日替わりの花嫁

枳 雨那

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彼らを受け入れること

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 昨夜の記憶が、一気に引きずり出される。六花が息を呑むとともに、鈍い痛みが蜜口に広がった。催淫作用がなくともそれを本能で求めている自分に対し、六花は疑問を持ちつつも、すぐにそんな考えは頭から消え去っていく。

「はぁっ……あ、あ……」
「やっぱりまだ狭いな。六花、身体の力抜いて? 俺にもたれかかっていいから」
「んっ」

 鬼灯が六花の両足を抱え上げ、自分の腰に軽く巻き付けさせる。つま先に、鬼灯のふさふさした尻尾の毛が触れてくすぐったい。

 六花はふうっと息を吐いて、姿勢を楽にした。それを機に、繋がったところがぐぐっと深くなっていく。

「ああっ! これっ……深いっ」
「……うん」

 奥に一度到達したそれは、六花のいいところを突いた。痛みの中に混じった突然の快感に、六花は腰をくねらせ、咄嗟に鬼灯の頭を掻き抱く。獣耳が肌に擦れて、くすぐったかった。

 鬼灯は顔を綻ばせ、そんな六花の背中をお返しとばかりに抱きしめた。互いの肌が密着したところに熱がこもり、次第にしっとりと湿っていく。

「六花、痛くない?」
「……はいっ」

 鬼灯が六花の顔を凝視して、その言葉の真偽を確かめた。六花は既に蕩けた目をして、紅玉の瞳に涙をうっすらと浮かべている。鬼灯が唾を飲む音がした。

「ゆっくりするから」
「あっ、あっ……鬼灯さんっ」
「うん。好きだよ、六花」

 抽挿が始まる。鬼灯は六花の背中と腰を支え、器用に腰を動かして膣内なかを探った。彼も性行為には慣れてはいないはずなのに、大事にされていることが分かる。そんな愛撫に、六花は身体だけでなく心も揺さぶられた。

 身体の中心がきゅんと痺れ、彼のモノを柔らかく締めつける。鬼灯が小さく呻くのが聞こえて、それも六花の興奮を高まらせた。次々と蜜が溢れ、鬼灯の足まで濡らしているのが分かる。

「……六花、可愛い。もうぐじゅぐじゅになってきた」
「やっ、これはっ」
「気持ちいい? ちゃんと感じてる?」
「あっ、き……気持ちいい、ですっ」

 顔を茹で蛸ほど真っ赤にして、六花は恥ずかしがりながらも素直に答えた。どちらにせよ、隠したって伝わっている。それに、どう答えたら鬼灯が喜んでくれるのか、六花はなんとなく察し始めていた。

「……参ったな。本当に、離したくない」
「んんっ……鬼灯さんっ」
「そんないやらしい声で呼ぶのは、俺だけにして?」
「……! あっ、それは……んっ!」

 鬼灯の顔が切なさに歪む。目が細められ、眉間に軽い皺が寄った。六花には、即答できないお願いだ。なんて返事をしようかと考えている間にも、鬼灯の突き上げは徐々に激しくなってくる。

 肌と肌がぶつかるのと、蜜が溢れるのとが混ざって、なんとも淫猥な音が響き始めた。真っ昼間の、立派な庭園のど真ん中で。

「こんなこと、頼まれても困るよね」
「あっ、あんっ……ごめんなさっ……」
「ううん。いいんだっ……俺が、頑張るから……」

 九十日後には結論が出ている。その時、六花が誰を選んでいるのかは見当がつかない。彼らをこうして受け入れることは、もしかすると残酷なことなのかもしれないと、六花は困惑する。だが今は、それを上塗りするほどの快感が、脳を支配してうまく言葉にならない。

「六花」
「ひ、あっ!」

 六花の考えを読んだのか、もうなにも考えさせまいと、鬼灯は六花の揺れる乳房の片方を手で掴んだ。弾力を楽しみながら、その先端を指でつまみ、潰して、弾く。谷間に顔を埋め、中央を舌で舐めながら上下に往復した。

 六花の腰は、もう自然に動いていた。よりいいところに熱杭の先端が当たるよう、鬼灯の律動に合わせて揺らす。喉を仰け反らせ、黒髪を乱し、大きくなっていく嬌声を聞きながら、六花は喘いだ。

「ああっ、あ、あ……きちゃっ……きちゃうっ」
「う……ぁっ」
「ふっ、あぁぁっ!」

 鬼灯の身体にしがみつきながら、六花はびくびくと身体を痙攣させた。息もできないまま手足を震えさせ、鬼灯にしな垂れかかる。同時に鬼灯も果てたようで、その肩がぷるぷる震えた。ナカで熱が弾けた気配がする。

「六花、大丈夫?」
「はぁっ、はぁっ……は、い」

 髪と背中を撫でられ、心地よい眠気がやってくる。ずるりと鬼灯のモノが抜かれ、六花は再び畳の上に横になった。鬼灯は六花の見えないところでごそごそと動いた後、六花の隣に寝転がる。耳と尻尾は、もうしまわれていた。

「昼寝、ちょっと遅くなっちゃったね」
「……はい。でも、今日はなんだか、は、破廉恥なことばかりしかしてませんよ?」
「それはしょうがない。六花が可愛いから」
「わ、私のせいですか!?」

 恥ずかしい言葉を惜しげも無く言ってくれるのは、愛されている証拠。笑う彼を、六花は約束通り胸元に抱き寄せる。鬼灯は幸せそうに頬ずりをして、六花の背中に腕を回すと目を閉じた。六花は彼が息苦しくないか確認をして、すぐに眠りへと落ちていった。
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