【完結済み】あなたが一番嫌いなものは存じておりますのでそれをたくさんあなたにお届けいたしましょう

asami

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第八十話

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 古いレストランがありました。このレストランは一世代前に流行していたが、今では廃れてしまい、誰もその店に立ち寄ることはありませんでした。しかし、ある晩、町に新しく引っ越してきた若いカップルが、このレストランでディナーをとることに決めました。カップルはそのレストランが古びた趣があって、むしろ興味深いと感じていました。

レストランの中に入ると、誰もいない静かな雰囲気が広がっていました。テーブルは埃をかぶっており、古いメニューが棚に並んでいました。ウェイターもいないようで、カップルはそのままテーブルに座り、料理を注文しました。

料理が運ばれてくると、どれも美味しそうに見えました。特に一品、シェフの特製料理とされる「絶品ステーキ」は、カップルにとって非常に魅力的でした。二人はその料理を楽しみながら、古びたレストランの雰囲気に浸っていました。

しかし、料理を食べ進めるうちに、カップルは奇妙なことに気づき始めました。料理の中に、異様に冷たい部分があることを感じたのです。最初は気のせいかと思ったものの、その冷たさが次第に強くなっていきました。さらに、食事を進めるうちに、カップルはレストランの中で奇妙な音を聞き始めました。音はまるで、誰かがどこかで密かに囁いているかのようでした。

料理を食べ終えた後、カップルはレストランの外に出ようとしましたが、ドアが突然開かなくなっていることに気づきました。彼らは最初は困惑し、ドアを何度も押しましたが、全く開く気配がありませんでした。パニックに陥ったカップルは、レストランの中を探し回り、出口を見つけようとしました。

その時、突然、レストランの照明が消え、部屋の中は真っ暗になりました。彼らが恐怖に駆られていると、暗闇の中から低い声が聞こえてきました。「ようこそ、最後の晩餐へ」と。その声はとても冷たく、耳にこびりつくようでした。

恐怖で震える二人は、懐中電灯を探し出し、その光でレストランの中を照らしました。しかし、照明が点いた瞬間、彼らの目に飛び込んできたのは、レストランの中に無数の不気味な影が立ち並んでいる光景でした。それらの影は、まるで何年も前の客たちがそのままそこにいるかのようでした。

カップルは叫び声を上げ、再びドアを開けようとしましたが、全く開きません。彼らが絶望しながらもドアを叩き続けていると、突然、影たちが動き出し、彼らの周りに集まってきました。その影たちは一様に冷たく、目も合わさず、ただじっと見つめているだけでした。

ついに、カップルの中の一人が意識を失い、もう一人が恐怖に駆られながらも絶望的な状況から脱出しようと必死になりました。しかし、その夜が明けることはありませんでした。翌朝、町の人々がレストランのドアを開けると、中には誰もいないことが確認されました。テーブルの上にはまだ食べかけの料理と、不気味な静けさだけが残されていました。

その後、レストランは完全に閉鎖され、その場所は長い間誰も近づかないようになりました。町の人々はそのレストランにまつわる恐怖の話を語り継ぎ、夜には決して近づかないようにしました。古びたレストランは、そのまま忘れ去られたまま、恐怖の記憶だけが残されることになったのです。

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