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4章
涙星
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女神の涙星。
昔、アルティアに女神が現れたその夜、真っ暗な夜空を美しい星々が駆け巡った。当時の人々は、流れゆく多くの美しい星を見て、これは長年争いを続けてきたが故に女神の涙が地上に降ってきたのだと考えたそうだ。しかし、争いを止めアルティアという国が1つになった以後も、必ず同じ日に星が降る現象は起こった。人々は、この現象を女神の涙星と呼び、この日は争いを続けた自分たちの罪深い歴史を忘れず、もう二度と争いが起きないように、という願いを込めて夜空を見上げる。
まぁ、いわゆる流星群という天文現象にすぎないのだが、この世界にそういった概念はない。奇跡的なことが起これば、何かと女神に関連させたがるのだ。
そして今夜、その女神の涙星の日なのだが…。
学園内では、まるでコンパネロ制度がはじまる前日を思い出すくらいにカップルがあちらこちらに量産されており、俺はただ歩くだけでも居場所の無さを感じていた。
(ここの学園の生徒たちは、どうしてこうも人目を憚らずイチャつけるんだ?こいつらほんとに貴族か…?)
俺は静かに心の中でツッコミながら、学園を歩いていた。
「シアン」
後ろから聞きなれた声が聞こえた。
もはや、慣れたもんで俺は振り向くことはせずに歩みを進める。
「今日の座学のミニテスト難しくなかった?うちのクラス結構、平均点低くてさ」
「別に。いつも通りだ」
「流石だね。あっ、そういえば今度1週間の休みあるよね。またエルネに来ない?」
「…考えとく。そろそろ父上からの便りも無視するわけにはいかないしな」
「そう…」
エルネで長期休暇を過ごしてから、約半年が経っていた。2年へ飛び級し、実技や座学の授業も大分難しくなってきており、つい最近まで1年だった周りの生徒も苦戦しているようだ。
「ねぇ、今日の夜のことなんだけど…あれ?シアンどこ行くの?」
「悪い。今日は昼1人で食べてくれ。用事があるんだ」
「そっか、分かった…」
幻覚の犬耳と尻尾がペタンと地面を向いたように見えた。
「…今夜、女神の涙星を見に行く話だろ?後で…話そう」
「…!うん」
イブリンの顔は頗る明るくなり、いつもの笑顔に戻った。
俺は、なんだか恥ずかしくてすぐに顔を伏せ、歩く足を早めた。
到着したのは、備品倉庫だ。
俺は辺りを見て誰も居ないのを確認すると、近くの大きな木の影に隠れる。
しばらくすると、話し声が聞こえてきて、2人の人影がこちらへ近づいてくるのが分かった。
「それでね、神父さまにゆっくり食べなさいって言われたのに、その男の子はよっぽどお腹がすいてたのかケーキをたくさん口の中に頬ばったんだ。そしたら、口元がクリームだらけになっちゃって…周りの子どもたちがそれを見て髭がついたみたいだねって…ふふっ」
「ふっ、そうか…。奉仕活動は楽しくやってるみたいだな」
シュレイが柔らかい笑顔で話しているのを見て、ユーリアスが愛しげな表情で答えた。
「…うん。でも、楽しいだけじゃなかった。最初は貧困で薬を買えない人達のために、僕の力で病気や怪我を治して幸せにしたいって思って教会を渡り歩いてやり始めたんだ。でもね、どんどんやっていくうちに気づいたんだ。外側だけ治せてもどうしようもないことが世間にはたくさんあるんだなって…。ある家の奥さんの病気を治しても、明日生きていけるのか分からないような生活は結局変わらないし、虐待にあった子どもの怪我を綺麗に治しても心の傷が消えるわけでもない。僕も同じような経験してきたはずなのになんで忘れちゃってたんだろ。幸せにしたいなんて…本当に烏滸がましかった」
シュレイは泣きそうな表情でそう言った。
「…そうかもしれないな」
ユーリアスの思わぬ返答に、シュレイは俯いていた顔を上げた。
「そなたは、人は弱いと思いすぎている。私も…立場上同じようなことを思っていた。民を幸せにしてみせる、助けてみせる。けれど…そうではない。幸せになるのは、誰だ?本人ではないか?全ての人間が同じではない。人の数だけ、求める幸せは違うはずだ。それをそなたは1つ1つ叶えて見せるのか?心意気は立派なことだが、それは現実的ではない。人は思ったよりも、強い生き物だ。それは、私よりもそなたの方がよく知っているはずだ。先程話していたその家の奥さんは病気が治ったからこそ、明日どうなるか分からなくとも生きる希望を見出せたかもしれないし、虐待された子供は傷を治すという、そなたの優しい心を受け取って人に完全に絶望しないで生きていけるかもしれない。幸せになれるのかは分からない。幸せになろうとするために動くのは結局彼ら自身なんだ。しかし、そなたは彼らの体を治癒し、進むための先の道を作った。それだけで十分ではないか?」
「ユーリアス…。うん、そうだね。本当にその通りだ。ふふ、元気でたよ。ありがとう」
「……そなたがやっていることは誰にも出来ないことだ。偉そうなことを言ったが、人を幸せにしたいという気持ちを持つことは……悪いことではない」
ユーリアスの言葉にシュレイは救われたようだった。
「あっ、ごめん。それ片付けないとね」
しばらく2人が見つめあったあと、シュレイはユーリアスが持っている荷物を見て思い出したように言った。
そして、倉庫の鍵を開けて2人は中へ入っていった。
彼らは生徒会の活動で使った荷物をこの備品倉庫に片付けにきたのだ。
この場面のことは割とゲームで覚えていたため、俺は事前にここで待ち伏せすることが出来たということだ。
シュレイはサイラスの父親を治癒した出来事がきっかけで、自分に出来ることはしたいという気持ちで頻繁に貧困地へ赴いて奉仕活動をするようになった。
先程の話は、その時の悩みをユーリアスに相談していたのだろう。
荷物を片付け終わったのか、2人は話しながら倉庫から出てきた。
「しかし、極度に貧困な民たちが存在している現状は私も国王陛下も嘆いている。自分の領土だからといって必要以上の税金を貪るのは、いつだって国王反逆派の貴族たちだ。どうにかしたいとは思っているが、彼らは実に上手く証拠を隠す。シュレイ、約束しよう。いずれこの問題は解決してみせる」
「うん、約束だよ」
ユーリアスの力強い言葉に、シュレイは目を細めて笑った。
「……もう1つ、私から約束してもらいたいことがある」
「何?」
「今夜、女神の涙星がある。一緒に見に行かないか?出来れば……2人きりが良い」
「……うん、いいよ」
やはり、シュレイは王道のユーリアスルートを進んでいっているらしい。
実は、女神の涙星へ一緒にいく相手を選ぶことはほぼ本命を決めたと同じである。
今後は、ユーリアスといちゃつくルート一直線だろう。
「…じゃあ、夜ね!楽しみにしてる」
「ああ、私もだ」
彼らは共に女神の涙星を見る約束をして、この場を離れていった。
------------------------------
「ユーリアス!早く!」
「今行く」
ユーリアスに手を振ると、彼は答えるように優しく笑った。
「ここ、凄く夜空が見渡せるよ」
「ああ、きっと涙星も美しく見えるだろう」
「ねぇ、あれ涙星?わっ…」
夜空を見て、キラリと光る星が流れたような気がして僕は1歩足を踏み出した。
しかし、ちょうど踏み出そうとした土が盛り上がっており、僕は転びそうになった。
「…大丈夫か?」
「う、うん…ありがとう。ユーリアス」
ユーリアスが僕の体を胸の中で受け止め、支えてくれたのだ。
僕ははっとして、彼から離れた。
「そ、それにしても、学園の敷地内にこんな所があったなんてびっくり!」
僕は再度この広い野原を一望すると、ユーリアスに目を輝かせて言った。
「こういう秘密の場所をよく知っているのは、第一王子の特権というやつだ」
「そうなの?」
「そもそも学園は国王陛下の後ろ盾で出来ているからな。入学する前からこの辺りを無断で出入りしては、怒られていた」
「ぷっ…それって本当に?」
「信じてないな?」
「だって、いつも規律を正しく守るユーリアスがそんなことするなんて、なんだかおかしいなって…」
微笑みがこぼれて、ユーリアスを見た。
「…お前の目からもやはりそんな風に見えるのか」
「ユーリアス?」
「いや、私は思ったよりも柔軟な人間だぞ?」
「ふふっ、絶対ウソ!」
そんな会話をして、また互いに見つめあって笑った。
「はくしゅっ…」
「寒いのか?」
「うん、ちょっとね」
「少し待て」
そう言ってユーリアスはブレザー脱いで、僕の肩にかけてくれた。
「…ありがとう」
「これくらいのこと、大したことではない」
「あっ!ねぇ、ユーリアス。ごめん、僕温かいスープを持ってくるつもりだったのに忘れちゃった…。せっかく作ったから、寮に一度帰るね。すぐ戻ってくるから」
「待て、それなら私も行く」
「えっ、いや…大丈夫!すぐだから、心配しないで」
「…分かった。行ってこい」
「うん、待ってて」
僕は彼にそう伝え、寮の方角へ体を向けた。その時…
「そう言って戻らないつもりか?シアン・シュドレー」
俺は、先程とは打って変わって低い声を発してきたユーリアスの方へ顔を向き直しこう返した。
「…………いつからお気づきで?」
昔、アルティアに女神が現れたその夜、真っ暗な夜空を美しい星々が駆け巡った。当時の人々は、流れゆく多くの美しい星を見て、これは長年争いを続けてきたが故に女神の涙が地上に降ってきたのだと考えたそうだ。しかし、争いを止めアルティアという国が1つになった以後も、必ず同じ日に星が降る現象は起こった。人々は、この現象を女神の涙星と呼び、この日は争いを続けた自分たちの罪深い歴史を忘れず、もう二度と争いが起きないように、という願いを込めて夜空を見上げる。
まぁ、いわゆる流星群という天文現象にすぎないのだが、この世界にそういった概念はない。奇跡的なことが起これば、何かと女神に関連させたがるのだ。
そして今夜、その女神の涙星の日なのだが…。
学園内では、まるでコンパネロ制度がはじまる前日を思い出すくらいにカップルがあちらこちらに量産されており、俺はただ歩くだけでも居場所の無さを感じていた。
(ここの学園の生徒たちは、どうしてこうも人目を憚らずイチャつけるんだ?こいつらほんとに貴族か…?)
俺は静かに心の中でツッコミながら、学園を歩いていた。
「シアン」
後ろから聞きなれた声が聞こえた。
もはや、慣れたもんで俺は振り向くことはせずに歩みを進める。
「今日の座学のミニテスト難しくなかった?うちのクラス結構、平均点低くてさ」
「別に。いつも通りだ」
「流石だね。あっ、そういえば今度1週間の休みあるよね。またエルネに来ない?」
「…考えとく。そろそろ父上からの便りも無視するわけにはいかないしな」
「そう…」
エルネで長期休暇を過ごしてから、約半年が経っていた。2年へ飛び級し、実技や座学の授業も大分難しくなってきており、つい最近まで1年だった周りの生徒も苦戦しているようだ。
「ねぇ、今日の夜のことなんだけど…あれ?シアンどこ行くの?」
「悪い。今日は昼1人で食べてくれ。用事があるんだ」
「そっか、分かった…」
幻覚の犬耳と尻尾がペタンと地面を向いたように見えた。
「…今夜、女神の涙星を見に行く話だろ?後で…話そう」
「…!うん」
イブリンの顔は頗る明るくなり、いつもの笑顔に戻った。
俺は、なんだか恥ずかしくてすぐに顔を伏せ、歩く足を早めた。
到着したのは、備品倉庫だ。
俺は辺りを見て誰も居ないのを確認すると、近くの大きな木の影に隠れる。
しばらくすると、話し声が聞こえてきて、2人の人影がこちらへ近づいてくるのが分かった。
「それでね、神父さまにゆっくり食べなさいって言われたのに、その男の子はよっぽどお腹がすいてたのかケーキをたくさん口の中に頬ばったんだ。そしたら、口元がクリームだらけになっちゃって…周りの子どもたちがそれを見て髭がついたみたいだねって…ふふっ」
「ふっ、そうか…。奉仕活動は楽しくやってるみたいだな」
シュレイが柔らかい笑顔で話しているのを見て、ユーリアスが愛しげな表情で答えた。
「…うん。でも、楽しいだけじゃなかった。最初は貧困で薬を買えない人達のために、僕の力で病気や怪我を治して幸せにしたいって思って教会を渡り歩いてやり始めたんだ。でもね、どんどんやっていくうちに気づいたんだ。外側だけ治せてもどうしようもないことが世間にはたくさんあるんだなって…。ある家の奥さんの病気を治しても、明日生きていけるのか分からないような生活は結局変わらないし、虐待にあった子どもの怪我を綺麗に治しても心の傷が消えるわけでもない。僕も同じような経験してきたはずなのになんで忘れちゃってたんだろ。幸せにしたいなんて…本当に烏滸がましかった」
シュレイは泣きそうな表情でそう言った。
「…そうかもしれないな」
ユーリアスの思わぬ返答に、シュレイは俯いていた顔を上げた。
「そなたは、人は弱いと思いすぎている。私も…立場上同じようなことを思っていた。民を幸せにしてみせる、助けてみせる。けれど…そうではない。幸せになるのは、誰だ?本人ではないか?全ての人間が同じではない。人の数だけ、求める幸せは違うはずだ。それをそなたは1つ1つ叶えて見せるのか?心意気は立派なことだが、それは現実的ではない。人は思ったよりも、強い生き物だ。それは、私よりもそなたの方がよく知っているはずだ。先程話していたその家の奥さんは病気が治ったからこそ、明日どうなるか分からなくとも生きる希望を見出せたかもしれないし、虐待された子供は傷を治すという、そなたの優しい心を受け取って人に完全に絶望しないで生きていけるかもしれない。幸せになれるのかは分からない。幸せになろうとするために動くのは結局彼ら自身なんだ。しかし、そなたは彼らの体を治癒し、進むための先の道を作った。それだけで十分ではないか?」
「ユーリアス…。うん、そうだね。本当にその通りだ。ふふ、元気でたよ。ありがとう」
「……そなたがやっていることは誰にも出来ないことだ。偉そうなことを言ったが、人を幸せにしたいという気持ちを持つことは……悪いことではない」
ユーリアスの言葉にシュレイは救われたようだった。
「あっ、ごめん。それ片付けないとね」
しばらく2人が見つめあったあと、シュレイはユーリアスが持っている荷物を見て思い出したように言った。
そして、倉庫の鍵を開けて2人は中へ入っていった。
彼らは生徒会の活動で使った荷物をこの備品倉庫に片付けにきたのだ。
この場面のことは割とゲームで覚えていたため、俺は事前にここで待ち伏せすることが出来たということだ。
シュレイはサイラスの父親を治癒した出来事がきっかけで、自分に出来ることはしたいという気持ちで頻繁に貧困地へ赴いて奉仕活動をするようになった。
先程の話は、その時の悩みをユーリアスに相談していたのだろう。
荷物を片付け終わったのか、2人は話しながら倉庫から出てきた。
「しかし、極度に貧困な民たちが存在している現状は私も国王陛下も嘆いている。自分の領土だからといって必要以上の税金を貪るのは、いつだって国王反逆派の貴族たちだ。どうにかしたいとは思っているが、彼らは実に上手く証拠を隠す。シュレイ、約束しよう。いずれこの問題は解決してみせる」
「うん、約束だよ」
ユーリアスの力強い言葉に、シュレイは目を細めて笑った。
「……もう1つ、私から約束してもらいたいことがある」
「何?」
「今夜、女神の涙星がある。一緒に見に行かないか?出来れば……2人きりが良い」
「……うん、いいよ」
やはり、シュレイは王道のユーリアスルートを進んでいっているらしい。
実は、女神の涙星へ一緒にいく相手を選ぶことはほぼ本命を決めたと同じである。
今後は、ユーリアスといちゃつくルート一直線だろう。
「…じゃあ、夜ね!楽しみにしてる」
「ああ、私もだ」
彼らは共に女神の涙星を見る約束をして、この場を離れていった。
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「ユーリアス!早く!」
「今行く」
ユーリアスに手を振ると、彼は答えるように優しく笑った。
「ここ、凄く夜空が見渡せるよ」
「ああ、きっと涙星も美しく見えるだろう」
「ねぇ、あれ涙星?わっ…」
夜空を見て、キラリと光る星が流れたような気がして僕は1歩足を踏み出した。
しかし、ちょうど踏み出そうとした土が盛り上がっており、僕は転びそうになった。
「…大丈夫か?」
「う、うん…ありがとう。ユーリアス」
ユーリアスが僕の体を胸の中で受け止め、支えてくれたのだ。
僕ははっとして、彼から離れた。
「そ、それにしても、学園の敷地内にこんな所があったなんてびっくり!」
僕は再度この広い野原を一望すると、ユーリアスに目を輝かせて言った。
「こういう秘密の場所をよく知っているのは、第一王子の特権というやつだ」
「そうなの?」
「そもそも学園は国王陛下の後ろ盾で出来ているからな。入学する前からこの辺りを無断で出入りしては、怒られていた」
「ぷっ…それって本当に?」
「信じてないな?」
「だって、いつも規律を正しく守るユーリアスがそんなことするなんて、なんだかおかしいなって…」
微笑みがこぼれて、ユーリアスを見た。
「…お前の目からもやはりそんな風に見えるのか」
「ユーリアス?」
「いや、私は思ったよりも柔軟な人間だぞ?」
「ふふっ、絶対ウソ!」
そんな会話をして、また互いに見つめあって笑った。
「はくしゅっ…」
「寒いのか?」
「うん、ちょっとね」
「少し待て」
そう言ってユーリアスはブレザー脱いで、僕の肩にかけてくれた。
「…ありがとう」
「これくらいのこと、大したことではない」
「あっ!ねぇ、ユーリアス。ごめん、僕温かいスープを持ってくるつもりだったのに忘れちゃった…。せっかく作ったから、寮に一度帰るね。すぐ戻ってくるから」
「待て、それなら私も行く」
「えっ、いや…大丈夫!すぐだから、心配しないで」
「…分かった。行ってこい」
「うん、待ってて」
僕は彼にそう伝え、寮の方角へ体を向けた。その時…
「そう言って戻らないつもりか?シアン・シュドレー」
俺は、先程とは打って変わって低い声を発してきたユーリアスの方へ顔を向き直しこう返した。
「…………いつからお気づきで?」
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