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一章
少女の勇気と、身を焦がす男
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緊迫した話し合いから一転、ゼルドの突拍子もない行動によって可笑しな空気になってしまったその場は、レライの解散の言葉でお開きとなった。
始業の鐘は、あと半刻程で響き渡るだろう。この場にロゼの上司であるリデナスもいる為、もし朝の集合に遅れてしまったとしても叱咤を受けることはないだろうが、遅れることはロゼの主義に反する。なので早く部屋に戻り、用意してある軽い朝食を取って集合時間に間に合わせなければならないのだが……。
「ちょっと、ちょっと。ロードさん」
「このまま行けばいいだろう。お前も歩かなくて済む」
「違いますよ。もう根本的に問題提起が違うんですよ。私は常識を身に着けてほしいと言っているんです!」
眠そうなレライに部屋からの退散を促され、ロゼを片腕に抱えたまま退出しようとするゼルドを真顔で静止した。先程までは羞恥で震えていたが、この男にそんな態度ではやられてばかりだということを最近学習したのだ。この抱き上げるという行動がロゼにとって嬉しくない訳がないが、ロゼは常識を考えられる人間なのだ。朝っぱらからいちゃつくようにして男に抱き上げられる自分など、他の隊員にとってはお目汚し以外の何ものでもないだろう。
そう思ってゼルドに声を掛けたのだが、この男は気にした風でもなく頓珍漢な回答をする。ロゼにとって幸運だったのは、ゼルドに抱きかかえられているため、彼の祖父であるジルがにやけ面で二人を見つめているのに気づかなかったことだ。果たしてそれを幸運と呼んでいいのかは分からないが、もし気付いていたら間違いなく羞恥で震えるどころでは済まなかっただろう。
ロゼが身体を彼の腕から引き抜こうとじたばたさせている間にも、ゼルドは第一師団長の執務室を出て廊下へと歩き出す。
「暴れるな。……それに、こうしていれば顔が近づいて話しやすいだろう」
「そ、それはそうですが。近すぎませんか」
「普通だ。いつもが遠いだけだ」
いつもが遠いだけ。
確かに、二人の体格差のせいでロゼとゼルドの顔はいつも遠い。唯一近くなるのは、ゼルドが屈んだ時と、ロゼを今のように抱き上げた時だ。
そう考えると、急に離れることへの寂しさを感じてしまう。それと同時に、常識にこだわって可愛げもなく拒否をする自分はこの男の目にどう映っているのかと不安になってしまう。
「――?どうした」
急に抵抗をやめたロゼの顔を見ようと、ゼルドが小さな顎に手を掛けようとする。ロゼはその手が自分に触れる前に彼の筋肉質な首に両腕を回し、首筋に顔を埋めた。
「――ロゼ、」
「二人の時なら」
もごもごと首筋でしゃべるロゼの吐息が直に当たり、男の肌を粟立たせる。途端に情欲の色を榛の瞳に宿した男に、だがしかし話すことで精いっぱいなロゼは気が付かない。
「二人の、時なら。………………こうしてほしいです」
告白は、まだできそうにない。でもこうして、直接的な言葉以外で、彼に伝えることはできる。
子どもが親に縋りつくようだと、自分でも思った。それが恥ずかしいとも思う。しかしそれでも、色恋のことなど何一つわからなくても、今はただ伝えられるだけの気持ちを伝えたかった。
「いいのか」
「はい」
「……違う、そうではない。そうではなくて――」
「…………――――あ、あなたに。あなたにしか、望みません」
いつの間にか移動したのか、二人は廊下のひときわ大きな柱の、その陰にいた。先程まで二人の様子を窺っていたジルはいない。早朝のこの時間、隊員の部屋などない第一棟の東側、それも師団長執務室のあるここ最上階に出入りする者はいなかった。西棟から聞こえる隊員同士の朝の挨拶も、棟近くに住み着く鳥の鳴き声も、全てが遠い。そんな場所だからこそ、ロゼは勇気を出せたのかもしれなかった。
ロゼの胴体を支える腕に、その拳に力が入るのが分かった。これだけ密着しているのだ、互いの息遣いも、小さな動作も、鼓動さえも感じる。自身を支える男の反応に、ロゼは目を強く瞑った。
―――今は、こんな話をしている場合じゃないのかもしれません。それは分かっています。私は組織に狙われ、近々行われる舞踏会では気を抜くことなどとても許されていない立場にいる。
告げる時を、誤ったかもしれない。そう思った。
いつものように可愛げのない反応をして、彼から離れるべきだった。
「……すみません、今言うことではなかったですね。こんな時に、こんな重い話されてもって感じですよね!」
拒絶の言葉を聞きたくないとばかりに、臆病なロゼは明るい声音で話を切り上げようとする。ゼルドの首筋から顔を上げ、無理やりに作り上げた笑顔を彼に見せようとした。今はとにかく、この場から去りたいという思いばかりが胸の中で渦巻いていた。
そしてロゼは、その場で固まった。
「――――いいのか、本当に」
「……っぇ、」
「いいのかと聞いている」
鼻先が触れるほどの距離でこちらを覗き込む、瞳孔の開いた榛の瞳。窓から差し込む朝日に照らされて輝くその目には、期待と、狂おしいほどの熱と、……そして朝日のような眩さとは真逆の昏い渇望が渦巻き、鋭い視線でもってロゼの全身を犯すようだった。
予想したのとは異なる展開に、そしてロゼに対する飢えを隠そうともしないその瞳に、小さな身体を強張らせる。
男から目が離せずただ固まるだけの少女の首筋に、節くれだった長い指が添えられていく。小指から添えられた手はやがて掌全体でロゼの首を覆い、次第に柔らかく力の強さを増していく。
首は、人体の急所。その事が、何故かロゼの頭に過ぎ去った。
「決めたことを反故にするのは許さない。口にしてしまえば、お前には俺から逃れようとする口実さえも無くなる。それが無くなれば、逃れようとする心も意思さえも、全てが俺のものになる」
宣告のようにして響き渡る低い声は、ゼルドの鋭い眼光と共にロゼの脳裏に焼き付く。
警鐘がなっている。頭の中で。遠い、意識の中で。この男は危険だと、本能が告げている。
それでも。
「…………全てを、あなたのものにしてくれるのですか?」
今ロゼを包むのは、深い陶酔感。普段のロゼなら絶対に口にしないような言葉を、今はその桃色の小さな唇から紡ぎ出している。
何故これほどまでに大胆な発言をしたのか、ロゼ自身も分かっていなかった。ただ、自分に絡みつくような視線を向けるこの男が、自分が男から逃げようとすることを前提に話していることを理解した。
そしてそれを恐れ、自らが話した事にも関わらず、あるはずのない未来を思って痛みに苦しむような感情を一瞬瞳に宿したことも。
それをとらえた瞬間、ロゼには今まで悩んでいたことがとても些細な事のように思えた。
―――彼は私を、大切にしてくれている。愛してくれている。私も、彼を好き。ならそれだけでいいじゃないか。
心の中にあった覚悟が、より一層強固なものとなる。
これは一時期の陶酔感などでは決してないと、ゼルドを正面から見つめ返すロゼの瞳が物語っていた。
「――っ」
ゼルドは苦しそうに、何かを耐えるようにくしゃりと顔を歪ませ、ロゼの首筋に――優しく、嚙みついた。
「っぁ、――」
不思議と痛みは感じなかった。恐らく顎の力を限界の理性でもってなんとか調整しているのだろう。ぬるりと表面を這い、時折沈み込む鋭利な歯は、ロゼを傷つけることはなかった。
首に、鎖骨にと与えられる熱を帯びた刺激に目を潤ませながらロゼは身を震わせていた。
ふと刺激が与えられなくなり、ゼルドの顔が離れた気配がした。しかし熱い吐息が、未だにロゼの肌を掠めている。ゼルドは逃がさないとばかりにロゼの顎を捉え、自身に向けさせた。
「――その言葉、努々忘れるな。全て事が片付いたら、跡形もなく貪りつくしてやる」
逃げるなよ。
低く掠れた声をロゼの耳に吹き込み、男は上気した顔を歪めて笑った。それは初めて見るゼルドの笑顔だったが、彼の全身から溢れ出す壮絶な色気に中てられたロゼはそれどころではなかった。先程の大胆な発言をしていた時の勢いはどこへやらといった様子で、口をはくはくとさせながらも身体をぎゅっっと縮こまらせている。ロゼとしては思いを伝えることに精いっぱいで、大胆な発言をしたその先を考えていなかったのだ。
少しの後悔が発火したような熱さの思考回路に過るも、もう遅い。言質を取られてしまっては、あとは与えられる思いに精いっぱいに返すしかないだろう。
ゴー―――……ン
始業の鐘の音が、ひとつ、ふたつと鳴り渡る。
一日は、まだ始まったばかりだった。
始業の鐘は、あと半刻程で響き渡るだろう。この場にロゼの上司であるリデナスもいる為、もし朝の集合に遅れてしまったとしても叱咤を受けることはないだろうが、遅れることはロゼの主義に反する。なので早く部屋に戻り、用意してある軽い朝食を取って集合時間に間に合わせなければならないのだが……。
「ちょっと、ちょっと。ロードさん」
「このまま行けばいいだろう。お前も歩かなくて済む」
「違いますよ。もう根本的に問題提起が違うんですよ。私は常識を身に着けてほしいと言っているんです!」
眠そうなレライに部屋からの退散を促され、ロゼを片腕に抱えたまま退出しようとするゼルドを真顔で静止した。先程までは羞恥で震えていたが、この男にそんな態度ではやられてばかりだということを最近学習したのだ。この抱き上げるという行動がロゼにとって嬉しくない訳がないが、ロゼは常識を考えられる人間なのだ。朝っぱらからいちゃつくようにして男に抱き上げられる自分など、他の隊員にとってはお目汚し以外の何ものでもないだろう。
そう思ってゼルドに声を掛けたのだが、この男は気にした風でもなく頓珍漢な回答をする。ロゼにとって幸運だったのは、ゼルドに抱きかかえられているため、彼の祖父であるジルがにやけ面で二人を見つめているのに気づかなかったことだ。果たしてそれを幸運と呼んでいいのかは分からないが、もし気付いていたら間違いなく羞恥で震えるどころでは済まなかっただろう。
ロゼが身体を彼の腕から引き抜こうとじたばたさせている間にも、ゼルドは第一師団長の執務室を出て廊下へと歩き出す。
「暴れるな。……それに、こうしていれば顔が近づいて話しやすいだろう」
「そ、それはそうですが。近すぎませんか」
「普通だ。いつもが遠いだけだ」
いつもが遠いだけ。
確かに、二人の体格差のせいでロゼとゼルドの顔はいつも遠い。唯一近くなるのは、ゼルドが屈んだ時と、ロゼを今のように抱き上げた時だ。
そう考えると、急に離れることへの寂しさを感じてしまう。それと同時に、常識にこだわって可愛げもなく拒否をする自分はこの男の目にどう映っているのかと不安になってしまう。
「――?どうした」
急に抵抗をやめたロゼの顔を見ようと、ゼルドが小さな顎に手を掛けようとする。ロゼはその手が自分に触れる前に彼の筋肉質な首に両腕を回し、首筋に顔を埋めた。
「――ロゼ、」
「二人の時なら」
もごもごと首筋でしゃべるロゼの吐息が直に当たり、男の肌を粟立たせる。途端に情欲の色を榛の瞳に宿した男に、だがしかし話すことで精いっぱいなロゼは気が付かない。
「二人の、時なら。………………こうしてほしいです」
告白は、まだできそうにない。でもこうして、直接的な言葉以外で、彼に伝えることはできる。
子どもが親に縋りつくようだと、自分でも思った。それが恥ずかしいとも思う。しかしそれでも、色恋のことなど何一つわからなくても、今はただ伝えられるだけの気持ちを伝えたかった。
「いいのか」
「はい」
「……違う、そうではない。そうではなくて――」
「…………――――あ、あなたに。あなたにしか、望みません」
いつの間にか移動したのか、二人は廊下のひときわ大きな柱の、その陰にいた。先程まで二人の様子を窺っていたジルはいない。早朝のこの時間、隊員の部屋などない第一棟の東側、それも師団長執務室のあるここ最上階に出入りする者はいなかった。西棟から聞こえる隊員同士の朝の挨拶も、棟近くに住み着く鳥の鳴き声も、全てが遠い。そんな場所だからこそ、ロゼは勇気を出せたのかもしれなかった。
ロゼの胴体を支える腕に、その拳に力が入るのが分かった。これだけ密着しているのだ、互いの息遣いも、小さな動作も、鼓動さえも感じる。自身を支える男の反応に、ロゼは目を強く瞑った。
―――今は、こんな話をしている場合じゃないのかもしれません。それは分かっています。私は組織に狙われ、近々行われる舞踏会では気を抜くことなどとても許されていない立場にいる。
告げる時を、誤ったかもしれない。そう思った。
いつものように可愛げのない反応をして、彼から離れるべきだった。
「……すみません、今言うことではなかったですね。こんな時に、こんな重い話されてもって感じですよね!」
拒絶の言葉を聞きたくないとばかりに、臆病なロゼは明るい声音で話を切り上げようとする。ゼルドの首筋から顔を上げ、無理やりに作り上げた笑顔を彼に見せようとした。今はとにかく、この場から去りたいという思いばかりが胸の中で渦巻いていた。
そしてロゼは、その場で固まった。
「――――いいのか、本当に」
「……っぇ、」
「いいのかと聞いている」
鼻先が触れるほどの距離でこちらを覗き込む、瞳孔の開いた榛の瞳。窓から差し込む朝日に照らされて輝くその目には、期待と、狂おしいほどの熱と、……そして朝日のような眩さとは真逆の昏い渇望が渦巻き、鋭い視線でもってロゼの全身を犯すようだった。
予想したのとは異なる展開に、そしてロゼに対する飢えを隠そうともしないその瞳に、小さな身体を強張らせる。
男から目が離せずただ固まるだけの少女の首筋に、節くれだった長い指が添えられていく。小指から添えられた手はやがて掌全体でロゼの首を覆い、次第に柔らかく力の強さを増していく。
首は、人体の急所。その事が、何故かロゼの頭に過ぎ去った。
「決めたことを反故にするのは許さない。口にしてしまえば、お前には俺から逃れようとする口実さえも無くなる。それが無くなれば、逃れようとする心も意思さえも、全てが俺のものになる」
宣告のようにして響き渡る低い声は、ゼルドの鋭い眼光と共にロゼの脳裏に焼き付く。
警鐘がなっている。頭の中で。遠い、意識の中で。この男は危険だと、本能が告げている。
それでも。
「…………全てを、あなたのものにしてくれるのですか?」
今ロゼを包むのは、深い陶酔感。普段のロゼなら絶対に口にしないような言葉を、今はその桃色の小さな唇から紡ぎ出している。
何故これほどまでに大胆な発言をしたのか、ロゼ自身も分かっていなかった。ただ、自分に絡みつくような視線を向けるこの男が、自分が男から逃げようとすることを前提に話していることを理解した。
そしてそれを恐れ、自らが話した事にも関わらず、あるはずのない未来を思って痛みに苦しむような感情を一瞬瞳に宿したことも。
それをとらえた瞬間、ロゼには今まで悩んでいたことがとても些細な事のように思えた。
―――彼は私を、大切にしてくれている。愛してくれている。私も、彼を好き。ならそれだけでいいじゃないか。
心の中にあった覚悟が、より一層強固なものとなる。
これは一時期の陶酔感などでは決してないと、ゼルドを正面から見つめ返すロゼの瞳が物語っていた。
「――っ」
ゼルドは苦しそうに、何かを耐えるようにくしゃりと顔を歪ませ、ロゼの首筋に――優しく、嚙みついた。
「っぁ、――」
不思議と痛みは感じなかった。恐らく顎の力を限界の理性でもってなんとか調整しているのだろう。ぬるりと表面を這い、時折沈み込む鋭利な歯は、ロゼを傷つけることはなかった。
首に、鎖骨にと与えられる熱を帯びた刺激に目を潤ませながらロゼは身を震わせていた。
ふと刺激が与えられなくなり、ゼルドの顔が離れた気配がした。しかし熱い吐息が、未だにロゼの肌を掠めている。ゼルドは逃がさないとばかりにロゼの顎を捉え、自身に向けさせた。
「――その言葉、努々忘れるな。全て事が片付いたら、跡形もなく貪りつくしてやる」
逃げるなよ。
低く掠れた声をロゼの耳に吹き込み、男は上気した顔を歪めて笑った。それは初めて見るゼルドの笑顔だったが、彼の全身から溢れ出す壮絶な色気に中てられたロゼはそれどころではなかった。先程の大胆な発言をしていた時の勢いはどこへやらといった様子で、口をはくはくとさせながらも身体をぎゅっっと縮こまらせている。ロゼとしては思いを伝えることに精いっぱいで、大胆な発言をしたその先を考えていなかったのだ。
少しの後悔が発火したような熱さの思考回路に過るも、もう遅い。言質を取られてしまっては、あとは与えられる思いに精いっぱいに返すしかないだろう。
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