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19.部長が私を好きになる?
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部長が? 私のことを……好きに、なる?
ドキン……胸が高鳴るのとともに、自分の頬がジュッと熱くなったのを感じた。
いやいやいや、何がドキンよ!
慌てて顔を逸らし、吐き出そうとした息を止めた。
なんで、そんなこというの?
私をからかってるの?
私が男に免疫が無いから、わざとそういうこと言って落とそうとしているの?
こういう時、どう返せばいいの?
どうやったら跳ね除けられる?
少女漫画だとどうしてたっけ?
えーっと、えーっと……いや少女漫画で吸血鬼に求婚されて断る話なんて読んだことないよー!!
だって、大体の少女漫画はーー相手と結ばれて、幸せになるんだもん……。
「三谷?」
時間で約20秒以上、思考のキャパをオーバーさせてしまった私は全く動かなかったらしく、覗き込まれて視線が合って初めてハッと息を吸い込んだ。
息を止め過ぎて心臓が痛いほどバクバクしている。そのせいか動悸も激しい。
なんだ私、おかしくなったの!?
なんとなく色気のある瞳を向けられて、急にまた別な危機感を覚えて、またハッとした。
私の鼓動が吸血欲を促進するのなら、今のこの高鳴りは……マズイでしょ!!
聞こえてる……絶対聞こえてる!!
治まれ、治まれ!!
あーもうそんな顔で近づかないで!!
離れないと、吸われちゃう!!
「め……」
「め?」
震える唇を小さく開けて、瞬時に息を吸い込んだ。
「めめっ…めメガネ!! メガネはどこですかぁ!?」
……我ながら、何とも少女漫画らしからぬ叫び声だった。
苦し紛れの発言に絶対引かれたと思ったが部長は少し目を丸くして、雰囲気が変わりニヤリと不敵に笑う。
さっきの笑顔はどこへやら……。
なんて固まっていると、彼の手がスッと離れ、そしてーー瞬く間に視界がクリアになった。
ゾッとするほど近くに、その人並み離れた美しい顔があり、何故か満足げに微笑んでいる。
「……やっぱメガネをかけると刻印も薄まるな」
「え、ええ……?」
小首を傾げて顎に手をやるその彫刻のような姿にドギマギした。
いや、それよりも。
どう考えても、メガネをつけられた。
度数も合ってるし、確実に私ので間違いない。
けど一体どこから、メガネは現れたのか、だ。
「メガネ……ずっと、持ってました?」
「いや? ベッドんとこのサイドテーブルの引き出しから取ってきた」
また肘をついてこちらを観察している彼が顎でしゃくるその場所は、一段上にあるここから離れたベッドの端。
極端に言えば10メートルほど離れている。
というか、あの中に入ってたのか……あそこだけノーマークだった……。
じゃ、なくて。
「え、今、何をしたんですか? なんか、瞬きしてる間にメガネがきた気がするんですけど……」
恐る恐る、でも状況を整理していき、顔から血の気が引く代わりにさっき忘れていたドキドキが蘇ってくる。
いやこれは、危険予知だ。
自分の出した答えに対する回答が恐くて不安になっている。
それを証明するかのように、額に冷や汗をかいた。
「そう。俺たち吸血鬼は人の何倍も早く動ける。
お前たちが目で追えないくらいに」
「へ……へぇ……そ、そうですか……」
平静を装いつつも、ジリジリと後退した。
こんなカミングアウトこれ以上聞いたら頭がおかしくなrーー
「っ!?」
一瞬、呼吸を忘れた。
目の前が反転し、真上には黒い瞳を煌めかせて牙を見せ、逆光の中で妖艶に微笑む杉村部長。
柔らかい布の感触に、近くにつかれた彼の手が沈むのを感じて、ベッドだと分かった。
「これで認めざるを得なくなっただろ?」
「あ……」
髪を撫でるその指に、肌に触れるよりもビリビリと電気が流れるような刺激を感じた。
そして更に、動悸が高まる。
お互いを求めるようになるって、言ってたっけ。
それって、こういうことなの?
もう、本当に、勘弁してよ……。
彼からは逃げられないと、思い知らされる。
私がどう足掻いた所で、きっと彼は私を捕まえるのだろう。
その吸血鬼の能力を使って、私を捕食するように。
ドキン……胸が高鳴るのとともに、自分の頬がジュッと熱くなったのを感じた。
いやいやいや、何がドキンよ!
慌てて顔を逸らし、吐き出そうとした息を止めた。
なんで、そんなこというの?
私をからかってるの?
私が男に免疫が無いから、わざとそういうこと言って落とそうとしているの?
こういう時、どう返せばいいの?
どうやったら跳ね除けられる?
少女漫画だとどうしてたっけ?
えーっと、えーっと……いや少女漫画で吸血鬼に求婚されて断る話なんて読んだことないよー!!
だって、大体の少女漫画はーー相手と結ばれて、幸せになるんだもん……。
「三谷?」
時間で約20秒以上、思考のキャパをオーバーさせてしまった私は全く動かなかったらしく、覗き込まれて視線が合って初めてハッと息を吸い込んだ。
息を止め過ぎて心臓が痛いほどバクバクしている。そのせいか動悸も激しい。
なんだ私、おかしくなったの!?
なんとなく色気のある瞳を向けられて、急にまた別な危機感を覚えて、またハッとした。
私の鼓動が吸血欲を促進するのなら、今のこの高鳴りは……マズイでしょ!!
聞こえてる……絶対聞こえてる!!
治まれ、治まれ!!
あーもうそんな顔で近づかないで!!
離れないと、吸われちゃう!!
「め……」
「め?」
震える唇を小さく開けて、瞬時に息を吸い込んだ。
「めめっ…めメガネ!! メガネはどこですかぁ!?」
……我ながら、何とも少女漫画らしからぬ叫び声だった。
苦し紛れの発言に絶対引かれたと思ったが部長は少し目を丸くして、雰囲気が変わりニヤリと不敵に笑う。
さっきの笑顔はどこへやら……。
なんて固まっていると、彼の手がスッと離れ、そしてーー瞬く間に視界がクリアになった。
ゾッとするほど近くに、その人並み離れた美しい顔があり、何故か満足げに微笑んでいる。
「……やっぱメガネをかけると刻印も薄まるな」
「え、ええ……?」
小首を傾げて顎に手をやるその彫刻のような姿にドギマギした。
いや、それよりも。
どう考えても、メガネをつけられた。
度数も合ってるし、確実に私ので間違いない。
けど一体どこから、メガネは現れたのか、だ。
「メガネ……ずっと、持ってました?」
「いや? ベッドんとこのサイドテーブルの引き出しから取ってきた」
また肘をついてこちらを観察している彼が顎でしゃくるその場所は、一段上にあるここから離れたベッドの端。
極端に言えば10メートルほど離れている。
というか、あの中に入ってたのか……あそこだけノーマークだった……。
じゃ、なくて。
「え、今、何をしたんですか? なんか、瞬きしてる間にメガネがきた気がするんですけど……」
恐る恐る、でも状況を整理していき、顔から血の気が引く代わりにさっき忘れていたドキドキが蘇ってくる。
いやこれは、危険予知だ。
自分の出した答えに対する回答が恐くて不安になっている。
それを証明するかのように、額に冷や汗をかいた。
「そう。俺たち吸血鬼は人の何倍も早く動ける。
お前たちが目で追えないくらいに」
「へ……へぇ……そ、そうですか……」
平静を装いつつも、ジリジリと後退した。
こんなカミングアウトこれ以上聞いたら頭がおかしくなrーー
「っ!?」
一瞬、呼吸を忘れた。
目の前が反転し、真上には黒い瞳を煌めかせて牙を見せ、逆光の中で妖艶に微笑む杉村部長。
柔らかい布の感触に、近くにつかれた彼の手が沈むのを感じて、ベッドだと分かった。
「これで認めざるを得なくなっただろ?」
「あ……」
髪を撫でるその指に、肌に触れるよりもビリビリと電気が流れるような刺激を感じた。
そして更に、動悸が高まる。
お互いを求めるようになるって、言ってたっけ。
それって、こういうことなの?
もう、本当に、勘弁してよ……。
彼からは逃げられないと、思い知らされる。
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