夏の想い出

プラチナまりん

文字の大きさ
上 下
1 / 1

夏の想い出

しおりを挟む
毎年 夏休み になると 
西浦温泉 『ホテル 東海園』へ
家族で 出掛けた。
一泊の時もあれば 二泊の時もあった。
当時 インベーダーゲーム が大流行で
もっぱら 海水浴より 
ホテル内の ゲームセンターへ行く事が
楽しみだった。
住んでいる 豊田市からは
車で 2時間程 見慣れた景色が
車窓を 過ぎる 
時々 新しい建物が あったりもする 
「そろそろ 窓 開けようか」
潮風が 頬を撫でる 海の匂い
波の音 蝉の声 
浜風で揺れる木々 草花の せせらぎ
懐かしい 匂い 音
これもあれも 全て 一年振り
そう 毎年 ここに来た
去年も一昨年も 6歳の時も10歳の時も
これからも ずっと 続くと思ってた
それは 毎年 お正月が来るように
それは 毎年 クリスマスが来るように
ごく あたりまえ の 事として

そして 今年も流れる景色を 見ている

「そろそろ 窓 開けようか」

懐かし匂いと音 頬をつたう一雫

袋を 取り出す

ひとつまみ…ふたつ…みっつ…

銀色に 輝いて

潮風にふかれ 波音の方へ

静かに  舞っていった



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...