入れ替わるようになりまして。

天野 奏

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亜貴の本性…理央のホント

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「はっ……はっ……!」

全速力で亜貴の元へ走る。
通りにパトカーが停まっていた。
中には、誰もいない。
救急車の姿もない。
もう撤退した後なのだろうか?

こっそり亜貴の部屋を覗きに行く。
玄関は大きく開いていて、中がだいぶ荒れているのが見えた。
床に穴が空いて木の板が飛び出ている。
玄関には、外に続くように点々と血痕が落ちていた。

胸が締め付けられるように痛み出す。

亜貴……!

「キミ!」
「っ……!」
「お、おい! ちょっと……!」

中から警察が出て来て声をかけられ、思わず走って逃げ出した。
学校の制服着てるのに、このまま捕まったら……危ない気がする。
オレまで関係者だと、疑われる気がする。


「はぁ…はぁ……すみません、急患で、京野亜貴と言う人は運ばれて来ませんでしたか?」
「いえ……その名前はありませんね」
「そうですか……」

細い道を駆け抜け、なんとか巻いたところで、近くの病院を回り、今回で2件目。
もし怪我をしているなら、警察に連行される前に病院に運ばれると予想したのだが、中々見つからない。

さすがに長い距離を全力で走っていたので、呼吸は愚か、汗も垂れ始めた。
膝に手をついて息を整えながら、ハッと気づいた。

これは、さっきの警察に聞くのが一番早かったんじゃ!?
思わず逃げてしまったが、ぬかった……。

トルルルルルル……

ケータイが鳴り出して、慌てて電話に出る。
健斗からだ。

「もしもし」

『お前今どこだ!?』

「えっと……駅の近くの私立病院……名前は……」

『じゃあ近くだ! 場所が分かったぞ!』

「え!?」

『警察病院だ! その近くの警察署の裏の! 警察病院!』

近くって……!
ここから走って10分か!

ドクン……!
亜貴の、憂いのある表情が頭に浮かぶ。

もう、もう少しだ!

「おけ! 分かった……!
ありがとう健斗!」

慣れない全速力の長距離に、震え始めた足をパンパン叩いた。

こんなの、修行だ!
 
亜貴は……
病室の、寂しげな笑顔を思い出す。

また、意識飛ばしてるかもしれない。
あの時よりも、傷だらけかもしれない。

「はっ、はっ……!」

全力で、駆ける。
バスケの試合よりも、長く、本気で。
風を切るように、駆け抜けた。

オレが、オレが迎えに行くんだ。
ちゃんと、向き合うんだ。
亜貴に、伝えたいこと、言いたいこと、たくさんあるんだ!
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