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入れ替わり攻略法…そんなの出来るか!!
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…………はぁ~……。
ケータイのアラームを止めた瞬間から、ため息が溢れる。
この音は、オレのケータイじゃない。
亜貴と入れ替わるようになってからこの1週間、オレはこの生活を続けているが……
さすがに、萎える。
オレ(女)が話を聞かない“悪魔”(亜貴)と入れ替わるようになってから、1週間が経ってしまった。
最初は抵抗あったが、最近はトイレのコツも覚えてしまった。
それすらも、嫌だ。
男勝りとはいえ、男になりたい訳じゃなかったし!!
何より一番最悪だったのは……
あの日、武田先輩に亜貴といるところを見られてしまったことだ。
***
『あれ、その子……』
『佐倉 純。俺の彼女』
こともあろうことか、逃げようとするオレをグッと抑えて、顎を掴んで武田先輩と向き合わせたまま、亜貴はそんなことを口走った。
『っ……!?』
な、なんてこと……!!
そんな、好き合ってるみたいなこと言うな!!
とキレたいのに、言葉が出ない。
武田先輩に見られて、まるで拳銃でも突きつけられてるみたいだ。
抵抗出来ない。
『プッ……また変な嘘ついて……』
武田先輩は軽くあしらった。
……あれ?
『ほら……純ちゃんだっけ?
嫌がってるんだから、離してやれよ?』
『…………』
パッと手を離され、やっと身体が自由になった。
『純ちゃん、亜貴がごめんね?
俺が昨日純ちゃんのこと教えたから、ちょっと興味が沸いたみたいで……』
『あ、はい……お…わ、私は……大丈夫です』
オレと言いそうになって、今更私に変える。
うん、キモいけど、まだマシ…だ。
オレのこと教えたって、バスケ部覗いてた時か……。
よかった……。
付き合ってるって、嘘だと思ってくれてるんだ。
まぁ、嘘なんだけど。
うまく勘違いしてくれてるから、なんとかなりそう。
『……帰るぞ理央』
『なんだよ、そっちが連絡してきたくせに』
え……あいつここに先輩呼んでたの!?
さっき、オレのこと待ってたみたいな言い方してたくせに!
ちゃっかり第2案発動してんじゃねーか!!
ムカッとしていると、亜貴は『あ』と呟いて、また戻ってくる。
『な、なんだよ……!』
耳元に顔が近づいて、ドキッとする。
『俺、入れ替わりについて、予測が立った』
『え!?』
『だから、今度俺んち泊まれ』
!?!?
『いやいや……絶っ対無理!!!』
『あっそ。じゃあな』
『??
またね、純ちゃん!』
『お、お疲れ様でした!!』
深々と頭を下げると、いつの間にか武田先輩も近くに来て、耳打ちした。
『亜貴と仲良くしてくれてありがとね。
今度色々話聞かせてね!』
!!
亜貴と……仲良く………?
顔を上げると『じゃ!』と明るく手を振りながら去って行ってしまった。
一応手を振り返すも、深くため息をついた。
オレ、武田先輩に亜貴と仲良い友達と思われてる……?
ケータイのアラームを止めた瞬間から、ため息が溢れる。
この音は、オレのケータイじゃない。
亜貴と入れ替わるようになってからこの1週間、オレはこの生活を続けているが……
さすがに、萎える。
オレ(女)が話を聞かない“悪魔”(亜貴)と入れ替わるようになってから、1週間が経ってしまった。
最初は抵抗あったが、最近はトイレのコツも覚えてしまった。
それすらも、嫌だ。
男勝りとはいえ、男になりたい訳じゃなかったし!!
何より一番最悪だったのは……
あの日、武田先輩に亜貴といるところを見られてしまったことだ。
***
『あれ、その子……』
『佐倉 純。俺の彼女』
こともあろうことか、逃げようとするオレをグッと抑えて、顎を掴んで武田先輩と向き合わせたまま、亜貴はそんなことを口走った。
『っ……!?』
な、なんてこと……!!
そんな、好き合ってるみたいなこと言うな!!
とキレたいのに、言葉が出ない。
武田先輩に見られて、まるで拳銃でも突きつけられてるみたいだ。
抵抗出来ない。
『プッ……また変な嘘ついて……』
武田先輩は軽くあしらった。
……あれ?
『ほら……純ちゃんだっけ?
嫌がってるんだから、離してやれよ?』
『…………』
パッと手を離され、やっと身体が自由になった。
『純ちゃん、亜貴がごめんね?
俺が昨日純ちゃんのこと教えたから、ちょっと興味が沸いたみたいで……』
『あ、はい……お…わ、私は……大丈夫です』
オレと言いそうになって、今更私に変える。
うん、キモいけど、まだマシ…だ。
オレのこと教えたって、バスケ部覗いてた時か……。
よかった……。
付き合ってるって、嘘だと思ってくれてるんだ。
まぁ、嘘なんだけど。
うまく勘違いしてくれてるから、なんとかなりそう。
『……帰るぞ理央』
『なんだよ、そっちが連絡してきたくせに』
え……あいつここに先輩呼んでたの!?
さっき、オレのこと待ってたみたいな言い方してたくせに!
ちゃっかり第2案発動してんじゃねーか!!
ムカッとしていると、亜貴は『あ』と呟いて、また戻ってくる。
『な、なんだよ……!』
耳元に顔が近づいて、ドキッとする。
『俺、入れ替わりについて、予測が立った』
『え!?』
『だから、今度俺んち泊まれ』
!?!?
『いやいや……絶っ対無理!!!』
『あっそ。じゃあな』
『??
またね、純ちゃん!』
『お、お疲れ様でした!!』
深々と頭を下げると、いつの間にか武田先輩も近くに来て、耳打ちした。
『亜貴と仲良くしてくれてありがとね。
今度色々話聞かせてね!』
!!
亜貴と……仲良く………?
顔を上げると『じゃ!』と明るく手を振りながら去って行ってしまった。
一応手を振り返すも、深くため息をついた。
オレ、武田先輩に亜貴と仲良い友達と思われてる……?
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