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nandemoE

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最後の恋4

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「言えなかったんだ。臆病だったから。でもそれは朱莉にこっ酷くやられて女が恐くなったとかじゃない。俺自身が、昔から本当に臆病だったんだ。だから、言えずに、目を背けた。全部に」

「臆病で、何が言えなかったの?」

「瑞樹のことが、好きだってことを。昔から、俺は何も言えなかったんだ。本当に好きな相手にだけは」

「そう。それなら良かった」

 瑞樹は黙って目を閉じた。

「35年、少しは報われたのかしら。私の、最後の恋も」

「瑞樹、再婚とかしなかったのか」

「当時はもう40手前だったけどね、これでもまだ口説かれることもあったのよ?でもね、貴方のことを好きな気持ちが、何故かずっと残ってた。消えてくれなかった」

「俺、黙っていなくなってしまったのに?」

「どうしてなのか私にも解らないの。それでも間違いなく、貴方は私の人生の中で特別な存在よ。ずっと、長い間、姿しか見ていない存在だったけれど、もしかしたら、ずっとずっと前から好きだったのかも知れない」

「嘘だろ……? どうして今になって気付いてしまったんだろう。俺も、多分そうだ」

「こんなことってある? 今更こんなに素敵な人に巡り会うだなんて。私、もうお婆ちゃんなのに」

「関係ないだろ、歳は」

「関係あるわよ、だって私はお婆ちゃんなの、そう長く生きられないもの」

「じゃあ、それまで一緒にいようか」

「でも、それじゃあ貴方の人生が」

「じゃあ、こうしよう」

 大君はすっと瑞樹の隣まで移動して、そっとキスをした。

「俺は瑞樹と共にいたいと思う。嫌か?」

「嫌な訳ない。……でも大君くん、絶対後悔する」

「何を今更。俺が今、一番後悔しているのはあの時死のうとしたことだ。そのせいで、瑞樹といられる時間を失った。瑞樹から失わせた。償いなんて言うつもりはないけれど、その時間を取り戻したい。やっぱり、俺にとっても瑞樹は特別な存在だ」

「嬉しい。嬉しくて言葉が出ない。でも」

「でも?」

「どうして私達、こんなに遠回りしちゃったんだろう?」

 瑞樹は笑いながら泣いた。
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