あなたの隣で愛を囁く

ハゼミ

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穿孔

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 さて、カズくんは実は透析患者です。
 入院をする前から、週3回透析をしています。
 そんなカズくんは、あまり弱音を吐かない人です。
「早く治ってバイクに乗らなきゃなぁ」
 そう言っては、おどけて見せます。
「そうだね」
 私もそう言ってカズくんを励ましていました。
 この頃は、まだ透析をしていても仕事もしていたカズくんは、お腹の痛みを我慢しながら頑張っていました。

 私は毎日カズくんのお見舞いに行った。
 カズくんが言うには、お腹の痛みは前よりは少し落ち着いたとの事ですが。
 正直、あまり変わりがない様でした。
 毎日何気ない会話をしていましたが、入院しているだけでも安心していました。
 家にいると、何もできないので。それでなくても透析患者。
 何かあったらと思うと、怖いですから。

 しかし、点滴は取れず。カズくんも心なしか少し痩せてき多様な気がした。
 流石に2週間は、長すぎる。
 私は嫌な予感がして、病院に見舞いに来た時に、丁度看護師さんがいたので聞いてみた。
「あの、ずっと点滴をしていますが、大丈夫でしょうか?」
 すると、看護師の口から出たのはこんな言葉だった。
「そう言うことは医者に聞いてください。」
 私はビックリしてそれ以上は何も聞けなかった。

 それからしばらくして。
 私が仕事をしていると、カズくんから連絡が来た。
「なんか、病棟が変わるんだって」
 私は仕事を早退し、急いで病院に駆けつけた。
 すると既に病棟は移動をした後だった。なんでも、移動したのは外科病棟で。
 そして、カズくんの新しい病室に着いてすぐに、看護師さんに声をかけられた。医師から話があるとのことだった。
「なんの話だろうね」
 カズくんと2人で部屋で待っていると、外科の医師がやってきて、こう言ってきたのでした。
「腸穿孔せんこうを起こしてるから。とりあえずお腹に管を入れて膿を出しましょう。後日手術をします」
 なんと、内科に入院して3週間。内科的な治療の効もなく、腸に穴が開いていると言うのです。
 大丈夫か医者に聞くと、
「大丈夫、手術をすれば治りますよ」
と、言ってくれました。
 手術については、抵抗がありましたが、再び私とカズくんは、安堵しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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