【完結】令嬢はされるがままに

asami

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第六十一話

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 いつも遊びに来ている近所の和恵さんと、いつものように居間でテレビをつけてお茶を飲んでいると「ところで有紀ちゃんフリーマーケットに出す物何かない」と聞かれました。
「何でもいいのよ、いらない物なんでも出せばいいの、使わないタオルとか、コップとか、何でも売れるから」と言われて、全然使っていないオルゴール付の宝石箱を奧から出してきました。
結婚するとき旦那の叔母がお祝いに買ってくれたんですが、ずっと使わないままになっていました。
「あ、これならすぐ売れるわよ600円でどう」と言われてちょっと安すぎる気がしましたが、もう古いものなのでお金になるならいいかと思いました。
「売れたらお金もってくるわね」と言って和恵さんはオルゴール付の宝石箱を持っていきました。
フリーマーケットの当日に朝和恵さんから電話があって、「ちょっとフリーマーケットの売り子手伝ってくれない、一人だとさ、トイレにもいけないじゃない、友達頼んどいたんだけど急に用事できちゃったの」と言われました。
私もせっかくのオルゴール付の宝石箱が売れないと困るので渋谷の代々木公園まで行くことにしました。



 フリーマーケットの会場の公園に行くと、車が沢山ならんでいて出店の準備をしていました。
しばらく出店予定の場所で待っていると和恵さんの車がフリーマーケットで売る品をいっぱい載せて到着しました。
私達はさっそく車から荷物を降ろすと地面にシートを敷いて衣類やタオルなどを見栄え良く並べて客を待ちました。
まだ朝早いせいか客も少なくて見ていってくれる人はほとんどいませんでした。
昼近くになって人通りも増えて人の波がだんだんと多くなってきましたがどうゆうわけか私達の店とは反対側の店に人が流れていってしまいました。
どうしてかしらとよくよく見ると、売り手の女の子が派手な超ミニの服を着て、しきりに客に声をかけていました。
これでは客を取られてしまうはずだと思い和恵さんとも相談して、持ってきたスカートの中から見栄えの言いミニのスカートを選んで着替えることにしました。
和恵さんが「これがいんじゃないの」と言って渡してくれたスカートは高校生が着るようなチェックのミニスカートでした。
私はこんなスカート着てもいいのかしらと思いましたが「売ろうと思ったらこのくらいのスカートははかなきゃダメよ」と言われてそれもそうだと納得しました。
隣の車の陰で着替えてから、今度は「スカートいかがですか、安いですよ、おしゃれなスカートいっぱいありますよ」と客に声を掛けてみると、今度は私達の店の方に客が一杯押し寄せてきました。
私はフリーマーケットにも商売のこつがあるのだと気が付いてなんだか面白くなりました。
「そろそろお昼ご飯を食べたほうがいい時間だと思うけど」と私が言うと、何か買ってきてと頼まれました。
その辺に露天でもでていないかと探してみましたが、どこを見てもフリーマーケットの店ばかりで食べ物の店はありませんでした。
あちこち歩いて、とうとう入り口近くに来て、私はフリーマーケットの事務局に食べ物屋はでていないかと聞いてみました。
すると「フリーマーケットは食べ物屋はでていないから、お弁当を用意ししてきたほうがいいよ、買いに行くならこの先に交差点わたるとウェンディーズがあるから」と教えられました。
私は時間がかかると思いましたが他にしょうがないのでウェンディーズでお昼に食べるものを買いました。
店を出ようとしたとき大きなカメラを持った男性に「ちょっとすみません」と声を掛けられました。
「すいません、写真のモデルお願いしたいんですが、お願いできませんでしょうか」とやけに丁寧な口調で言いながら出した名刺にはフリーカメラマンの肩書きが付いていました。
「よかったら、雑誌に載せる写真撮らせていただきたいんですが、あの読談社の出しているジュニアモードという雑誌なんですけど、すぐ済みますからお願いします」
「いや、雑誌にぴったりですよお嬢さんはほんと、高校生には見えないな、大人びていて」と言われ高校生と間違えられていると気が付きました。
しかしまあ写真が雑誌に載れば話しの種に位はなると思って、写真を撮ってもらうことにしました。
「じゃ、部屋用意してありますからちょっと来て下さいね、いやこのすぐ先だから」と言われて着いていくとラブホテルらしい建物の前に来ました。
「いや、この辺じゃこうゆう所しかなくてね、いや大丈夫写真撮るだけだから」と言われてそれもそうかと思って部屋に入りました。
「じゃ、まず正面向いてね、それからちょっと右足だして、じゃそのまま横向いて」といろいろポーズを取らされて「いや、可愛いね、ほんと可愛い、サイコーだよ」とおだてられながら写真を撮られました。
もうこれだけ撮れば終わりかしらと思っていると「じゃ、もっと可愛い写真撮ろうね、そのスカートちょっと脱いでみよう、大胆な写真も撮ってみようね」と男が言い出すので、どうもこれはおかしいと私は気が付きました。
「私、もう帰りますから」と言って部屋を出ようとすると「ドスケベ女のくせしやがって、このまま帰れるわけねえだろう」と言いながら男が私をベッドに押し倒してきました。
欲望の儀式が始まる予感が、私の身体を襲いました。
私の期待を裏切るように、ゆっくりとした波が私の感触を楽しむように打ち寄せてきました。
これが運命の決めた時だとあきらめの気持ちは、やがてあふれ出る泉を呼び起こしました。
竜巻のような激しい勢いで吹き抜ける嵐の中では、もう逃げることもできませんでした。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
天国にめがけて投げ上げられた私の体は、果てしない天空を昇り続けました。
心を失って燃え続ける私の身体を、男は最後の一撃きで貫きました。
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