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本編
新年明けましておめでとうございます!
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年越し前と言えば年越し蕎麦です。
リリの故郷では無い風習らしく、ワクワクしながらお蕎麦を上手に啜っています。
ネルビーも犬食いで美味しそうにハグハグ食べています。
「美味しいね。
この海老ってこの辺で獲れるの?」
リリが海老天を頬張りホクホク顔で尋ねます。
「いんや?それは海の海老だ。
海神がお歳暮に送ってくれた」
三巳もハフハフさせながら海老を頬張り答えます。
リリはもう三巳が神様だと知っているので、他の神様達と知り合いでも驚きません。けれどお歳暮というものは知らないので首を傾げました。
三巳が簡潔に説明すると、何か似たイベントでもあったのか、「ああ」と納得しました。
「お父様も良く季節の節目に沢山の方々から頂き物をしていたわ」
リリの家のはお歳暮やお中元とは似て非なるものですが、当時小さかったリリはその意味を理解出来なかったのです。
そして両親亡き今、それを確認する術はもうありません。
三巳はそんなリリの心情を慮って、「そうかー」とだけ答えました。
「ほっほっほ。さぁて年越し蕎麦も食べたし、そろそろ行こうかの」
ロキ医師は重い腰をよっこらせと立たせると、用意してあった厚手のコートをしっかり着込みます。
リリも倣ってしっかり着込むと、全員で寒い夜空のもと外出しました。
目的地は山頂です。
この頃は歳のせいかめっきり行かなくなっていましたが、今年は新しい家族が二人(?)も増えたので初日の出を見る事にしたのです。
山頂に行く道は他の山の民達もいて、足腰の弱い人や子供をサポートしながら登っています。
リリとネルビーもロキ医師を気遣いながら登って行きます。
けれどまだまだ若い者には負けんと粋がるロキ医師は、歳を感じさせない足取りで登って行きました。途中で足を絡れさせていましたが、ネルビーがさり気無く支えていたのは内緒です。
山頂には既に沢山の山の民達が東の空を今か今かと見ていました。
時間的にはもうそろそろです。
寒いので団子の様にくっ付いて待っていると、徐々に空の色が変わって来ました。
山の稜線が白く光り、太陽が顔を出し始めると、皆一様にその一点を見つめます。
薄明に始まり、朝焼けを起こし、太陽が全て顔を出すまでその光景を目に焼き付けました。
特にリリは初めて見る家族との初日の出に感動し、無意識に両端に立つ三巳とロキ医師の手をキュッと握り締めました。
その前ではネルビーが尻尾を振ってリリに鼻を擦りつけていました。
「「「明けましておめでとう!!」」」
じ~んと浸っていると、周囲から一斉に晴々しい勝斎の様な挨拶が聞こえてきました。リリはハッとして、事前に教わった通り、
「明けましておめでとう!」
と晴れやかな笑顔で返しました。
賑やかな初日の出を迎えた後は、村に戻って大忙しです。主に大人達が。
特に村長は子供達がみんな起き出したら、山の民達を広場に集めます。
そしてロウ村長は事前に用意された高台へ登ります。両手には大きな箱を抱えていて前が見えていません。
箱を横に置くと高い所から一同を見回してニッカリ笑います。
「明けましておめでとう!
今年も健やかに且つ強靭に育つ様に願いを込めて」
軽く新年の挨拶を終わらせると、箱から袋を両手に持てるだけ取り出しました。
直後に起こる子供達の黄色い喜びの大歓声。
両手を高く掲げて「コッチー!」と袋を強請っています。
配置は前面に年少さん達。そこから後ろに行くに従って年長さんになって行き、最後尾はロダ達です。勿論リリもいます。ちゃっかりリリの隣を陣取りたかったロダですが、ミナミ達に先を越されて仕方なくお友達といます。
そして子供達に混ざって三巳もいます。
年少組位にワクテカして尻尾を振っています。配置は最後尾です。
その様子を満足そうに眺めたロウ村長は、手に持った袋を思い切り投げました。そして次々と箱から袋を出して投げていきます。
袋は四方八方に飛んで行き、上手に空中キャッチする子や、取り落として拾う子などでワイワイキャイキャイ甲高い声が響きます。
リリも目の前に飛んで来た袋を見事にキャッチして、ホッと微笑みました。
「上手いじゃん!」
「リリのは何が入ってた?私のは水蓮玉!」
「え!?良いなー!水蓮玉って綺麗よね!」
袋を拾った女の子達は早速中身を確認しています。
中には其々まん丸の色とりどりの玉が入っていました。
玉はその殆どが飴玉や餅玉等の食べ物ですが、一つだけ食べ物では無い物が入っていたのです。
そう、これこそがお金の存在しないこの村ならではのお年玉だったのです。
玉は袋毎に入っている物が違います。
水蓮玉は水系の魔法石で作られた物で、中に3Dクリスタルの様に水蓮の模様が入っています。水蓮とは水で出来た蓮の花で、光の加減で虹色に光る不思議な花です。
リリもそれを見てワクワクしながら中を確かめて見てみます。
「ふわ~!綺麗!」
リリが取り出したのは空色の魔法石で、中には角を持つペガサスの模様が入っていました。
それを見た女の子達や三巳は、見事に取れやすく放たれていた袋も相まって、ロウ村長の確信犯だと確信しました。
(粋な図らいをする様になったものだな)
三巳はちゃっかりお年玉を手にしながら、ロウ村長の漢気を喜びました。
因みに三巳が手にしたのは赤と白の真鱈色の玉で、中の模様は鯉でした。
玉は魔法石なので使用も出来ますが、女の子の殆どが大抵お部屋に飾っています。三巳も例に漏れずに大事に尻尾に仕舞うのでした。
リリの故郷では無い風習らしく、ワクワクしながらお蕎麦を上手に啜っています。
ネルビーも犬食いで美味しそうにハグハグ食べています。
「美味しいね。
この海老ってこの辺で獲れるの?」
リリが海老天を頬張りホクホク顔で尋ねます。
「いんや?それは海の海老だ。
海神がお歳暮に送ってくれた」
三巳もハフハフさせながら海老を頬張り答えます。
リリはもう三巳が神様だと知っているので、他の神様達と知り合いでも驚きません。けれどお歳暮というものは知らないので首を傾げました。
三巳が簡潔に説明すると、何か似たイベントでもあったのか、「ああ」と納得しました。
「お父様も良く季節の節目に沢山の方々から頂き物をしていたわ」
リリの家のはお歳暮やお中元とは似て非なるものですが、当時小さかったリリはその意味を理解出来なかったのです。
そして両親亡き今、それを確認する術はもうありません。
三巳はそんなリリの心情を慮って、「そうかー」とだけ答えました。
「ほっほっほ。さぁて年越し蕎麦も食べたし、そろそろ行こうかの」
ロキ医師は重い腰をよっこらせと立たせると、用意してあった厚手のコートをしっかり着込みます。
リリも倣ってしっかり着込むと、全員で寒い夜空のもと外出しました。
目的地は山頂です。
この頃は歳のせいかめっきり行かなくなっていましたが、今年は新しい家族が二人(?)も増えたので初日の出を見る事にしたのです。
山頂に行く道は他の山の民達もいて、足腰の弱い人や子供をサポートしながら登っています。
リリとネルビーもロキ医師を気遣いながら登って行きます。
けれどまだまだ若い者には負けんと粋がるロキ医師は、歳を感じさせない足取りで登って行きました。途中で足を絡れさせていましたが、ネルビーがさり気無く支えていたのは内緒です。
山頂には既に沢山の山の民達が東の空を今か今かと見ていました。
時間的にはもうそろそろです。
寒いので団子の様にくっ付いて待っていると、徐々に空の色が変わって来ました。
山の稜線が白く光り、太陽が顔を出し始めると、皆一様にその一点を見つめます。
薄明に始まり、朝焼けを起こし、太陽が全て顔を出すまでその光景を目に焼き付けました。
特にリリは初めて見る家族との初日の出に感動し、無意識に両端に立つ三巳とロキ医師の手をキュッと握り締めました。
その前ではネルビーが尻尾を振ってリリに鼻を擦りつけていました。
「「「明けましておめでとう!!」」」
じ~んと浸っていると、周囲から一斉に晴々しい勝斎の様な挨拶が聞こえてきました。リリはハッとして、事前に教わった通り、
「明けましておめでとう!」
と晴れやかな笑顔で返しました。
賑やかな初日の出を迎えた後は、村に戻って大忙しです。主に大人達が。
特に村長は子供達がみんな起き出したら、山の民達を広場に集めます。
そしてロウ村長は事前に用意された高台へ登ります。両手には大きな箱を抱えていて前が見えていません。
箱を横に置くと高い所から一同を見回してニッカリ笑います。
「明けましておめでとう!
今年も健やかに且つ強靭に育つ様に願いを込めて」
軽く新年の挨拶を終わらせると、箱から袋を両手に持てるだけ取り出しました。
直後に起こる子供達の黄色い喜びの大歓声。
両手を高く掲げて「コッチー!」と袋を強請っています。
配置は前面に年少さん達。そこから後ろに行くに従って年長さんになって行き、最後尾はロダ達です。勿論リリもいます。ちゃっかりリリの隣を陣取りたかったロダですが、ミナミ達に先を越されて仕方なくお友達といます。
そして子供達に混ざって三巳もいます。
年少組位にワクテカして尻尾を振っています。配置は最後尾です。
その様子を満足そうに眺めたロウ村長は、手に持った袋を思い切り投げました。そして次々と箱から袋を出して投げていきます。
袋は四方八方に飛んで行き、上手に空中キャッチする子や、取り落として拾う子などでワイワイキャイキャイ甲高い声が響きます。
リリも目の前に飛んで来た袋を見事にキャッチして、ホッと微笑みました。
「上手いじゃん!」
「リリのは何が入ってた?私のは水蓮玉!」
「え!?良いなー!水蓮玉って綺麗よね!」
袋を拾った女の子達は早速中身を確認しています。
中には其々まん丸の色とりどりの玉が入っていました。
玉はその殆どが飴玉や餅玉等の食べ物ですが、一つだけ食べ物では無い物が入っていたのです。
そう、これこそがお金の存在しないこの村ならではのお年玉だったのです。
玉は袋毎に入っている物が違います。
水蓮玉は水系の魔法石で作られた物で、中に3Dクリスタルの様に水蓮の模様が入っています。水蓮とは水で出来た蓮の花で、光の加減で虹色に光る不思議な花です。
リリもそれを見てワクワクしながら中を確かめて見てみます。
「ふわ~!綺麗!」
リリが取り出したのは空色の魔法石で、中には角を持つペガサスの模様が入っていました。
それを見た女の子達や三巳は、見事に取れやすく放たれていた袋も相まって、ロウ村長の確信犯だと確信しました。
(粋な図らいをする様になったものだな)
三巳はちゃっかりお年玉を手にしながら、ロウ村長の漢気を喜びました。
因みに三巳が手にしたのは赤と白の真鱈色の玉で、中の模様は鯉でした。
玉は魔法石なので使用も出来ますが、女の子の殆どが大抵お部屋に飾っています。三巳も例に漏れずに大事に尻尾に仕舞うのでした。
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