上 下
15 / 129
射し込む木漏れ日

洗いっこ

しおりを挟む
「立てる?」
「あ……」

手を握られて、身体を起こしたが、腰が抜けたように力が入らなかった。

嘘……。
こんなになるもんなの?

鐘崎は私を座らせて、シャワーを取った。

「あ、離れると寒いね」

自分の身体を軽くシャワーで流して、私にかけてくれた。

向き合うのが、恥ずかしいとも思う。
けど、目をそらすとどうしてもアソコが目に入って。

「……こっち、来て?」
「え?」
「立ってて」
「っ……」

手を引いて目の前に引き寄せて、主張したままのソレをソッと握った。

「……していい?」
「っ……聞くんだ?」
「昨日は嫌そうだったから……」

ゆっくり、シゴくと、少しため息が混じった声を漏らした。
それが、少しだけ嬉しい。

「……いい?」
「………どうぞ」

上目遣いに聞くと、鐘崎が一瞬息を飲んだのが分かった。

待ってましたとばかりに、一気に奥まで口に入れた。

「っ……はぁ……」

シャワーを持ったままの鐘崎の手が肩に置かれ、身体にお湯がかけられて温かい。

グジュ……チュポッ……

一度吸い上げながら抜き取って、また奥まで入れる。
何度も繰り返しては、途中で舌を使って舐め回したり、先っぽを舌先で舐めてみたりする。
大き過ぎてあと少しのところで根元が入らないが、満足だろうか……?
頭に手が乗せられて、ゆっくり撫でられた。

「バキューム凄すぎ……っ」
「…気持ちいい?」

また手で大きくシゴきながら、鐘崎を見上げる。
鐘崎は眉根をひそめて息を漏らした。

「は……言わせるの?」
「言葉で言ってもらわないと、分からないから」

さっきの言葉をそのままオウム返しして、内心満足した。
またもう一度口に入れて、ゆっくり出し入れする。

「……っ…そうだね……」

頬に手を置かれて、動きを止めた。
また引き抜かれるのだろうか。
見上げると、余裕の無い表情で、切なげに声を上げた。

「凄く気持ち良い。
……イきたい」

キュン……。
胸の奥が、くすぐったいような変な感じがした。

同時に、嬉しいと、思った。
変だな……。

「っ……あ………」

クチュ…ジュポ…グチュ…グチュ……

強く吸い上げながら、男が腰を振る時のように激しく出し入れする。

「っ……はっ……秦さんっ……」

辛そうに、でもしっかりと漏れる声が、可愛いと感じる。

今までこんな風に、誰かにしてあげたいとか、思ったことあったかな?

間違いじゃ、無かったら。

凄く大切に…されている気がする。

そして、それに応えたい。
返したいと感じる。
鐘崎は見返りを求めているのだろうか?
だから優しくするのだろうか?
でも、それはどうだっていい。
私の変化が、一番おかしいから。
これを言葉にするなら、何と呼ぶのだろうか。
私はまだ、知らない。

鐘崎の手が、頭の後ろに回った。

「あ、秦さん……っ……う!」

また名前を呼んで、口を動かしながら見上げると、鐘崎はまた切なげに吐息を漏らしてギュッと目を閉じた。

頭の後ろで、ギュッと手が頭を握って動きを止めさせた。
それと同時に口の中にドピュッと苦くて熱い液体が吐き出される。

ドクン…ドクン……

口の中で、鐘崎が脈を打つ。
喉の奥まで吐き出されて、鐘崎が落ち着くのを待つ。

「っは……はぁ……っ」

頭が撫でられて、もう終わったのだと分かって、なるべく残さないように少し吸い上げる。
男はイった後強く吸われると痛いらしいから、加減した。

「ん……」

抜き取られて、また顔を上げる。
鐘崎を見上げながら、ゴクンと音を立てて鐘崎のモノを飲み込んだ。

「飲んだの……?」
「うん…顔を見ながら飲むと嬉しいんでしょ?」
「……フッ。
かなり教え込まれてるね」

……?誰に?

とか考えてるうちに、鐘崎はまた私の頭を撫でて、目線を合わせてハグをした。

「……良かったよ。
ありがとう秦さん」
「……うん」

まだ、入れてもいないのに。
身体の欲求は、満たされてもいないはずなのに。
自分が果てたわけではないのに、もう、心がいっぱいで。
胸が、触れる肌が、温かくて、心地良くて。
それだけで満足だった。


「お礼に洗ってあげる」
「え?」

そう言われて、丁寧に髪の毛を洗ってもらい、地肌をマッサージする指がこんなにも気持ち良いかと驚いた後、ボディーソープで身体をなぞられて。
泡の滑り良さに震えて。

「私も、洗う」
「はは……どうぞ」

身体が落ち着いて、立ち上がって今度は鐘崎を丁寧に撫で洗った。
鐘崎は、結構感じやすいと思う。
私にしてくれる時はSっぽいのに、されてる時は可愛くて、母性に近い感情が芽生える。
もっと、喜んでほしい。
感じて、色んな顔を見せてほしい。

「ん……」

鐘崎は誤魔化すように、照れ臭そうに、キスをした。
さっき自分のモノを口に出したばかりなのに。
嫌がられないことが、少し嬉しかった。

しおりを挟む

処理中です...