【完結】婚約破棄するということは覚悟はできているのでしょうね?

asami

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 声の主は王太子のようだった。「わかりました。今開けます。」
ガチャッ
「久しぶりだな、元気にしてたか?」
「はい、おかげさまで。それで今日は何の御用でしょうか?」
「ああ、お前に紹介したい人がいる。」
「紹介したい人ですか?」
「そうだ。入ってこい。」
王太子の後ろに人が立っていることに気づいた。
「えっと……どなたでしょうか?」
「俺はアベルという。よろしく頼む。」
「はい、こちらこそ。ところで、どのようなご要件でここに来たんですか?」
「実はな、セシリア、お前にこの国の騎士にならないか誘いに来たのだ。」
「えっ?」
「もう一度言うぞ、騎士になれ。」
「いや、聞こえていましたけど……。えっ?どういうことですか?そもそもなぜ私が?」
「まぁ、順番に説明しよう。まず第一に、セシリアは聖女になっただろう?そして第二に、聖女になった者は国の重要な役職に就くことが決まっている。第三に、聖女に勝ったものは聖女の護衛になれるからだ。第四に、聖女に勝ったものが他の職についていたら周りからの反発があるかもしれないからだ。第五に、聖女は国の宝であり、他国に渡すわけにはいかないからだ。第六に、聖女になれば国からかなりの額の報酬が出る。第七に、聖女の権力はかなり大きいものだ。第八に、お前はこの国の事を嫌っているだろう?第九に、この国は実力主義だ。第十に、お前なら強くなれると知っているからだ。」
「……」
「わかったか?」
「つまり、拒否権はないということですね。」
「そういうことだ。」「それでは私はこれから騎士団の方に向かいます。」
「ああ、待ってくれ。騎士団に行く前にこれを渡しておく。」
そう言って渡されたのは銀色のプレートがついたネックレスだった。
「これはなんだ?」
「それは身分証のような物だ。それを首にかけていれば騎士団の中でもそれなりの地位に着くことが出来るはずだ。」
「ありがとうございます。」
「あともう一つ、この事は誰にも言わないようにしてくれ。」
「わかりました。それでは行ってきます。」
「おう、頑張って来いよ。」
私は騎士団に向かった。私が訓練場に入るとそこには多くの騎士がいた。
私はその中から一番強そうな人に話しかける。
「すみません。私は本日ここに配属することになったセシリアと言います。あなたは誰ですか?」
「ん?俺のことを知らないのか?」
「はい、知りませんでした。」「そうか、俺はロイドと言う。一応団長をしている。」
「へぇー。それじゃあ、ロイドさんは強いんですね。」
「そんなことはないさ。ただ経験を積んできただけだ。それより、まずは自己紹介をしてくれないかな?」
「あっ、はい!私はセシリアです!よろしくお願いします!」
「うん、よろしく。それじゃあ早速だが模擬戦を始めようか。」
(あれ?自己紹介しただけなのに?)
「それじゃあ行くぞ!」
こうして私の新しい生活が始まったのであった。
セシリアが去った後、ロイドは自分の部下達にこんなことを言っていた。
「あいつを絶対に怒らせるなよ!絶対だぞ!」
こうして、聖女が来てから数日が経ち、今は学園の授業中だ。
「今日は久しぶりに魔法の練習をするわよ!みんな外に出なさい!」その言葉を聞き生徒達は嬉しそうだ。なぜなら今までずっと座学だったからな。
生徒達が全員出たのを確認し先生が話し始めた。
「魔法を使う時は魔力操作がとても重要になってくるの。だから今日はみんなの魔力を見てあげるわ。」
すると一人の男子生徒が手を挙げた。
「せんせー質問でーす。どうやって見るんですかー?」
「いいところに気づいたわね。見てみたかったのよねー。」
「どうするの?」
「ふっふっふ、よく聞きました。そこでこれの登場よ!」
先生が出したのは水晶玉だ。
「おおー!」
生徒達から歓声が上がる。
「この魔道具はね、触れている人の魔力を見ることができるのよ。しかもこの水晶は特別製でね、他人の魔力を見ることも出来るのよ。」「すごーい!」「私もやってみたい!」などと言った声が上がった。
「はい、静かにしてちょうだい。順番で並んでね。」
そしてついにセシリア達の番が来た。
「次、セシリアちゃんとアベル君。こっちに来てくれる?」二人は呼ばれたため前に出る。
「それじゃあアベル君はこの水晶に触れてくれる?」
「わかった。」
そう言って触れると水晶の中に文字が出てきた。
名前:アベル・ローナ
Lv.1 体力 100/100 魔力 10000/10000 攻撃力 10 防御力 15 素早さ 5 運 6 スキル 火属性適性LV.MAX 水属性適性LV.2 風属性適性LV.3 土属性適性LV.2 光属性適性LV.4 闇属性適性LV.1 無属性適性LV.2 称号 なし
「……え?」
「ど、どうかしたかしら?」
「いえ、なんでもありません。」
そう言ってセシリアは下がった。
(おかしい。どうしてステータスが高いんだ?それに、このスキルの数……。)
その後セシリアの番になり、同じように鑑定をした。
名前:セシリア・デクルー
年齢:15歳
種族:人族
性別:女性
状態:健康 レベル1 HP 80 MP 12000/1200000 攻撃力 20 防御力 12 素早さ 8 運 412 スキル 全属性適正 神眼 隠蔽 身体強化Lv5 アイテムボックス 剣術Lv3 武術Lv2 経験値増加 言語理解 加護 女神の寵愛 精霊王の祝福
「…………」
先生が黙ってしまった。
「あのー先生?どうしましたか?」
「……ごめんなさい。ちょっと驚いてしまったわ。本当に二人ともすごい数値ね。これは将来有望だわ。」「ありがとうございます。」
「それじゃあ次は外でやりましょうか。」
そう言われて外に向かう時、後ろから誰かに肩を叩かれた。振り返るとそこにはロイドがいた。
「おい、大丈夫か?」
「ロイドさん!おはようございます。」
「ああ、それより何があったんだ?お前らしくないじゃないか。」
「実はですね、今日の授業の時に自分のステータスを見たんですけど、その時の数値がおかしかったんですよ。それで少し気になってしまって。」
ロイドは驚いた顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻った。
「なるほどな。それはおそらくだが、スキルの影響だろうな。」
「やっぱりそうなりますよね。でも、こんなにも効果があるものなんですか?」
「普通はありえないな。多分セシリア嬢が持っているスキルの効果だと思うぞ。」
「え!?︎そんなのあるんですか?」
「ああ、だがレア中のレアだからな。俺も聞いたことがないな。まぁ心配しなくてもいいんじゃないか?」
「だと良いのですが……」
「はっはっは、お前ならなんとか出来ると思うぞ!」
「うーん、わかりました。頑張ってみます。」こうして二人は外に出た。
まず最初に先生は生徒達にこう言った。
全員で魔法を使ってみよう。ただし攻撃魔法はダメよ。結界を張るからその中で魔法を使うようにしてね。と言ってきた。生徒達はそれぞれ魔法を使い始めた。
すると先生は感心したような声を出した。魔法は使えるみたいね。じゃあ次は魔力操作の練習をしましょう。みんな、手を繋いで輪を作ってくれるかな?と言われたので、生徒達が全員で繋いだところで先生が話し出した。
今から私が魔力を流し込むからそれを体全体に循環させるようにイメージしてみてね。と言ってきた。そして次の瞬間、体に何かが流れ込んできた。その流れてくるものは、血管を通る血液のように全身に行き渡った。
次に先生が、魔力を流すのをやめるから、今度は体内で魔力を動かす練習をしてね。と言った直後、また大量の魔力が流れてきた。しかし今回は先程と違い、ゆっくりとした速度で流れていた。
これを三回繰り返したところでやめた。
では、もう一度手を握ってくれるかな?と言われ、再び全員が手を繋ぎ、先生が魔力を流し込んだ。そして終わった後、最後に言われた言葉がこれだった。
「はい、今日はこれで終わりです。お疲れ様でした。」
「えぇーもう終わりなのかー?」
「もっとやりたい~。」などと言った不満の声が上がった。
「ごめんなさいね。でもこれ以上は時間がないのよ。次からはもう少し早く終わるようにするから我慢してくれるかしら?」
そう言われると何も言い返せなかった。
「はい、わかりました。」
「うん、ありがとう。それじゃあ教室に戻りましょうか。」そう言ってみんなで校舎に向かって歩きだそうとした時、後ろの方からアベルに声をかけられた。
「アベル君、ちょっと話があるんだけどいいかしら?」
「はい、大丈夫ですよ。」
「じゃあこっちに来てもらえる?」そう言って連れていかれたのは、校庭の端っこにある大きな木の下だった。そこで先生が立ち止まったので、アベルが口を開いた。
「それで?一体何の用でしょうか?」
「単刀直入に聞くわね。あなたは何者?」
「はい?どういうことですか?」
「そのままの意味よ。あなたのステータスが普通の人より高い気がするから聞いてみただけよ。」
「……確かに俺は他の人よりステータスが高いかもしれませんが、それがどうかしましたか?」
「そう……じゃあもう一つ質問させてちょうだい。これは勘なのだけれど、あなたは転生者じゃない?」「……」アベルは何も答えなかった。しかしその沈黙こそが肯定を示していた。
「やっぱりそうなのね。それなら納得できるわ。この世界には魔法は存在しないはずなのに、どうして使えるのか不思議に思っていたのよ。それに剣術だって、ステータスを見た限り初心者とは思えない動きをしていたしね。」そこまで言うと先生はこちらを向いて微笑んできた。
「セシリアさん、驚かせてしまってごめんなさいね。でも私はどうしても確かめたかったのよ。だから許してほしいのだけど、ダメかしら?」
「いえ、別に構いませんよ。ただ、このことは秘密にしておいてくださいね。」
「もちろんわかっているわ。約束します。さて、そろそろ戻りましょうか。」
こうして二人とも校舎の中に入っていった。
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