26 / 33
第二十五話 旅立ち
ロレンスが我を取り戻すのにたっぷり一分ほどの時間を要した。
山ほどの石を見つめて、彼は消え入りそうに呟く。
「……まさか、魔法石?」
「えぇ、これがどれほどの純度のものか、あなたなら分かると思うけど」
アルマーニ侯爵領の英雄であるロレンスだ。
戦場で何度も魔法石を見ているだろうし、その価値も分かるはず。
これからの時代、戦術的に必要なのは魔法だ。と口癖のように言っていたもの。
「こんな、これほどの量、一体どこで」
「私、稀人っていうものらしいの。聞いたことある?」
「……確か、精霊の末裔だとか」
「不思議に思わなかった? 血統主義のお義母様が家格が下の私に一千万の支度金を出したこと」
「……」
侯爵家の実質的な運営をしていたのはお義母様だ。
ロレンスが私を欲しいと言って、お義母様がお金を出したことになるけど、いくら母親絶対主義だったロレンスでも疑問くらい思ったことはあるはずだ。いくら裕福な家だからといって、あの人が家格が下の女に一千万もの支度金を出すことなんてあり得ない。お義母様は私の血を混ぜてポーションを作り、社交界での地位を築き上げた……と、ルガール様から聞いた。
「これ全部で一千万以上の値打ちがあるわ」
「……っ」
ルガール様の所にいた時からコツコツと作り上げた魔法石。
上手く行かなかったものもあるから一千万もあるかは正直怪しい。
本当はその半分くらいかもしれないけど、そこはハッタリも含めていた。
(嘘なんてつきたくないけど……こうでも言わなきゃこの人は頷かないし)
「私たちが政略結婚って言ったわよね」
ハッ、とロレンスは顔を上げる。
「あ、あぁ」
「じゃあ政略結婚の価値がなくなったら、それでおしまいでしょ?」
政略結婚同士で結びついた家は、その価値が無くなれば破談になる。
実際、そうして婚約破棄された事例は何度もあり、私もその例を出してみた。
もちろん私たちの場合は離婚で、アカシア教の戒律のせいで基本的に離婚禁止の法律があるし、婚約破棄のように気軽にできるものではないけど……。
(お義母様の噂が流れている今だから、世間は私たちに味方する)
必要であれば、この人を傷つけても私は離婚したい。
もう、絶対に分かり合えない。
この人は私が許せる一線を越えてしまったから。
「待って……待ってくれ」
ロレンスは縋るように言った。
迷子で震える子供のような顔で懇願する。
「俺はお前が傍にいないと駄目なんだ……だから、ここに居てくれ。頼む」
「……あなた、気付いてる?」
「なにが?」
「あなたは私に此処にいてほしいって言うけれど。私が居なきゃダメだって言うけれど……」
私は容赦なく突き放した。
「『愛している』とは、一回も言っていないのよ」
「……っ!!」
ロレンスの顔に激震が走る。
「ちがっ」
「いいえ、違わないわ」
私は首を振った。
「あなたはただ所有欲を手放せないだけ。私が自分のモノじゃなくなるのが嫌なんでしょう? だから、お義母様から逃げ出してからじゃないと私にも気づかなかった」
「ぁ……」
「私がお義母様にどんな仕打ちを受けたか知ってる?」
顔を洗う洗面器にぞうきんの搾り汁を入れられた。
雑穀パンの中にすり潰した虫が入っていたと知った時はもう食べた後だった。
社交界のパーティーで笑い者にされない日はなかった。
だって、この人が隣にいなかったから。
私は何度も助けを求めた。一緒にパーティーに出てほしいと言った。
それを面倒、嫌いだ、と跳ねのけたのはあなたでしょう。
お義母様にされた嫌がらせを挙げればキリがない。
ほんの一部をロレンスに告げると、彼は悔しそうに唇を歪めて俯いた。
机の上で震える拳がぎゅっと握りしめられた。
「それは、悪かったと思ってる。でも、だから心を入れ替えて」
「あなたが心を入れ替えても、もう遅いわ」
だってもう、気付いてしまったから。
私の気持ちは、この人にはないってことを。
「離婚しましょう、あなた」
「……」
再び沈黙のとばりが降りてきて、私はそっと息をついた。
(……言いたいことは、全部言ったかしら)
ルガール様のことは言っていない。
あの燃えるような口付けの味も、背徳感も、胸にしまい込んでいる。
卑怯だとは思うけど、先に過ちを犯したのはロレンスだ。
(いくらなんでも、ここまで言えば納得してくれるでしょ)
一千万もの支度金は返した。先に浮気したのはあちらのほう。
夜の関係は七年以上持っておらず、姑に虐められた私は被害者といっていい。
デラリス帝国の法律でも、ここまで条件がそろっていれば離婚が認められるはず。
……はずなのだけど。
「いやだ……」
「え?」
ロレンスは唸るように呟き、そして顔を上げた。
「離婚なんてしない。お前は俺のものだ!」
「なっ」
「奥様!」
ロレンスが私を無理やり引っ張ろうとしたその時だった。
私とロレンスの間に光が瞬き、ロレンスは吹き飛んだ。
「ぐぁ!?」
壁に激突したロレンスに私は呆然とする。
ロレンスはうろたえながら私の横を見た。
「そいつは……精霊、か?」
それは光の玉──精霊だった。
私の前に浮かぶ精霊は怒りを表明するように赤く瞬いていた。
「たすけて、くれたの?」
精霊は私の周りを回転し、ぴょん、と目の前で跳ねる。
なんだか喜んでるみたいで、ちょっと嬉しくなる。
ルガール様が遣わしてくれたのかな?
ううん、きっとこれはこの子の意思だ。
「ありがとう、精霊さん」
「精霊ごときが、俺の女を奪うつもりか!」
「あのね、ロレンス。私は「もの」じゃないわ」
さっきまで円満に済まそうとしていた私はもうすっかり冷めてしまった。
暴力は……暴力だけはだめだ。
冗談じゃなくて、本当に怖い。
ロレンスが暴力を使って無理やり私に迫ろうというなら、私にも考えがある。
「あなたが離婚しないというなら、今までのことを法皇庁に訴えるわ」
「……!?」
侯爵としての社交を『面倒だ』と私に押し付けていたロレンスだ。
きっとお義母様がどんな風に言われているかも知らないのだろう。
けれども、英雄として法皇庁の権力は知っている。
お義母様が通報したシェリーを地下牢に閉じ込めたことからも分かるように、法皇庁が介入した侯爵家をどんな風に思うかは想像に難くない。
「お前、俺を脅すつもりか……?」
「さっき私を脅したのはあなたよね?」
ロレンスは黙り込んだ。
私か、侯爵としての地位か。
選択を突き付けた私にロレンスは答えを出した。
「分かった……分かったよ、離婚だ、離婚! さっさと出ていけ!」
「ありがとう。じゃあ準備に何日か貰って……」
「何を言ってる。今すぐ出ていけ! お前はもう俺の妻じゃないんだろう!?」
「……そうね」
(本当は侯爵夫人の仕事の引継ぎがあるのだけど……)
それも要らないと言われたなら、もういいや。
アルマーニ侯爵当主の命令に従った私は離婚誓約書にサインをもらった。
「さようなら、アルマーニ侯爵」
「……」
ロレンスは返事をしなかった。
私は溜息をついて立ち上がり、応接室を出る。
(どうしよう……一日で出て行くとは思わなかったから、荷物を用意してないわ……)
それに、外はもう夜で、真っ暗だ。
真夜中に出て行くなんて夜逃げみたいだし、夜道も危ない気がする。
夜盗に襲われたら私なんてひとたまりもない。
(一日だけ宿に泊まろうかしら。でも荷物は……)
と、そんな私の心を読んだかのようにシェリーが耳元に囁いた。
「奥様、大丈夫です。荷物は全部に準備してあります」
「え?」
「もちろん家具はありませんが、それはあちらで用意して頂くということで!」
茶目っぽく笑うシェリーに私は呆れ混じりに笑った。
「もう、そんなにここが嫌だったの?」
「はい──奥様──じゃなかった、お嬢様に相応しいとは思えませんでした」
シェリーは何日か滞在しても、一日で出て行ってもいいようにどちらも用意していたらしい。
あまりにも用意周到な侍女に私は苦笑するしかなかった。
ありがたい。でも、そんなに嫌な思いをさせていたと思うと申し訳なくも思う。
トランク数台の荷物を引いて私は侯爵家の敷地を出た。
振り返る。十年間過ごしたこの家とも、ようやくお別れだ。
「……さようなら」
悲しみはなかった。寂しさも、怒りすらなかった。
ようやくこの場所から解放される──。
そんな気持ちだけがあって、私の胸は未来への希望が詰まっていた。
私はもう、自由なんだ。
山ほどの石を見つめて、彼は消え入りそうに呟く。
「……まさか、魔法石?」
「えぇ、これがどれほどの純度のものか、あなたなら分かると思うけど」
アルマーニ侯爵領の英雄であるロレンスだ。
戦場で何度も魔法石を見ているだろうし、その価値も分かるはず。
これからの時代、戦術的に必要なのは魔法だ。と口癖のように言っていたもの。
「こんな、これほどの量、一体どこで」
「私、稀人っていうものらしいの。聞いたことある?」
「……確か、精霊の末裔だとか」
「不思議に思わなかった? 血統主義のお義母様が家格が下の私に一千万の支度金を出したこと」
「……」
侯爵家の実質的な運営をしていたのはお義母様だ。
ロレンスが私を欲しいと言って、お義母様がお金を出したことになるけど、いくら母親絶対主義だったロレンスでも疑問くらい思ったことはあるはずだ。いくら裕福な家だからといって、あの人が家格が下の女に一千万もの支度金を出すことなんてあり得ない。お義母様は私の血を混ぜてポーションを作り、社交界での地位を築き上げた……と、ルガール様から聞いた。
「これ全部で一千万以上の値打ちがあるわ」
「……っ」
ルガール様の所にいた時からコツコツと作り上げた魔法石。
上手く行かなかったものもあるから一千万もあるかは正直怪しい。
本当はその半分くらいかもしれないけど、そこはハッタリも含めていた。
(嘘なんてつきたくないけど……こうでも言わなきゃこの人は頷かないし)
「私たちが政略結婚って言ったわよね」
ハッ、とロレンスは顔を上げる。
「あ、あぁ」
「じゃあ政略結婚の価値がなくなったら、それでおしまいでしょ?」
政略結婚同士で結びついた家は、その価値が無くなれば破談になる。
実際、そうして婚約破棄された事例は何度もあり、私もその例を出してみた。
もちろん私たちの場合は離婚で、アカシア教の戒律のせいで基本的に離婚禁止の法律があるし、婚約破棄のように気軽にできるものではないけど……。
(お義母様の噂が流れている今だから、世間は私たちに味方する)
必要であれば、この人を傷つけても私は離婚したい。
もう、絶対に分かり合えない。
この人は私が許せる一線を越えてしまったから。
「待って……待ってくれ」
ロレンスは縋るように言った。
迷子で震える子供のような顔で懇願する。
「俺はお前が傍にいないと駄目なんだ……だから、ここに居てくれ。頼む」
「……あなた、気付いてる?」
「なにが?」
「あなたは私に此処にいてほしいって言うけれど。私が居なきゃダメだって言うけれど……」
私は容赦なく突き放した。
「『愛している』とは、一回も言っていないのよ」
「……っ!!」
ロレンスの顔に激震が走る。
「ちがっ」
「いいえ、違わないわ」
私は首を振った。
「あなたはただ所有欲を手放せないだけ。私が自分のモノじゃなくなるのが嫌なんでしょう? だから、お義母様から逃げ出してからじゃないと私にも気づかなかった」
「ぁ……」
「私がお義母様にどんな仕打ちを受けたか知ってる?」
顔を洗う洗面器にぞうきんの搾り汁を入れられた。
雑穀パンの中にすり潰した虫が入っていたと知った時はもう食べた後だった。
社交界のパーティーで笑い者にされない日はなかった。
だって、この人が隣にいなかったから。
私は何度も助けを求めた。一緒にパーティーに出てほしいと言った。
それを面倒、嫌いだ、と跳ねのけたのはあなたでしょう。
お義母様にされた嫌がらせを挙げればキリがない。
ほんの一部をロレンスに告げると、彼は悔しそうに唇を歪めて俯いた。
机の上で震える拳がぎゅっと握りしめられた。
「それは、悪かったと思ってる。でも、だから心を入れ替えて」
「あなたが心を入れ替えても、もう遅いわ」
だってもう、気付いてしまったから。
私の気持ちは、この人にはないってことを。
「離婚しましょう、あなた」
「……」
再び沈黙のとばりが降りてきて、私はそっと息をついた。
(……言いたいことは、全部言ったかしら)
ルガール様のことは言っていない。
あの燃えるような口付けの味も、背徳感も、胸にしまい込んでいる。
卑怯だとは思うけど、先に過ちを犯したのはロレンスだ。
(いくらなんでも、ここまで言えば納得してくれるでしょ)
一千万もの支度金は返した。先に浮気したのはあちらのほう。
夜の関係は七年以上持っておらず、姑に虐められた私は被害者といっていい。
デラリス帝国の法律でも、ここまで条件がそろっていれば離婚が認められるはず。
……はずなのだけど。
「いやだ……」
「え?」
ロレンスは唸るように呟き、そして顔を上げた。
「離婚なんてしない。お前は俺のものだ!」
「なっ」
「奥様!」
ロレンスが私を無理やり引っ張ろうとしたその時だった。
私とロレンスの間に光が瞬き、ロレンスは吹き飛んだ。
「ぐぁ!?」
壁に激突したロレンスに私は呆然とする。
ロレンスはうろたえながら私の横を見た。
「そいつは……精霊、か?」
それは光の玉──精霊だった。
私の前に浮かぶ精霊は怒りを表明するように赤く瞬いていた。
「たすけて、くれたの?」
精霊は私の周りを回転し、ぴょん、と目の前で跳ねる。
なんだか喜んでるみたいで、ちょっと嬉しくなる。
ルガール様が遣わしてくれたのかな?
ううん、きっとこれはこの子の意思だ。
「ありがとう、精霊さん」
「精霊ごときが、俺の女を奪うつもりか!」
「あのね、ロレンス。私は「もの」じゃないわ」
さっきまで円満に済まそうとしていた私はもうすっかり冷めてしまった。
暴力は……暴力だけはだめだ。
冗談じゃなくて、本当に怖い。
ロレンスが暴力を使って無理やり私に迫ろうというなら、私にも考えがある。
「あなたが離婚しないというなら、今までのことを法皇庁に訴えるわ」
「……!?」
侯爵としての社交を『面倒だ』と私に押し付けていたロレンスだ。
きっとお義母様がどんな風に言われているかも知らないのだろう。
けれども、英雄として法皇庁の権力は知っている。
お義母様が通報したシェリーを地下牢に閉じ込めたことからも分かるように、法皇庁が介入した侯爵家をどんな風に思うかは想像に難くない。
「お前、俺を脅すつもりか……?」
「さっき私を脅したのはあなたよね?」
ロレンスは黙り込んだ。
私か、侯爵としての地位か。
選択を突き付けた私にロレンスは答えを出した。
「分かった……分かったよ、離婚だ、離婚! さっさと出ていけ!」
「ありがとう。じゃあ準備に何日か貰って……」
「何を言ってる。今すぐ出ていけ! お前はもう俺の妻じゃないんだろう!?」
「……そうね」
(本当は侯爵夫人の仕事の引継ぎがあるのだけど……)
それも要らないと言われたなら、もういいや。
アルマーニ侯爵当主の命令に従った私は離婚誓約書にサインをもらった。
「さようなら、アルマーニ侯爵」
「……」
ロレンスは返事をしなかった。
私は溜息をついて立ち上がり、応接室を出る。
(どうしよう……一日で出て行くとは思わなかったから、荷物を用意してないわ……)
それに、外はもう夜で、真っ暗だ。
真夜中に出て行くなんて夜逃げみたいだし、夜道も危ない気がする。
夜盗に襲われたら私なんてひとたまりもない。
(一日だけ宿に泊まろうかしら。でも荷物は……)
と、そんな私の心を読んだかのようにシェリーが耳元に囁いた。
「奥様、大丈夫です。荷物は全部に準備してあります」
「え?」
「もちろん家具はありませんが、それはあちらで用意して頂くということで!」
茶目っぽく笑うシェリーに私は呆れ混じりに笑った。
「もう、そんなにここが嫌だったの?」
「はい──奥様──じゃなかった、お嬢様に相応しいとは思えませんでした」
シェリーは何日か滞在しても、一日で出て行ってもいいようにどちらも用意していたらしい。
あまりにも用意周到な侍女に私は苦笑するしかなかった。
ありがたい。でも、そんなに嫌な思いをさせていたと思うと申し訳なくも思う。
トランク数台の荷物を引いて私は侯爵家の敷地を出た。
振り返る。十年間過ごしたこの家とも、ようやくお別れだ。
「……さようなら」
悲しみはなかった。寂しさも、怒りすらなかった。
ようやくこの場所から解放される──。
そんな気持ちだけがあって、私の胸は未来への希望が詰まっていた。
私はもう、自由なんだ。
あなたにおすすめの小説
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです
唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。
すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。
「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて――
一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。
今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。
あなたの破滅のはじまり
nanahi
恋愛
家同士の契約で結婚した私。夫は男爵令嬢を愛人にし、私の事は放ったらかし。でも我慢も今日まで。あなたとの婚姻契約は今日で終わるのですから。
え?離縁をやめる?今更何を慌てているのです?契約条件に目を通していなかったんですか?
あなたを待っているのは破滅ですよ。
※Ep.2 追加しました。
マルグリッタの魔女の血を色濃く受け継ぐ娘ヴィヴィアン。そんなヴィヴィアンの元に隣の大陸の王ジェハスより婚姻の話が舞い込む。
子爵の五男アレクに淡い恋心を抱くも、行き違いから失恋したと思い込んでいるヴィヴィアン。アレクのことが忘れられずにいたヴィヴィアンは婚姻話を断るつもりだったが、王命により強制的に婚姻させられてしまう。
だが、ジェハス王はゴールダー家の巨万の富が目的だった。王妃として迎えられたヴィヴィアンだったが、お飾りの王妃として扱われて冷遇される。しかも、ジェハスには側妃がすでに5人もいた。
ベールを上げた新郎は『君じゃない』と叫んだ
ハートリオ
恋愛
結婚式で新郎に『君じゃない』と叫ばれたのはウィオラ。
スピーナ子爵家の次女。
どうやら新郎が結婚する積りだったのは姉のリリウム。
ウィオラはいつも『じゃない方』
認められない、
選ばれない…
そんなウィオラは――
中世ヨーロッパ風異世界でのお話です。
よろしくお願いします。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)