恋するこだま食堂 〜一膳に詰めた想い〜

Sena

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プロローグ



——あの夜、私は“ここ”に救われた。

ただの偶然だった。けれどそれは、私の世界を変える夜だった。

婚約破棄で心が擦り切れて、どこにも行き場がなかった私を、温かく迎えてくれた場所。

無愛想でぶっきらぼう。
でも、なぜか目が離せない。彼の不器用な優しさが、心の隙間をそっと埋めていくようだった。

ひとくせある店員と、通い慣れた定食屋で少しずつ近づいていく距離。

それがやがて、心に沁みる“甘くて熱い恋”に変わっていくなんて、あのときの私は、まだ気づいていなかった。
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