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久方ぶりの逢瀬は、淫らに蕩けて
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愛の囁きと共に、心も身体も満たされていく。限界を迎えて、お腹の奥が震えるのを感じた。
「あんっ……も、だめっ! 豪さんっ」
「んっ……イッて」
私の身体を抱えるようにして、豪さんは動きを早めて突き上げてきた。目の前が真っ白になって、ぎゅうぎゅうに豪さんのものを締めつける。
「ひっ、ああっ……ああぁぁぁっ!」
「っく……」
快感を一つも逃すことなく味わいたくて、涎が出るのも構わずに、本能のまま絶頂に上り詰めた。豪さんも、中で脈打っているのを感じる。私で感じてくれているのが、嬉しくてたまらない。
「寧々……」
「豪さん、好きだよ。私には、ずっと豪さんだけ……」
「俺、は……」
身体を預けて、思いの丈を伝える。これで、最後だ。最後のチャンスだ。一縷の望みをかけて、温かい身体に寄り添った。
「豪さん、私を選んで? 私は、豪さんと生きていけるなら、もう何もいらない」
豪さんの瞳に、光が宿った。彼もようやく、大切な決断を下そうとしている。周りの人を巻き込んで、傷つけることだと分かっていても。自分の幸せのために、たった一つのわがままを、貫いてもいいのか悩んでいる。
「寧々は……俺が財産も家族も仕事も、今の生活全部捨てるってなっても、ついてきてくれる?」
「うん。どこまでもついていくよ」
「快適な暮らしはさせてあげられないかもしれない。寧々も、モデルの仕事を辞めることになる」
「うん。豪さんと一緒にいられるなら、何だって我慢できる」
それでいいんだ。何かを得るには、何かを捨てなくてはならないんだから。豪さんの背中を抱きしめて、返事を待った。
「……分かった。やっと、覚悟が決まった」
「ほ、ほんと?」
やっと、心と心が繋がった。豪さんと同じ気持ちになれた。嬉しくて、自然と涙が溢れてくる。人間は心から幸せな時も、涙が出るものなんだ。
「俺は、梢とも、ちゃんと話し合って解決しなきゃいけない。どれだけ時間がかかっても、頑張るから。待っててくれる?」
「うん。もちろんだよ」
「寧々のおかげだ。今日、こうやって寧々が俺を見つけてくれなかったら、決意できなかったと思う」
にこりと笑う豪さんが愛しくて、私は唇をぶつけた。深いキスを何度も交わして、互いに唇を食む。やっと恋人同士になった私たちの、果てしなく甘いキスだった。
「あ、そうだ」
「なに?」
豪さんは、私を抱きかかえたまま、再び鞄の中を探り始めた。そこから、赤色のリボンがついた小さな包みを取り出すと、私に差し出す。見るからにプレゼントだ。
「これ、ちょっと早いけど、寧々への誕生日プレゼント」
「えっ」
「もう渡すのは無理だと思ってたんだけど……渡せてよかった。開けてみて」
ドキドキしながら封を開けると、イヤリングが出てきた。金色のクローバーの型に、ピンク色をしたハートのストーンがくっついている。幸せと愛を象徴したような、可愛いのに上品なイヤリングだった。
「わあ、ありがとう……すっごく嬉しい! 大切にするね」
「着けてあげようか」
「うん」
豪さんにイヤリングを渡すと、熱を持った手が耳に触れた。まだ身体は敏感になっているようだ。豪さんはそれに気付いたのか、くすくす笑いながら両耳に着けてくれた。
「うん、似合う」
「豪さんが選んでくれたんだから、当然だよ。もし似合わなくても、絶対着けるけど」
「ははっ……こんなに喜ぶ顔が見れたなら、俺も嬉しいよ」
何回目かになる抱擁をして、長い時間、私たちはキスをした。どれくらいの時間が経ったのか気にもせず、くっつき合って、愛の言葉を囁いて、微笑み合った。
「あんっ……も、だめっ! 豪さんっ」
「んっ……イッて」
私の身体を抱えるようにして、豪さんは動きを早めて突き上げてきた。目の前が真っ白になって、ぎゅうぎゅうに豪さんのものを締めつける。
「ひっ、ああっ……ああぁぁぁっ!」
「っく……」
快感を一つも逃すことなく味わいたくて、涎が出るのも構わずに、本能のまま絶頂に上り詰めた。豪さんも、中で脈打っているのを感じる。私で感じてくれているのが、嬉しくてたまらない。
「寧々……」
「豪さん、好きだよ。私には、ずっと豪さんだけ……」
「俺、は……」
身体を預けて、思いの丈を伝える。これで、最後だ。最後のチャンスだ。一縷の望みをかけて、温かい身体に寄り添った。
「豪さん、私を選んで? 私は、豪さんと生きていけるなら、もう何もいらない」
豪さんの瞳に、光が宿った。彼もようやく、大切な決断を下そうとしている。周りの人を巻き込んで、傷つけることだと分かっていても。自分の幸せのために、たった一つのわがままを、貫いてもいいのか悩んでいる。
「寧々は……俺が財産も家族も仕事も、今の生活全部捨てるってなっても、ついてきてくれる?」
「うん。どこまでもついていくよ」
「快適な暮らしはさせてあげられないかもしれない。寧々も、モデルの仕事を辞めることになる」
「うん。豪さんと一緒にいられるなら、何だって我慢できる」
それでいいんだ。何かを得るには、何かを捨てなくてはならないんだから。豪さんの背中を抱きしめて、返事を待った。
「……分かった。やっと、覚悟が決まった」
「ほ、ほんと?」
やっと、心と心が繋がった。豪さんと同じ気持ちになれた。嬉しくて、自然と涙が溢れてくる。人間は心から幸せな時も、涙が出るものなんだ。
「俺は、梢とも、ちゃんと話し合って解決しなきゃいけない。どれだけ時間がかかっても、頑張るから。待っててくれる?」
「うん。もちろんだよ」
「寧々のおかげだ。今日、こうやって寧々が俺を見つけてくれなかったら、決意できなかったと思う」
にこりと笑う豪さんが愛しくて、私は唇をぶつけた。深いキスを何度も交わして、互いに唇を食む。やっと恋人同士になった私たちの、果てしなく甘いキスだった。
「あ、そうだ」
「なに?」
豪さんは、私を抱きかかえたまま、再び鞄の中を探り始めた。そこから、赤色のリボンがついた小さな包みを取り出すと、私に差し出す。見るからにプレゼントだ。
「これ、ちょっと早いけど、寧々への誕生日プレゼント」
「えっ」
「もう渡すのは無理だと思ってたんだけど……渡せてよかった。開けてみて」
ドキドキしながら封を開けると、イヤリングが出てきた。金色のクローバーの型に、ピンク色をしたハートのストーンがくっついている。幸せと愛を象徴したような、可愛いのに上品なイヤリングだった。
「わあ、ありがとう……すっごく嬉しい! 大切にするね」
「着けてあげようか」
「うん」
豪さんにイヤリングを渡すと、熱を持った手が耳に触れた。まだ身体は敏感になっているようだ。豪さんはそれに気付いたのか、くすくす笑いながら両耳に着けてくれた。
「うん、似合う」
「豪さんが選んでくれたんだから、当然だよ。もし似合わなくても、絶対着けるけど」
「ははっ……こんなに喜ぶ顔が見れたなら、俺も嬉しいよ」
何回目かになる抱擁をして、長い時間、私たちはキスをした。どれくらいの時間が経ったのか気にもせず、くっつき合って、愛の言葉を囁いて、微笑み合った。
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