地味な私が天敵俺様イケメン部長に娶られそうなんですがそれは

天野 奏

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47.態度急変!?

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「いいっすねーハズレ同士お似合いですよきっと」

  立川さんの声が近くに来たことに気づいて、慌ててその場を引き返した。
  唇を噛み、目に涙が浮かんで、メガネに一粒雫が落ちた。

  ……自業自得だ。

  合コンとか、慣れないことするから、こうなるんだ。
  部長を裏切るために、こうしたのは間違いない。
  
  私を好きになろうと頑張ってる部長を無視して、サイテーな女だと思う。
  傷つく理由なんてない。

  私が自分で分かってるはずなのに。

  なんで、泣いてるの?  バカなんじゃないの?

  メガネを取って袖で拭きながら、席に向かう。

「あれ、凛ちゃん……?」

  真ん中の席の下からカバンを取り出したところで、前の席の1人が声をかけた。

  それまで存在に気付かれないとかどんだけ影薄いんだ私は!

  と悪態をつきつつも、目を細めて顔を上げると、ポカンと私を見つめる3人が見えた。

「え、えええ凛ちゃん?」
「え、てか泣いてる?  大丈夫?」

「っ……大丈夫です、帰ります私」

  駆け寄ってくる3人にペコリと頭を下げると、1人に肩を掴まれた。
  そしてメガネをかけ直そうとしていたところを無言で取り上げられてしまった。

「あ……メガネ……!」
「え、凛ちゃん髪解いてみ?」
「え……こうですか?」

  完全にスルーされているけど、仕方なく言われた通りに髪留めを外す。

「そうそう、んでこうして…」

  1人が私の髪を前に流して、3人が揃って私の前に並んで、「おおー!」と叫んだ。

「え、なんか割と可愛くない?」
「は?」
「なんか色気あるっていうか、哀愁漂ってるっていうか」
「清楚な女の子とか好きだわー」
「え、ええ!?  ちょっと!?」

  1人が肩を組んだと思えば、3人が一緒に歩き出す。
  この方向は玄関だ。

「お、お勘定は……!?」
「大丈夫ー。
みんながトイレ行ってる間に払っちゃったし♪」
「え!?」
「今日はハズレだと思ってたからねー?
でも、凛ちゃん当たりだし!」
「は!?」

  また当たりハズレって……!

「あんなに、先輩達と仲良く…」
「ああ、あんなの演技に決まってんじゃん。
あーゆーのは乗せて流しとくのが一番」

  何よそれ……。
  合コンってそんなに裏があるものなの?

  自動ドアを抜け、駅の方へ強制的に歩き出す。

「あ、あの、私……!」
「それにさ、泣いてる子はほっとけないっていうか……」

  先頭を歩く1人が、ニッと笑って振り返った。

「泣かすのって燃えるタチなんだよね」

  その、また冷たい瞳に、ゾクッとした。

「出たー!  葉山の性癖ー!」
「どっかみんなでホテル泊まるかー!」
「は、はぁ!?」
「いーねぇー!」
「今日は奮発しちゃうよー?」

  両端にいた1人が私と肩を組み、腰を撫でた。
  思わず声を上げそうになったが、堪えた。

  ど、どうしよう……!
  まさか、こんなことになるなんて!
  酔ってるから、こんな勢いで……?

  3人はホテルまでの道を知っているのか、細めの裏通りへ入っていく。
  車の通れないこの道では、余計に人目につきそうにない。
  その上、街灯もポツポツとしか無い、暗い道だ。

「今日は朝までオールだぁー!」
「オールオールー♪」
「凛ちゃんと芯から仲良くなるー♪」
「なんか卑猥ー♪」

  オールとかどこが卑猥なのかとか何言ってるかサッパリだけど、とにかく、ここは何とか抜けなくちゃ……!

  でも、こういう時に限って、身体が震えて、声が、出ない。

  助けが、呼べない。

  恐いよ……!
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