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夢じゃない2
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「死の世界から来たって言ったからわかると思うけどさ、私一回死んでるんだ。今着ている服も死んだときに着ていた服なんだ」
羽や杖に気を取られて気にしていなかったけどよく見てみると黒いパーカーに薄紫のミニスカート、膝上くらいまでの黒い靴下を履いていた。
そのときふと死んだ理由を知りたいと思った。
そんなこと聞いていいのか迷ったけど、これから一ヶ月一緒にいるんだ。
それくらい聞いてもいいだろう。
そう思った。
「紅葉はなんで死んだの?」
聞いた瞬間、紅葉の顔からは笑顔が消え、少し悲しそうな顔になった。
聞いてはいけないことを聞いてしまったかもしれない。
そう思い少し焦ったが紅葉はすぐに話してくれた。
「私が中2のときに友達が私を階段から突き落としたの。で、気づいたら見たことのない知らない世界にいたんだ。そこで神様に無理やり死神にさせられて今ここにいるの。冬芽は私の中の六百十七人目。今まで担当してきた六百十六人は全員あの世行きだったけどね」
今のところ全員があの世行きか……。
それなら僕もあの世行きかもな。
高一のとき、友達なんかつくらずにずっと本を読んでいたからな。
僕はそう思った。
きっと僕がいなくなってもこの世界は変わることなどないだろう。
羽や杖に気を取られて気にしていなかったけどよく見てみると黒いパーカーに薄紫のミニスカート、膝上くらいまでの黒い靴下を履いていた。
そのときふと死んだ理由を知りたいと思った。
そんなこと聞いていいのか迷ったけど、これから一ヶ月一緒にいるんだ。
それくらい聞いてもいいだろう。
そう思った。
「紅葉はなんで死んだの?」
聞いた瞬間、紅葉の顔からは笑顔が消え、少し悲しそうな顔になった。
聞いてはいけないことを聞いてしまったかもしれない。
そう思い少し焦ったが紅葉はすぐに話してくれた。
「私が中2のときに友達が私を階段から突き落としたの。で、気づいたら見たことのない知らない世界にいたんだ。そこで神様に無理やり死神にさせられて今ここにいるの。冬芽は私の中の六百十七人目。今まで担当してきた六百十六人は全員あの世行きだったけどね」
今のところ全員があの世行きか……。
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