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トを追って
能才
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長い髪を整え、サリュは集会所を出る。まだ薄暗い空に、サリュは余計に眠気を感じた。どれだけ寝たのかサリュには分からなかったが、まだ眠いのは確かだった。
「しっかり家の戸が閉まってるね! これで安心だよお! 」
とウサギが言った。ウサギは眠気を感じないのか。サリュはウサギの声質からそんな事を思った。村はすっかりとひとけが無くなり、静まり返っている。
「サリュ! 広場みたいなところに行こう! そこでヤツらと戦うんだ! 」
と、ウサギは言って歩き出した。 戦う? サリュは自分の行動を後悔した。そうなるのであれば、寝る前から気持ちを整えていれば良かったと。眠気に負けたサリュは悔いた。そもそもで、ウサギの言っている内容と声質が合っていない。眠い。戦うとは何だ。どうやって。危ないじゃないか。サリュは、様々な思いが頭に浮かんだが、どれも処理が追いつかず苛立ちを感じた。だがら、サリュは取り敢えずウサギに着いて行く事にした。何も考えずに。
少し歩くと、家の建っていない開けた場所に出た。
「サリュ! ここでヤツらを待とう! サリュは地面に寝てればいいさ! あ、そうだった。戦うには武器が必要だね! サリュ、ちゃんとキャッチしてね! 」
とウサギは言うと、ぴょんと跳ね上がり、空中で一回転をした。何も考えていなかったサリュは、慌てて反射的に落ちてきたモノを左手で掴んだ。それは、ウサギではなかった。銀色に輝く綺麗な小刀だった。
「ナイスキャッチ! サリュ! さあ、はやく寝て! あと少ししたらヤツらがくるはずさ! 」
小刀から、甲高く鬱陶しい声がする。サリュは、この小刀がウサギだという事は分かったが、理屈は全く分からなかった。先程から寝転ぶ事を急かされているサリュであったが、理屈が分からずウサギに聞いた。
「あなたは、一体…? 」
ウサギは直ぐさま答える。この問いも待っていたかのように。
「サリュ! ぼくは、サリュにとって魔法であって、サリュにとっての科学だよ! 」
得意満面とその言葉が小刀から聞こえる。サリュは小刀をまじまじと見たが、その答えに納得する事は無かった。魔法と科学は相反するモノなのに。サリュは、そう考えていた。
理屈が理解できない時、行動する事が得策だ。という事をサリュは知っていた。だから、ウサギに言われた通り、地面に仰向けの状態で寝転んだ。空はまだ薄暗かった。サリュは土の臭いを感じた。こんな臭いを感じるのは、サリュがまだ泥団子を作っていた頃以来だ。そんな事をサリュが思っていると
「サリュ! 寝てって言ったけど、ほんとに寝ちゃったらダメだからね! あっ、あと、ぼくは背中の後ろに隠して持っていて! 」
とウサギが笑いながら言った。そんな小刀から聞こえる笑い声に、サリュの不安と緊張は少し和らいだ様に、サリュは感じた。笑い声は、不安と緊張を緩和する。サリュはそんな事も知っていた。未だに、ウサギが何を企んでいるのか分からなかったが、どうにかなるのではないかとサリュは考えていた。
「しっかり家の戸が閉まってるね! これで安心だよお! 」
とウサギが言った。ウサギは眠気を感じないのか。サリュはウサギの声質からそんな事を思った。村はすっかりとひとけが無くなり、静まり返っている。
「サリュ! 広場みたいなところに行こう! そこでヤツらと戦うんだ! 」
と、ウサギは言って歩き出した。 戦う? サリュは自分の行動を後悔した。そうなるのであれば、寝る前から気持ちを整えていれば良かったと。眠気に負けたサリュは悔いた。そもそもで、ウサギの言っている内容と声質が合っていない。眠い。戦うとは何だ。どうやって。危ないじゃないか。サリュは、様々な思いが頭に浮かんだが、どれも処理が追いつかず苛立ちを感じた。だがら、サリュは取り敢えずウサギに着いて行く事にした。何も考えずに。
少し歩くと、家の建っていない開けた場所に出た。
「サリュ! ここでヤツらを待とう! サリュは地面に寝てればいいさ! あ、そうだった。戦うには武器が必要だね! サリュ、ちゃんとキャッチしてね! 」
とウサギは言うと、ぴょんと跳ね上がり、空中で一回転をした。何も考えていなかったサリュは、慌てて反射的に落ちてきたモノを左手で掴んだ。それは、ウサギではなかった。銀色に輝く綺麗な小刀だった。
「ナイスキャッチ! サリュ! さあ、はやく寝て! あと少ししたらヤツらがくるはずさ! 」
小刀から、甲高く鬱陶しい声がする。サリュは、この小刀がウサギだという事は分かったが、理屈は全く分からなかった。先程から寝転ぶ事を急かされているサリュであったが、理屈が分からずウサギに聞いた。
「あなたは、一体…? 」
ウサギは直ぐさま答える。この問いも待っていたかのように。
「サリュ! ぼくは、サリュにとって魔法であって、サリュにとっての科学だよ! 」
得意満面とその言葉が小刀から聞こえる。サリュは小刀をまじまじと見たが、その答えに納得する事は無かった。魔法と科学は相反するモノなのに。サリュは、そう考えていた。
理屈が理解できない時、行動する事が得策だ。という事をサリュは知っていた。だから、ウサギに言われた通り、地面に仰向けの状態で寝転んだ。空はまだ薄暗かった。サリュは土の臭いを感じた。こんな臭いを感じるのは、サリュがまだ泥団子を作っていた頃以来だ。そんな事をサリュが思っていると
「サリュ! 寝てって言ったけど、ほんとに寝ちゃったらダメだからね! あっ、あと、ぼくは背中の後ろに隠して持っていて! 」
とウサギが笑いながら言った。そんな小刀から聞こえる笑い声に、サリュの不安と緊張は少し和らいだ様に、サリュは感じた。笑い声は、不安と緊張を緩和する。サリュはそんな事も知っていた。未だに、ウサギが何を企んでいるのか分からなかったが、どうにかなるのではないかとサリュは考えていた。
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