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第22話
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「未菜様、行ってらっしゃいませ。」
今日も慌ただしく出て行った未菜様をお見送りし、私ー零斗はひと仕事するために部屋に戻った。
今日は未菜様の誕生日である。
未菜様の誕生日はとても大切な日だ。もちろん、未菜様が生まれた日だから、というのもあるが、私と未菜様が初めて出会った日でもあるからである。
あの日ー
彼女が誕生日であることは知っていた。
しかも何故か私は、誕生日は祝われるべき日であり、他の日は違う特別な日だということまで知っていた。
本当にすごいプログラムだと思う。言ってみれば生まれたばかりの赤ちゃんが誕生日の概念を知っているようなものだ。
本当に様々な知識がこの頭には入っていた。
そのおかげで、未菜様にプレゼントを渡すことを思いついたのである。
私の1番大切なペンダントーいや、2番目に大切なペンダント。
もちろん、1番大切なのは未菜様だ。
そこからはプレゼントできるような大切なものがなくなってしまったため、パーティを行うことにした。
彼女はいつも、肌身離さず私のあげたペンダントを身につけている。
小さい頃の未菜様には大きすぎたので、外していいんですよ、と言ったのだが
「零斗の大事なものは未菜がまもるのぉ!!」
とまたまた泣かれてしまった。
本当に、幼い未菜様を何度泣かせてしまっただろうか。
ただ、今回は。そんなのの比じゃないくらい泣かせてしまうかもしれない。
どうか、うまく、伝わりますように。
今日は例年とは全然違う、特別な18歳の誕生日。
気合いを入れて、零斗は仕事に取り掛かった。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎未菜side♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
さようならー。
終礼と同時に、未菜はいつもより急いで教室を飛び出した。
今日は私の誕生日。
きっと零斗がいつものように待ってくれている。
今日は誰よりも零斗と一緒に居たい日だった。
そっと胸元にさがるペンダントに触れる。
私と零斗が出会えた日。
ずっと一緒にいてくれるって、約束してくれた日。
早く会いたくて、いつも車が止まっている所まで走った。
そこにはいつもと変わらず両親のくれた車が私を待っている。
車に飛び乗り、家までお願い!と叫ぶように言う。
そして、運転席に人のいない見慣れた車が走り出すー
はずだった。
『オマチシテオリマシタ、オオミヤノムスメ……』
次の瞬間、車は一人でに走り出し、驚く間もなく私の意識は遠のいていった。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
その頃。校門付近ではゆっくりと翔平が友人達と下校していた。
「なぁ、翔平。メール来てるぜ?」
「いーの、いーの。誰からか分かってるからさ。」
「なんだぁ、それ、彼女かっ!?彼女なのかぁああああ!?」
囃し立てる友人達の奇声を無難にかわしつつ、そっと携帯を盗み見る。
『第1段階完了ーSALT』
誰にもバレないように、翔平はそっとほくそ笑んだ。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎
その後。
すっかりパーティの準備が整い、零斗は未菜の帰りを今か今かと待っていた。
今回の、いつもと違う試みの準備も万全である。
ー未菜様のため、というより自分のためなんだろう。
でも、それでもしたい、という気持ちを自分の意思だと信じていたいのだ。
…しかし、いつもより帰りが遅い。
辺りはすでに暗くなって来ている。
車の行方を確認しようと意識を集中させた時、何やら自分の脳内に1つ、見たことのない異質なデータを見つけた。
嫌な予感がした。
慌ててデータを解読して引き出すと。
脳内に、廃墟の屋上にいる翔平と、抱きとめられるように翔平に体を預けているグッタリした未菜の画像がくっきりと浮かんだ。
ーキンキュウジタイハツドウ
次の瞬間、零斗の意識は途切れた。
その後、すぐにMO-18は迷わず、一直線に、ある建物へと向かった。
今日も慌ただしく出て行った未菜様をお見送りし、私ー零斗はひと仕事するために部屋に戻った。
今日は未菜様の誕生日である。
未菜様の誕生日はとても大切な日だ。もちろん、未菜様が生まれた日だから、というのもあるが、私と未菜様が初めて出会った日でもあるからである。
あの日ー
彼女が誕生日であることは知っていた。
しかも何故か私は、誕生日は祝われるべき日であり、他の日は違う特別な日だということまで知っていた。
本当にすごいプログラムだと思う。言ってみれば生まれたばかりの赤ちゃんが誕生日の概念を知っているようなものだ。
本当に様々な知識がこの頭には入っていた。
そのおかげで、未菜様にプレゼントを渡すことを思いついたのである。
私の1番大切なペンダントーいや、2番目に大切なペンダント。
もちろん、1番大切なのは未菜様だ。
そこからはプレゼントできるような大切なものがなくなってしまったため、パーティを行うことにした。
彼女はいつも、肌身離さず私のあげたペンダントを身につけている。
小さい頃の未菜様には大きすぎたので、外していいんですよ、と言ったのだが
「零斗の大事なものは未菜がまもるのぉ!!」
とまたまた泣かれてしまった。
本当に、幼い未菜様を何度泣かせてしまっただろうか。
ただ、今回は。そんなのの比じゃないくらい泣かせてしまうかもしれない。
どうか、うまく、伝わりますように。
今日は例年とは全然違う、特別な18歳の誕生日。
気合いを入れて、零斗は仕事に取り掛かった。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎未菜side♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
さようならー。
終礼と同時に、未菜はいつもより急いで教室を飛び出した。
今日は私の誕生日。
きっと零斗がいつものように待ってくれている。
今日は誰よりも零斗と一緒に居たい日だった。
そっと胸元にさがるペンダントに触れる。
私と零斗が出会えた日。
ずっと一緒にいてくれるって、約束してくれた日。
早く会いたくて、いつも車が止まっている所まで走った。
そこにはいつもと変わらず両親のくれた車が私を待っている。
車に飛び乗り、家までお願い!と叫ぶように言う。
そして、運転席に人のいない見慣れた車が走り出すー
はずだった。
『オマチシテオリマシタ、オオミヤノムスメ……』
次の瞬間、車は一人でに走り出し、驚く間もなく私の意識は遠のいていった。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
その頃。校門付近ではゆっくりと翔平が友人達と下校していた。
「なぁ、翔平。メール来てるぜ?」
「いーの、いーの。誰からか分かってるからさ。」
「なんだぁ、それ、彼女かっ!?彼女なのかぁああああ!?」
囃し立てる友人達の奇声を無難にかわしつつ、そっと携帯を盗み見る。
『第1段階完了ーSALT』
誰にもバレないように、翔平はそっとほくそ笑んだ。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎
その後。
すっかりパーティの準備が整い、零斗は未菜の帰りを今か今かと待っていた。
今回の、いつもと違う試みの準備も万全である。
ー未菜様のため、というより自分のためなんだろう。
でも、それでもしたい、という気持ちを自分の意思だと信じていたいのだ。
…しかし、いつもより帰りが遅い。
辺りはすでに暗くなって来ている。
車の行方を確認しようと意識を集中させた時、何やら自分の脳内に1つ、見たことのない異質なデータを見つけた。
嫌な予感がした。
慌ててデータを解読して引き出すと。
脳内に、廃墟の屋上にいる翔平と、抱きとめられるように翔平に体を預けているグッタリした未菜の画像がくっきりと浮かんだ。
ーキンキュウジタイハツドウ
次の瞬間、零斗の意識は途切れた。
その後、すぐにMO-18は迷わず、一直線に、ある建物へと向かった。
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