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安楽死4
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「離婚ですか。しかし、失礼かも知れませんが、それだけの理由なんですか?」
「それだけって言ってもね。普通の男にとってその後は最悪なもんですよ。惨めと言うほかない扱いを受ける。それが例え、相手に原因があってもね。こっちは男だから」
「お子さん、親権を取られてしまったのですか?」
「当たり前じゃないですか、相手は女ですよ? 俺だって簡単に手放すつもりはなかった。でもね、自分が相談してる弁護士ですらこう言うんですよ、まず親権は女性ですねって。いくら女が不貞しようが、いくら息子が俺の方に懐いていようが関係無い。それがルールなんですって。後は面会の条件が有利になるよう考えましょう、と」
「平等じゃないんですね」
「それだけじゃない。交渉だって酷いもんだ、養育費だって自分の満足いく金額でなければ子供に会いたくないんだ、その程度の気持ちなんだってほざく。でも条件なら俺なんかまだ良い方でしょうね、裁判までは行かずに済んだ。でも、公正証書を書いてしまったらもう逃げられない。泣こうが喚こうが養育費を絞り取られるんだから。相手はあっさりと約束された面会を反故してくるのにさ。息子に会えないのに金だけ取られるんですよ? 拒否すれば即職場に連絡行って給与差押でさ。あ、そうならずちゃんと払ってましたよ? 俺は」
「会えないのに抗う方法は無いんですか?」
「一応は手順があります。あるけど、それをしてどうなるのって話です。そりゃあ改善する人もいるだろうけどって話で。ここまで徹底的に俺を痛めつけてくる人間相手にどんな効果が期待できますかね?」
「酷い話です」
「おまけに離婚が済んだら即これ見よがしに浮気相手と開き直りやがって。ああ、そう言えばこんなこともされたな。俺、DVしてることになってましたよ。住民票や戸籍情報の公開制限を掛ける目的でしょうね。まさに女様は何やっても許されるんだ」
「酷い、本当に酷いですね」
「殺したい。本当のことを言えば殺したい。でもそんなことをしたら息子が人殺しの子になってしまう。あの勝ち誇って俺を見下す顔を見た時、俺の中にこんなにもドス黒くて莫大な殺意があったんだなって驚きました。まるでトラックに撥ねられたように殺意の衝動に意識を持って行かれそうだったのは今でも覚えているし、一生忘れないだろうな。それまで自分のことを穏やかな人間だと思ってたんだけど、危うく飛びかかるところだった」
「耐えたんですね、偉いですね、凄いですね」
女性が目元にハンカチを当ててきたことで大君は涙を流していたことに気付いた。
「それだけって言ってもね。普通の男にとってその後は最悪なもんですよ。惨めと言うほかない扱いを受ける。それが例え、相手に原因があってもね。こっちは男だから」
「お子さん、親権を取られてしまったのですか?」
「当たり前じゃないですか、相手は女ですよ? 俺だって簡単に手放すつもりはなかった。でもね、自分が相談してる弁護士ですらこう言うんですよ、まず親権は女性ですねって。いくら女が不貞しようが、いくら息子が俺の方に懐いていようが関係無い。それがルールなんですって。後は面会の条件が有利になるよう考えましょう、と」
「平等じゃないんですね」
「それだけじゃない。交渉だって酷いもんだ、養育費だって自分の満足いく金額でなければ子供に会いたくないんだ、その程度の気持ちなんだってほざく。でも条件なら俺なんかまだ良い方でしょうね、裁判までは行かずに済んだ。でも、公正証書を書いてしまったらもう逃げられない。泣こうが喚こうが養育費を絞り取られるんだから。相手はあっさりと約束された面会を反故してくるのにさ。息子に会えないのに金だけ取られるんですよ? 拒否すれば即職場に連絡行って給与差押でさ。あ、そうならずちゃんと払ってましたよ? 俺は」
「会えないのに抗う方法は無いんですか?」
「一応は手順があります。あるけど、それをしてどうなるのって話です。そりゃあ改善する人もいるだろうけどって話で。ここまで徹底的に俺を痛めつけてくる人間相手にどんな効果が期待できますかね?」
「酷い話です」
「おまけに離婚が済んだら即これ見よがしに浮気相手と開き直りやがって。ああ、そう言えばこんなこともされたな。俺、DVしてることになってましたよ。住民票や戸籍情報の公開制限を掛ける目的でしょうね。まさに女様は何やっても許されるんだ」
「酷い、本当に酷いですね」
「殺したい。本当のことを言えば殺したい。でもそんなことをしたら息子が人殺しの子になってしまう。あの勝ち誇って俺を見下す顔を見た時、俺の中にこんなにもドス黒くて莫大な殺意があったんだなって驚きました。まるでトラックに撥ねられたように殺意の衝動に意識を持って行かれそうだったのは今でも覚えているし、一生忘れないだろうな。それまで自分のことを穏やかな人間だと思ってたんだけど、危うく飛びかかるところだった」
「耐えたんですね、偉いですね、凄いですね」
女性が目元にハンカチを当ててきたことで大君は涙を流していたことに気付いた。
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