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本編
山の民見ませんでしたか?
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仔狼な獣の姿から錦鯉な人魚の姿になった三巳がはしゃいでいます。
「にゃはははっ♪にょほほほほっ♪泳ぐぞ♪錦鯉君♪」
調子っ外れな歌声が、縦横無尽に泳ぎまくる三巳に合わせる様に海の中で響いて踊っています。
人魚になった三巳は魔法を使わなくても呼吸が出来るので、空気玉を顔に纏わせているのはロダだけです。
そのロダは一歩下がった所で三巳を見守りつつ、警戒心が無くなった人魚達に情報収集中です。
「そうかぁ。うーん、中々見つからないな。もしかしたらロウ村長が他のチームと合流出来たのかもしれない」
ダンジョン探索を始めてから大分時間が立ちました。外の景色は見えませんが、地獄谷で三巳と合流したのも夕方頃です。体内時計を信じるならば、今はもう夕食時も過ぎて良い子は寝る時間です。
「それじゃあ何処かでご飯食べれる場所……」
お食事処を聞こうとして途中で止めました。
だって人魚のご飯は海藻や貝やお魚を調理せず食べてそうだったからです。
(海中で火って起こせるのかな?)
考えても起こせる気がしません。仕方ないのでロダは情報収集を続けつつ、兎が早く帰って来る様願いました。
三巳はそんなロダに気付いて、
(そ言えば三巳夕ご飯食べてない!?)
ご飯を食べ損ねた事に気付いてしまいました。お昼だってダンジョン内だったからおにぎりとお漬物と唐揚げだけでした。
知ったからにはお腹が空いて来ちゃいます。ぐぅとなったお腹に手を当てて、眉もお口もへの字に曲げます。
「ぬぐ。ご飯」
獣な三巳なら生魚も生貝も丸ごとパクリです。けれども我慢しているロダを尻目に自分だけ食べるなんて出来ません。仕方なく三巳も我慢を覚悟しました。
(海から上がったら尻尾収納に入ってるバナナ分け合おーっと。兎はバナナ食べるかな?)
確認しようと背後に手をやって、そしてその手は空振りました。
「尻尾無い!?」
どんな変身をしても必ず尻尾は生えていた三巳です。
けれども魔女の薬で変身した人魚三巳に、モフモフの尻尾は有りませんでした。あまりの衝撃に狼狽えてしまい、危うく神気を爆発させる寸前で持ち直します。
「尻尾……。三巳の、尻尾……」
オロオロとする三巳は、パッとお尻に手を当てて、無いと再確認しては右往左往し、そしてまたお尻に手を当てて再確認するのを3回繰り返します。
それでもやっぱり無いものは無いのです。ションモリ項垂れると、フラフラ泳いでロダのメルヘンな服の裾を掴みました。
「薬が切れれば元に戻るから、今はその姿を堪能したらどうかな」
三巳の奇行を見ていたロダは様子に気付いて優しく言います。
「ちゃんと切れる?」
心配そうに上目遣いをする三巳に、ロダはニッコリ笑みを返しました。
「うん。海の魔女は数時間しか保たないから気を付けてって言ってたよ」
「数時間しか保たないのか!」
ロダの言葉に安心した三巳ですが、今の姿も数時間だけと知り、俄然堪能するのに惜しまない事を決意します。
「三巳、三巳ちょっとこの海最速で探索してくる!」
そう言って錦鯉な足をバタバタさせると、ビュビュン!と海流を発生させてあっという間に遠くへ泳いで行きました。
残されたロダは笑いながらも海流に人魚が巻き込まれない様にフォローをしています。
「元気で可愛らしい子ね」
ロダの周りに集まっていた人魚達も微笑さに手を振ってくれています。
「鯉族なんて初めて見たけどとってもパワフルなのね」
「ああ、ええっとそうだね?」
人魚に言われてロダは曖昧に答えます。
だって三巳がパワフルなのは鯉だからではないからです。とは言え狼だからかと言うと母獣はどっしり構えてあまり動きません。三巳は三巳だから元気溌剌なんだと、ロダは改めて思うのでした。
「それで君と同じ人間の子?大人?ですっけ」
「そう、見た事ない?」
「溺れた丘の王子様なら見た事あるけど、君とは毛色が違ったからなぁ」
「え?溺れてたの?王子様が?大丈夫?その人」
「うん。仲間が丘に連れてってたよ」
「そっか。よかった」
三巳が残っていたならきっと目を輝かせて大興奮な話も、ロダには唯の良い話で終わってサラリと流れていきます。
「海の中は三巳が今探してくれてるし、僕は兎の用事が終わってないか確認してこようかな」
自由に動き回っていても三巳の鼻なら直ぐに居場所を察知してくれます。ロダは安心してその場を離れて門番な人魚の元へ戻っていきました。
「ただいま。兎は戻って来た?」
「やあ、人の大人。兎はまだだよ。でももう戻って来るんじゃないかな」
「そっか、それじゃあ此処で待ってても良い?」
「勿論だとも。その間丘の話を聞かせてくれるかい?」
「うん、良いよ」
という訳でロダは兎と三巳を待つ間、門番な人魚に山のお話を沢山してあげるのでした。
「にゃはははっ♪にょほほほほっ♪泳ぐぞ♪錦鯉君♪」
調子っ外れな歌声が、縦横無尽に泳ぎまくる三巳に合わせる様に海の中で響いて踊っています。
人魚になった三巳は魔法を使わなくても呼吸が出来るので、空気玉を顔に纏わせているのはロダだけです。
そのロダは一歩下がった所で三巳を見守りつつ、警戒心が無くなった人魚達に情報収集中です。
「そうかぁ。うーん、中々見つからないな。もしかしたらロウ村長が他のチームと合流出来たのかもしれない」
ダンジョン探索を始めてから大分時間が立ちました。外の景色は見えませんが、地獄谷で三巳と合流したのも夕方頃です。体内時計を信じるならば、今はもう夕食時も過ぎて良い子は寝る時間です。
「それじゃあ何処かでご飯食べれる場所……」
お食事処を聞こうとして途中で止めました。
だって人魚のご飯は海藻や貝やお魚を調理せず食べてそうだったからです。
(海中で火って起こせるのかな?)
考えても起こせる気がしません。仕方ないのでロダは情報収集を続けつつ、兎が早く帰って来る様願いました。
三巳はそんなロダに気付いて、
(そ言えば三巳夕ご飯食べてない!?)
ご飯を食べ損ねた事に気付いてしまいました。お昼だってダンジョン内だったからおにぎりとお漬物と唐揚げだけでした。
知ったからにはお腹が空いて来ちゃいます。ぐぅとなったお腹に手を当てて、眉もお口もへの字に曲げます。
「ぬぐ。ご飯」
獣な三巳なら生魚も生貝も丸ごとパクリです。けれども我慢しているロダを尻目に自分だけ食べるなんて出来ません。仕方なく三巳も我慢を覚悟しました。
(海から上がったら尻尾収納に入ってるバナナ分け合おーっと。兎はバナナ食べるかな?)
確認しようと背後に手をやって、そしてその手は空振りました。
「尻尾無い!?」
どんな変身をしても必ず尻尾は生えていた三巳です。
けれども魔女の薬で変身した人魚三巳に、モフモフの尻尾は有りませんでした。あまりの衝撃に狼狽えてしまい、危うく神気を爆発させる寸前で持ち直します。
「尻尾……。三巳の、尻尾……」
オロオロとする三巳は、パッとお尻に手を当てて、無いと再確認しては右往左往し、そしてまたお尻に手を当てて再確認するのを3回繰り返します。
それでもやっぱり無いものは無いのです。ションモリ項垂れると、フラフラ泳いでロダのメルヘンな服の裾を掴みました。
「薬が切れれば元に戻るから、今はその姿を堪能したらどうかな」
三巳の奇行を見ていたロダは様子に気付いて優しく言います。
「ちゃんと切れる?」
心配そうに上目遣いをする三巳に、ロダはニッコリ笑みを返しました。
「うん。海の魔女は数時間しか保たないから気を付けてって言ってたよ」
「数時間しか保たないのか!」
ロダの言葉に安心した三巳ですが、今の姿も数時間だけと知り、俄然堪能するのに惜しまない事を決意します。
「三巳、三巳ちょっとこの海最速で探索してくる!」
そう言って錦鯉な足をバタバタさせると、ビュビュン!と海流を発生させてあっという間に遠くへ泳いで行きました。
残されたロダは笑いながらも海流に人魚が巻き込まれない様にフォローをしています。
「元気で可愛らしい子ね」
ロダの周りに集まっていた人魚達も微笑さに手を振ってくれています。
「鯉族なんて初めて見たけどとってもパワフルなのね」
「ああ、ええっとそうだね?」
人魚に言われてロダは曖昧に答えます。
だって三巳がパワフルなのは鯉だからではないからです。とは言え狼だからかと言うと母獣はどっしり構えてあまり動きません。三巳は三巳だから元気溌剌なんだと、ロダは改めて思うのでした。
「それで君と同じ人間の子?大人?ですっけ」
「そう、見た事ない?」
「溺れた丘の王子様なら見た事あるけど、君とは毛色が違ったからなぁ」
「え?溺れてたの?王子様が?大丈夫?その人」
「うん。仲間が丘に連れてってたよ」
「そっか。よかった」
三巳が残っていたならきっと目を輝かせて大興奮な話も、ロダには唯の良い話で終わってサラリと流れていきます。
「海の中は三巳が今探してくれてるし、僕は兎の用事が終わってないか確認してこようかな」
自由に動き回っていても三巳の鼻なら直ぐに居場所を察知してくれます。ロダは安心してその場を離れて門番な人魚の元へ戻っていきました。
「ただいま。兎は戻って来た?」
「やあ、人の大人。兎はまだだよ。でももう戻って来るんじゃないかな」
「そっか、それじゃあ此処で待ってても良い?」
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「うん、良いよ」
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