ませ、亜也人の上に勢い良く覆い被さった。
「緊張してんのか? 可愛いな。もっとよく顔を見せてくれ」
両手で頬を挟み、鼻先に顔を近付ける。避ける間もなく、あっという間に唇を塞がれ、熱くぬめった舌が唾液と一緒に口の中に流れ込んできた。
「んふぅぅ……んんぅ……」
ネチャネチャと粘着く舌が舌先に絡まり上顎を這い回る。
口の中をメチャメチャに犯されている感じ。
想像した途端、口の粘膜と後孔の神経が繋がってしまったかのように、お尻の奥がズクンと疼きいて肉壁がふわっと緩む。
まるで、受け入れるのを待っているかのようだ。
嫌だ。身体がおかしい。怖い。
「りょ……じ……」
「震えてんな……大丈夫だ。俺ならここにいる」
「りょ……」
離して。
心では抗いながらも、唇を甘噛みしながら吸われて粘膜を熱い舌で掻き回されると、頭の奥がツンと痺れて何も考えられなくなった。
良二の舌が、唇、顎、首筋、体毛の薄い脇の下を鼻先でくすぐりながら舐め下がり、やがて、ぷっくりと盛り上がった乳首に到達する。すでにビンビンに研ぎ澄まされた先端を指先で弾かれ、もう片方を唇でキツく吸われると、乳首の奥から身体の中に電気が走り、信じられないような嬌声が迸った。
「んっんっんはぁあぁぁッ、あはぁッ、ぁッ……っッ」
亜也人が泣き喘ぐほどに、良二の、乳首をいたぶる手が激しさを増して行く。
淫らに膨らむ乳輪を舐め回し、硬くなった乳首を舌の先で転がしては吸い上げ、指先で捻り潰す。
歯を立て、舌で潰し、唇で千切れるほど強く吸う。
乳首と言わず乳輪の周りまでもが赤く腫れ上がる。
尋常ではない激しさ。
何かに取り憑かれたように、良二の舌と手が亜也人の乳首を一心不乱にいじり回し、時折り顔を上げて湿った息を吐き掛ける。
「どうだ? よくこうして吸ってやったろ?」
「あ……んっふぅ……はぁッ……」
「可愛い、可愛い、俺の亜也人。……やっぱ、お前が最高だ……。綺麗な顔も、白い肌も、ちっせぇ乳首も……」
「いやっ……ひぃぃぁあぁッ! いやぁぁッ!」
根元をギリギリと噛みしばり、先端に爪を立てて引っ掻かれる。通常では考えられない苛烈な責めを受けながら、なぜかそれが乳首の奥を堪らなく疼かせ下っ腹を熱く滾らせる。
気持ち良いというレベルを超えている。怖い。自分が壊れて行く。
「怖い……助けて……」
「怖ぇか? お前が俺から離れるから怖ぇんだろ? もっと抱きつけ。俺から離れるな」
見上げたところを、ぐっと腰を押し付けられ、勃起した股間を剥き出しのペニスにグリグリと擦り付けられる。
殆ど同時に、ゾッと皮膚を這うような快感が駆け上がり、両脚がビクンと硬直した。
「ほんっと感じやすいな……。あの頃とちっとも変わってねぇ。俺に触られるのが好きなんだもんな……。お前、いっつも、良二、良二、って俺の名前呼んでさ……。それなのにお前、どっかいっちまうんだもんな……」
「りょう……っあッ、あひぃッ、ヒッ……」
「いいって、解ってる。お前が俺から離れて行くわけねぇもんなぁ。お前、俺がいねぇと生きてけねぇんだもんなぁ。ごめんなぁ。俺が余計なことしたばっかりにこんなことになっちまって……ったく、何が、『力を持て』だ、なぁ。あの内藤の野郎……」
憎々しげに言いながら、良二は、腰を大きく回転させながら、密着した亜也人のペニスを自分の男根で揉みしだいた。
「あんな、内藤の野郎なんかの言うこと聞いたばっかりに、お前に淋しい思いさせちまったんだな。俺がバカだった。あんな野郎の言うこと聞かなくたって俺はお前と充分上手くやっていけたのにな。だいたい、俺がいつ嫉妬に狂ったってんだ! あん? お前は俺にゾッコンなのになぁ。お前は絶対ぇに俺を裏切らねぇ。なのに嫉妬する必要がどこにあるってんだ、なぁ?」
「りょ……じ……やだ、やだッ、そんな擦ったら……あッ……」
頭がボォっとして思考が回らない。
股間が燃えるように熱い。
押し潰されたペニスがはしたない粘液を滴らせているのが解る。
良二の股間もこれ以上ないほど硬く張り詰め、スウェットズボンの前面に濃いシミを作っている。
「はぁぁ。もう我慢できねぇ……」
片手で器用にズボンを下ろすと、良二は、淫水焼けした凶悪な男根を亜也人のペニスに直に擦り付け、手のひらに二本合わせて握り込んで扱き上げた。
ズチュッ、ズチュッ、と、先走りでヌルヌルになった男根が卑猥な音を立てる。
良二の筋張った手が陰茎を擦り上げ、重なった男根が、脈打ちながらカリ首を押し上げる。
その快感が、身体のあらゆる性感帯に火を付け亜也人を狂わせた。
「はあぁぁぁッ、ぅふぅん……熱いッ……熱いよぉぉぉッ……りょうじィィィィッ……」
「俺も熱いぜ。ああ、早く入れてぇ……。亜也人……お前ん中に入れていいか?」
言うなり、亜也人の腰を掴んでお尻を手前に引き、両膝の裏側を掴んで足を頭の方へ返す。
抵抗したところで良二の力には敵わない。腰を捻ったところをたちまちお尻を抱えられ、先走りで湿らせた指を後孔に埋め込まれた。
「あひぃぃぃっ、んぁぁ……」
ペニスをいじられたことで敏感になった身体は、入り口の粘膜をいじられただけで後孔の奥までをもゾクゾクと震わせる。
もう数え切れないぐらいイッている。快楽が止まらない。
亜也人の反応を楽しむように、良二は亜也人のお尻に齧り付き、後孔を指で広げながら入り口の周りに舌を這わせている。
その舌先が突然ずるっと穴の中に入ってきた。
「んあッ! ア……ぁああぁ、あんッ! ダメッ、舐めないでぇッ……」
まるで、お尻の穴から長い蛇がうねうねと身体をくねらせながら押し入ってくるような感覚。もちろん入ってくるわけがない。妄想だ。しかし舌を差し込まれた瞬間、入り口から腸の奥を熱いうねりがザザッと駆け抜け、肉壁が何かを受け入れるように激しく収縮した。
「スゲェ……穴が開いてヒクヒクしてる……」
弛緩しきった後孔に尖らせた舌を突き立てると、良二は入り口を限界まで指で広げて舌の先を更に奥へ伸ばした。
後孔の粘膜はもちろん、入り口周辺の敏感か皮膚に唇が当たり、熱い鼻息が会陰から睾丸に向けて上がって行く。
良二が舌を抜き差しするたび、勃起したペニスから先走りが溢れる。
切ない疼きに頭がおかしくなる。
「いやだぁッ……抜いてッ……舌ッ……も、やッ……許してぇ……」
「許してやるさぁ。他の奴らは絶対ぇ許さねぇが、お前は特別に許してやる。お前、淋しかったんだよな? 俺も、放ったらかしにしといて悪かったよ。俺がいなかったから、お前、淋しくなっちまったんだろ? ああ、解ってる。解ってるって。許してやるよ。これからはずーっと一緒だもんなぁ? もう、どこにも行ったりしねぇもんな?」
お腹の上をベッタリと濡らす先走りを指先ですくうと、良二は、舌で解した後孔にそれを塗り付け、お尻の前にしゃがみ込んでいた上半身を起こした。
「待ってろよ。今までの分もたっぷり可愛がってやっからな」
枕元に身を乗り出し、ヘッドボードの棚から使いかけのローションと、シーツの上に放り出された小袋を手に取り再び股の間に腰を据える。
「これ、いつのだ? まぁ、腐るもんじゃねぇから大丈夫か」
フン、フン、と、軽快な鼻歌が良二の鼻から漏れる。
ヌルッとした感触。
緩みきってパックリと開いた後孔の内側の粘膜に直接ローションを垂らし、いきなり二本の指を突き立て中を掻き混ぜる。
「ひッ、ぁああッ……やッ……」
「またイキそうか? もう、イクの、止まんねぇなぁ」
「やぁッ! そんな……しな……っでぇ……んぁぁッ」
イヤイヤ、と首を振りながらも、亜也人の身体は、あさましい欲望に両脚を開き、快楽をねだるように腰を浮かせる。
良二は、亜也人の淫らな様子を満足気に見下ろすと、後孔に埋めた指を抜き、手に持った小袋から透明な塊を取り出した。
「もっと狂わせてやっからな」
さっきよりも大きい、すでに後孔に入れられたモノの倍以上はある大きな塊をローションと分泌液で濡れた指の上に置き、見せ付けるように亜也人に近付ける。
「中、トロトロんなってるからすぐに溶けるぜ……。ほら、足抱えてケツ見せろ」
その顔。
大きく広がった黒眼。吊り上がった唇。歪んだ頬。嬉々として笑う良二の顔を見た途端、朦朧とした頭が一気に覚醒し、得体の知れない恐ろしさが背筋を駆け抜けた。
「嫌だ……嫌だよ、良二ッ……」
声を上げても良二の耳には届かない。両手をベッドの柱に繋がれているせいで逃げることも出来ず、亜也人はただ自由になる足をバタつかせて抵抗した。
「怖くねぇから。いい子だから、じっとしてな」
「やだよ……やめて……りょ……」
亜也人の抵抗など良二にとっては赤子も同然。足を振り上げたところを、たちまち膝裏を掴まれ、足を開かされる。
尻肉を割られたと思ったら間髪入れずに指をねじ込まれ、その直後、指よりも何倍も太い良二の男根がメリメリと押し入ってきた。
「ああぁぁぁっ……あぁっ、やぁっ……っつぅッ!」
「あーッ、入ってるッ! お前ん中、入ってるぞぉッ!」
亜也人よりも大きな声を上げながら根元まで埋め込むと、良二は、亜也人の身体の中の感触を味わうようにじっとしたままブルブルと身体を震わせた。
「マジやべぇ。やべぇよ。お前ん中、すげぇ熱い。お前は? お前も気持ち良いだろ?」
「あああぅぅぅッ……」
身体の奥がじわじわと熱くなる。背筋が震える。熱いのに寒い。おかしな感覚。
しかし、良二がゆっくりと腰を動かし始めると全ての感覚が快感へとすり替わった。
「あああ、亜也人ぉぉッ! やっぱお前でないとダメだ。俺から絶対ぇ離れるな! 俺も絶対ぇ離さねぇ! いいな! わかったなッ!」
「ひぃぃあぁぁッ、やぁぁ、ぁはぁッ、あっ」
「どうした! 返事はッ! あぁん?」
両足を肩の上に担ぎ上げ、胸をぎゅうぎゅうと押し潰しながら全体重をかけて男根を突き入れる。
身体の奥から何かが滲み出る。
乳首が擦れる。
睾丸が潰れてペニスの先から熱い粘液が迸る。
身体中の穴という穴が開き切り、中から粘着く体液がダラダラ溢れてくるような感じがする。
「こわい……こわいよぉぉッ……」
「怖くねぇよ。俺がついてる! 俺がまたお前を守ってやる。お前に変な真似する奴ぁ俺が全員ブチ殺すッ!」
「あっ、ああっ、いっ、いぁあぁっ」
「心配すんなッ! 俺が、みんなみんな殺ってやるッ! あいつらみてぇに、みーんな、だッ! もう誰にも邪魔させなねぇッ! 邪魔する奴は皆殺しだ! ふはははッ!」
抜いては突かれ、抜いては突かれ、良二の裏筋の浮き上がった男根が、感じる部分を擦りながら突き上げ、肉壁を削りながら戻る。
繰り返される刺激に後孔全体がビクビクと痙攣する。狂うような快楽に、唇を閉じる暇もないほどひっきりなしに喘ぎ声が漏れる。
「し、ぬ……死んじゃうっ……ひっ、んんッ……」
「死なせるか! お前は一生俺が守ってやる。だからもう絶対ぇ俺を裏切るなッ! お前は一生俺のものだッ!」
一生。
一生、という言葉が頭をぐるぐる回る。
一生、ってどれくらい。ああ。死ぬまでか。
俺は一生このまま良二と。
思った瞬間、快楽に溺れる意識の中に松岡の顔がフラッシュバックした。
『帰って来い』
言葉とともに、抱き締められた腕の感触が蘇る。
約束。必ず帰ると約束した。松岡と。
『別れのキスもしてやらねぇ』
『して欲しかったらさっさと帰って来い……』
そうだった。決着を付けて松岡の元へ帰る。
このまま良二といるためにここへ来たわけではない。松岡といるためにここへ来のだ。
「い、や、だ」と、亜也人は声を振り絞った。
「ああん? なんだぁ?」
「帰る……吉祥……吉祥んとこ……」
途端に、奥の深い部分をズンッと突かれ、亜也人は、良二の肩に乗せた足をピンと伸ばして痙攣した。
良二は構わず腰を突き入れる。
ガッ、ガッ、ガッ、と、ベッドが聞いたことのない音を立てて軋み始める。
「てめぇ! 何言ってやがるッ! どこへ帰るってんだッ!」
身体が揺れる。頭が回る。
「俺様がせっかく許してやるって言ってんのにッ! まだ解らねぇのかッ! はぁん?」
怖い。
けれど、今こそはっきりさせなければならない。
今まで言えなかったこと。
良二の元へは戻らない。
今までは、良二を傷付けるような気がして言えなかった。
良二を置き去りにして自分だけが幸せになることなど出来やしない。
良二は命の恩人だ。良二のお陰で地獄のような日々から抜け出すことが出来た。その良二を苦しみの淵に追いやったまま自分だけがのうのうと生きて行くことなど許されない。
しかし一方で、亜也人は気付いていた。
この気持ちは良二を思いやるものではない。自分はただ嫌われたくなかったのだ。
良二を傷付け、良二に嫌われることが怖かった。
自分を弄んだ不良たち、クラスメイト、母親。自分を取り巻く全てを呪いながら、そのくせ嫌われることが怖くて従った。
反抗して嫌われることよりも、周りに従い、可哀想な被害者になることを選んだ。
それが大切な人を傷付け、その傷口を広げて行くことにも気付かずに。
だからこそ、亜也人は引くわけにはいかなかった。
自分の心のままに生きる。たとえ良二を傷付けたとしても。
亜也人は、
「りょうじ……とは、いられない。きっ……吉祥んとこ……帰る……」
ガクガクと裸体を震わせながら、もつれるように言った。
「うるせぇッ! 俺の前で他の男の名前なんか呼ぶんじゃねぇッ!」
たちまち、嵐に巻き込まれたように亜也人の身体が大きく波を打った。
ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、と、良二が更に激しく腰を突き上げる。
ぶつかり合った肉が赤く腫れ上がる。凶々しく反り返った男根が、亜也人の腰骨を軋ませながら後孔に押し入り、肉壁を捲り上げながら奥の奥を突く。
「あっ、あっ、やぁぁぁっ、きっ……吉祥ッ……」
「うるせぇ! お前は俺のもんだッ! ほらッ! こうしてお前ん中入ってるッ! どうだッ! 俺に突っ込まれてヒイヒイ言ってんのが解らねぇのかッ!」
「ひぃぃぃっ、あ、あっ、やめぇ、やぁっ」
「誰にもやらねぇ! 俺のもんだぁッ! お前のケツん中、俺のデカマラの形にしてるッ! 俺の形にして二度と戻らなくしてやるッ!」
「あああぃぃぁあぁぁッ……」
身体を二つに折り曲げられ、ペシャンコに押し潰されながら激しく抜き差しを繰り返される。
「俺が狂わしてやるッ! 俺なしじゃいられねぇ身体にしてやるッ! だから俺から離れるなんて言うな! お前は俺といるしかねぇんだよ! なぁ、亜也人ぉぉ!」
休むことなくイカされ続けた後孔が痙攣の止まらなくなった肉壁をヒクつかせる。
意識が朦朧とする。
良二が何を言っているのか耳に入らない。
ただ、腹部に擦れたペニスが突き上げられるたびに色の無くなった精液を垂れ流し、舐められ吸われ続けた乳首が小さな突起を真っ赤に腫らして震えている。
痛みと苦しさと、たとえようもないほどの快楽。
飲み込まれてはいけない。気持ちをしっかり持たなければ。
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「てめぇは、なんべん言っても解らねぇヤロウだなぁ。他の男の名前は呼ぶなっつっただろッ!」
殴られた次は、髪を掴まれ頭を持ち上げられる。瞬間、良二の目が、スッと座り、節くれ立った手が亜也人の首を掴んだ。
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命の危険を本能が感じ取る。
耳の奥がビーンと痺れて気が遠くなる。
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良二の汗だろうか。
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無意識に目を開けると、白く霞みがかった視界の中に、今にも泣き出しそうに唇を顰めた良二の顔がぼんやりと浮かび上がった。
「チクショウッ! いっつも、いっつも、どうしてお前はそうやって俺を遠ざけるッ! あんだけ好きっつっといて……。俺が必要だって言ったよなぁ! 俺から離れねぇっつったよなぁ!」
痛みを堪えるような、腹の底から絞り出すような悲痛な叫び声。
その中に、啜り泣くような息使いがふと混じる。
頬に落ちてくるものが涙であることに気付いた時、亜也人の目からも自然と涙が溢れていた。
「俺しかいねぇくせにどうしてだ? どうして俺のモンにならねぇ……どうして手に入らねぇんだッ!」
ーーーごめん。良二。
思いが冷たい涙になる。
以前の自分なら間違いなく良二の想いに応えていた。
裏切ったのは自分だから。自分が良二をここまで追い詰めてしまったから。
自分のせいで良二が傷付いた。自分には良二を慰める義務がある。良二の想いを受け入れる責任がある。
気持ちではなく、義務。責任。
それも一つの愛だと思っていた。
けれどもう誤魔化せない。
なぜなら亜也人は知ってしまった。
絶対に無くせない、絶対に裏切れない、誰かに嫌われたとしても、誰かを傷付けたとしても、絶対に譲れないたった一つの愛を。
ーーーごめん。
だんだんと狭くなる視界の先で、輪郭の掠れて行く良二に目を向けながら、亜也人は脳裏に浮かぶ松岡を見詰めていた。
ーーー約束。約束した。吉祥と。
身体がビリビリ痺れ出す。
ーーー吉祥!
吉祥のところへ帰らなければならない。
だからそこで待ってて。
視線で訴えながら真っ直ぐに松岡を見た。
亜也人の想いを受け取るように松岡が優しく笑った。
ーーー吉祥……。
亜也人も笑った。
すると、ふいに松岡が目の前からスッと消える。
「待って!」と、咄嗟に手を伸ばす。
ーーーどこに行くの、吉祥ッ!
伸ばしても伸ばしても届かない。
ーーー行かないで! 今行くからッ! 俺を待っててよ、吉祥ぉぉぉッ!
途端に視界が真っ黒い闇に覆われた。
何も無い暗闇の中で亜也人はパタリと動きを止めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怒りでも悲しみでもない感情が、松岡の身体を熱い血潮となって駆け巡っていた。
怒りはとうに通り越している。悲しみは、感じないよう頭の外へ追い払った。
残っているのは研ぎ澄まされた闘志。狂気にも似た闘志が、松岡をギリギリのところで奮い立たせていた。
車は全速力で積川良二の自宅へ向かっている。
『行くとすれば自宅だ』
その言葉を鵜呑みにするほど内藤を信用していたわけでは無かったが、スティンガーのアジトであるエンプレスにもいない、顔を出しそうなところを片っ端から当たったが何処にも見当たらず、頼みの綱の新庄は、積川に刺されて意識不明の重体で病院に運ばれた。
残るは内藤の言う自宅以外にアテはなく、松岡は藁にも縋る思いで車を走らせた。
すでに二時間近く無駄にしている。
亜也人を連れてマンションを出た積川は、紀伊田を運ぶためのワゴン車を乗っ取り、闇の中へと走り去った。
すぐに追いかけていれば捕まえられたかも知れない。しかし、丸山の目的はあくまで紀伊田の救出だ。
紀伊田は、積川が放り投げていったカードキーで入った積川の部屋で、全裸で白目を剥いて倒れているところを逢坂に発見された。
一刻を争う事態であることは、紀伊田の血色のない青ざめた顔と、紫色に変色した唇から大量に伝い流れる泡状の唾液からも容易に推測できた。
搬送用のワゴン車を奪われた救出隊は、仕方なく丸山のセダンで紀伊田をクリニックに運び、松岡は逢坂とともに路上に置き去りにされる形となった。
それでも逢坂が機転を利かせて部下に車を届けさせ、松岡は逢坂の用意した車で積川の後を追うことが出来た。
『大切なら何が何でも助けなきゃダメっすよ!』
譲れないものを持った瞳。逢坂の、強い意志のこもった隻眼が松岡の胸に渦巻く怒りや恨みを吹き飛ばした。
感情に足を引っ張られている場合ではない。今は亜也人を助けることだけに意識を集中させねばならない。
逢坂の言葉に後押しされ、松岡は亜也人の元へ向かった。
内藤は神戸から新幹線でこちらへ向かっている。車を走らせて程なくすると内藤から電話があった。
突然の電話に何事かと慌てて応答したが、松岡に用があるというよりも、紀伊田の容体が気になり、手当たり次第電話を掛けている様子であった。
らしくない、というレベルの話しではない。
感情の箍が完全に外れてしまっている。
普段とは別人のような内藤の変貌ぶりに松岡は驚きを通り越して憐れみすら覚えた。
ーーー俺はお前のようにはならない。
『そんなことより紀伊田は大丈夫なのかッ!』
「心配ならさっさと駆け付けてやんなッ!」
積川の居場所を聞き出すと、松岡は、叫び狂う内藤を一喝し、一方的に電話を切った。
脇目も振らず車を走らせると、見覚えのある景色が見えてきた。
前に一度来たことがある。
確か、亜也人を連れてテーマパークへ行ったその翌日。
肌寒さに目覚めると、隣で寝ていた筈の亜也人が忽然と姿を消していた。
その時も松岡はこうして慌てて積川の自宅に車を走らせた。
その頃の亜也人には積川の元以外帰る場所は無かった。
結局、亜也人が訪ねた時には積川はすでに神戸の山崎組で部屋住みを始めており、積川に会うことは叶わなかった。
訪ねた日がもう少し早かったらなら、或いは積川の神戸行きが取り止めになっていたら、ひょっとしたら松岡と亜也人の関係はそこで終わっていたかも知れない。
しかし亜也人は松岡の元へ戻り、松岡は亜也人を二度と離さないと心に誓った。
もうあの頃とは違う。
今、亜也人の帰る場所は松岡であり積川では無い。
二人で築き上げた今を過去に戻すわけにはいかない。
亜也人を絶対に取り戻す。その一念で、松岡は積川の家の前に立った。
旧式の鍵穴をピッキングしてドアを開けて中に入る。
ツンと鼻を突く臭い。覚醒剤だ。
まさか、亜也人にも覚醒剤を使っているのだろうか。
戦慄が身体中の毛を逆立てる。
恐る恐る奥へ進むと、二階へ続く階段の脇の廊下にビニールテープで巻かれた足が不自然な角度で突き出ているのが目に入った。
見覚えのある顔。積川の祖父だ。
積川の祖父は、廊下を挟んですぐの和室に、両手両足をビニールテープで縛られ、口を頭ごとぐるぐる巻きにされた状態で寝転がされていた。
めくら滅法巻き付けたのだろう。テープの端が一部鼻にかかっている。意識が無いのはおそらくそのせいだ。
口元のテープを剥がして息があるのを確認する。
ホッとしたのも束の間、突然天井がミシミシと軋み出し、松岡は慌てて階段を上がった。
ギシッ、ギシッ、という音が大きくなる。
薄っすらと開いたドアの隙間から異様な臭いが漂っている。
武器は無い。拳だけが頼りだ。
しかし躊躇っている余裕は無かった。
松岡は、
「せきかわぁぁぁッ!」
叫び、勢いよくドアを蹴破った。
積川がベッドの上から松岡を振り返る。
その足元を見た途端、松岡の全身から血の気が引いた。
「お前……何してるんだ……」
だらりと伸びた足。痣だらけの皮膚。飛び散った血痕。
顔は蝋人形のように青白く、ぽっかりと見開かれた目は瞬きもしないで一点を見詰めている。
一目で意識が無いと解る。
あまりの衝撃に、松岡は、積川の下に横たわるものが亜也人であるとすぐには認識出来なかった。
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積川は、糸の切れた操り人形のようにだらんとした亜也人の両足を両脇に抱え、松岡を睨み付けている。
瞳孔の開き切った目。明らかに薬がキマっている。
その目がギラリと光り、両脇に抱えた亜也人の足を更に持ち上げた。
「貴様、何する気だッ!」
松岡の叫び声を搔き消すように、積川が、亜也人の足を逆さ吊りになるほど引っ張り上げ、体重を掛けて腰を突き入れる。
再びベッドが軋み出し、亜也人の身体が上下に揺れながら犯され始める。
「やめろッ! 自分が何をしてるのか解ってるのかッ!」
「わあってるよぉッ! 俺だけのもんにするんだッ! 俺だけのぉぉぉッ! 誰にもやらねぇッ! 俺のだッ! 俺のだぁぁぁッ!」
ーーー狂ってる。
亜也人のお尻に股間をぶつけながら、積川は一心不乱に亜也人の中に男根を突き入れる。
亜也人は何も反応しない。
積川に貫かれながら、声も上げず、瞬きもせず。
青ざめた身体。額に貼り付いた黒髪。
縛られた腕が頭の上でしなり、擦れて手首が血を流す。
目を覆うような光景が、松岡の目の前をスローモーションで繰り返される。
ーーーあの時と同じだ。
戦慄とともに、松岡の脳裏に強烈なデジャヴが襲い掛かった。
亜也人と出会った年のクリスマス。積川に自宅マンションに乗り込まれた時。
あの時と同じ光景が今また目の前で繰り返されている。
『全部俺のもんだッ! 誰にも触らせねぇ!』
あの時の積川を見ている感覚。
あの時と同じ積川がここにいる。
積川は何も変わっていない。まるであの時から時が止まってしまったかのように。
思った途端、それまでとは違う感情が松岡の胸に湧き上がった。
しかし一度上り詰めた感情がそれで消されてしまうわけではない。
思いが広がるよりも先に、松岡の心が限界を迎えていた。
ーーー亜也人。
頭の奥がギィィンと震え始める。
視界が一点に絞られる。
亜也人と積川以外、何も見えない。
今度こそ息の根を止めてやる。
思うよりも先に身体が動いていた。
松岡は積川に向かって拳を振り上げた
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