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22.お仕置きのお持ち帰り
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「っ! もういい加減やめてください!
誰か来たら……」
「誰か来ても音で分かる」
そうして翌日である今、もう既にこの状態なのだ。
幾度となく唇を重ね、その度に身体に力が入り、胸の奥がジュッと焼けるように熱くなる。
ハリウッド映画の外国人がしているような濃厚な口づけに、呼吸がままならない。
私の体温でか、それとも食事の影響か、少しだけ彼に熱が灯り、離れた後もまた触れるのが分かると唇がビリビリと電気を発生させる。
全ての神経が研ぎ澄まされ、彼の捕食行動に抗おうとしているかのようだ。
そしてこの金色の瞳に見つめられると、どうしても強気になれない。
その瞳がとても優しく、まるで好きな人を見ているかのように甘ったるく色っぽいのだ。
「でも、もうすぐ朝礼が……」
「まぁ、仕置きはこれぐらいにしておこうか」
「仕置きって……」
輝くゴールドの瞳がやがて光を失い、徐々に元の黒真珠のような澄んだ瞳に変わる。
しかし、その瞳とは全く異なるドス黒い悪魔のような笑みを浮かべ、眉間にシワを寄せて私の頬を手でなぞる。
触られたところが次々と鳥肌を立てていく。
これは体温の問題じゃない、次に来る彼の言動への恐怖だ。
「一度家に帰って着替えるって言うから送ったんだ。
玄関で待たせるのはまぁ良しとしよう、が、窓から逃げ出して放置するとは……ホントに、大した度胸だな」
その通り、私はどうにか誤魔化して部長の車で送ってもらい、1人暮らしをしているアパートに辿り着いた。
そして玄関で待たせたまま、部屋のベランダから逃走。駅近くのお安いビジネスホテルに宿泊しました。
あの時ほど一階の部屋で良かったと思ったことはないくらいな有効活用だった。
部長も追いかけては来なかったし。
「まるで反省してないな」
「反省って…あ、当たり前じゃないですか!
ハッキリ言ってセクハラ、ストーカー行為ですよ!!
勝手に親にまで連絡してこ、婚約だなんて……!」
「まぁ正直ショックだな。
そこまでして俺から逃げようとするとは…してやったみたいな顔してるが最初から気付いてるからな?
マリッジブルーなんだろうと思っておおめに見てやったけど」
だ、誰がマリッジブルーですか!
「それと、自分の部屋の戸締りくらいしっかりやれ。
悪いが入らせてもらった」
「は…はぃ!? 吸血鬼は許可が無いと部屋に上がれないんじゃ……」
苦し紛れに言い返すも、まるで哀れむような細目で見下ろされて口籠る。
他のモンスターの存在も全て迷信、吸血鬼の情報すら正しくないこの世界で、未だにその誰が作ったか分からないような虚言を信用するのか、とでも言いたそうだ。
「……お前の部屋の鍵、返して欲しいだろ?」
「そ、そりゃ……!」
そこで言い止まって、顔色を伺う。
この悪魔のような吸血鬼が素直に返してくれるとは思えない。
予感的中のようで、彼は見下すような微笑みを私に向けた。
ええそれはもう、楽しそうに。
「じゃ、お前の両親にごあいさつしに行くまでの1週間、俺の家で過ごしてもらおうか」
……ほら、ロクでもないことを。
誰か来たら……」
「誰か来ても音で分かる」
そうして翌日である今、もう既にこの状態なのだ。
幾度となく唇を重ね、その度に身体に力が入り、胸の奥がジュッと焼けるように熱くなる。
ハリウッド映画の外国人がしているような濃厚な口づけに、呼吸がままならない。
私の体温でか、それとも食事の影響か、少しだけ彼に熱が灯り、離れた後もまた触れるのが分かると唇がビリビリと電気を発生させる。
全ての神経が研ぎ澄まされ、彼の捕食行動に抗おうとしているかのようだ。
そしてこの金色の瞳に見つめられると、どうしても強気になれない。
その瞳がとても優しく、まるで好きな人を見ているかのように甘ったるく色っぽいのだ。
「でも、もうすぐ朝礼が……」
「まぁ、仕置きはこれぐらいにしておこうか」
「仕置きって……」
輝くゴールドの瞳がやがて光を失い、徐々に元の黒真珠のような澄んだ瞳に変わる。
しかし、その瞳とは全く異なるドス黒い悪魔のような笑みを浮かべ、眉間にシワを寄せて私の頬を手でなぞる。
触られたところが次々と鳥肌を立てていく。
これは体温の問題じゃない、次に来る彼の言動への恐怖だ。
「一度家に帰って着替えるって言うから送ったんだ。
玄関で待たせるのはまぁ良しとしよう、が、窓から逃げ出して放置するとは……ホントに、大した度胸だな」
その通り、私はどうにか誤魔化して部長の車で送ってもらい、1人暮らしをしているアパートに辿り着いた。
そして玄関で待たせたまま、部屋のベランダから逃走。駅近くのお安いビジネスホテルに宿泊しました。
あの時ほど一階の部屋で良かったと思ったことはないくらいな有効活用だった。
部長も追いかけては来なかったし。
「まるで反省してないな」
「反省って…あ、当たり前じゃないですか!
ハッキリ言ってセクハラ、ストーカー行為ですよ!!
勝手に親にまで連絡してこ、婚約だなんて……!」
「まぁ正直ショックだな。
そこまでして俺から逃げようとするとは…してやったみたいな顔してるが最初から気付いてるからな?
マリッジブルーなんだろうと思っておおめに見てやったけど」
だ、誰がマリッジブルーですか!
「それと、自分の部屋の戸締りくらいしっかりやれ。
悪いが入らせてもらった」
「は…はぃ!? 吸血鬼は許可が無いと部屋に上がれないんじゃ……」
苦し紛れに言い返すも、まるで哀れむような細目で見下ろされて口籠る。
他のモンスターの存在も全て迷信、吸血鬼の情報すら正しくないこの世界で、未だにその誰が作ったか分からないような虚言を信用するのか、とでも言いたそうだ。
「……お前の部屋の鍵、返して欲しいだろ?」
「そ、そりゃ……!」
そこで言い止まって、顔色を伺う。
この悪魔のような吸血鬼が素直に返してくれるとは思えない。
予感的中のようで、彼は見下すような微笑みを私に向けた。
ええそれはもう、楽しそうに。
「じゃ、お前の両親にごあいさつしに行くまでの1週間、俺の家で過ごしてもらおうか」
……ほら、ロクでもないことを。
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