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本編
レオと夏祭り
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ドンドンピューヒュラ♪
ヴィーナ村では軽快な音楽が暗い夜を明るく導いています。
「夏祭り、か。賑やかなもんだな」
固くならされた道をカコカコと歩くレオが、周囲の山の民が楽しんでいるのを見て言いました。
その隣では三巳がカコカコカランと下駄を鳴らしています。
「うにゅ。祭りは屋台と太鼓と盆踊りで楽しいんだよ」
両手に持ったわた飴とりんご飴を交互に食べて至福表情です。
2人が歩く通りには屋台が並び、子供達もこの日ばかりは遅くまで楽しんでいます。日本の伝統的なお祭りらしい屋台は見ているだけでもワクワクしてきます。
三巳は駆け回る子供達と後ろで見守る保護者達を見て満足そうです。
「皆の体調も戻って良かったんだよ」
「あー。あれな」
トカゲ型モンスターの尻尾が思いの外滋養に良かったらしく、ケバブに使ったところ忽ちに回復していきました。
困った事と言えば、移住して来たモンスターのジンが、ならば自分の尻尾もと奥さんの為に切ろうとした位でしょうか。その前に回復したので今はまだ尻尾は健在です。
「最大の功労者のトカっちも元気に太鼓叩いてるし、元気そう」
トカゲモンスターことトカっちは山の民から感謝の印に夏祭りに招待されていました。勿論その時一緒にいたお友達モンスターも一緒です。
祭りのメイン会場である広場では、櫓に登ったトカっちが軽快なリズムで太鼓を叩き、同じく櫓に登ったジンが笛を吹いて場を盛り上げています。
「三巳も踊ってくるっ」
三巳は浴衣の袖を翻して駆け出しました。勿論手に持った飴は食べ切っています。
「足下気を付けろよ」
普段裸足の三巳が下駄を履いているのです。危なっかしさは火を見るより明らかです。レオは喧騒でも聞こえるように声を出して注意を促しました。
「うにゅ!」
三巳は半身だけで振り返り、片手を上げて振り返します。そして危なげなく盆踊りの輪に入って行きました。下駄なら前世で慣れていますからね。
三巳が楽しそうに踊るのを、レオは屋台を物色しながら見守ります。片手に積み上げられていくのは、焼きそばと焼きとうもろこしとじゃがバタとキュウリと多岐に渡ります。そんなに食べるのかと、屋台をやっている山の民が興味深く見ていましたが、レオはそれらに手を付けませんでした。
手に持つ屋台めしの量に満足したレオは近くの岩垣にゆったりと腰掛けます。屋台めしは手を付けずに脇に置きました。
「にゅはー!楽しかったんだよ!」
少しするとニパニパと満足気に笑う三巳が戻って来ました。尻尾は今だに盆踊り気分なのでしょう。ゆらゆらと音頭に合わせて揺れています。
「よう、もう良いのか?」
「うにゅ。楽しかったんだよ。レオは踊んなくて良いん?」
「盆踊り、だったか。俺は三巳が踊ってるの見てるだけで十分楽しめたぜ」
「ぬ?そうか?んふー♪なら良いんだよっ」
「それよか腹減ったろ」
三巳が隣に座ったのを確認したレオは、買って来た屋台めしを渡しました。
「焼きそば!食べるんだよっ」
そうです。良く食べる三巳が運動をしてお腹を空かせ無いわけが無いのです。
レオはそれを見越して物色していたのでした。
「他にもあるから半分こしようぜ」
「半分こ!?レオと!!」
2つ持った箸の1つを三巳に渡し、レオはじゃがバタを割って食べます。
三巳はそれを見てほっぺをポポポと染めて尻尾を大きく振りました。
屋台めしは種類も豊富です。だからこそ半分こなら沢山の種類が食べられるし、何より仲良しの証でもありました。
レオは村の習慣など知りはしません。けれども三巳はレオに仲良しだと思って貰えているようでとってもとっても嬉しくなったのです。
三巳は焼きそばを半分に分けてから食べます。食べ無い分の焼きそば半分を愛おしく感じながら食べています。
「ふへへー♪美味しいんだよっ」
犬歯に青のり付けて笑う三巳に、レオも「ぷっ」と吹き出し、
「そうだな」
と言ってじゃがバタと交換します。
麺に掛かった青のりを見て
(そりゃ、歯に付くわな)
と思い、屋台をサッと見渡しました。
「ちっと待ってろ」
「うにゅう?」
目当ての屋台を見つけたレオはサッ向かいます。そして店主と何やら話して一度三巳に振り返りました。店主も一緒に三巳を見て納得した顔で頷いています。
三巳は何故見られたのか解らず首を傾げます。
レオが店主から受け取った物は2つでした。それを持って戻って来ると2つとも三巳に渡してくれます。
素直に受け取って見たそれは
「オレンジジュースと麦茶?」
飲み物でした。
「食いもんばっかで忘れてたからな。店主に聞いたら三巳ならどっちかだって言ってたけど、合ってるか?」
「!三巳の為!嬉しいんだよ!ありがとレオ!でもレオの分は?」
「俺は余った方で良いさ」
そうです。レオは三巳が気付かない内に青のりを流そうとしているのです。
店主には青のりの事は話していません。三巳だって女の子ですからね。レオも配慮したのです。
そうとは気付かず三巳は2つを見比べて、レオを見ます。
(うーにゅ。レオならどっちだろ。グランならフルーツっぽいけど。じゃがバタ食べた後で焼きそばだからなぁ)
少し考えた後で麦茶をレオに返しました。
「これも半分こにするんだよ」
半分こは仲良しの証です。
三巳はニパリと笑って仲良し返しを選んだのです。
「ははっ、そりゃ良いな」
内心ジュースを返されたらどうしようかと思っていたレオです。そんな内心はおくびにも見せずに笑みを浮かべて返すのでした。
ヴィーナ村では軽快な音楽が暗い夜を明るく導いています。
「夏祭り、か。賑やかなもんだな」
固くならされた道をカコカコと歩くレオが、周囲の山の民が楽しんでいるのを見て言いました。
その隣では三巳がカコカコカランと下駄を鳴らしています。
「うにゅ。祭りは屋台と太鼓と盆踊りで楽しいんだよ」
両手に持ったわた飴とりんご飴を交互に食べて至福表情です。
2人が歩く通りには屋台が並び、子供達もこの日ばかりは遅くまで楽しんでいます。日本の伝統的なお祭りらしい屋台は見ているだけでもワクワクしてきます。
三巳は駆け回る子供達と後ろで見守る保護者達を見て満足そうです。
「皆の体調も戻って良かったんだよ」
「あー。あれな」
トカゲ型モンスターの尻尾が思いの外滋養に良かったらしく、ケバブに使ったところ忽ちに回復していきました。
困った事と言えば、移住して来たモンスターのジンが、ならば自分の尻尾もと奥さんの為に切ろうとした位でしょうか。その前に回復したので今はまだ尻尾は健在です。
「最大の功労者のトカっちも元気に太鼓叩いてるし、元気そう」
トカゲモンスターことトカっちは山の民から感謝の印に夏祭りに招待されていました。勿論その時一緒にいたお友達モンスターも一緒です。
祭りのメイン会場である広場では、櫓に登ったトカっちが軽快なリズムで太鼓を叩き、同じく櫓に登ったジンが笛を吹いて場を盛り上げています。
「三巳も踊ってくるっ」
三巳は浴衣の袖を翻して駆け出しました。勿論手に持った飴は食べ切っています。
「足下気を付けろよ」
普段裸足の三巳が下駄を履いているのです。危なっかしさは火を見るより明らかです。レオは喧騒でも聞こえるように声を出して注意を促しました。
「うにゅ!」
三巳は半身だけで振り返り、片手を上げて振り返します。そして危なげなく盆踊りの輪に入って行きました。下駄なら前世で慣れていますからね。
三巳が楽しそうに踊るのを、レオは屋台を物色しながら見守ります。片手に積み上げられていくのは、焼きそばと焼きとうもろこしとじゃがバタとキュウリと多岐に渡ります。そんなに食べるのかと、屋台をやっている山の民が興味深く見ていましたが、レオはそれらに手を付けませんでした。
手に持つ屋台めしの量に満足したレオは近くの岩垣にゆったりと腰掛けます。屋台めしは手を付けずに脇に置きました。
「にゅはー!楽しかったんだよ!」
少しするとニパニパと満足気に笑う三巳が戻って来ました。尻尾は今だに盆踊り気分なのでしょう。ゆらゆらと音頭に合わせて揺れています。
「よう、もう良いのか?」
「うにゅ。楽しかったんだよ。レオは踊んなくて良いん?」
「盆踊り、だったか。俺は三巳が踊ってるの見てるだけで十分楽しめたぜ」
「ぬ?そうか?んふー♪なら良いんだよっ」
「それよか腹減ったろ」
三巳が隣に座ったのを確認したレオは、買って来た屋台めしを渡しました。
「焼きそば!食べるんだよっ」
そうです。良く食べる三巳が運動をしてお腹を空かせ無いわけが無いのです。
レオはそれを見越して物色していたのでした。
「他にもあるから半分こしようぜ」
「半分こ!?レオと!!」
2つ持った箸の1つを三巳に渡し、レオはじゃがバタを割って食べます。
三巳はそれを見てほっぺをポポポと染めて尻尾を大きく振りました。
屋台めしは種類も豊富です。だからこそ半分こなら沢山の種類が食べられるし、何より仲良しの証でもありました。
レオは村の習慣など知りはしません。けれども三巳はレオに仲良しだと思って貰えているようでとってもとっても嬉しくなったのです。
三巳は焼きそばを半分に分けてから食べます。食べ無い分の焼きそば半分を愛おしく感じながら食べています。
「ふへへー♪美味しいんだよっ」
犬歯に青のり付けて笑う三巳に、レオも「ぷっ」と吹き出し、
「そうだな」
と言ってじゃがバタと交換します。
麺に掛かった青のりを見て
(そりゃ、歯に付くわな)
と思い、屋台をサッと見渡しました。
「ちっと待ってろ」
「うにゅう?」
目当ての屋台を見つけたレオはサッ向かいます。そして店主と何やら話して一度三巳に振り返りました。店主も一緒に三巳を見て納得した顔で頷いています。
三巳は何故見られたのか解らず首を傾げます。
レオが店主から受け取った物は2つでした。それを持って戻って来ると2つとも三巳に渡してくれます。
素直に受け取って見たそれは
「オレンジジュースと麦茶?」
飲み物でした。
「食いもんばっかで忘れてたからな。店主に聞いたら三巳ならどっちかだって言ってたけど、合ってるか?」
「!三巳の為!嬉しいんだよ!ありがとレオ!でもレオの分は?」
「俺は余った方で良いさ」
そうです。レオは三巳が気付かない内に青のりを流そうとしているのです。
店主には青のりの事は話していません。三巳だって女の子ですからね。レオも配慮したのです。
そうとは気付かず三巳は2つを見比べて、レオを見ます。
(うーにゅ。レオならどっちだろ。グランならフルーツっぽいけど。じゃがバタ食べた後で焼きそばだからなぁ)
少し考えた後で麦茶をレオに返しました。
「これも半分こにするんだよ」
半分こは仲良しの証です。
三巳はニパリと笑って仲良し返しを選んだのです。
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