入れ替わるようになりまして。

天野 奏

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入れ替わり攻略法…そんなの出来るか!!

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「あ!純ちゃん!!」

「た……!
武田先輩……!!」

昼休みの終わり。

とはいえどうしたものか、と廊下を歩きながら、オレがアイデンティティについて息巻いていたところに、前から先輩が歩いてきた。

「お、お疲れ様です!」

「お疲れ!」

「2年の教室に何か用ですか?」

「ああ、純ちゃんにね!」


………へ?



***



ポン…ポンポン………


ボールが床に落ちる音。


こんなの、一度も想像したことなかった。

あの、大好きな武田先輩と。

一緒に、バスケする日が来るなんて……!!


亜貴は図書委員の当番で図書室にいるらしく、何かやりたいということでオレに声をかけてくれたのだ!


「やば!純ちゃん上手いね!!」

「え、いえいえ……先輩も、バスケ得意なんですね…っ!」


これには驚いた。

遊びでやったり、授業で習ったりして、多少上手い人もいるけど……。

武田先輩のドリブルは、そういうんじゃない。

普通に、バスケを知ってる人のそれだ。


「一応、やってたことあるからねー。
小学校の時に助っ人で呼ばれたりして」

「へぇー!
知りませんでした」

小学校の頃の先輩……全く想像つかない!
きっとこのまま収縮して、ちょっと幼くて、可愛い感じだったんだろうなぁ……


「でもそれっきりで授業でしかやらないから、なんか新鮮♪」

「そうですよね…部活もあって、あんまりやる機会も作れないでしょうし」


とか喋ってるうちにきっと廊下でのやり取りを見ていたであろう2年生が体育館の入り口にチラチラ集まってきていた。

わ、なんか、やりづらい……。


「亜貴と会ったのも、その小学校のバスケの時なんだよ?」

ドキ……。

「あ、亜貴が……?」

武田先輩はワンハンドでシュートを決めた。

スルッとゴール枠に触れずにネットから降りてきたボールは武田先輩の前に戻ってくる。

「そう。
亜貴、スゲー負けず嫌いでさ。
最初はかなり敵意向けられてた」

思い出したようで、フッと笑みをこぼす先輩。

わ、なんか、可愛くて、照れる……。

「でも、やってるうちに気付いたら仲良くなってさ。
中学に上がる頃亜貴は転校したんだけど、連絡取って遊んだりして、高校でまた再開して……今に至る、みたいな?」

転校……そっか、今あいつ一人暮らしだもんな。
両親は離れて暮らしてるのか……。


「……ホントに、仲良いんですね」

「まぁ、真逆のようで似てるからね~あいつと僕は」

フフッと、笑う先輩。

笑顔が……眩しいッス!


恥ずかしくなって、一度ドリブルしたままゴールに駆け出し、シュートを決めた。

「ナイシュー!」

「は、はい!」

パンッ!

思わず手を出されて、ハイタッチを決めた。

は、初めて、先輩に触っちゃった!!

入り口から、キャーッと叫びのような声が上がる。

ハッとして、手を離した。


「あ、あの!
すみません!つい……!」

「ハハッ!別にいいよ。
僕たちがどうだろうが、周りには関係無いんだし」

………!

なんか、亜貴と先輩が似てるの、ちょっと分かる気がする。

先輩はまたシュートを決めた。

今度は黄色い声が飛んできた。

てか、これ、目立ちすぎでは……?


「……純ちゃんさ、止めてもいいんだよ?」

「え?」

「亜貴との芝居。
なんか、無理させちゃってるでしょ?
あの後から結構噂聞くし、純ちゃんが心配」

先輩はボールを横に抱き、オレを見た。

その、いつもと違った声音に、ドキッとする。

「う、噂って……どんな………?」

「純ちゃんが亜貴を襲って、無理やりキスしたとか」

………オレじゃないけど、図星。

「亜貴の弱味握って良いように使ってるとか」

………真逆だけど、線は合ってる。

「屋上でヤッてるとか」

!?!?

「な、なんですかそれは!!」

「まぁ、噂って色んな人が言葉伝いに話すからねー。
ヤッたの?」

「ヤッてないです!!
てか、付き合ってないですし!!
やるわけ無いじゃないですか!!」

ムカッとして、ボールをギュッと握った。

噂だからといって、みんなにそう思われたら……特に、武田先輩に思われてたら、嫌だ!

オレが好きなのは……付き合いたいのは、亜貴じゃなくて、武田先輩なのに!

あいつのせいで、滅茶苦茶だ……!

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