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第74話 一夜明けて
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翌朝はとても晴れており、旅路にはふさわしい日であった。
疲れからか、ハンナたちが遅い起床を迎えても、それを咎める者など居はしない。
ハンナたちは功労者なのだ。
多少目覚めることが遅かったとしても、それが何だというのだろう。
片付けなど自分らに任せて欲しい。
そう街の人々は思っていたに違いない。
宴席の前とは別の活気をすり抜けながら、ハンナたちは街を歩いていた。
別段、街に残る理由も見当たらない。
準備を済ませてしまえば、出発するつもりであった。
街を出る前に目に焼きつけておこうと、三人は城塞の上部へと来ていた。
やはり風が強い。
押さえておかないと帽子が飛ばされそうだ。
「へえ、良い眺めじゃない」
ノエルが素直に感嘆の声をあげる。
ハンナとクレイも、それについては否定しない。
ここから見る眺めは素晴らしい。
こういうのを、突き抜けるような眺めと表わすのだろうか。
見下ろす草原と畑。そして空と雲。
地平線を分けて見える青と緑は、絶景としか言いようが無い。
「なんだかあそこで戦っていたのが夢みたいね」
そうハンナが言った。
穏やかな景色に争った形跡はまったくみられない。
ハンナの言う通り、何も無かったように思われる。
だが、自分たちは覚えている。
アヤカシがこの街へと押し寄せて来て、自分たちがそれに対抗したのは事実なのだ。
それは夢や幻なんかではない。
「夢なんかじゃないわよ。わたしの手柄を嘘なんかしてもらっちゃ困るわね」
「わたし、ではなく私たちだろ」
「細かいわね」
ノエルの言うことも最もだ。
それなりに骨は折ったのだから忘れてもらっては困る。
いや、魔女や従士が恩着せがましいのは良くないのかもしれないが。
少なくとも、街の人は感謝しているようである。
行き交う人々は、ハンナやノエルの三角帽子を見ると、みな一様に敬意を表わしてくれる。
それは他の魔女でも同じであった。
見世物のようで良くないとハンナは言っていたが、尊敬の念は本物だったようである。
「良い景色だろ?」
しばしそこで眺めていたら、片付けをしていた衛兵が近づいてきた。
彼らも視線は遠くを眺めている。
「あんたら守ってくれたんだぜ、この眺め」
「おおよ。おかげで俺らは暇でしょうがねえ」
「まあ、悪い輩は取り締まるがねえ」
そういって笑う。のんびりとしたものだ。
魔女達がアヤカシに対処してくれているからこそ、彼らはこうやって職務に励めるのであろう。
彼らの顔。
それを見て、ハンナは自分らがやっていることが間違いではなかったと、改めて思った。
「お役に立てて何よりです」
「いや、そんなにかしこまらなくても良いぜ。俺たちゃ助かっているんだ」
「そうそう、来年もよろしくな」
そう言われて苦笑いするハンナ。来年も来れるかどうかはわからないからだ。
「ええ、その時はお願いします」
「何言ってるんだ。俺たちがお願いするんだよ!」
曖昧な返しに力強い返事。ハンナは苦笑してしまう。
だが、この態度こそ人々が魔女に求めているものなのだろう。
「あら、じゃあお願いされるわね」
彼らの期待をノエルがさらりと受け流した。
彼女はいつも堂々としている。見倣いたいものだとハンナは思った。
まあ、我が強いせいでクレイと衝突しがちなのは止めて欲しいところだが。
「いいんですか、これ?」
「良いよ、持っていきな」
「あんたらはいくら持っていっても文句は出ねえぜ」
宴のためにと用意されていた食材の余り。
その幾つかをハンナたちは貰うこととなってしまった。
旅ゆえに多くは持って行けない。
だが、こういう気持ちは助かるものだ。
「ありがとうございます。有り難く頂戴します」
受け取れるだけ受け取ると、礼を言ってその場を後にした。
彼らの姿が見えなくなったところでノエルが一言。
「またこの街に来たくなったわね」
食材を見ながらそう笑った。
「現金な奴だな」
クレイがそう突っ込むと、ノエルは首を振った。
「違うわよ。また、あの顔見たいと思わない?」
ノエルもまたハンナと同じことを考えていたのである。
人とぶつかりがちだが、やはり彼女は魔女だった。
「ええそうね。そう思うわ」
だからハンナは心の底から、彼女の言葉に同意した。
・
・
・
街中を散策した三人は、今度は街の外にへと。
といっても、次の街へと向かう訳ではない。
散策が外へと変わっていただけだ。
来た時と変わらない田園風景。
その中を通って駅馬車がやってくる。
自分たちもあれに乗ってやってきたのだ。そう考えると、少し懐かしい。
囲いが無いせいで、街の中にいる時より風を感じる。
城塞の上で感じたほどではないが、清々しい風が通り過ぎていく。
「良い風ね」
「ええ、本当に」
強くはないが、ときおり吹く風は帽子をゆらがせようと悪戯してくる。
それは、戦いが終わっても油断はするなという魔女への戒めであろうか。
まだ実りとはいえないものの、育ってきた穂並みが風に煽られサアッと音を立てる。
帽子を取れなかった腹いせに、作物の頭へと狙いを変えたのだろうか。
良い天気に良い景色。
それしか言いようが無い。
「私たちがこんな中で戦っていたなんて、全然思わないわね」
自分たちはここでアヤカシと戦っていた。
あの時は田園風景など一つも見えはしない。
あるのはただ、戦場であった。
今はそんなことなど感じさせはしない。
まるで、風が洗い流してくれたかのように穏やかであった。
「おや?」
それに気づいたのはまずクレイであった。
人がいる。それも見知った顔であった。
確か、それは、そう、馬車で出会った顔である。
いったい、誰であったろうか。
「あら、あれは?」
ハンナも気づいたようであった。
「知り合い?」
声をかけるノエルであったが、二人は首を捻る。
知り合いというか、馬車で少し話をしただけである。
だから名前も知らないし、何者かもわからない。
この街の人間なのかさえもわからないのだ。
「へえ、そう。何やっているのかしらね」
ノエルも二人が見ている方向へと目を移す。
男が屈んでいるのがわかるが、何をしているかまでは分からない。
スタスタと、男のいる方へと歩いて行く。
「あ、ちょっと」
こういう時、物怖じしないノエルの態度は強みであろう。
ハンナが止めるより速く彼女は男の元へと辿り着いて声をかけていた。
「何をしているかだって?」
「ええ、そうよ。見たところ土いじりでも無さそうだし」
男がいるのは畑でも田で無い。何でもない野であった。
だからこそ、何をしているか分からなかったのである。
「そうさな、魔女さん。俺は探しものをしているのさ」
「失せ物? 何か落としたのかしら?」
「いや、そうじゃないさ」
男はシャベルで掘るのを止めると、露わになった地を指さした。
「見てみな」
そういうので三人がうかがって見ると、なにやら埋まっているのが発見された。
泥にまみれてよくは分からないが、金目のものでは無さそうだ。
「これは……」
「ええ、そうね」
クレイは気がつかなかったが、ノエルとハンナは気づいたようである。
互いに顔を見合わせ頷いている。
ノエルから表情が消え、真剣さを取り戻していた。
「骨ね。人骨」
「御名答。さすがは魔女さんだ」
水を飲み、ひと息ついた男は辺りを見回した。
「少し掘っただけでこれだ。どこもかしこも骨ばかりさ」
男が吐いたのは疲れのためか。それともやるせなさか。
男が掘り出していたのは作物でも鉱物でもない。
戦争で野ざらしになっていた骨を探していたのである。
「埋葬するため?」
「ああ、そうだ。骨だけになったのに敵も味方も関係あるか?」
そう言ってぐるっと辺りを見回した。
「俺はな、野ざらしになった遺骨をきちんと葬ってやりたいのさ」
疲れからか、ハンナたちが遅い起床を迎えても、それを咎める者など居はしない。
ハンナたちは功労者なのだ。
多少目覚めることが遅かったとしても、それが何だというのだろう。
片付けなど自分らに任せて欲しい。
そう街の人々は思っていたに違いない。
宴席の前とは別の活気をすり抜けながら、ハンナたちは街を歩いていた。
別段、街に残る理由も見当たらない。
準備を済ませてしまえば、出発するつもりであった。
街を出る前に目に焼きつけておこうと、三人は城塞の上部へと来ていた。
やはり風が強い。
押さえておかないと帽子が飛ばされそうだ。
「へえ、良い眺めじゃない」
ノエルが素直に感嘆の声をあげる。
ハンナとクレイも、それについては否定しない。
ここから見る眺めは素晴らしい。
こういうのを、突き抜けるような眺めと表わすのだろうか。
見下ろす草原と畑。そして空と雲。
地平線を分けて見える青と緑は、絶景としか言いようが無い。
「なんだかあそこで戦っていたのが夢みたいね」
そうハンナが言った。
穏やかな景色に争った形跡はまったくみられない。
ハンナの言う通り、何も無かったように思われる。
だが、自分たちは覚えている。
アヤカシがこの街へと押し寄せて来て、自分たちがそれに対抗したのは事実なのだ。
それは夢や幻なんかではない。
「夢なんかじゃないわよ。わたしの手柄を嘘なんかしてもらっちゃ困るわね」
「わたし、ではなく私たちだろ」
「細かいわね」
ノエルの言うことも最もだ。
それなりに骨は折ったのだから忘れてもらっては困る。
いや、魔女や従士が恩着せがましいのは良くないのかもしれないが。
少なくとも、街の人は感謝しているようである。
行き交う人々は、ハンナやノエルの三角帽子を見ると、みな一様に敬意を表わしてくれる。
それは他の魔女でも同じであった。
見世物のようで良くないとハンナは言っていたが、尊敬の念は本物だったようである。
「良い景色だろ?」
しばしそこで眺めていたら、片付けをしていた衛兵が近づいてきた。
彼らも視線は遠くを眺めている。
「あんたら守ってくれたんだぜ、この眺め」
「おおよ。おかげで俺らは暇でしょうがねえ」
「まあ、悪い輩は取り締まるがねえ」
そういって笑う。のんびりとしたものだ。
魔女達がアヤカシに対処してくれているからこそ、彼らはこうやって職務に励めるのであろう。
彼らの顔。
それを見て、ハンナは自分らがやっていることが間違いではなかったと、改めて思った。
「お役に立てて何よりです」
「いや、そんなにかしこまらなくても良いぜ。俺たちゃ助かっているんだ」
「そうそう、来年もよろしくな」
そう言われて苦笑いするハンナ。来年も来れるかどうかはわからないからだ。
「ええ、その時はお願いします」
「何言ってるんだ。俺たちがお願いするんだよ!」
曖昧な返しに力強い返事。ハンナは苦笑してしまう。
だが、この態度こそ人々が魔女に求めているものなのだろう。
「あら、じゃあお願いされるわね」
彼らの期待をノエルがさらりと受け流した。
彼女はいつも堂々としている。見倣いたいものだとハンナは思った。
まあ、我が強いせいでクレイと衝突しがちなのは止めて欲しいところだが。
「いいんですか、これ?」
「良いよ、持っていきな」
「あんたらはいくら持っていっても文句は出ねえぜ」
宴のためにと用意されていた食材の余り。
その幾つかをハンナたちは貰うこととなってしまった。
旅ゆえに多くは持って行けない。
だが、こういう気持ちは助かるものだ。
「ありがとうございます。有り難く頂戴します」
受け取れるだけ受け取ると、礼を言ってその場を後にした。
彼らの姿が見えなくなったところでノエルが一言。
「またこの街に来たくなったわね」
食材を見ながらそう笑った。
「現金な奴だな」
クレイがそう突っ込むと、ノエルは首を振った。
「違うわよ。また、あの顔見たいと思わない?」
ノエルもまたハンナと同じことを考えていたのである。
人とぶつかりがちだが、やはり彼女は魔女だった。
「ええそうね。そう思うわ」
だからハンナは心の底から、彼女の言葉に同意した。
・
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街中を散策した三人は、今度は街の外にへと。
といっても、次の街へと向かう訳ではない。
散策が外へと変わっていただけだ。
来た時と変わらない田園風景。
その中を通って駅馬車がやってくる。
自分たちもあれに乗ってやってきたのだ。そう考えると、少し懐かしい。
囲いが無いせいで、街の中にいる時より風を感じる。
城塞の上で感じたほどではないが、清々しい風が通り過ぎていく。
「良い風ね」
「ええ、本当に」
強くはないが、ときおり吹く風は帽子をゆらがせようと悪戯してくる。
それは、戦いが終わっても油断はするなという魔女への戒めであろうか。
まだ実りとはいえないものの、育ってきた穂並みが風に煽られサアッと音を立てる。
帽子を取れなかった腹いせに、作物の頭へと狙いを変えたのだろうか。
良い天気に良い景色。
それしか言いようが無い。
「私たちがこんな中で戦っていたなんて、全然思わないわね」
自分たちはここでアヤカシと戦っていた。
あの時は田園風景など一つも見えはしない。
あるのはただ、戦場であった。
今はそんなことなど感じさせはしない。
まるで、風が洗い流してくれたかのように穏やかであった。
「おや?」
それに気づいたのはまずクレイであった。
人がいる。それも見知った顔であった。
確か、それは、そう、馬車で出会った顔である。
いったい、誰であったろうか。
「あら、あれは?」
ハンナも気づいたようであった。
「知り合い?」
声をかけるノエルであったが、二人は首を捻る。
知り合いというか、馬車で少し話をしただけである。
だから名前も知らないし、何者かもわからない。
この街の人間なのかさえもわからないのだ。
「へえ、そう。何やっているのかしらね」
ノエルも二人が見ている方向へと目を移す。
男が屈んでいるのがわかるが、何をしているかまでは分からない。
スタスタと、男のいる方へと歩いて行く。
「あ、ちょっと」
こういう時、物怖じしないノエルの態度は強みであろう。
ハンナが止めるより速く彼女は男の元へと辿り着いて声をかけていた。
「何をしているかだって?」
「ええ、そうよ。見たところ土いじりでも無さそうだし」
男がいるのは畑でも田で無い。何でもない野であった。
だからこそ、何をしているか分からなかったのである。
「そうさな、魔女さん。俺は探しものをしているのさ」
「失せ物? 何か落としたのかしら?」
「いや、そうじゃないさ」
男はシャベルで掘るのを止めると、露わになった地を指さした。
「見てみな」
そういうので三人がうかがって見ると、なにやら埋まっているのが発見された。
泥にまみれてよくは分からないが、金目のものでは無さそうだ。
「これは……」
「ええ、そうね」
クレイは気がつかなかったが、ノエルとハンナは気づいたようである。
互いに顔を見合わせ頷いている。
ノエルから表情が消え、真剣さを取り戻していた。
「骨ね。人骨」
「御名答。さすがは魔女さんだ」
水を飲み、ひと息ついた男は辺りを見回した。
「少し掘っただけでこれだ。どこもかしこも骨ばかりさ」
男が吐いたのは疲れのためか。それともやるせなさか。
男が掘り出していたのは作物でも鉱物でもない。
戦争で野ざらしになっていた骨を探していたのである。
「埋葬するため?」
「ああ、そうだ。骨だけになったのに敵も味方も関係あるか?」
そう言ってぐるっと辺りを見回した。
「俺はな、野ざらしになった遺骨をきちんと葬ってやりたいのさ」
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