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亜貴の本性…理央のホント
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「亜貴のこと、聞きたい?」
「……はい」
体育館の壁に寄りかかるように、2人で並んで腰掛けた。
「亜貴はね、バスケめっちゃくちゃうまかったんだけど…靭帯壊してから、めっきりやる気なくなっちゃってね」
理央先輩は、眉を潜める。
「相当荒れてた。
僕でも恐いと思うくらいにね。
亜貴は、本当は、手をつけられないくらい、暴力的で。
色んな相手に喧嘩ふっかけて、お互いボロボロになってさ。
多分、そうしてないと、自分を保てなかったんだと思う。
だからさ、亜貴が純ちゃんに目を付けたって分かった時、ホントは恐かったんだ」
「恐かった……?」
「純ちゃんに何かあったらって。
僕は、結構前から純ちゃんのこと好きだったの。
知らなかったでしょ」
「っ……知ら、ないです」
きっともっと早く知れていたら。
オレは亜貴のことなんて全く知らずに、理央先輩に告白して……。
いや、多分、しなかった。
あの頃のオレは、自分に女としての自信が無かった。
諦めてた。
亜貴と出会うまで、知らなかったんだ。
オレにも、女らしさがあるって。
「亜貴がいつ、どうなるか、正直僕にも分からなくて。
高校入ってからだいぶ落ち着いてたけど、ちょっと前にも喧嘩起こしたりしてたから、不安だったんだよね。
元カノにも何度か手を上げてたし」
「手って……暴力を?」
思わず、目を丸くする。
確かに、あのデートの時、不良達の喧嘩を買いそうになって……ヤバイと感じた。
でも、オレが亜貴にヤられた時……あの時、理央先輩のことでケンカしてたけど、手は上げなかった。
むしろ、大切にされてるんじゃないかってぐらい、優しくて……。
「……信じられないでしょ」
「っ…そうですね、信じ難いです……」
でも、理央先輩がこんな真剣に嘘つく訳ないか。
それも亜貴の一面だと、いうことだろう。
「その時の彼女さんには何度か相談受けたりしたからね。
僕もビックリしたけど…でも、純ちゃんには知っておいて欲しくて」
先輩はオレの手を握った。
とても心配しているように。
思ったよりも冷たい手は、オレの握りしめたままの拳をひんやりと冷やした。
***
「はっ…はっ……」
……痛え。
気胸の方が何倍もマシだったと思える。
抵抗しないことをいい事に、腕を掴んでいた男達が手を離し、床にうつ伏せに倒れた。
周りはケラケラ笑いながら、休憩とばかりに離れて俺を見下していた。
眠い。
早く休みたい。
「まさか依頼の相手がお前とはなー。
マジ、偶然」
グラサンがタバコをふかしながら、ニヤッと笑う。
「……いくらで雇われてんだ」
「1人10万。いいだろー?」
「はっ…安上がりだな」
当たり前のことを告げると、グラサンは顔を引きつらせ、隣の男が持っていたバッドを掴んだ。
上に振りかぶって、勢いよく振り下ろし、背中に直撃する。
「っ……!」
「立場弁えろよ。
そんな口たたける状況か? ああ!?」
土足で頭を踏み、タバコの火を踏み消すようにギリギリと圧迫される。
……きたねー。
「あんま調子乗ってると、この前の彼女…純ちゃんだっけ?」
ドクン……!
純の笑顔が、頭を過る。
「あの子にも危害加え…って、お、おいっ!?」
グラサン男の足を鷲掴みにして、バランスを崩して尻餅をつかせた。
「はっ…はぁ……」
胸が苦しい。
動悸が酷い。
「て、てめぇ!」
ユラユラと立ち上がった俺に対して、男達が身構える。
純の寂しげな笑顔が、頭を掠めて、消えた。
「……はい」
体育館の壁に寄りかかるように、2人で並んで腰掛けた。
「亜貴はね、バスケめっちゃくちゃうまかったんだけど…靭帯壊してから、めっきりやる気なくなっちゃってね」
理央先輩は、眉を潜める。
「相当荒れてた。
僕でも恐いと思うくらいにね。
亜貴は、本当は、手をつけられないくらい、暴力的で。
色んな相手に喧嘩ふっかけて、お互いボロボロになってさ。
多分、そうしてないと、自分を保てなかったんだと思う。
だからさ、亜貴が純ちゃんに目を付けたって分かった時、ホントは恐かったんだ」
「恐かった……?」
「純ちゃんに何かあったらって。
僕は、結構前から純ちゃんのこと好きだったの。
知らなかったでしょ」
「っ……知ら、ないです」
きっともっと早く知れていたら。
オレは亜貴のことなんて全く知らずに、理央先輩に告白して……。
いや、多分、しなかった。
あの頃のオレは、自分に女としての自信が無かった。
諦めてた。
亜貴と出会うまで、知らなかったんだ。
オレにも、女らしさがあるって。
「亜貴がいつ、どうなるか、正直僕にも分からなくて。
高校入ってからだいぶ落ち着いてたけど、ちょっと前にも喧嘩起こしたりしてたから、不安だったんだよね。
元カノにも何度か手を上げてたし」
「手って……暴力を?」
思わず、目を丸くする。
確かに、あのデートの時、不良達の喧嘩を買いそうになって……ヤバイと感じた。
でも、オレが亜貴にヤられた時……あの時、理央先輩のことでケンカしてたけど、手は上げなかった。
むしろ、大切にされてるんじゃないかってぐらい、優しくて……。
「……信じられないでしょ」
「っ…そうですね、信じ難いです……」
でも、理央先輩がこんな真剣に嘘つく訳ないか。
それも亜貴の一面だと、いうことだろう。
「その時の彼女さんには何度か相談受けたりしたからね。
僕もビックリしたけど…でも、純ちゃんには知っておいて欲しくて」
先輩はオレの手を握った。
とても心配しているように。
思ったよりも冷たい手は、オレの握りしめたままの拳をひんやりと冷やした。
***
「はっ…はっ……」
……痛え。
気胸の方が何倍もマシだったと思える。
抵抗しないことをいい事に、腕を掴んでいた男達が手を離し、床にうつ伏せに倒れた。
周りはケラケラ笑いながら、休憩とばかりに離れて俺を見下していた。
眠い。
早く休みたい。
「まさか依頼の相手がお前とはなー。
マジ、偶然」
グラサンがタバコをふかしながら、ニヤッと笑う。
「……いくらで雇われてんだ」
「1人10万。いいだろー?」
「はっ…安上がりだな」
当たり前のことを告げると、グラサンは顔を引きつらせ、隣の男が持っていたバッドを掴んだ。
上に振りかぶって、勢いよく振り下ろし、背中に直撃する。
「っ……!」
「立場弁えろよ。
そんな口たたける状況か? ああ!?」
土足で頭を踏み、タバコの火を踏み消すようにギリギリと圧迫される。
……きたねー。
「あんま調子乗ってると、この前の彼女…純ちゃんだっけ?」
ドクン……!
純の笑顔が、頭を過る。
「あの子にも危害加え…って、お、おいっ!?」
グラサン男の足を鷲掴みにして、バランスを崩して尻餅をつかせた。
「はっ…はぁ……」
胸が苦しい。
動悸が酷い。
「て、てめぇ!」
ユラユラと立ち上がった俺に対して、男達が身構える。
純の寂しげな笑顔が、頭を掠めて、消えた。
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